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2026年03月18日
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【ツンデレが水着を買いに行くのに付き合わされたら】

2010年03月30日
 みことが水着を買うから来いと、俺を誘った。面倒ではあるがどんなのを買うか興味もあるので、着いて行くことにした。
「それでタカシ。私にはどのような水着が似合うだろうか?」
 デパートの水着売り場でみことと水着を眺めてると、そんなことを訊ねられた。
「スク水」
「死ねばいいのに」
 即答すると、すごい辛辣な言葉を吐かれた。負けない。
「正確に言うと、スクール水着。できれば旧スク。用意できないのであれば俺が用意するので、水抜き穴に秘密棒を挿入する権利を」
 めげずに言ったら目を突かれた。あまりの痛みに通路を転げまわる。
「はぁ……愚か者め」
「痛い痛い痛い! 目が、目がァ!」
「さて、今年の流行はなんだろうな……」
「いかん! 痛みが限界を超したためか、みことが流行を気にするという幻聴まで聞こえだした!」
「…………」
 何が気に障ったのか知らないが、無言で顔を踏まれた。
「すいません、これ捨ててください」
 俺を踏みにじった後、みことは俺の首元を掴み、店員さんに差し出た。このままでは物理的に捨てられる。
「あらあら、大変な彼女を持ったものね、カレシ?」
「だっ、誰が彼女だ、誰が!」
 店員さんがからかうと、みことは顔を真っ赤にして俺の首を絞めた。なんで俺が攻撃されるんだろう。
「みこちんみこちん、死ぬよ? ほーら、泡ぶくぶくぶく」
「変な愛称で呼ぶなッ!」
「あらあら、カニみたい」
 店員さんの取り成しもあり、どうにか生還。
「うえー……三回ほど死にかけた」
「そのまま黄泉へ行けばよかったものを……」
「彼氏にそんなこと言うものじゃないわよ?」
「だから違うと言ってるだろう!」
 店員さんが勘違いすると、俺が攻撃されるという図式が知らない間に成立している。辛い。
「うう……店員さん、残念ですが俺とみこと──この偉そうなのは、ただの友達なのです。なので、そういうこと言わない方向でお願いしたい」
 みことが「誰が偉そうだ、誰が」とでも言いたげに俺を見た。
「つまり、この夏に友達から恋人にランクアップするのね!? なんかお姉さん、興奮してきちゃったなー♪」
「そっ、そんな訳ないだろう! 誰がこんな奴と!」
 言いながら俺の頬をぐいぐい引っ張るみこと。痛いし千切れそうだし、泣きそう。
「そーだ! 私が水着見立ててあげる! これでもプロだから選ぶの上手よ?」
「え、いやしかし、私は……」
 引っ張ってた手を放し、みことは困惑したように俺を見た。
「いつつ……選んでもらえ、みこと。何も知らない俺が選ぶより、プロに選んでもらった方が可愛いの見つかるんじゃないか?」
「(……誰に一番見て欲しいと思ってるんだ、この馬鹿)」
 みことが小さく何か呟いたけど、よく聞こえなかった。
「あらあら、あらあらあら。……そういうことなのね」
 俺は聞こえなかったけど、店員さんは聞こえたようで、大変いやらしい笑みを浮かべた。
「なっ、何がだ!? 何のことだ!? わっ、私は知らん!」
 その笑みを見て、みことは見てて可哀想になるくらい狼狽した。
「……ふふっ。頑張りなさい、かーれし♪」
 店員さんに軽く背を押され、みことの前に立つ。
「あー……よく分からんが、俺が水着見るってことでいいのか?」
「……ふ、ふんっ! お前がどうしてもと言うなら、見させてやらんでもない!」
 勢いよくそっぽを向くみことだが、どうして顔が赤いのだろう。

「なんでこの流れでスクール水着を選ぶッ!」
「あるから選ばざるを得ないじゃん! それで水抜き穴なんですが」
「黙れ黙れ黙れ、この愚か者がッ!」
「あらあらあら」
 店員さんが優雅に微笑む中、マウントポジションで殴られました。

