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2017年11月22日
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【放課後になってもツンデレが寝てたら】

2013年05月02日
「zzz……」
 授業が終わりほっとしてると、隣からzが聞こえてきた。見ると、アフリカっぽい所からの留学生であるナコが机の上に頭を載せ、すやンすやンと眠っているではないか。
「ンー……バナナン……おいひい……」
 口元をもぐもぐさせて、夢の中でバナナンとやらを食している模様。チャムチャムか。
 一瞬『ほーら俺様のバナナンを喰らいな』と悪い俺が鎌首をもたげそうになったが、よく考えたら教室で陰部を露出させたら捕まるので、やめた。というかえっちなのはいけないと思います!
 さてどうするか。幸か不幸か今日の授業はこれにて閉幕なので先生に怒られる心配はないが、このまま放って帰り、翌日登校してもまだここで寝てられたら、『このままでは寝る子は育ち、この貧乳が巨乳になってしまうやも!』という危惧のあまり、心労がたたって俺が死んでしまうかもしれない。
 ……くだらないことを考えてないで、とっとと起こそう。ゆっさりゆさゆさ揺すぶってナコを起こす。
「おーい、ナコ。起きろ。授業終わったぞー。いわゆるところの放課後だぞー」
「ン、ン……。ナコ、こーこーせーだゾ……」
「んなこたぁ聞いてない。ほれ、起きれ」
「ンぅ……?」
 薄っすらとナコの目が開く。しぱしぱと瞬き、視線が左右に揺れ、最後にゆっくりと俺を捉えた。
「うぃす。おはよ、ナコ」
「ン……ンー」
 ナコは目をこしこし擦ると、胡乱な様子で俺に突然抱きついた。……え?
「え、えええええええええと、な、ナコさん?」
「ンー」
「い、いや、んーではなくてですね、え?」
「ンぅ?」
 不思議そうな顔で小首をくりって傾けるとか。……というか、あれ、ひょっとしてまだ半分くらい寝てる?
 よし、それならとっとと起こしてこの素敵空間からの脱出を図らねば! いや本当はそんなことしたくなくて一生抱きつかれていたい所存ですが、周囲の女生徒があからさまに俺を見ながらヒソヒソしてるので、どうにも今後の学生生活に不都合を感じまして!
「あー、ええとだな、ナコ。これは夢でもなんでもなくて、ただの現実で」
「ぺろぺろ」
「…………」
「にゃー。おいひい」
「…………。なんだ夢か」
「ぺろぺろぺろ」
 夢の割にやけに質感がリアルだ。まるで現実のように、温かな舌が俺の顔を舐めているように感じる。
「──よし。現実逃避終わり。ナコ、いい加減目を覚ま」
「ンー」ギュー
「抱っことか!」ムギュー
「ンにゃー」スリスリ
 …………。いやいや、いやいやいや。何をしているのだ、俺は。そうではない、そうではないだろう。落ち着いて周囲を見渡してみろ、こちらにスマホを向けて何やら撮影している群れが見えないのか!
「ていうか撮らないで! 記録に残さないで! どうか記憶だけに留めておいてくださいお願いします!」
「うー……。うるしゃー!」ペシペシ
「ぶべらはべら」
「うー。ゆッくり寝てらンないゾ。……ン?」
「おはやう、ナコ」
「お、おはよー。……う?」
「どしました?」
「……ふ、ふにゃあああああッ!!?」
「わぁ」
 突然大きな声を出されてびっくりしてたら、ナコは俺を蹴飛ばし、その勢いを使って大きくジャンプし、空中でくるりと回転した後、教室の後ろにあるロッカーの上に飛び乗った。
「な、な、な、なンでナコに抱きついてンだ、オマエ!?」
「ああ悪いが少し待ってくれ。ナコに蹴られて昏倒して倒れ伏しているという大義名分を得、存分に床からの白や青やピンクの布の眺めを堪能している最中なので」
 教室に黄色い声が立ち込める。
「ふふふ。ふふふふ」ニヤニヤ
「踏んじゃえ!」ゲシゲシ
「ぶべらはべら」
 いい気になってにやけてたら、たくさんの足が俺を踏んだので辛い。俺にM属性があったら、と思うと悔やんでも悔やみきれない。
「ただ、踏まれてる最中も刮目していたので、様々な動きを見せるパンツは俺の脳内HDDに保存済みですので、皆様ご注意を!」
 さんざ俺を踏んでいた足の持ち主たちは、キャーキャー言いながら教室を出て行った。
「窮地を機知に富んだジョークで華麗に回避した俺をどう思うか」
「ただの変態だゾ!」
「ああ、そういえばそうだね。我ながら最低だね。ところでナコ、いつまでロッカーの上にいるのだ」
「う……」
「そしていつまで顔を赤くしているのだ」
「み、見るなぁ!」フカーッ
「おや、猫の威嚇ポーズとは。ははーん、さては俺を誘っているな?」ワキワキ
「違う! 怒ッてるの! く、来るなあ!」フカーッ
「ふふふ。ふふふふ」ニマニマ
「にゃああーッ!?」

