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2024年05月14日
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【ボクっ娘だらけの水泳大会】

2010年05月17日
 ボクっ娘を騙して学校のプールに連れてきた。
「と、いうわけでボクっ娘だらけの水泳大会を開催します」
「……ボク一人しかいないよ?」
「観客の視線を独り占めできていいじゃん」
「……観客、タカシしかいないよ?」
「ええいボクっ娘のくせに揚げ足とるな! ボクっ娘はボクっ娘らしく『おしっこもらした~、どうしよう~』とか言って泣いてればいいんだよ!」
「ボクっ娘じゃなくて梓ぁ! 何回言ったら覚えるんだよぉ! それにおしっこもらした~、なんて言わないよぉ!」
「いいから泳げ! あとでカキ氷おごってやるから!」
「え、ホント! それならいいよ! ボクねボクね、あずきがいい! あずきっておいしいよね、あのちょっと甘いところがふきゃっ!?」
 言質はとったので、梓をプールに突き落とす。
「……ぷはっ! いきなり何するんだよぉ!」
「突き落とした」
「そういうことを言ってるんじゃない! ……うう、制服びしょびしょだよぉ」
「早く着替えないから、そうなるんだ」
「タカシが突き落とさなかったらこうならないよ!」
「それは盲点だった。まぁいいや、過ぎたことは水に流そう」
「……う~、ていっ!」
「うわっ!」
 梓は不満げにうなり、俺の足を引っ張ってプールに引きずり込んだ。
「てめぇ、梓!」
「あはははは! ボクだけ水浸しになるのは不公平だからね!」
 けらけらと笑いながら、梓は泳いで俺から逃げ出した。
「……こうなった以上ボクっ娘ビデオは撮れん。せめて貴様をいじめないと気がすまん!」
 ポケットに入ってるデジカメには、防水機能はない。……高かったのになぁ。
「あー、やっぱりそういうつもりだったんだ! 怪しいと思ったんだぁ! あはは、ボクって賢い!」
「待て、待ちやがれ梓ぁ!」
 梓は楽しそうに笑いながら逃げるのだった。

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【タカシに催眠術をかけるボクっ娘】

2010年05月16日
 ボクっ娘が催眠術を覚えたと言い出したので、でこぴんしてやった。
「なにすんだよぉ! ホントに覚えたんだよぉ!」
 半泣きでおでこを抑えるボクっ娘に、俺は馬鹿にして言った。
「ボクっ娘のことだ、催眠術と間違えて脳破壊光線でも覚えたんだろ」
「ボクっ娘じゃなくて梓ぁ! いい加減に覚えてよぉ! それに、脳破壊光線なんて覚えてないよぉ! ホントに催眠じゅちゅ覚えたんだからぁ!」
 なるほど、催眠じゅちゅなら梓にも使えるだろう。
「いいから、やるよ! この5円玉見ててね」
 梓は5円玉を取り出し、糸で縛って俺の前で揺らし始めた。
「また古いなぁ……」
「いーから見てて! あなたはだんだん眠くなる、眠くなるぅ~」
 ……全然眠たくならない。ま、いいか。寝たフリしてやろう。ぐぅ。
「……あ、寝た? 寝ちゃった? ふふーん、ボクってすごい!」
 寝てねぇ。フリだ馬鹿。
「……じゃ、じゃあ、あなたはだんだん目が覚める~、そして目が覚めたらボクの言うことをきく~」
 ……そういうことか。まぁいいや、乗ってやろう。
 俺は目を開き、努めて目をうつろにして催眠術にかかったフリをした。
「……か、かかってるよね? 大丈夫だよね? ……こほん。え、えっと、……ボクを、ぎゅってして」
 ……こいつは、また。しゃーねえ、してやるか。
 俺は梓の小さな体を抱きしめた。
「わ……わ、ホントにした。……えっとね、じゃね、次はね、ボクの頭を……なでなでして」
 ……ぼちぼち魂胆が読めてきた。とりあえず、なでてやろう。
 頭をなでると、梓は目をぎゅっとつむり、袖からわずかに出た手を握り締めた。
「あぅ、くぅん……。つ、次はえっと……ぼ、ボクをお嫁さんに……」
「するか馬鹿」
「ひゃああああ! お、起きてたの?」
「起きてた。しかも催眠術になんかかかってない」
「う……ひ、ひどいよ! ボク、てっきり催眠じゅちゅにかかってたとばっかり……あうう、恥ずかしくて死にそうだよぉ!」
 真っ赤な顔を手で覆い隠す梓に、俺は笑って言った。
「仕方ないよ。梓は抱っこしてだの、なでなでしてだの言うエロ娘なんだから」
「ボクはエロくないよぉ! エロいのはタカシだよぉ! いっつもボクのおっぱい触るくせに!」
「それは触って大きくしてやろうという親切心だ。なに、気にするな」
「巨大なお世話だよぉ! だいたい、なんでかかったフリなんてしたんだよ?」
「ドッキリあんど嫌がらせ。成功した?」
「大成功だよぉ! タカシのいじめっこ! うわ~ん!」
 盛大に泣き出した梓の頭をなでながら、俺はできるだけぶっきらぼうに言った。
「……ま、嫁にするのはもうちょっとしっかりしてからだな。お互いに」
「……え? いま、なんて?」
「なんでもない。空耳だろ」
 くそ、赤くなるな俺の顔。
「……そっか、空耳かぁ。……えへ♪」
 泣きやんだ梓は、幸せそうになでられていた。

