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2017年12月11日
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【ボクっ娘が不眠症になっちゃった】

2010年05月14日
 ボクっ娘が眠れないらしい。心優しい俺は、話し相手になってやろうと思い、深夜、ボクっ娘宅に窓から侵入した。そして布団の中にいるであろう娘さんに声をかける。
「恨めしい!」
「うわあああああ! おばけーーーーーーーーーーーッ!!!」
 優しく声をかけると、梓は布団を跳ね飛ばして起き上がった。
「オバケチガウ。美男子だ」
 部屋の明かりをつけ、美男子っぷりを見せ付ける。
「あ……た、タカシじゃないか! 脅かさないでよぉ! あと、美男子じゃないよ」
 梓には俺の美男子っぷりが分からないようだ。
「こんな夜中に何の用? ボク、寝たいんだけど」
「梓が不眠症と聞き、治療しに来た」
「……なんでこんな夜中に? それに治療って、そんなのできるの?」
「任せろ。ちゃんと道具も持ってきた」
 鞄から治療道具を取り出す。
「……ね、瞬間接着剤なんて使うの?」
「まぶたにつければ二度と目が覚めないぞ。ほれ、こっち向け」
「嫌だよ! こら、近寄るなぁ!」
「何が嫌なんだか……じゃあこれだ」
「……かなづち?」
「これで殴れば眠れるぞ」
「永眠しちゃうよ!」
「些細な問題だ」
「巨大な問題だよぉ!」
「じゃあ無理。諦めろ」
「早いよぉ! もっと頑張ってよぉ!」
「だいたい素人が不眠症を治療できるわけないじゃねえかばーかばーかばーか」
「ば、ばかって、そんなのタカシのほうが馬鹿だよ、大馬鹿だよ、超ド級馬鹿だよ!」
「ええい、馬鹿馬鹿言うな! 馬鹿と言うほうが馬鹿……はっ、ということは俺が馬鹿なのか!?」
「うん」
 激しいショックを受ける。もう立ち直れない。
「もういいや、俺は馬鹿だから高校やめて中東で石油でも見つけて金持ちにでもなるよ……」
「極端だよぉ! 意味分かんないし! だから学校辞めるなんて言わないでよぉ!」
 窓から出ようとしたら、梓がすがりついて止めてきた。
「ボクっ娘が話し相手になってくれたら学校行く」
「う、うん! いくらでも話相手になるよ! ……だから、冗談でも辞めるなんて言わないでね?」
「俺はいつだって本気だ」
「なお悪いよぉ! そ、その話題はもう終わり! なに話そっか?」
「ふむ……そうだな、ちなみの着ぐるみ症候群についてでも話すか」
 夜が明けるまで、俺は梓とベッドの上でくだらないことを話していた。
「……超眠ぃ」
「ボクも……」
 二人でふらふらになりながら登校する。教室に着くと、かなみが声をかけてきた。
「おはよー、タカシ、梓。……なんか、二人とも眠そうね」
「梓が眠らしてくれねぇんだ」
 かなみが凍った。
「……かなみ?」
「……アンタ、梓が大人しいからって、無理やりしちゃったの?」
 何かとんでもない勘違いをしている。誤解を晴らさなくては。
「あー、いや、その、気持ちよかったです」
 いかん、眠くて頭が回らん。やばいこと言ってる気がする。
「……言い残すことは? ないわね? ……覚悟なさい!」
 かなみに殴り飛ばされた俺は、窓から外に飛び出て校庭の木に引っかかった。ちょうどいいからこのまま寝ちまえ。ぐぅ。

「あ……あの、かなみちゃん、誤解だよ? タカシとはただお喋りしてただけで」
「あ……そ、そうなの? まぁいっかあ、タカシだし。あはははは」
 かなみは笑って誤魔化し、そそくさと自分の席へ戻った。
「……ありがとね、タカシ」
 梓は眠れない自分のために話し相手になってくれたタカシに、そっと感謝の言葉を紡いだ。

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