「三角飛びからの飛び蹴りが来るとは予想だにしなかったよ」プシュー
「うー。ナコは悪くないゾ。うー」
 矢のような飛び蹴りを喰らい、床に倒れ伏す。一日に二度も教室の床に口付けするとか、俺の人生を設計した奴出てこい。
「優れた身体能力を保持しているのは分かるが、そうみだりに使うものではない。喰らったのが俺だからいいものの、普通の奴だと一週間は飯を食えないぞ」
「うるさい!」
「まあいいや。あいたた……」
「うー。……痛い?」
「内臓が破裂したか真剣に痛みを探る程度には痛いね。ただ、まあ、回復力に優れた俺なので、しばらくすれば治るだろうから、過剰な心配は不要です」
「だ、誰も心配なンてしてないゾ!」
「なんだそうか。残念」
「……うー」ツンツン
「つつかないで」
 ナコは俺の隣にしゃがみ込み、つんつく俺をつついた。
「うー。早く治れ」ツンツン
「じき治りますが、そうもツンツンされると治癒も遅れます」
「むー」

「治った!」ジャーン
「遅い」ムスー
 言われた通り既に日は暮れかけており、教室に残るは俺とナコのみ。
「別に待っててくれなくてもよかったのに」ナデナデ
「ま、待ッてたワケじゃないゾ! 苦しむオマエを間近で見てただけだかンな! あと、なでんな!」フカーッ
「嫌です」ナデナデ
「うぅー」
「さて、帰るか」ポムポム
「ナコの頭をポンポンするな!」
「嫌です」ポムポム
「全部断られるぅ……」ションボリ
 ションボリしてるナコと一緒に学校を出る。
「いやはや、すっかり遅くなってしまったな」
「全部オマエのせいだ。早く治ンないから」ジトーッ
「そうは言うがな、ナコ。そもそも論で言うなら、お前が授業中に寝なきゃ今日の騒動は起きなかったのではないか?」
「眠いもン」ドキッパリ
「なんという潔い猫魂。素晴らしいね」ナデナデ
「猫じゃない! なでんな!」フカーッ
「いいえいいえ」
「だぶるー……」ションボリ
「とはいえ、寝てもらったおかげで色々と美味しい思いも出来たので、俺としては万々歳ですがね」
「うー。エロ魔人め。みンなのスカート覗きまくッてたもンな。エロ魔人め」ペシペシ
「ふべべ。まあ、それもありますが、どちらかと言えばナコに抱きつかれてぺろぺろされた方が比重は大きいですかねウヘヘヘヘ」
「…………」
「お?」
「……~~~っ」
 黙って赤くなられては、その、お兄さんも困ります。
「いや、あの、その」
「……ね、寝ボケてたから! 夢と思ッてたから! ほ、ホントは、オマエなンか嫌いだからな!?」
「そ、そうなんですか」
「……ち、ちょッとだけ嘘だけど。で、でも嫌いだからな!? オマエすぐナコをからかうし! なでるし! 猫扱いするし!」
「お手」
「犬扱いすればいーッて話じゃないッ!」
「難しいね」ナデナデ
「あーッ! ほら、またなでた! もーッ!」
「わはは」ナデナデ
「うー」
 不満げな顔をしながらも、振り払うこともなくそのまま俺になでられてるナコだった。