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【好き嫌いの激しいボクっ娘】

2010年05月15日
 ボクっ娘を脅してラーメンを食べに行った。店の親父にラーメンを二つ頼み待つことしばし、やってきたラーメンに舌鼓を打つ。
「ずるずるずる……ボクっ娘のおごりラーメンはうまいなぁ」
「ボクっ娘じゃなくて梓……ええっ! そんなのボク聞いてないよ! どうしよう、お金足りるかなぁ……」
 財布を取り出して計算しだした梓のほっぺを引っ張る。
「冗談だ。いちいち真に受けるな」
「ほっへひっはははひへほ~!」
「あんちゃん、彼女をいじめるのは関心しないねぇ」
 店の親父がそう言うと、梓は顔を真っ赤にして否定した。
「かっ、かかか彼女なんかじゃないです!」
「そうだ、こいつはただの肉奴隷だ」
「違うよぉ! ボクはただの友達だよぉ!」
「最近の学生さんはハイカラだねぇ……」
 親父さんは何か納得したようにうんうんと頷きながら厨房に戻っていった。
「……誤解されちゃったじゃないか! どうしてくれるんだよぉ! もうこの店に来れないよぉ!」
「いいじゃん。友達も肉奴隷も似たようなもんだろ」
「全然違うよぉ! 何考えてんだよぉ!」
「ラーメンうまいなぁと考えてる」
「そうじゃなくて、いやそうだけど……もういいよ。はぁ……タカシといると疲れるよ」
「飽きなくていいだろ。あ、そのチャーシューくれ。代わりにメンマやる」
 梓が何か言う前に彼女のラーメンから焼き豚を奪い、代わりにメンマを渡す。
「あああああ! なにすんだよぉ! ボクのチャーシュー!」
「むぐむぐむぐ……いいじゃん、代わりにメンマやったろ」
「メンマは嫌いなんだよぉ! ボクのチャーシュー返せ!」
「なんだ、メンマ嫌いなのか? 仕方ないなぁ」
 俺は梓のラーメンに残ったメンマを全部入れた。
「あああああ! なにすんだよぉ! ボクの話聞いてたの!?」
「将来はお姫様になりたいとか言ってた気がする」
「全然聞いてない!?」
「うるさいなぁ、食事は静かにするもんだぞ」
「誰のせいでうるさくしてると思ってるんだよぉ!」
「えーと、……この人?」
 梓の剣幕に怯えてる隣席の人が善さそうなおっさんを指差す。
「なんでそうなるんだよぉ!」
「自分のせいにするのが嫌なんじゃないか?」
「なに他人事みたいに言ってるんだよぉ! いーから、チャーシュー返して! そしたら許してあげるから」
「そうしたいのは山々だが、もう食っちゃったからなぁ」
 そう言ってるまさに今、チャーシューを掴み口に放り込む。
「むぐむぐ……な?」
「なにやってんだよぉ! それ食べなかったらボクが食べれたんじゃないの!?」
