忍者ブログ

[PR]

2024年04月26日
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【野性っ娘 試作】

2010年04月05日
 今日も遅刻。なので、全力で学校へ向かってます。
 なのに、どうして曲がり角でぶつかりますか。あれですか、フラグが立ちましたか。
「う……いたた、おまえ、なにするのだ!」
 うちの高校の制服に身を包んだ小さな娘さんが、座ったまま話しかけてきた。パンツ丸出しはサービス?
「パンツを見てる。朝からありがとう」
「パンツ……うきゃっ!」
 娘さんは猿のような声を出し、慌ててスカートでパンツを隠した。そして赤い顔で俺を睨む。
「おまえ、見たのだ! ナコのパンツ見たのだ!」
「うん、見た。目を閉じれば鮮明に思い出せる」
 目を閉じると、脳裏に純白の美しいパンツが蘇る。それだけでなく、火花まで現れた。ていうか痛い。
「……なぜ殴る?」
「当たり前なのだ! 朝から不愉快なのだ!」
 娘さんは俺を置いて、土煙を巻き上げとんでもない速さで行ってしまった。
 ……何者だ? とにかく、俺も行こう。
 頑張って走っていると予鈴が聞こえた。さらに走って学校へ。教室へ入ると同時にチャイムが。
「ぜはーぜはーぜはー……。セーフ?」
「アウト」
 担任の無慈悲な言葉に、がくりと膝をつく。
「もう帰ろう……」
「ああ待て待て、帰るな。折角生徒が増えたというのに」
 担任の言葉に、俺は今更ながら教師の隣に立つ生徒に気がついた。
「ナコだ、よろし……おまえ、さっきの!」
「はじめまして、別府タカシです」
「はじめまして違うのだ! さっき会ったのだ!」
「なんだ二人とも、知り合いだったのか?」
 担任の言葉に、娘さんは憤って言った。
「こんな奴、知り合い違うのだ!」
「好きな食べ物は玉子焼きです」
「聞いてないのだ! さっきからおまえ何言ってるのだ!?」
「のだのだうるさいなぁ。おまえはバカボンのパパか?」
「のだなんて言ってないのだ! バカボンてなんなのだ!?」
 すげえ言ってます。バカボンは愉快な漫画です。
「あー……まあいい。とにかく席に着け、別府」
 担任に言われるがまま、のたのたと窓際の席に着く。
「……うぉっほん。あー、アフリカっぽい所からの交換留学生、ナコさんだ。みんな、仲良くしろよ」
「えっと、ナコなのだ。そこの変な奴! 以外、よろしくなのだ。仲良くして欲しいのだ」
 変な奴、という所で俺付近を指した。可哀想に、いきなり誰か嫌われてるな。
「席はそこだ」
 担任の指した場所は、さきほどナコとかいう奴が指した場所と同じだった。ていうか俺の前の席が空いてる。
「あ、あいつの近くは嫌なのだ! 別の場所がいいのだ!」
「誰を嫌ってるのか知らないが、わがままはよくないぞ」
「おまえを嫌ってるのだ!」
 ナコをたしなめると、驚くべき言葉が返ってきた。
「それは知らなかった」
「ずっと言ってるのだ! どうにかしてほしいのだ、先生!」
「まぁ、別府のことは諦めろ。そのうち慣れる」
 担任の言葉に諦めたのか、ナコは肩を落として俺の方へやってきた。
「これからよろしくな、ナコたん」
「馴れ馴れしく呼ぶな! 話しかけるな! たんとかつけるな!」
 親愛の情を示したら、拒絶された。
「そんないっぱい覚えられん。どれか一つにしろ」
「話しかけるな!」
 まぁそういうわけで、どうなることでしょうね、ナコさん。
「頭をなでるな! 喋らなかったら何をしてもいいということじゃないのだ!」

拍手[6回]