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【ナコにチャムチャムを強制したら】

2011年12月13日
「なんかこの世界にはチャムチャムがいないとか頭おかしいこと抜かしやがる」
「いきなりナコに変なことを言うなッ!」
 登校するなりアフリカっぽいところからの転校生、ナコに能面みたいな顔で言ったら怒られた。
「いやね、聞いてくださいよナコさん。俺は昨日クイーンズゲイトをしてたんですよ」
「全く聞きたくないのに勝手に言わないで欲しいゾ!」
「そしたらね、チャムチャムがでてきまして。BLADE作画のチャムチャムが!」
「鼻息が荒い! 怖いゾ!?」
「これはもうどうにかしないといけないと思い、こんなのを作ってきたのでつけろ」
「にゃ? ……なンだ、これ」
「つけ耳&つけしっぽ」
「どしてナコがこンなのつけなきゃいけない!?」
「かあいいよ?」
「知ンないゾ! ナコはこンなの絶対につけないかンな!」
「つけない場合、今日からお前のことをチャムチャムだと言い張る。周囲にも強要する。そのうち言ってる俺が『実はこいつはマジでチャムチャムではないのか?』と自ら思い込んでしまい、最終的に非合法な手段で結婚する」
「言ッてる意味がよく分かンない! でもなンか怖いゾッ!」
 半泣きなので、マジなのだろう。
「それが嫌ならつけてください。土下座? 日常茶飯事だ、任せろ」
「頼ンでないゾ!」
 人が折角床に額をこすりつけてるというのに、まるで心動かされていない様子。くそぅ。
「とにかく、つけてください。そうすればナコの女力もうなぎ上りですから」
「に? ……うなぎのぼり? なンだそれ?」
 妙なところに食いついた。だが、それを逃すほど馬鹿ではない。
「うなぎが食い放題になることだ」
「ほンとうかッ!?」
 周囲の「またナコちゃん騙されてる」という囁き声にも気づかず、ナコは目をきんらきんらさせた。
「分かッた。つける。ナコはその変なのつけて、うなぎのぼりになるゾ!」
「おおっ、それでこそナコ!」
 そんなわけで、手早くミミとしっぽをナコに装着する。
「うに……ど、どだ? 変じゃないか? ……変だろ?」
「大変可愛いですね!!!!!」
「にゃああああ!?」
 ミミとしっぽをつけたナコは衣装を除けばほぼチャムチャムだったので、俺のチャム熱が大変なことになり、抱っこ&頬擦りをしちゃう始末。
「そりゃべこぼこにされますよ」
 地面に倒れ伏したまま誰に言うでもなく呟く。ぷしゅー。
「い、いきなり抱きついたりするからだ、ばかッ! えッち!」
「いやはや、すいません。にしても、死ぬほど可愛いですね」
「うに……お、オマエなンかに褒められても嬉しくないゾ! そ、それより、うなぎのぼりだ!」
「はい?」
「うなぎのぼりだ! オマエ、うなぎ食べほーだいッて言ッてただろ!」
「あ。あー。あれ、嘘」