拍手[7回]

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【超モテモテのツンデレと超モテモテの男】

2010年03月30日
 モテにモテて困る。
「たっ、タカシ、アンタどうしたの!?」
「猫が……」
「猫が、じゃないわよ! 猫まみれじゃない!」
 かなみの言うとおり、全身余すところなく猫がくっついてる猫にモテまくりの俺です。
「そんなに猫つけて、寒いの?」
「暑い。毛が暑くて暑くて困る」
 暑いのでくっついてる猫を引っ張ってみると、猫は離れるもんかと爪を立てて抵抗する。
「いていて、爪が食い込む」
「それで、どしたの?」
「自転車で暴走運転してたら、誤って山盛りのまたたびに突っ込んだ」
「…………」
 すごい呆れた顔で見られた。
「……なんで暴走してたのとか、なんでまたたびが山盛りであるとか言いたいこと色々あるけど、とりあえず。馬鹿」
「返す言葉も御座いません」
 ぺこりと頭を下げると、頭にくっついてた猫がにゃあと鳴いた。
「どうした、猫?」
「にゃあ、にゃあにゃあ」
「ふむふむ、まるで分からん。わはははは!」
「にゃあ~」
「…………」
 猫と会話を楽しんでると、かなみが俺の方をじっと見ていることに気づいた。
「どした? 猫欲しい? あげたいけど、取れないんだ」
「いらないわよ、ばーかっ!」
 悪態をついて、かなみは席に戻ってしまった。……何を怒ってんだ?
「女心というものはよく分からないものですね、先生」
「席に着け、別府。あと、猫どうにかしろ」
「無理です」
 その日はずっと猫まみれでした。にゃーにゃーうるさかった。
 翌日。風呂に入ってまたたび臭が消えると猫もどっか行ったので、スッキリして学校へ向かう。
「……おはよ」
 やけに元気のない声に振り向くと、そこに猫まみれの何かがいた。
「おはよう、猫まみれな人。だれ?」
「……かなみよ。……そこに、なんか山盛りのまたたびあって、そこで転んじゃって、山に突っ込んじゃって、猫が……」
「ドジ」
「しっ、仕方ないじゃない! あんな沢山のまたたび、見るの初めてだし! しかもなんか道路つるつるしてたしっ! 転びもするわよっ!」
「なんつーか、ご愁傷様だな」
「はぁ……なんでこんなことに……」
「俺が昨日山盛りまたたびに激突したことに憤慨し、夜の内に必死でかなみの通学路に置き直し、さらにそこで転びやすいよう油を撒いたからではないぞ」
「アンタのせいかぁぁぁぁッ!!」
 俺のせいじゃないと言ったのに、猫まみれが怒った。殴られるので適当言って回避!
「い、いや、強いて言うなら……運命?」
「はぁ? なに言って……」
「そう、運命! 俺が昨日猫まみれになり、今日かなみが猫まみれになるなんて、運命以外考えられない!」
「……ば、ばっかじゃないの? そんなわけないじゃない、アンタがそうなるように仕組んだんでしょ!」
 口では怒っているが、まんざらではない様子。あと一押し!
「それに、ネコ可愛いし、相乗効果でかなみの可愛らしさもさらにさらに!」
「えっ……そ、そうかな?」
 嬉しそうにはにかみながら、かなみは照れ臭そうに猫のヒゲを引っ張った。ぎにゃーって聞こえた。
「けど、猫に隠れてかなみの顔がよく見えないから意味ないや。わはははは!」
 かなみは怒りながら俺の頬を引っ張った。ぎにゃーって聞こえた。
「まったく……いらんことばっかして。ねー?」
 そう言って、かなみは腕に引っ付く猫に笑いかけた。猫はにゃあ、と答えた。
「あははっ、このコもアンタが馬鹿って言ってるわよ?」
「にゃーとしか言ってねーよ」
「違うよね、馬鹿って言ってるもんねー? 『そうにゃー。タカシはバカにゃー』」
「お前が言ってるじゃねえか……」
「あははっ、気にしない気にしない」
 そう言って、かなみは楽しそうに笑いながら猫にアフレコするのだった。

