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2017年09月21日
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【雪ねえ 日常風景】

2013年11月29日
 近頃の冬めき具合と来たら、朝起こしに来た雪ねえがそのまま俺の布団の中に潜り込んでくる程度には寒いらしい。
「だから、彰人が起きた時にお姉ちゃんが布団の中にいても、全然変なことじゃないんだぞ?」
「いいえ」
「彰人が騙されない……」
 今日も朝から雪ねえが人の布団に潜り込んでくるので、それはダメだと説教をしています。
「むぅ。しかしだな、彰人。毎日お前はお姉ちゃんに起こされているのだし、お姉ちゃんに少しくらいサービスしてくれてもいいと思うのだが!」
「もうちょっと別の何かでお願いします」
「むぅ。仕方ない、お風呂で身体の流しっこをすることで、今日のところは我慢してやろう。あーあ、残念残念」チラッチラッ
「ダメだ」
「ええっ!?」
「この姉は学年首位常連のくせに頭が悪いなあ」
「真顔!? ううっ……ひどいぞ彰人!」
「へーへー」
 適当に姉をあしらいつつ、パジャマを着替える。
「…………」ジーッ
 だが、ものすごい顔でこちらを凝視している姉が非常に気がかりなので、ご退室願う。
「あ、大丈夫だ。お姉ちゃんはお姉ちゃんだから、気にしなくていい。それとも手伝うか? 手伝ってもいいか? 脱がしっこするか?」
「NONONO」
「オラオラですかー……」
 肩を落として雪ねえが部屋を出て行った。手早く着替えてリビングへ向かう。
「むー」
 すると、ちょっとご立腹な感じの雪ねえがチョコンと椅子に腰掛けていた。その前のテーブルには、朝の用意がしてある。俺が着替えている間に温め直してくれたのだろう。
「毎日ありがとうな、雪ねえ」ナデナデ
「あっ、こ、こら、お姉ちゃんをなでるとはなにごとかー」ニコニコニコ
 超満面の笑みで不満を口にする雪ねえは今日も可愛い。
「分かった、二度となでない」
「その場合、今日からご飯を作ってあげない」
「すいませんでした」
 胃の管理を任せている以上、勝てるわけもない。最初から勝負は決まっていた。壊れたオモチャのようにペコペコ謝り、雪ねえの隣の席に座り飯を食う。
「どうだ? おいしいか?」
「おいしい」モグモグ
「ふふ、そうか。お代わりもあるから沢山食べるんだぞ? あ、こぼれてるぞ。まったく、仕方がないなあ」フキフキ
 幸せそうに微笑みながら、ハンカチで俺の口元を拭う雪ねえ。完全に幼児扱いだ。
「あの、雪ねえ。言ってくれれば自分で拭うから」
「お姉ちゃんの仕事を取るな」
「俺の口を拭うことは、雪ねえの仕事に含まれません」
「横暴だ! そんなこと言う彰人なんて、直接舐めて汚れを取ってやる!」
「雪ねえが妖怪化した」
「してない!」
 いつものように楽しく食事を終え、家を出る。
「お弁当はいつものように鞄に入れておいたからな?」
 てろてろと学校へ向かっていると、隣から雪ねえが声をかけてきた。
「ん、サンキュ。雪ねえの弁当は毎日楽しみだよ」
「お、お姉ちゃんをおだててどうするつもりだ! この、このー!」
 普通に感謝しただけなのに、ものすごくニコニコしながら抱っこされたうえ、全力で頭をなでられた。
「幼児扱いからペット扱いに位が下がった気がする」
「ふふーうふふー彰人は人に感謝ができるいい子だなー」ナデナデ
「普通です」
「ふふ……ふう。なあ彰人。これは提案なんだが、今日はもう学校サボってお姉ちゃんと一緒に一日中イチャイチャしないか?」キリッ
 このように、時折ではあるが雪ねえは頭がおかしくなるので、俺がチョップして直してあげないといけない。というわけで、てい。
「あうっ。うー、ひどいぞ彰人ぉ!」
「いや、雪ねえの頭の中身に比べたら、俺なんて全然」テレテレ
「本当にひどいぞ彰人……」