「つまり、吐けと言うのだな。どうしてもと言うならやるが……」
 ノドに指を突っ込もうとしたら、慌てて止められた。
「そんなことされても食べれないよぉ。……もういいよ」
 元気をなくしてしまった梓に、俺は笑って言った。
「ま、そう気を落とすな。考え方を変えれば、苦手なメンマを克服するチャンスだぞ」
「いいよ、そんなの。残すから」
「ふむ……それもつまらんな。よし、メンマを食えたら一つだけ言うこと聞いてやる」
「……え? ホントに?」
「ああ。ただ、『徹底的に死ね』とか『今すぐ1億よこせ』とかは勘弁な。俺にできる範囲で頼む」
「そんなことは頼まないけど……ホントにいいの?」
「ああ。俺に二言はそれほどない」
「それほどって言葉が気になるけど……でも分かった、ボク頑張るよ!」
 梓は気合を入れてメンマを掴み、震える箸をどうにかコントロールして自分の口に入れた。
「むぐむぐ……あぅ、まずいよぅ……」
「頑張れ、梓! ファイトだ、ラーメンうまいな、ずるずる」
「むぐむぐ……元気づけるなら最後までやってよぉ……ごくん」
 なんとか梓はメンマを食うことが出きたようだ。
「おお、やったな」
「うん、ボクやったよ! ……それで、お願いだけど」
「お、おう」
「……えっと、えーっと、店を出てからお願いするね」
 そう言って、梓は猛然とラーメンを食いだした。その脇から、メンマを取り出し食う。
「あ……」
「ちょっと腹が物足りないから取っただけだからな。他意はない」
 自分でもバレバレだなと思う言い訳をしてメンマを頬張る。……ま、梓も頑張ったしこれくらいいいだろう。
「……えへへ、うん♪」
 店員に金を払って店を出、しばらく歩いてから梓に訊ねる。
「で、お願いってのは?」
「……えっと、えーっと、ね、……メンマ食べれたから、『よくやった』って言って頭なでてほしい……」
 梓は顔を真っ赤にしてそう言った。
「……はぁ。んなもんお願い使わなくてもやってやるのに……欲がないっつーかなんつーか」
 俺はため息をついて梓の頭をなでた。
「……よくやったな、梓。えらいぞ」
「え、えへへへ」
「すごいぞ、がんばったな、……好きだぞ(ボソッ)」
「えへへ……え!? い、今なんて!?」
「なんでもない」
「もう一回言って! もう一回!」
「饅頭みたいなぷくぷくした顔だな」
「そんなこと言ってないよ! ほら、もう一回言ってよ!」
「……あーもう知るか! ほれ、とっとと帰るぞ!」
「あー、待ってよタカシ! ねー、お願いだからもう一回言ってよー♪」
 絶対聞き取ってたな、と思いながら俺は幸せそうに腕に絡みつく梓を振り払えずにいた。