拍手[6回]

【憑かれてるツンデレ】

2010年03月30日
 近頃ボクっ娘の顔色が冴えないので、ちょっとだけ心配。
「どした、ボクっ娘? なんか疲れてるけど……」
「そうなんだよ、大変なんだよ! 助けてよタカシ!」
「うわっ」
「あぎゅっ」
 突然ボクっ娘が走り寄ってきたので、慌てて避けると変な声をあげながら壁にぶつかった。
「やあ、痛そうだ」
「痛いよ! 鼻が取れるかと思ったよ! なんで避けるんだよ!」
 鼻をさすさすさすりながら、梓が怒った。
「ボクっ娘に触れると、俺の体は緑色の液体になって溶けちゃうんだ」
「なんだよそのバレバレの嘘! 嘘つくならもっとばれにくい嘘つけよなっ!」
「梓を抱き留めたりなんかしたら、恥ずかしさのあまり顔真っ赤になっちゃって、俺が梓のこと好きだってバレちゃうじゃん」
「えっ、えええええ!? たっ、タカシって、ボクのこと好きなの!?」
「ばれにくい嘘成功」
「半分くらいはそうだと思ったよ、ばかぁ!」
 なんか怒られた。半分は信じたのか。
「んで、どしたんだ? 大変とか言ってたけど……」
「あっ、そう! そうなんだよ! ボク、憑かれちゃったんだ!」
「ほう、漬かれた? 俺の知らない間に大人の階段上り、シンデレラならぬ漬物になってたんだな。何味?」
「違うよっ! 大人の階段上っても漬物にならないっ! 漬物じゃなくて、幽霊! 幽霊に取り憑かれちゃったんだよ!」
 いっぱいつっこまれた。
「要約すると、漬物の幽霊に取り付かれて漬物にされそうだ、ということか?」
「全然違うよっ! タカシが言ってるのとごちゃごちゃになってるよっ!」
「漬物の幽霊って何?」
「知らないよっ! ああもう、タカシと話してるとボクまで馬鹿になっちゃいそうだよ……」
 失礼な。
「とにかく、幽霊に取り憑かれちゃったんだ。どうにかしてよ」
「どうにかと言っても……漬物の幽霊なんて聞いたことないしなぁ」
「漬物のことはもう忘れて! 全然関係ないから!」
「分かった。今後一切漬物なんて考えないし、見もしない。それどころか存在を抹消させるべく、漬物抹殺部隊を編成して市場に溢れる漬物を」
「もーっ、もーっ、もーっ! 変なことばっか言うな!」
 怒られたので真面目に相手することにする。
「しかし、幽霊と言われてもなぁ……どんなの?」
「なんか、女の人っぽい。怖くてはっきり見てないけど」
「怖がり」
「しっ、仕方ないじゃん! ……女の子だもん」
「だがしかし、ここに男だと言うのにホラー映画に怯える者がいることを忘れるな!」
「なんでここまでかっこ悪い事を誇らしげに言えるんだろ……」
 うるさい。
「んじゃ、幽霊出して」
「出してって……ボクの意思じゃどうにもならないよ。それに、夜にならないと出てこないんだ」
「んじゃ、夜まで梓の部屋で待つとしますか。何する? えっちなこと?」
「するわけないだろ、えっちっ!」
 という訳で梓の部屋でゲームしたりだべったりして時間を潰し、夜になった。
「……眠い。寝る」
「ダメだよっ! 何しに来たんだよっ!」
「確か、寝に来たような」
「違うだろっ!」
 首をひねって思い出そうとするが、生憎眠くて頭が働かない。
「うーんうーんうーん……あ、思い出した。幽霊だ、幽霊」
「それくらい覚えてろよなぁ、もう……」
「梓の後ろに立ってる人見て思い出した。やあ、よかったよかった」
「後ろって……うう、うしろっ!?」
 自分の後ろに立ってる体の透けてる人を見て、梓は大げさに驚いた。
「でっ、でで、出たよ出たよ! 退治だよ除霊だよどうにかしてよタカシ!」
「どうにかしろと言われても、何の対策もしてないしなぁ。はっはっは」
「笑ってないでどうにかしろっ! ぼ、ボクが呪い殺されちゃってもいいの?」
「む、それは困る」
「え……」
 梓が殺されてしまうと、俺はこれから先誰をからかえばいいと言うのだ。
「待ってろ梓、いま助ける!」