「にゃああああ!? なンで、なンで!? うなぎは!? でンきうなぎ食べたい!」
「騙されナコはかあいいなあ」(なでなで)
「なでなでなンかより、うなぎ! うーなーぎー!」
「分かった分かった、はいにょろにょろ」
「誰もうなぎのマネしろなンて言ッてないッ! あと、うますぎだゾ!」
 俺の隠れた特技、うなぎの物真似がうますぎて周囲の女生徒が明らかに引いてる。
「……よく見たら、オマエ、気持ち悪いな」
 しかも、ナコにまで引かれてる始末。ままならぬ。
「あーもー! いーからナコにうなぎ食べさせろ!」
「にょろにょろ」
「それはいーから!」
 そういうわけで、近所の入ったこともない鰻屋へ向かい、ネコミミの代償としてナコにうなぎを食べさせる羽目に。
「スーパー高え……」
「もぎゅもぎゅ……にゃー♪ とッてもうまいゾ♪」
 満面の笑みでうな重を頬張るナコと、水をすする俺。なんだ、うな重3000円て。俺の昼飯代の10倍て。
「にゃ、もうあンま残ッてない……うー、おかわりしていーか?」
「お前は俺に死ねと言うのか」
「な、何も泣かなくても……あ、オマエも食べたかッたのか?」
「え、いや、ちが」
「そだな。オマエが仕留めたウナギなら、オマエにも食べる権利はトーゼンあるもンな。はい、あーん」
「おぉおおお?」
 俺が仕留めたわけでもないウナギが、ナコの拙い箸使いで、俺に向けられている。あーんで!
「うに……は、早く食べろ。この棒、持ちにくいンだ」
「あ、や、その」
「……ナコの食べかけだから、嫌なのか?」
「あーん!!!」
 そりゃ神速の勢いで食べますよ。そして何このうなぎ。マジで魚なの? 溶けるんですけど。
「超うめぇぇぇ……」
「にー♪」
 俺に賛同するように、笑顔で鳴くナコ。
「おかわりください」
 気がつけば、その笑顔につられておかわりを要求するという暴挙に出ているわけで。
「いーのかッ!? オマエ、時々いーやつのフリするよな!」
「流石に泣くぞ」
「にゃー?」
「いや、その鳴くではないですが、大変可愛いので、そうです」(なでなで)
「何がだ!? ていうか、イチイチナコの頭なでるのヤメロ!」
 とまあ、このようにナコをなでなでできて幸福でしたのですが、その後も色々あって結果レジで一万五千円も払う羽目に。
「げふー。げふー。ナコは満足だゾ!」
「ふふ。今日から強制バイト生活が始まります」
「よく分かンないけど、がンばれ!」
「ええい、貴様のせいだというのにちっとも悪びれない猫娘め! でもかあいかったからいいや!」(なでなで)
「今はお腹いッぱいだから、なでなでされても怒らないゾ♪」
「ほほう。では、試してみよう」
 というわけで小一時間ほどナコを店先でなでまわしたら、流石に怒られた。
「がぶがぶがぶー!」
「ふむ。どちらかと言うと、噛むより舐めまわされる方が好みです」
「ひにゃー! いつでも気持ち悪い!」
 罰を受けていたのは俺のはずだったが、どうしてナコが涙目になっているのか。