PR

【ツンデレにこれって間接バナナだよなって言ったら】

2010年04月05日
 去年の夏に転校してきた野性っぽい娘さん、ナコといまだに仲良くなれない日々。
「ちょんまげ」(ナコの髪の房を持ち、頭頂部にぽふりと)
「ナコの髪で変なことするな!」
 こうやってコミュニケーションを取ろうとしても、一方的に断ち切られてしまう。
「何がいけないんだろうか、友よ」
「全部だ」
 隣の友人に問いかけると、そんな答えが返ってきた。
「全部か。……なにっ、全部だと!?」
 思わずノリつっこみするくらい驚いた。
「言葉、行動、容姿。全てダメだ」
 それでは生まれ変わるくらいしか手段がない。
「ちょんまげ」(ナコの髪の房を以下同文)
「だから、ナコの髪で変なことするな!」
 髪をガードされたので、今回は諦めることにする。
「ナコに構うな!」
「しかし、それでは級友と親交を温めることが出来ないではないか」
「ナコ以外の誰かと温めるのだ。どっか行け」
 反骨心が首をもたげる。どっか行けと言われてどこかへ行く別府タカシではないのだ!
「構って欲しいのだ」
 ナコの机の上にごろりと頭を置く。見る人が見れば生首のように見えるよう細心の注意を払うことも忘れない。
「ナコのまねするな! あと、机の上に頭置くな! 気持ち悪いのだ!」
「ナコのマネなどしてないのだ。これはバカボンのパパのマネなのだ。いわばパパマネ」
「パパマネをやめるのだ! まったく、不愉快なのだ。ぷんぷん」
 ぷんぷん、などと口で言われたら、俺にできることは悶えることくらいだ。
「ナコの机の上で転がるな! なんでこんな狭い場所で転がれるのだ!?」
「頑張ったのだ」
「うー……マネをやめるのだ! 第一、ナコは“のだ”なんて言ってないのだ」
「超言ってますが」
「言ってないのだ! お前、耳が腐ってるのだ!」
「頭が腐ってるとか醗酵しきってるとか熟成しすぎて逆にすごいとかは言われたことあるが、耳が腐ってると言われたのは初めてだ」
「なんで嬉しそうに笑ってるのだ!? お前おかしいのだ!」
「あ、バナナ」
 ナコの鞄からバナナが顔を覗かせていたので、一本頂く。
「あーっ!? ナコのバナナン取った、バナナン取ったのだ!」
「もぐもぐもぐ、おいしい」
「あげるなんて一言も言ってないのに食べてるのだ! おいしいとか言ってるのだ!」
「ナコもどうだ? うまいぞ」
「元々ナコのなのだ! 返すのだ!」
 食いかけのバナナを取られる。
「全く……嫌な奴なのだ」
 その食いかけのバナナを、ナコは口にした。
「あ、これって間接バナナだよな」
「うぐ」
「俺のラブがつまったバナナはどうだ? うまいか?」
「……もったいないけど、捨てるのだ」
「なんと、捨てると!? ああ、米粒には100の神様が詰まってるというのに! お百姓さんが苦労して作ったというのに!」
「お米じゃないのだ。お百姓さんは苦労してないのだ。これは、ナコの住んでたジャングルから持ってきたバナナンなのだ」
「お猿さんが苦労して作ったというのに!」
「別に猿が作ってるわけじゃないのだ! さてはお前馬鹿なのだな?」
 クラス中の生徒全員が口を揃えて「その通り!」と言いやがった。
「なんて統率の取れたクラスなのだ……」
 こんな時だけ一致するクラスが憎たらしい。
「俺の脳についてはともかく、捨てるならくれ。俺が食う」
「うー……確かに捨てるのはもったいないけど、お前なんかにやるのはもっともったいないのだ」
「じゃあゴミ箱に捨てろ。それを漁って食うから」
「お前最悪なのだ! ……もういいのだ、やるからどっか行くのだ」
 なげやりに放られたバナナを受け取り、口にする。スーパーとかで売ってるのより、なんだか美味しい。
「うむ、一度ナコが口にした分より美味しく。具体的にはナコの唾液成分が」
 仲良くなりたいのに、どうしたことか大変嫌そうに顔をしかめるナコたんでした。ままならぬ。

拍手[4回]