 恨めしげな目で睨まれているので、頭をなでてご機嫌を回復させる。
「ふん。こんなものでお姉ちゃんの機嫌が直るとでも思ったか。今日は一緒にお弁当食べないと許さないからな!」
「え」
 雪ねえと一緒に昼飯。それはつまり雪ねえの教室(当然周りは上級生ばかり)で、雪ねえ謹製のお弁当を雪ねえに食べさせられる……。
「いかん、震えてきた」
「風邪!? いかん、このままだと彰人が死ぬ!」
「死にません」
「いいや、死ぬ!」
 姉が酷いことを断言した。
「そう言われると、死ぬかも」
 流されやすいことで評判のある俺なので、急に死ぬ気が増してきた。このままでは死ぬ。
「ほら! やっぱり今日は学校を休んでお姉ちゃんとイチャイチャイチャイチャしよう! 決定だ! やったあ!」
「看病は?」
「さて、何からしようかなあ……とりあえず一緒に布団で寝るだろ、抱っこだろ、ちゅーだろ、それからそれから……」
 雪ねえが夢の世界へ旅立った姿を見ている内に、俺の死ぬ気が失せてきた。
「じゃあそろそろ学校へ行きましょうか」
「え、あれ? え、休んでイチャイチャするんじゃないの……?」
「学校をサボるなんていけないことだぞ?」
「う、そ、そうだけど、わかってるけど……お姉ちゃん、たまには弟とイチャイチャしたいんだもん!」
「だもんじゃねえ」
「うう……なんて冷たい弟だ。お姉ちゃんは悲しいぞ」
「冬だから冷たいのは仕方がないよ」ピトッ
「わひゃっ!? そういうことじゃ……本当に冷たいじゃないか」
 雪ねえの頬に手を当てたら、その手を掴まれ、ジローっと睨まれた。
「え、あ、はぁ。冬ですから」
「暖かくしないと風邪をひくといつもいつも口を酸っぱくして言っているだろっ! まったく、これだから彰人は……」
 ブツクサ言いながら、雪ねえは俺の手を両手で包み込み、優しくスリスリとこすった。
「どうだ? 少しはマシか?」
「あ、うん。そだね」
「……むぅ。だが、手はあまり暖かくなってないぞ。そもそも私自身の手も暖かくないし……そうだ!」
 次の瞬間、雪ねえは普通に俺の手を自分の豊満な胸に押し当てた。
「…………。え?」
「ほら、こうしたら温かいだろう。後で反対の手もしてやるからな?」
 そう言いながらも、俺の手を自分の胸に埋めることは忘れない。気がつけば俺の手は雪ねえの谷間に挟まれている!
「…………。ああ。夢か。そりゃそうだ。流石にないよな」
「何を言っているのだ?」
「夢ならえっちなことをしてやれ」ムニムニ
「あっ! こ、こら、手を動かすな! うう……お姉ちゃんのおっぱいで遊ぶな、ばかもの」
「…………」
 どうにも手触りが生々しい。どうしても夢とは思えない。手に伝わる温かみも、柔らかさも、指が胸に埋まる感覚も、その全てが現実と告げている。
「ははぁ。つまり俺のしていることは、ただのどえらいセクハラだな?」
「つ、次は反対の手だが……もうお姉ちゃんのおっぱいを揉んだらダメだぞ? そーゆーのは家でしないとダメだからな?」
 雪ねえは顔を赤くしながら俺の右手を自分の胸からどけると、今度は俺の左手を取り、先ほどと同じように自分の胸に挟んだ。
「……いやいや、いやいやいや! いい、しなくていい! いいって、雪ねえ!」ワタワタ
「あうっ! も、揉むなと言ったのにぃ!」
 雪ねえの狼狽した顔に、思わず視線を下にずらすと、成る程俺の手が雪ねえの胸の形を制服の上からでもはっきり分かるほど大きく歪めていることが分かる。
「ああ、動揺した時に思わず手が動いておっぱいを揉む動作になったんだろうね。ははは」
「うう~。お姉ちゃんは温めているだけなのに……どうして彰人はそんなにえっちなんだ?」
 突然乳に手を挟まれたら誰だって似たような行動をとると思います。
「そ、そーゆーのは、外でしたらダメなんだぞ? 分かったか、彰人?」
 外だけでなく家でもしてはダメだと思います。
「わ、分かったなら大人しくしているんだぞ」
 そしてどうして再び温め直そうとしますかこの姉は!!!