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【ツンデレが寒さのあまり火を起こしたら】

2011年01月26日
 寒いので火でも起こそうと思ったがそれでは未開文明の人だなあと思ったので泣く泣く諦めながら登校している俺がここに存在しているというのに、教室の中でキャンプファイアーとはどういうことだ。
「ふにゃー! ふにゃー!」
「そしてやはりお前の仕業か、ナコ!」
「ぷぎゃッ!」
 ファイアーの前で四足になり、嬉しそうに奇声をあげてる転校生、ナコのどたまを思い切りどつく。
「いきなり何するンだ! あッ、やっぱりオマエか! ナコの敵!」
 ずびし、と俺に指をつきつけるナコ。この娘はなんか知らんが俺を毛嫌いしているが、俺はナコが猫っぽいので大変好きです。
「勝手に敵にするな。ていうかだな、屋内で火を焚くな」
 遠巻きに見ていたクラスメイトたちが力強く頷いていた。
「だッて、寒いもン! 寒いから火焚いただけ! ナコは悪くない!」
「文明の力を借りろ、馬鹿」
「ふにゃー!」
 威嚇された。威嚇?
「ったく……ほれ、これ使え」
「ふにゃ? ……なンだ、これ? あッたかいゾ? ポカポカするゾ?」
「カイロだ。しばらくは暖かいから、それで寒さを凌げ」
 とかなんとか言いながら、教室のど真ん中でごうごうと燃えてる火を消火器でばぶわぁーっ鎮火する。
「ああッ! なにすンだバカ! せッかく火が大きくなってたのに!」
「馬鹿はそっちだ馬鹿。火事になったらどうすんだ馬鹿。でもにゃーとか言ってるので馬鹿も悪くないと思ったぞ馬鹿」
「にゃーなんて言ッてないゾ! ふにゃー!」
「今まさに言ってますが」
「ふにゃ!? ふにに……ナコがこーふんしたらつい出ちゃう口癖なだけだゾ! 馬鹿にすンな!」
「馬鹿にはしてません。ただ俺の大好物な雰囲気で喜びが満ち溢れているだけですウヒヒヒヒ」
「ひにゃー! 今日も気持ち悪いー!」
 何一つ嘘をついてないのに半泣きで気持ち悪がられた。悲しい。
「でも、にゃふにゃふ言ってる猫娘が大変に可愛らしいし、いいか!」(なでなで)
「ちッともよくないッ! ナコの頭なでるなッ! ちょー迷惑だッ!」
「分かった、もうなでない」(なでなで)
「お尻をなでたらもッと迷惑に決まッてるだろッ!」
 いっぱい叩かれた。その一撃一撃が格闘家を思わせる重さであり、結果息も絶え絶えの俺がここにいます。
「いやはや。どんな些細なことでもエロに結びつける俺を偉いと思わないか?」
「思わないーッ!」
 血まみれで床に寝転がる俺になんという辛辣な言葉を投げかけるのだろう。
「はぁ……よし、回復。んで、なんだっけ?」
「回復早いーッ! もッと長時間寝転ンで、それから死ね!」
「酷いことを言う。そんな酷いことを言う奴はこうだ!」(なでなで)
「だから、毎回毎回ナコの頭をなでるなッ! ふにゃー!」(威嚇)
「ウヒヒヒ、ウヒヒヒヒ!」(威嚇が嬉しかった様子)
「ふにゃーッ!?」(怖くて半泣き)
 そんな俺たちを迷惑そうに横目で見つつ、粉塗れの教室を掃除するクラスメイトたちだった。

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【ツンデレをなでなでしたら、子供扱いするな!と言われたので即座にやめてみた】

2010年09月24日
 アフリカっぽいところからの留学生、ナコが可愛いので頭をなでがちな毎日。
「うがー! オマエ、毎日毎日毎日毎日ナコの頭なでてる! いーかげンにしないとナコの頭がはげるゾ!?」
「若い身空でとても可哀想にと思います」
「何を他人事ッぽく!? オマエだ、オマエ! オマエが全部のげンきょーなンだゾ! 分かッてンのか!?」
「実を言うと、よく分かりません」(なでなで)
「言ッてるそばからまたなでなで!? もー、オマエはナコをなでるな! 子供扱いしてるだろ!?」
「子供扱いもしていれば、猫扱いもしています」
「ナコは猫じゃなければ子供でもないッ! もーナコの頭なでるなッ!」
「……ふむ。そこまで嫌がるなら、分かった。もうしない」
「にゃ……? そ、そなのか? ほンとだな? 嘘ついてないな?」
「しないったらしない。武士に二言はない。ただ、俺は武士じゃないので覚悟だけはしとけよ」
「結局のところどッちなンだ!?」
「まあ、嫌がってるようだし、もうなでないよ」
「にゃ……う、うン。分かればいいンだ、分かれば」
 そんなわけで、ナコの頭は聖域認定されました。以後気をつけるように。(自身に向かって宣誓)

 翌日。いつものように登校し、教室に入る。ナコ発見。早速なでようとするも、昨日の宣誓を思い出し、挨拶だけにする。
「おはよっ、ナコ」
「ン、おはよう。……ふふふ、ナコの頭なでないのだな?」
「一応、約束だからな」
「ふふ、偉いゾ。その調子だゾ?」
「任せろ、得意だ」
「……オマエがそういうこと言うと不安になるのは、なンでだろうな?」
「思ってもいない事を臆面もなく言ってるからじゃないかな?」
「にゃー」
 ゆっくりと目潰しされた。