「う……うん! なんだかタカシが有り得ないほどかっこよく見えるよ……」
 梓の近くに寄り、幽霊と接触を試みる。
「…………?」
 自分の置かれている状況をよく理解していないのか、幽霊は小首を傾げた。
「えい」
「ひゃんっ!?」
 触れるか試しにおっぱいをつついたら、幽霊の口から色っぽい声が飛び出した。
「な、なな、なにやってんだよ!」
「接触を試みた」
「もっと方法があるだろ! なんで胸つつくんだよ!」
「触れて一番嬉しい場所だし」
 素直に言ったのに、梓にほっぺ引っ張られた。怒っているようだ。
「胸をつつかれるとは……生まれてから死んだ後の今までで、初の事です。……ちょっと、ドキドキです」
 幽霊は少しうつむきながらも、ほんのり頬を染めながら言った。
「や、そんなこと言われるとお兄さん照れますよ? はっはっは」
「むーっ!」
 照れ隠しに笑ってたら、梓にほっぺをつねられた。
「デレデレしてる暇があったら除霊してよ!」
「何を言うか。デレデレなんてしてないぞ?」
「してたよ、しまくりだよ! デレーってほっぺ緩ませちゃってさ、馬鹿みたい」
「む、梓の頭じゃないんだから緩まないぞ」
「ボクの頭だって緩まないよっ! 人をバカみたいに言うなっ!」
「……幽霊というレアな存在なのに、無視されてます。……少し、寂しいです」
 梓と俺、どっちが緩んでるか議論してると、幽霊が言葉どおり寂しそうに俺の服の裾を引っ張った。
「それは悪いことをした。もう大丈夫、俺がいるからな」
「あっ……」
「ああーっ!」
 優しくしたら除霊できるかもと思ったので、幽霊の体を優しく抱きしめると梓が素っ頓狂な声をあげた。
「あ、ああ、あああああ! な、なにを抱きしめてんだよ!」
「いや、除霊を……」
「除霊を、じゃないよ! 抱きしめてんじゃん!」
「はぅ……」
「幽霊さんもなにうっとりしてんだよぉ!?」
「……男の人に抱きしめられるなんて、生きてる間もなかったことです。……なんだか、好きになっちゃいそうです」
「だだダメっ! そんなのダメダメダメだよっ! こんなの好きになっちゃ人生終わりだよっ!」
 酷い言い草だ。
「……私はもう人生終わってるので、好きになっても問題ないです」
「あ、そういやもう死んでるもんな。わはははは!」
「笑えないよっ!」
 それもそうだ。不謹慎でした。
「だ、第一さ、タカシってばいじわるだし、変なことばっか言うよ? 一緒にいたら疲れるし、やめといた方がいいよ?」
「その割にゃ、梓はいつも俺のそばにいるよな。疲れないのか?」
「ぼ、ボクは慣れてるからへーきだもん。慣れてない幽霊さんは大変だよ? だ、だからやめた方が……」
「……幽霊なので、疲れというものとは無縁です。……ぶい」
 ぶい、と言いながらピースサインを梓に向ける幽霊。明るい幽霊だ。
「……と、いうわけで、今日から貴方の幽霊さんです。……しばらく取り憑かせて頂きます」
「や、これはこれはご丁寧に」
 お辞儀されたので、礼を返す。
「これで幽霊は梓から俺に移行したな。よかったな、梓……あずさ?」
「う、うう、ううううう~っ!」
 てっきり「これで霊障に悩まされずに済んで嬉しいよ! お礼にボクの初めてあげる!」とでも言うと思ったのに、梓ったら目尻に涙を浮かべて俺を睨んでいた。
「ダメのダメダメダメっ! 一緒にいるとかダメっ! これボクんだぞっ!」
 すげー勢いで梓が俺の腕を抱きしめ、幽霊を睨んだ。
「え、いや梓、俺の所有権は俺自身にあり、決して梓には」
「タカシは黙ってて!」
「は、はい」
 いつにない迫力に、思わず押し黙る。
「……嫌です。あげません。私のです」
 梓につかまれてる反対側の腕をぎゅっと抱きしめる幽霊。知らない間に幽霊にも所有権を奪われていた。
「ボクのボクのボクの!」
「……私のです」
「あ、あの、お嬢さん方、俺は誰のものでも」
「「うるさいっ!」」
「すいません」
 結局、夜が明けるまで俺の所有権を奪い合われた。