「だー! もういいっての!」
 これ以上は理性が持たない。柔らか地獄から勢い良く手を引き抜く。さよなら天国。
「ひゃっ! もう、いきなり手を抜いたら危ないじゃないか!」
「ええい! どれだけ危ないことをしているのか自覚ないのか、この無防備美人め!」
「お、怒りながら褒めるな、ばかもの!」
 雪ねえは照れながら怒った。かわいい。
「いくら寒そうだからって、誰かれ構わず胸に挟んで温めるってのは年頃の乙女として正直どうかと思いますよ! 痴女としては大正解ですが!」
「痴女!? ば、馬鹿にするな! ここは彰人専用に決まっているだろう!」
 雪ねえが胸を張って言った。その手は自分のボインとした感じのところを指している。
「……と、というか、お姉ちゃんの身体は全部彰人専用だし」
 何か下向いてゴニョゴニョ言ってる。そして全部聞こえてる。
「じゃあ雪ねえはシャア専用ザクとズゴックのどっちが好きなんだよ!?」
「何が!?」
「というか、なんだ。それなら無防備美人と言ったのは誤りだ。悪かった。雪ねえはただの美人です。拍手」パチパチ
「褒め殺しか!?」
「ああ、将来の夢ははめ殺しだ」
「……窓?」
 適当なことばかり言っていたら将来の夢が窓になってしまった。
「窓なのに展望が見えないとはこれいかに」
「今日も彰人は意味不明だな」
「んなことより雪ねえ、そろそろ急いだほうがよろしいかと」
「ん? 家を出た時はまだまだ余裕があったと……」
 ケータイを取り出した雪ねえの顔色が変わった。
「雪ねえが第二形態に」
「一時間目までもう10分しかないぞ!? 30分以上余裕があったのに!」
「慌てるな、雪ねえ! 逆に考えるんだ、『遅刻してもいいや』と考えるんだ」
「お姉ちゃんも好きだけど、お前は本当にジョジョが好きだな……」
 雪ねえはちょっとウンザリした顔をした。
「というわけで、気にせず行こう。大丈夫、運がよけりゃギリギリで着くさ」
「……そう、だな。うん、お姉ちゃんの皆勤賞なんかより彰人と一緒にゆっくり歩くほうが大事だ! よし、のんびり行こうか、彰人」
「走るぞ雪ねえ!」
「のんびりはどこへ行った!?」
 なんか半泣きの姉の手をとって必死に走りました。

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【雪ねえ 朝の時間】

2013年06月17日
朝起きると妙に布団が温かい心地で、ああ春なんだなァと思ったが、実際のところは雪ねえが俺の布団に潜り込んでおり、さらに俺を至近距離でじーっと見つめていたので、朝から心臓が止まります。
「お姉ちゃんを残して死ぬなッ!」ビビビビビ
 ねずみ男ばりのビンタで生還。助かった。
「あ~……朝から死んだ」
「ううううう~……驚かすな、馬鹿彰人ぉ……っ!」
 黄泉路から戻ってくると、姉が涙と鼻水まみれで一寸怖い。
「体液過剰ですね、雪ねえ」
「誰のせいだと思っている!」
 軽いボケを返そうと思ったが、泣きながら俺を思い切り抱きしめる姉の想いに、しばし自分を忘れて抱きしめ返す。
「……はぁっ。落ち着いた」
 ややあって、雪ねえは俺を抱きしめるのをやめると、袖で自分の顔を拭いた。どうにも女らしさが欠けているように思えるが、言うと折檻されるので言わない。
「なんというか、その、ごめんな、雪ねえ。次からは朝起きたら死なないようにするよ」
「そうしてくれると非常に助かる」
 我ながらなんて台詞だと思ったが、悲しいことに事実なので素直に伝える。
「そのためにも、布団に忍びこむのはやめてください」
「断る」
 今日も雪ねえは男らしかった。
「さて。じゃあ抱っこしろ」カムカム