 その翌日。今日もまたいつもどおり登校し、そしてナコを発見する。
「おはよっす、ナコ」
「ン、おはよう。……そろそろ禁断症状が出てきたンじゃないか?」
「よく分かったな。皮膚の下を虫が這いずり回る感覚に襲われて仕方がないんだ」
「怖すぎるゾッ! そーゆー怖い嘘禁断症状じゃなくて、ナコの頭をなでたくてしょーがないよーって症状のほう!」
「ああ。まあ、確かになでたくはあるが、それでも我慢できるレベルだから安心しろ」
「にゃう……そ、そッか。ま、まあ、なでたくてもナコはなでさせないけどな!」
「残念なことこの上ないな」
「にー……も、もッと残念がれッ!」
「眼球が沸騰しそうなくらい残念だ。言うなれば、液体になるまで熱された鉄の塊を注射器で目に注ぎ込まれているような」
「オマエの例えはなンかイチイチ怖いッ!」
 なんか怒られた。

 そのまた翌日。いつものようにナコと出会う。
「おはよるん、ナコ」
「うにー……お、おはよう」
「ん? 何か元気がないようだけど、どうかしたか?」
「にッ!? な、なンでもない。だいじょーぶだ。ナコはいッつも元気だゾ?」
「ならいいが……」
「うー……そ、そろそろナコの頭なでたくなッてきたンじゃないか?」
「いや、最近は慣れてきたのか、なでなくても問題ない。今までなでたりして申し訳ない気持ちまで湧くほどに」
「…………。ふ、ふンッ! ナコも大助かりだッ!」
「なんか怒ってませんか」
「気のせいだゾッ!」
「はぁ。まぁ、いいけど」
「うー……がぶッ!」
「怒ってないならどうして俺は手を噛まれているのだろう」

 さらにまた翌日。今日も教室でナコと挨拶。
「おはやう、ナコ」
「うがーッ!」
「どうして登校するなり俺はナコに襲われているのだろう」
「がじがじがじ!」
「歯ががりがりと頭皮に突き刺さり大変に痛いので、やめてはくれまいか」
「なンで頭なでなでしたくならないンだ!?」
「はい?」
「なンでナコの頭をなでなでしたくならないのか聞いてるンだ!」
「え、いや、なんでって、そりゃお前になでるなと言われたからで」
「もー我慢の限界だろ!? だから、なでなでしろッ!」
「大丈夫、まだまだ我慢できる。ていうか、慣れたのでもう一生なでなくても平気かと」
「がぶがぶがぶッ!」
 どういうことか、より一層ナコの犬歯が俺の頭に食い込むので泣きそうなほど痛い。
「そろそろ血が出る頃合かと思いますので、やめていただけますと何かと助かります」
「だッたらなでなでしろッ!」
「む? 嫌だったんじゃなかったのか?」
「う、うに……う、うるさいッ! いーからしろッ!」
「まあ、やれと言うならやろう。なので、とりあえず頭がじがじをやめていただきたい」
「うに……ホントのホントだろな? 嘘だッたら承知しないゾ?」
 ナコは俺に歯を食い込ませるのをやめると、俺の前にやってきた。
「じゃあ、なでるのでここに座りなさい」
「に? ……こ、ここッて、……お、オマエの膝じゃないか!?」
「無理強いはしないが。最も、座らないのであればご破談ということで」
「ごはだん?」
「なし、ってことだ」
「そンなのずるいゾッ!」
「じゃあ座ればいいじゃない。俺の膝に座ればいいじゃない。そして嫌ならやめればいいじゃない」
「い、嫌とは言ッてない! ナコは言ッてないゾ! ……う、うに」
 ナコはおずおずと俺の膝に座り、肩越しに俺を見た。
「こ、こーか? こーなのか?」
「そのような感じです」
 ナコを後ろから抱っこして、ゆっくり頭をなでる。数日振りの感触に、久しく忘れていた喜びが全身を駆け巡った。
「う、うに……オマエ、嬉しそう」
「気のせいだ。いーからじっとしてろ」
 ナコを前に向かせ、なでなで再開。
「うに……」
「なでなで」
「う、うに……にー」
「なでなでなで」
「に……ふに、に?」
「なでなでなでなで」
「ふに……にー♪」
「超嬉しそうですね」
「にゃあ♪ ……に? にッ!? ちッ、違う、ナコはちッとも嬉しくないゾ!」
「なでなでなで」
「にー♪」
「ほれ見たことか」
「う、うにゅぬ……も、もう終わり! オマエ、ナコの頭なでるの禁止! ……え、えと、今日は!」
「明日以降はなでていいと?」
「に、に……お、オマエはいじわるだッ!」
「有名な話です」
「にぎがー!」
 ナコはよく俺を噛むのでガムか何かと勘違いしているのかなと思った。