【仕事しないツンデレ】

2010年03月07日
「あーチャムチャム可愛いなーなんでこの世にはチャムチャムいないのかなーこんな世界滅びてしまえばいい!」
「そンなこと、ナコに言われても困るのだ」
 昼休み。飯を食い終わった後、南国育ちのジャングル娘、ナコにチャムチャムがいないことを愚痴ってたら、嫌がられた。
「だって、あーんなくわいいネコミミ娘が存在しないなんて……ん? なぁナコ、おまいさん、ちょーっとチャムチャムに似てるような……」
「な、なンだその目は? ……まさか、ナコにえッちぃことする気か!? だッ、ダメだゾ、そんなの禁止だゾ!」
「いやいやいや、えっちぃことする気なんてさらさら。ただ、ちょーっとネコミミを装着してしっぽつけてチャムチャムの服着て猫手足装着して俺とイチャイチャしてもらうだけだから」
「全部嫌だけど、最後のが特に嫌なのだ! 論外なのだ!」
「お、論外なんて難しい言葉よく知ってたな。すごいぞ、ナコ」
「ンふー♪ ナコは勉強家なので、難しい言葉もいッぱい知ッてるのだ。すごいダロ? もっと褒めろ」
 ちょっと褒めたらすぐ図に乗る。
「すごい。だからチャムチャムのコスプレ」
「断るのだ。なンだッてナコがオマエを喜ばせないといけないのだ?」
「だって、それが仕事だろ?」
「違うのだッ! なンでそれが当然みたいな感じで言ッてるのだ!? オマエ頭おかしいのだ!」
「えー? だって、南国から来て、バナナ好きで、お供に猿連れてるなら、もうチャムチャムだろ」
「お供に猿なンていないのだ! 誰も連れてないのだ! ……ま、まぁ、後は当てはまッてるケド」
「じゃあ半分チャムチャムってことで……チャム? よしチャム、俺とイチャイチャしませう」
「名前を半分にしたらいいッてことじゃないのだ! 何を満足げな顔してるのだ!? もう嫌なのだ、誰か助けて欲しいのだ! へるぷみーなのだ!」
 ナコが周囲の生徒に助けを求めるが、みんなはいつものことかと相手にしない。
「にゃぅぅ……これが噂に聞くいじめなのだ。いじめられる可哀想なナコなのだ」
「よし、慰めてやるからコスプレ」
「オマエがナコをいじめなければ済む話なのだッ!」
「マッチポンプでナコの信頼度をあっぷ」
「まっちぽんぷ……? にゅー、知らない言葉なのだ」
「あ、マッチポンプってのは」
「待つのだ! 自分で調べるのだ」
 教えようとする俺を制し、ナコは机の中をごそごそ漁りだした。
「じゃーン! 国語辞典、なのだー♪」
 何が嬉しいんだか知らないが、ナコは満面の笑みを浮かべ、高々と辞書を掲げた。
「説明しよう! 国語辞典とは、淫靡な響きのある単語すべてにマーカーが引かれている本のことだ!」
「違うのだ! それはオマエの辞典だけなのだ! ナコの辞典には、知らない単語にマーカーが引かれてるのだ!」
「それはどうかな?」
「? ……ま、まさか」
 ナコは慌てて辞書をパラパラとめくった。
「あああああーッ! 引いてる! 引いてあるのだ! なンでなのだッ、ナコは引いてないゾ!」
「ここまで驚かれると気持ちいいなあ」
「オマエか、オマエがやッたンだなッ! 許さないゾ!」
「日本という国は、証拠がないと罰せられないのです。証拠はありますか?」
「にゅ……な、ないのだ。ないケド! 絶対オマエなのだ! こんな酷いことするの、オマエしかいないのだ!」
「そこまで言うなら、勝負だ! 違ったらお前一生俺の肉奴隷!」
「にくどれい……? 知らないのだ。調べるのだ。にー、にー」
 にーにー言いながら辞書を引くナコ。ちょっと沙都子っぽい。にーにー。
「たぶん載ってないと思うぞ」
「にー、にーにー……にゅー、載ってないのだ。オマエ、ナコに教えるのだ。嘘は禁止だゾ」
 禁止らしいので、肉奴隷について詳しく(される行為、体位等)教えると、ナコの顔が真っ赤になった。
「な、な、な、なにを考えてるのだッ! ダメに決まッてるのだ! やッぱりオマエ頭おかしいのだッ!」
「ははっ、気にするなよ」
「なンでそンな爽やかサンなのだ!?」
「まぁ、エロい単語にマーカー引いたの俺だから、勝負云々は無意味なんだけど」
「なーンだ。あはははは……いや笑いゴトじゃないのだ! なンでナコの辞書にそーゆーコトするのだ!」
「自分の辞書の卑猥な単語が書かれた箇所にマーカー引いたら、エッチな奴だと思われるだろ? しかし、マーカーは引きたい。そんな時、俺の前の席に辞書が! これ幸いときゅっきゅっきゅーと」
「きゅッきゅッきゅー禁止なのだッ!」
「今日ゲーセンついてきてくれる、ならもうしない」
「ぬ……し、しょうがないのだ。ついていッてやるのだ」
「よし、デートの約束ゲットだゼ!」
「で、デートじゃないのだ、デートなンかじゃないのだッ! 一緒に遊びに行くだけなのだッ! だから、そんなおっきい声で言うの禁止なのだッ!」
 真っ赤な顔で俺をぺしぺし叩くナコでした。

拍手[4回]