「さっきしましたが」
「何を言っている。さっきのは再開の抱擁だろう。今度はおはようの抱っこだ。なでなでも忘れるな」
「おはよう、雪ねえ」(なでなで)
「それは枕だッ!」
「急に小さくなったから、おかしいと思ったんだ」
「妄言はいいから抱っこしろ。なでなでしろ。ちゅーもしろ」
「増えた」
「増えてない」
 言い切りやがった。

「はぁ……さて! 朝食を作るか!」ツヤツヤ
「解せぬ」
 朝から雪ねえに抱っこしてなでなでしてほっぺにちゅーして疲れた。いや、別に嫌という訳ではないんですが、主導権って何って感じなので、男として色々ウウムというか、眠い。
「zzz」
「こら彰人、机の上に頭を載せるな。寝るならちゃんとお姉ちゃんの膝枕で寝ろ」
「あっ、雪ねえ頭おかしい」
 またしてもビビビのねずみ男が現れたので、素直に膝枕される。
「ふふ……本当に彰人は甘えん坊だなぁ。もう高校生なのだから、いつまでもお姉ちゃんっ子だったらダメだぞ?」(なでなで)
 朝食を作るのを中断し、雪ねえは俺に膝枕をしかけた。今日も遅刻の予感。
「うーん、それは確かにそうだね。よし、今日から自立しよう。雪ねえ、今日から俺に構うな」
「偉いぞ、彰人! 大人っぽくて素敵だぞ!」(なでなで)
 にっこり笑って俺の頭をなでているが、それは雪ねえにとって構うには入らないようだ。
「さて、それじゃ朝ごはんを作ろう。お姉ちゃんが料理するから、彰人はお姉ちゃんを後ろから抱っこしろ」
「構うなって言ったのに。そして、それは邪魔にしかなってないと思うのだが」
「何を言うか! これは構うとかではなく、お手伝いだからいいのだ! そして、彰人がお姉ちゃんにくっつくことにより外部エネルギーが補給され、お姉ちゃん力が5倍に膨れ上がるんだぞ!」
「全体的に頭悪いね、雪ねえ」
 頬をつねられたので、雪ねえを後ろから抱っこする。
「ん~♪」スリスリ
 つもりだったのだが、どういうことか雪ねえが180度回転しており、姉弟で抱き合う不思議な謎展開が披露されております。
「雪ねえ、それでは料理ができないと思うのだが」
「もう料理とかどうでもいい。このまま一生過ごしてたい」スリスリ
「いかん、このままでは雪ねえがダメ人間に! 俺の専売特許を奪われてなるものか!」
 という固い決意の元、頑張って雪ねえから離れる。
「ああっ、彰人、彰人が! 彰人の体温がぁーっ!」
「いいから。いいから朝飯食って学校行くぞ。遅刻しますよ旦那」
「お姉ちゃんは彰人と抱っこしてたいのに……酷いぞ、彰人!」プンプン
「はいはい。いいから準備する」(なでなで)
「うぅー」
 不満がる雪ねえをどうにかなだめすかし、朝飯の準備にかかる。
「玉子焼きでいいか、彰人?」
「うん」
 雪ねえが玉子焼きを作るなら、俺は味噌汁でも作るか。
「さて、何か具あったかなァ……」
「おい彰人、何をしている」
「冷蔵庫に頭を突っ込んで味噌汁の具を探している最中ですが、何か逆鱗に触れましたか」ビクビク
「お姉ちゃんの背中を守らないとは何事だ!」ドカーン
「え、それまだ続いてたの?」
「やらないなら今日学校に行った際、休憩時間の度に彰人の教室へ行って彰人に抱きつく」
「雪ねえは俺が守る!!!」
 本気の目だったので、雪ねえの背中に抱きつく。この姉は以前宣言通りの事件を起こしたことがあり、それ以前でも結構なシスコンと周知されていたのだが、今では病的なシスコンと認知される始末。
「違うんだ……シスコンなのは否定しないが、病的なそれはむしろ雪ねえの方なんだ……」ブツブツ
「後ろから彰人の念仏が聞こえるなんて、なんて素敵な朝なんだ!」キラキラ