拍手[14回]

【雷が怖いボクっ娘】

2010年03月29日
 今日は日曜日。暇なのか、梓が俺の家に遊びに来てる。
「ねータカシ、折角こんな可愛い子が遊びに来てるんだからさ、ちょっとはもてなそうとか思わないの?」
「可愛い子って言った」
「……い、言うよ。ボク、可愛いもん」
「んー……まぁ、可愛いは可愛いわな。セクシーという言葉からはかけ離れた位置にいるけど」
「せ、セクシーだよ? ほら、うっふーん」
 うっふーんと言いながら、梓は肩口を露にした。したが……うっふん力が圧倒的に足りない。
「暇だなぁ。梓、どっか遊び行くか」
「なんかコメントしろよっ!」
 コメントできないから無視したのです。
「……あっ、ボクの魅力に参っちゃって、コメントできないくらい慌ててるんだね? へへー、セクシーすぎてごめんね」
 調子に乗ってるので、ほっぺを引っ張る。
「あぅ~、やへへほ~」
「わはは、変な顔」
 満足したので手を離すと、梓は不満そうにほっぺをさすった。
「うう~……タカシってさ、すぐボクのほっぺ引っ張るよね」
「柔らかくて気持ちいいから、引っ張られても仕方ない。もちもちほっぺを持った者の宿命だ、諦めろ」
「そう? タカシのほっぺとそんな変わらないと思うけど……」
 自分のほっぺを軽くひっぱり、梓はもちもち感を確かめた。
「……よく分かんないや。タカシのほっぺも触らせてよ」
「俺の頬には毒をたっぷり塗っているから、下手に触ると死ぬぞ」
「……それだと、塗ってる時に死なない?」
「大丈夫、この毒は体に大変いいからむしろ健康になる」
「……それ、もう毒じゃないよね」
「困ったね」
「……はぁ。冗談はともかく、ほっぺが硬い人なんていないんじゃないかな? ちょっと触らせて」
「引き続きお前のほっぺも触らせてくれるなら、許可しよう」
「ん、んー……まぁいいよ。むにー」
 むにーと言いながら俺の頬を引っ張る梓。負けじと俺も梓のほっぺを触る。
「うーん、やっぱ梓の方が柔らかい気がするけどなぁ」
「そう? タカシのほっぺも柔らかいけど……よく分かんないや」
「んー……よし、こうしよう」
 梓のほっぺにほお擦りし、どちらのほっぺが柔らかいか確認する。
「わわっ、ほお擦りされてる」
「…………」(すりすり、すりすり)
「どう? どっちが柔らかい?」
「……気持ちいい」(すりすりすり)
「き、気持ちいいじゃなくて! どっちが柔らかいか聞いてるんだよ!」
「うーん、なんだかえっちな気分」
「え、えっちな気分って! ぼ、ボクそんなつもりじゃ……」
「梓、キスしよっか」