【空腹なツンデレ】

2010年01月30日
「あぅー……お腹、空いたのだー……」
 昼休み、もっさもっさ飯を食ってると、アフリカっぽい所からの留学生であるナコが机につっぷして何か呻いていることに気づいた。
「もぐもぐ。どした、ナコもぐ。飯食わないのかむしゃむしゃ」
「話すか喋るかどっちかにするのだ! こっちにまでご飯粒が飛んできてるのだ!」
 飯を食いながらナコに話しかけると、嫌がられた。
「んぐんぐ、ごくん。……で、なんで飯食わないんだ? 悪さして親に弁当抜かれたのか?」
「ナコは悪さなんてしないのだ! 早弁しただけなのだ。分かったらどっか行くのだ、オマエ邪魔なのだ」
「邪魔とは失礼な。しかし、んな腹減ってるのなら、俺の少し分けてやろうか?」
「結構なのだ。オマエの弁当なんて食べたら、胃が内側からぱーんってなるのだ」
 俺の弁当、爆弾か。
「まぁいいや。いらないならそれでいい、嫌がらせでここでゆっくり飯を食わせてもらおう」
「邪魔なのだ。どっか行け」
 ナコが何か言ってるが特に気にせず、近くの席から椅子を持ってきてナコの机の上に弁当を並べる。
「どっか行けと言ってるのに……人の話を聞かない奴なのだ。頭が悪いに違いないのだ」
「うっせ。しかし、この玉子焼きが絶品なんだよなあもさもさ」
「ふん。そんなこと言われても、信じないのだ。きっとおえーおえーな味なのだ」
「別に信じなくてもいいが……いやはや、それにしてもこの弁当はうめえ。我が親ながら、褒めてやりてえ」
「……そんなおいしいのか?」(じーっ)
 先ほどまでの台詞はなんだったのか、と思うほどの熱視線をナコは俺の弁当箱に送った。
「欲しいのか?」
「い、いらないのだ。最初からそう言ってるのだ。いーからどっか行くのだ」
「どこにも行かないけど、本当この玉子焼きはうまい。焼き加減もさるものながら、玉子に染み込んだ出汁がたまらない」
「……せ、せめて説明はやめるのだ! 聞いてたらお腹がぐーぐー言うのだ!」
「俺は寝てる時にぐーぐー言う」
「誰でもそーなのだ! そんなことで張り合ってどうするのだ! もー! 怒ったらお腹空いたのだ! しょうがないからオマエの弁当食ってやるのだ! よこすのだ!」
「『どうかこの卑しい猿姫にお慈悲を、ご主人様』って言うなら、考えなくもない」
「ぜっっっっったいに言わないのだっ! ナコは猿じゃないのだ! ナコはナコなのだっ! それに、オマエをご主人様って呼ぶなんて、考えただけでもおえーって感じなのだ!」
「騒がしいなあむしゃむしゃ」
「誰のせいで騒がしいと思ってるのだっ! って、そんなこと言ってるうちにもう半分以上食べてるのだーっ!」
「大丈夫だ、ナコ。残りの飯がどれほどあろうとも、お前の胃袋に入る確率は万に一つもない」
「コイツ優しさが欠片もないのだ!」
「やらしさは欠片どころか塊でごろごろしてるよ?」
「うるさいのだっ! もー知らないのだ、オマエがここで弁当食べてるのが悪いのだ、取っちゃうのだっ!」
 飛来した猿姫が俺の弁当を奪っていく。
「わははーのはー! ナコ、オマエの弁当いただいたのだー! ざまーみろなのだー! もしゃもしゃ……おいしーのだ!」
「ん。何よりだ」
 そう言うと、ナコはきょとんとした。
「……あ、あの、ナコ、オマエの弁当取ったんだゾ? 怒らないのか?」
「怒って欲しいのか? ナコはMなのか。俺はSだし、ちょうどいいな!」
「違うのだ! そ、そじゃなくて、……いいのか?」
「お腹空いてたんだろ? いいさ」
「う……」
 ナコは申し訳なさそうに視線を弁当箱に落とした。
「……返すのだ。ちょっぴり食べちゃったけど、まだ残ってるから大丈夫なのだ」
「これって間接キスだよなって言ったら」
「ぬが!? そ、そうなのだ、これを食べられたら間接キスになるのだ。困るのだ!」
 既に今の時点で間接キスしているのだが、気づいていないようだし、黙っていよう。
「うぬー……な、ナコは気にしないのだ。そんなのヘッチャラなのだ。ちゃーらー、へっちゃらー、なのだ」
「太陽拳!!!!!」
「ぬぎゃー!? お、おっきな声出すな、ばか! びっくりするのだ! それになんで太陽拳なのだ!?」
「間接キスを気にしないなら、一緒に食うか」
「コイツちっとも聞いてないのだ!? て、ていうか、そんなの無理だ、ばか!」
「やはりナコみたいなお子様は、間接キスに気後れするか?」
「な! そ、そんなわけないのだ! ヘッチャラなのだ! ちゃーらー、へっちゃらー、なのだ!」
「太陽拳!!!!!」
「みぎゃー!? な、なんでまた太陽拳するのだ! って、またコイツ人の話聞かないで弁当食べてるのだ! ナコも食べるのだ!」
 その後も何度か太陽拳をかましながら、ナコと一緒に弁当をつつきました。

拍手[5回]

« 前のページ | HOME |