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【ボクっ娘が魔女っ娘だったら】

2010年05月15日
 放課後、教室で暇にかまけてボクっ娘をいじめていたら、とうとう堪忍袋の緒が切れたらしい。
「いつもいつもボクをいじめて! もう許さないんだから!」
 鞄をあさり、中からぶさいくな鳥を模した杖を取り出し、変な言葉を唱えた。
「イザティ・アバ・メヒナム・エト・カフェ・ナン!」
 杖の先が小さく光り、そして……
「あ、あれ?」
 そのまま消えた。
「なんだそりゃ? 新しいおもちゃか? そういうのは子供が使うもんだと思うが……まぁ、梓の精神年齢には合ってるからいいか」
「おもちゃじゃないよぉ! おかしいなぁ、タカシが緑色の液体になって消えるはずなのに……」
 なにやら不穏当なことを言ってる梓から杖を奪う。
「わぁ! なにするんだよぉ!」
「ただの棒切れみたいだが……どこに電池入れるんだ?」
 俺から奪い返そうとする梓の頭を片手で押さえながら、杖を調べる。
「うーうー! 返せよぉ!」
「豆球も仕込まれてないようだし……分からんな。まぁいいや、ほれ」
 梓に杖を返すと、もう取られるもんかとばかりにしっかと抱きかかえた。
「うう~、もう一回! ……ええと、イザティ・アバ・メヒナム・エ」
「ところで腹減ったな。どっか飯食いに行こうぜ」
「あああああ! 途中で声かけないでよ! 呪文が途切れちゃったじゃないか!」
「どこ行く? この間おまえが肉奴隷と衝撃告白したラーメン屋行くか?」
「行かない! ていうかあそこはもう行けない! じゃなくて、ボクの魔法をちゃんと見てよ!」
「存在しないものを見てよと言われてもなぁ」
「違う! 魔法は存在するんだよ!」
 一切の照れなく、梓は言い切った。その真剣な目に、少しだけ真面目に話を聞いてみようと思った。
「……ふむ。じゃ、その魔法ってのを見せてくれ」
「……え、う、うん! ……ええと、イザティ・アバ・メヒナム・エト・カフェ・ナン!」
 呪文と共に、またしても杖の先が小さく光る。そして、空気が変わった。
 梓を中心として風が舞い起こる。自然、梓の短いスカートが舞い上がった。
「……え」
「ほぉ、これが魔法か。素晴らしいな」
 携帯のカメラでパンツを激写しながらそう言うと、梓は金切り声をあげた。
「うわあああ! なんで!? なんで風が起こるんだよぉ! こら、写真撮るなぁ!」
 梓は必死にスカートを押さえているが風は強く、前を押さえれば後ろが、後ろを押さえれば前がまくれ上がる。その様子を写真に撮りまくる。
「うう~! ……えい!」
「ぐが!」
 激しい痛みを感じ顔を上げると、梓が俺の頭に杖を振り下ろしていた。
「え……えへへ、どう? これが魔法だよ」
「物理攻撃だ!」
 梓のほっぺをひっぱる。ぐにー。
「いひゃひいひゃひいひゃひほ!」
 しばらく引っ張って梓のほっぺの柔らかさに満足したので、手を離してやる。
「うー……」
「でも、魔法ってのが存在するのは分かった。うん、すごい」
「え、えへへ、そう?」
「ああ。特にスカートがまくれ上がって梓のパンツが丸見えになるところなんて最高。感心した」
「そんなところに感心しないでよぉ! ……あぅ」
 顔を真っ赤にして抗議する梓の頭を軽くなでる。それだけで大人しくなってしまうから、簡単というか馬鹿みたいというか愛らしいというか。
「でも、失敗したみたい。本当はタカシの頭にヒマワリが咲くはずだった……痛い痛い痛い!」
 頭に当てていた手をこめかみに移動させ、ぐりぐりする。
「なに勝手に人を変人にしようとしてんだよ!」
「だって、タカシっていっつも仏頂面なんだもん。ヒマワリが咲いてたら笑っちゃうよね?」
「俺が笑うんじゃなくて周りに笑われてどうすんだよ! ……はぁ、もういいや。帰るぞ、梓」
 とてとてと子犬のように寄ってくる梓を見ながら、思う。
 今夜は梓のパンツでフィーバー。

