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2017年11月22日
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【犬子 もうすぐ夏休みが終わる】

2012年08月20日
「もうすぐ夏休みが終わるという噂があるが、嘘だよな?」
「本当だよ?」
 折角人が勇気を振り絞って聞いたというのに、目の前の犬っぽいのはなんでもないことのようにあっさりとそうのたまった。
「てめェ、この怠惰な毎日を終わらせるとはどういうつもりだ!?」
「わ、私のせいじゃないよ、符長くん!」
「じゃあ俺のせいだというのか! なんという責任転嫁だ! そんなヤツとはもう結婚してやらん! ぷいっ!」
「無茶苦茶だよぅ……って、えええええっ!? けっ、けっこ!?」
 なんか犬子がびっくりしてる顔が面白かったので、指差して笑ったら怒られた。
「人がびっくりしてるのに笑わないの!」
「はい、すいません」
「まったく……じゃないよっ! け、結婚ってどういうこと!?」
「あー、あと二週間くらいしかないのかー。もっと長かったらいいのになー」
「今は夏休みの残りに思いを馳せる時じゃないよっ! 私と符長くんの結婚についてだよ!」
「子供は何人くらいほしい?」
「……さ、三人くらい」
 何から顔を真っ赤にさせてぽしょぽしょと言われてしまった。ちらちらとこちらを見ている犬子を相手に、俺は一体どうすればいいのか。
「もちろん冗談なんですがね」
「わ、分かってるよ! ……分かってるけど、分かってたけど、……はぅぅ」
「そう言うと、犬子は自らのイヌミミを抱えてイヤイヤと頭を振った。恥ずかしさが許容量を超えたようだ」
「概ね合ってるけど、イヌミミのくだりだけが間違ってるよっ! これはイヌミミじゃなくて、そーゆー髪形なのっ! マクロスのランカちゃん髪形なのっ!」
 何か言ってるが、今日も聞き流す。
「ううう……今日も聞き流されてるよ……」
「で、結婚の話ですが」
「はうっ!? ……つ、続くの?」
「嫌ですか」
「とんでもないことざますよっ!?」
「いや、原型がないくらい口調がおかしい」
「ど、どーでもいいのっ! ……あ、あの、符長くん?」
「うん?」
「符長くんって、そ、その、私のこと、……すっ、好き、なの?」
「ああ、大好きだ」
「~~~~~~!!!」
「おお、これが声にならない声という奴なのだな。初めて見た。写真でも撮ろうか」
「とっ、撮ってもしょーがないよ! そっ、そっ、そっ、それより、さっき!」
「はいはい、落ち着け」
 落ち着けぱぅわーを犬子に送るべく、ぽんぽんと優しく犬子の頭を叩く。
「はぅぅ……」
「うむ、落ち着いた。流石は俺の落ち着けぱぅわー」
「はぅはぅ」
「じゃ、また学校で」
「はぅぅ。……はぅ? わーっ! まだまだ、まだ帰っちゃダメだよ符長くん!」
 はぅーってなってたのでこれ幸いとバイバイしようとしたら、すごい勢いで腕を掴まれた。悔しいので反対の手で犬子の腕を掴む。
「? えーっと……なにかな、符長くん」
「俺と犬子の間でサークルが完成しました。これにより、俺の好意が犬子の腕を通じ、俺自身へと返ってくる循環機能を発動できます」
「こ、好意……」
 また犬子が赤くなった。
「あ、あのね、符長くん。……わ、私もね、符長くんがね、……す、好き、だよ?」
 なんだか泣きそうになりながらも、犬子は笑ってそう言った。
「犬は馬鹿みたいに飼い主が好きだからそれも当然だな」
「犬の話!? え、ひょっとしてさっきの私が好きってのも、犬に関してのこと!?」
「何を驚いているのだろう、この犬は」(なでなで)
「犬じゃないのに、犬じゃないのに! 酷いよ符長くん!」
「そう怒るな、犬子。お詫びに今度結婚しよう」
「お詫びにすることじゃないよっ! もーっ! 符長くんのばかっ!」
「わはは」
 ぽかぽか叩いてくる犬子の攻撃をかい潜り、なでなでをけしかける俺だった。

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Comment
No title
ええい、挙式はいつだっ!
無題
ええい!とりあえず責任とって結婚しろ!
GJ!!犬子かわいい!!
No title
裏のみゆを差し置いて堂々の記事数1位って、実は犬子は凄いんだな!
無題
読ませていただきました。
糖分補給に良いですね。
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