 この姉ちょお強い。勝てる気がしない。

 雪ねえを抱っこしたりされたりなでなでしたりされたりほっぺにちゅーしたりされたりご飯を食べたり食べさせられたりしたら、今日も遅刻寸前。
「毎日早起きしてるのになァ……」
「何をぶつぶつ言っている。ほら、そろそろ家を出るぞ」ペロペロ
「あ、うん」
 一見まともなことを言ってるが、実は俺の頬をぺろぺろ舐めながらの発言なので、俺の姉はもうダメかもしれない。
「ほら、シャツが出てるぞ。もう、お姉ちゃんがいないと本当に彰人はダメだなあ」
 言葉とは裏腹に、雪ねえはニコニコしながら俺の服装を整えた。
「ほら、できたぞ。整えてやったから、お姉ちゃんの頭をなでろ」ワクワク
「偉いぞっっっ!」ナデナデ
「それは枕だっ! どこから持ってきた!?」
「こんなこともあろうかと、秘密の隠し場所に枕を置いておいたんだ。天丼が大好きなんだ」
「その労力を他に回せばいいものを……それより、そんな天丼が好きなら、今日の晩御飯は天丼にするか。彰人のことは全部知ってるつもりだったが、まだまだ知らないことがあるな」
 繰り返しの意味での天丼ではなく、パクパク食べる方の天丼と採られてしまった。でも、そっちの天丼も好きだし、いっか。
「それより、お姉ちゃんへのなでなでがまだだぞ。早くしろ」ワクワク
「もうしました」
「枕をなでただけだろうっ! お姉ちゃんをなでろっ!」
「そういえば今日体育があったなー。運動苦手だなー」
「なでないと彰人の体育の時間に乱入してちゅーする」
「雪ねえは俺の服を整えるので偉いなあ」(なでなで)
 この姉はすぐに脅迫するので怖い。
「えへ、えへへ……彰人の世話はお姉ちゃんの仕事だから、当然のことなんだぞ?」
 ただ、まあ、やたら嬉しそうなので、俺も満更でもない。

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【雪ねえ】

2012年06月16日
とある深夜。特にすることもないのだけれども、翌日が休日ということもあり、ぐだぐだと起きていたらドアが突然開いたので超驚いた。
「まだ起きてるのか。コーヒーでもどうだ、あき……彰人ぉぉぉぉぉっ!!!!!?」
 びっくりしたあまり椅子から転げ落ち、ついでに泡吹いて遊んでたら奇声が聞こえました。

「……まったく! 貴様は! どうしてお姉ちゃんを驚かせるか!」
 あの後恐慌状態に陥った姉こと雪ねえをどうにかなだめすかして落ち着かせたはいいが、超怒られた。そんなわけで、現在正座させられ絶賛説教されてます。
「驚くかなーって思ったんだ」
「驚いたさ、そりゃ驚くさ! お姉ちゃん、びっくりしすぎて死ぬかと思ったぞ! この姉不幸者め!」
「何その単語。ていうか雪ねえ、正座やめていい? 足がしびれてきたんだけど」
「そのくらい我慢しろ! お姉ちゃんはその500倍苦しかったぞ! ……言っておくが、お姉ちゃんは彰人がいないと死んじゃうんだぞ?」
「俺は酸素がなくなると死んじゃう」
「彰人は頭が悪いな」
「…………」
「でも大丈夫だぞ。どんなダメ人間になろうとも、将来はお姉ちゃんが養ってあげるからな?」
「どこのヒモだ、俺。ていうか、普段から色々世話になってんだから、俺が雪ねえを養ってあげられるくらい稼げるように頑張るよ」
「……お、お前からお姉ちゃんにプロポーズするだなんて、なんて生意気な弟だ。このこのー!」
 それくらい頑張るという心積もりを言っただけだったで、プロポーズするつもりなど毛頭なかったのだが、雪ねえが超ご機嫌な感じで俺の頬をつんつんしてるので、まあいいか。
「ほらほら、いつまで正座なんてしてるんだ。足がしびれるだろう」