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【ボクっ娘が不眠症になっちゃった】

2010年05月14日
 ボクっ娘が眠れないらしい。心優しい俺は、話し相手になってやろうと思い、深夜、ボクっ娘宅に窓から侵入した。そして布団の中にいるであろう娘さんに声をかける。
「恨めしい!」
「うわあああああ! おばけーーーーーーーーーーーッ!!!」
 優しく声をかけると、梓は布団を跳ね飛ばして起き上がった。
「オバケチガウ。美男子だ」
 部屋の明かりをつけ、美男子っぷりを見せ付ける。
「あ……た、タカシじゃないか! 脅かさないでよぉ! あと、美男子じゃないよ」
 梓には俺の美男子っぷりが分からないようだ。
「こんな夜中に何の用? ボク、寝たいんだけど」
「梓が不眠症と聞き、治療しに来た」
「……なんでこんな夜中に? それに治療って、そんなのできるの?」
「任せろ。ちゃんと道具も持ってきた」
 鞄から治療道具を取り出す。
「……ね、瞬間接着剤なんて使うの?」
「まぶたにつければ二度と目が覚めないぞ。ほれ、こっち向け」
「嫌だよ! こら、近寄るなぁ!」
「何が嫌なんだか……じゃあこれだ」
「……かなづち?」
「これで殴れば眠れるぞ」
「永眠しちゃうよ!」
「些細な問題だ」
「巨大な問題だよぉ!」
「じゃあ無理。諦めろ」
「早いよぉ! もっと頑張ってよぉ!」
「だいたい素人が不眠症を治療できるわけないじゃねえかばーかばーかばーか」
「ば、ばかって、そんなのタカシのほうが馬鹿だよ、大馬鹿だよ、超ド級馬鹿だよ!」
「ええい、馬鹿馬鹿言うな! 馬鹿と言うほうが馬鹿……はっ、ということは俺が馬鹿なのか!?」
「うん」
 激しいショックを受ける。もう立ち直れない。
「もういいや、俺は馬鹿だから高校やめて中東で石油でも見つけて金持ちにでもなるよ……」
「極端だよぉ! 意味分かんないし! だから学校辞めるなんて言わないでよぉ!」
 窓から出ようとしたら、梓がすがりついて止めてきた。
「ボクっ娘が話し相手になってくれたら学校行く」
「う、うん! いくらでも話相手になるよ! ……だから、冗談でも辞めるなんて言わないでね?」
「俺はいつだって本気だ」
「なお悪いよぉ! そ、その話題はもう終わり! なに話そっか?」
「ふむ……そうだな、ちなみの着ぐるみ症候群についてでも話すか」
 夜が明けるまで、俺は梓とベッドの上でくだらないことを話していた。
「……超眠ぃ」
「ボクも……」
 二人でふらふらになりながら登校する。教室に着くと、かなみが声をかけてきた。
「おはよー、タカシ、梓。……なんか、二人とも眠そうね」
「梓が眠らしてくれねぇんだ」
 かなみが凍った。
「……かなみ?」
「……アンタ、梓が大人しいからって、無理やりしちゃったの?」
 何かとんでもない勘違いをしている。誤解を晴らさなくては。
「あー、いや、その、気持ちよかったです」
 いかん、眠くて頭が回らん。やばいこと言ってる気がする。
「……言い残すことは? ないわね? ……覚悟なさい!」
 かなみに殴り飛ばされた俺は、窓から外に飛び出て校庭の木に引っかかった。ちょうどいいからこのまま寝ちまえ。ぐぅ。

「あ……あの、かなみちゃん、誤解だよ? タカシとはただお喋りしてただけで」
「あ……そ、そうなの? まぁいっかあ、タカシだし。あはははは」
 かなみは笑って誤魔化し、そそくさと自分の席へ戻った。
「……ありがとね、タカシ」
 梓は眠れない自分のために話し相手になってくれたタカシに、そっと感謝の言葉を紡いだ。

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