「えええっ!? き、キスなんかより、遊ぼうよ? ほら、ゲームとか、ね?」
「梓……」
 ゲームを持つ手を優しく握り、そっと梓に体を寄せる。
「あ……」
 小さく息を吐き、梓はそっと目を閉じ……
 次の瞬間、轟音が部屋を包んだ。それとほぼ同時に稲光が走る。
「うおぉっ! びっくりした~。近いな」
 窓から空を見上げると、いつの間にか真っ暗な雲が立ち込めていた。見てる間にぱらぱらと雨が降ってきて、程なく窓を叩く雨音がうるさく感じるようになった。
「すげー雨だな……うぉっ、また光った」
 突然の雨と雷に、なんだかエッチな気分も飛んでしまった。
「はぁ……しょうがない、寝るか。梓、一緒に……梓?」
 梓に呼びかけるが、返事がない。……あ、そっか。
「あぅぅぅぅ~」
「まだ雷苦手なのか?」
 カタカタと震える梓の側に座り、そっと頭をなでる。まるでひよこを触ってるみたいにふわふわで気持ちいい。
「に、苦手じゃないよ~」
「……強がるなら、もうちょっと上手にな」
 にじんだ涙を手ですくってやる。
「こ、怖くなんかないよ? これはタカシを騙すためで、ホントはにゃああああ!」
 強がりを言ってる途中で稲光が走ったため、梓は会話の途中で猫っぽくなった。
「ホントはにゃあ? 実は猫だったのか」
「うにゅ~っ、うにゅ~っ」
 俺の話なんて聞かずに、梓はうにゅうにゅ言いながら俺の服の中に潜り込んだ。しばらくもぞもぞした後、服の中で俺に抱きついたまま首だけ出した。
「はぁ……落ち着いた」
「狭い。出ろ」
「まったく、ヤだね雷。怖くないけど、ゴロゴロうるさくってボク嫌いだよ」
「暑い。出ろ」
「はふー……」
 俺の話なんてまったく聞かずに、梓は安心したように息を吐いた。
 窓の外ではまだ雷が鳴ってるが、梓はもう平気なようで、気持ち良さそうに鼻歌を歌ってる。
「ふんふんふーん♪」
「下手」
「へっ、下手じゃないよっ!」
「じゃあ上手でいいから、出ろ。狭いし暑い」
「う……そ、その、雷が鳴り止むまでいちゃ……ダメかな?」
「ダメ」
「……どうしても?」
「うっ」
 目尻に涙を浮かべて、梓は俺をじっと見た。騙されるな、演技だ演技! 決まってる!
「……ど、どうしても、じゃない……カナ?」
 だがしかし、決まったところで俺に抗えるわけねーじゃん。
「……えへへ。優しいね、タカシ」
 ほらな、すげー嬉しそうに笑うし。ああもう、困る。
 困ったので、ぎゅーっと抱きしめる。
「うぐぐ……苦しいよぉ」
 なんて言いながら、梓は幸せそうに笑った。

拍手[10回]