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【野性っ娘と昼食を】

2010年05月13日
 アフリカっぽい所からの転校生、ナコが来て初めての昼休み。何故か知らないが嫌われている俺は、少しでも仲良くなるべくナコに話しかけた。
「ナコー、ナコナコ、ナコたん」
「うるさいのだ! 話しかけるなと言ったのだ! たんはやめるのだ!」
「昼の時間だけど、どうすんだ? 弁当か? 学食か?」
「おまえなんかに教える必要なんかないのだ」
「何食うんだ? 虫か? ほら、そこにカナブンいるぞ。取ってこようか?」
「そんなの食わないのだ! ナコは木の実を食べるのだ!」
 ナコは無造作に大小様々な木の実を机の上にばら撒いた。ざっと見ただけで、20個以上ありそうだ。
「木の実、か……食えんのか?」
「あ! こら、取るな!」
 木の実を奪い、口に入れる。むぐむぐ、むぐ……。
「……硬くて食えない。うべー」
「吐くな! 何を考えているのだ! まったく、親の顔を見たいのだ」
「待ってろ、今から連れてくる」
「やめるのだ! ……まったく、不愉快なのだ。どっか行け」
「まぁそう言うな。飯を貰ったんだし、お返ししないとな」
 弁当箱を取り出し、ナコの机の上に置く。
「いらないのだ。こら、開けるな! ……なんでおかずが玉子焼きだけなのだ?」
「好きだから」
 今日のメニューはごはん、玉子焼きとなります。献立考えるの面倒だったんだね。ありがとう、母さん。
「うまいぞ。ほれ、あーん」
「つーん、なのだ。誰が食べるか、なのだ」
「……えい」
「むが!」
 大口開いてたので無理やり放り込む。
「何するのだ! ……あ、おいしいのだ」
「だろ? 母さんの玉子焼きは絶品なんだ。他の料理のことを考えると涙目になりそうだけど」
「うまいのだ。もっと寄越すのだ」
 俺が許可する前に、ナコは玉子焼きを手づかみで食べてる。
「待って全部食べないで俺の大好物!」
 すごい勢いでナコは俺の玉子焼きを食べきった。
「げふー。うまかったのだ。ごちそうさまなのだ」
「う、ううう……俺の、俺の玉子焼きが……」
 残ったのは、真っ白な飯だけ。悲しみのあまり、涙がほほを伝う。
「……ち、ちょっとだけ悪い気がするのだ。しょうがない、代わりにナコの木の実を少しやるのだ」
「まずいからいい」
「うまいのだ! おまえは食べ方を間違ってるのだ。こう食べるのだ」
 ナコは木の実を口に入れ、豪快にばりばりと音を立てて噛み砕いた。
「……無理。普通の人間にはクルミの殻を歯で砕くことはできません」
「やればできるのだ! 食うのだ!」
 ナコは俺の口に無理やりクルミを入れ、強引に咀嚼させた。
「むがむがむが!」
「おお、いけそうなのだ! ……あ」

 今日の収穫:ナコとの友好度+1
 今日の損失:玉子焼き×1 奥歯×1

拍手[3回]

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