 ニコニコしながら俺の足を解くと、雪ねえは俺の膝の上にちょこんと座った。
「あの、雪ねえ。乗ってますが」
「お姉ちゃんを心配させた罰だ。甘んじて受けろ。あとすりすりしろ。抱っこもしろ」
「罰?」
「罰だ。ああそうだ、それから『お姉ちゃん大好き』と甘く囁け」
「……罰?」
「罰だと言っているだろう」
 どうにも納得がいかないが、姉を心配させたということで、粛々と罰を受ける。
「雪ねえ大好き」(ぎゅー)
「ふふ……ふふふ。まったく、しょうがないなあ彰人は! あと、お姉ちゃんとずっと一緒にいたいと言え」(超ご機嫌)
 思うところしかないが、ご機嫌な様子なので素直に従っておく。
「雪ねえとずっと一緒にいたいなー」(すりすり)
「ははっ、そうか! お姉ちゃんも全く同じ気持ちだ! いや、やはり姉弟というのは似るものなんだなあ!」
「でもあくまでも姉弟だからずっと一緒という訳にはいかないな。いやはや至極残念」
「何を言ってるのだ彰人? 私達はただの幼なじみだから結婚という手段があるぞ?」
 雪ねえは実の姉以上に姉らしいので普通の人には見分けがつかないが、実は昔から隣に住んでるひとつ上の幼なじみというすずねえ的存在なので、しようと思えば結婚できる。いや、しませんが。
「で、するのか? いつだ? 今日か? 明日か?」
「しません」
「なんだと!? お姉ちゃん怒るぞ!」
 将来、結婚の理由はと問われ、お姉ちゃんに怒られるからとは言えないので、ここは断固拒否する。
「むぅ……彰人は頑固だな。一本筋の通った立派な大人になりそうだな」(なでなで)
 何をやっても褒められる。
「ところで雪ねえ、いつまで乗ってんだ」
 今現在も俺の膝の上で俺にしなだれかかっている俺まみれな雪ねえに、無意味とは思いつつ一応言ってみる。
「ん? 今度はお姉ちゃんに膝枕してほしいのか? 甘えんぼうな弟め。仕方ないな……ほら、こいこい♪」
 んなこたぁ一言もいってないのに、雪ねえは俺から降りると、正座して自分の太ももをポンポンと叩いた。
「ほら、姉弟で何を遠慮しているか。ほらほら♪」
 姉力+女性とは思えぬ膂力を持ってして、雪ねえのももに誘われた。普段から合気道でならしているためか、雪ねえのふとももは一般のそれと違いふよふよではなく、ムチッとしていて張りが半端ではない。いや、雪ねえ以外に膝枕なんてされたことないから想像だけど。
「…………」(ぎゅー)
 そして雪ねえが姉の以心伝心能力により俺の妄想を勝手に読み取り勝手に機嫌が悪くなって勝手に俺の頬をつねるので痛い。
「雪ねえ、痛い」
「ふん。お姉ちゃんに膝枕されてる時に、お姉ちゃん以外の女のことを考えるからだ。猛省しろ、愚か者」
「妄想すら許されぬとは。なんと恐ろしき世界に来てしまったのだ俺は」
「代わりにお姉ちゃんに膝枕してもらえるのだ、よい世界だと思わないか?」(なでなで)
「思う」(すりすり)
「こっ、こらっ! 誰もすりすりしていいなどと言ってないだろう!」(なでなでなで)
 言葉は怒っているが、どういうわけかなでりが増しているので、そこまで怒っているわけではないようだ。
「すりすりしていい?」
「いい」(なでなで)
 いいのか。というわけですりすりしまくった。
「……ま、まったく、……はぁ、あ、甘えんぼうな弟だな……ふぅ。……こ、困った奴だ。……はぁはぁ」
 大変気持ちよかったが、どういうわけか雪ねえが息を荒げて頬を上気させているのが気になりました。

拍手[26回]

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