【ツンデレ母】

2010年03月29日
 夏休みっていいよね。宿題とかないと、もっといいよね。今日が31日って嘘だよね。なんだよこの宿題の量。
「タカシ、宿題もうやったの?」
 あまりの量にやる気をなくし、居間でぐったりしながらテレビ見てると母さんに声をかけられた。
「した」
「じゃ、見せて。嘘だったらお仕置きね」
「したけど、現在の科学では理解できない事象が起こり、回答欄に埋めた全ての文字が消えた」
「なんでこの子は素直に『してませんでした。嘘ついてごめんなさい、美しいお母様』って言えないのかしらねぇ……」
 そう小首を傾げる母さんは、美しいというより可愛らしかった。超童顔の上、145cmという身長のせいで、誰が見ても中学生にしか見えない。……本当に俺の親か?
「聞いてるの、タカシ?」
「どうだろう」
「ちゃんと答えなさい!」
「お腹空いた」
「……この子は。まぁいいわ、なに食べたい?」
「チョコ」
「おやつじゃないの! おかずを聞いてるの、おかず!」
「玉子焼き」
「最初からそう言いなさいよ。……それにしても、チョコが食べたいってアンタもまだまだ子供ねぇ」
 なんだか嬉しそうに冷蔵庫の中を覗いてる母さんの言葉に、少しムッとする。
「まんま子供な人に言われたくない」
「こっ、子供じゃないわよ! お母さん、大人よ? ほら見なさい、この溢れる大人の魅力!」
 そう言いながら、母さんは上半身を前に倒してぐぐっと胸を寄せた。……う、倒しすぎて、服の隙間からピンク色のが一瞬。
「よ、寄せても寄る胸がないというのは、見てて哀れですね」
 だが、母親ので動揺したなんて思われるのはアレなので、心の中を隠したまま強がる。
「よっ、寄ってるわよ! タカシがちゃんと見てないから見えないだけ! ほら、ちゃんと見なさい!」
 母さんは俺の頭を抱え、ぐっと胸に押し付けた。ほのかな膨らみと、そしてぽっちの感触が俺の頬に!
「ちょ、ちょっと! 見えない! つーか当たってる、当たってるから!」
 いきなりのことに、少し乱暴に母さんの手を払う。……うう、動悸ドキドキ心臓破裂しそう。
「なにを慌ててるの? ……ははーん」
 まるで獲物を見つけたかのように、母さんの目が少し細まった。
「ママのおっぱいに興奮しちゃった? あはっ、お母さん綺麗だからドキドキしちゃうわよねー♪」
 やけに機嫌よさそうに両手で頬を押さえ、やんやんと年甲斐なくはしゃぐ我が母。
「や、綺麗ってのはどうだろう」
 ドキドキしたことにはあえて触れず、気になった部分だけ言及する。
「むーっ!」
 すると、急激に機嫌を損ねた母さんに頬をつねられた。
「キレイでしょ! ほら、言ってみて! き・れ・い!」
「胃液」
「全然違うでしょっ!」
「や、可愛いとは思うけどさ、綺麗ってのはちょっと違うような……」
「っ! か、可愛いだなんて、こんなオバサンに何言ってるんだか! まったく、馬鹿な子ねー♪」
 機嫌を直した母さんは、遠慮なく俺の背中をバシバシ叩いた。
「いて、いていて」
「それじゃお母さん、ぱぱっとご飯作っちゃうからね。いい子にして待っててねー♪」
 スキップでもしそうな勢いで、母さんは台所に向かった。あ、転んだ。パンツ丸出し。

 母さんの頭を撫でて慰めてからしばらく後、料理ができたと声がかかった。
「じゃ~ん! おまちどぉ~!」
 普通より小さめとはいえ、テーブル半分を占めるほどの巨大な黄色。……全部玉子焼き?
「ちょーっとお母さん張り切っちゃった。でも若いし、大丈夫よね?」
「隠していたけど、実は更年期障害に悩まされる年代なんだ」
「ささっ、召し上がれ♪」
 俺の必死の抵抗を無視し、母さんは満面の笑みで俺が食うのを今か今かと待ち構えていた。
「あ、あの、全部は流石に……」
「……お母さんの料理、嫌い……かな?」
「母さんと同じくらい大好きさ!」
 演技とはいえ泣きそうになってる母さんを見てると、そんな言葉が口をついて出ていた。一気に玉子焼きに食いつく。なんだこの量。
「お、同じくらいって……もう、この子は馬鹿なことばっか言って♪」
 必死で料理と格闘する俺を、母さんは微笑ましそうに、楽しそうに見つめていた。

拍手[8回]