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2026年03月17日
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【マヨイガにツンデレがいたらどうなるの?】

2010年04月09日
 水月やった。雪さんに会いたくなった。寝た。起きたらマヨイガだった。
「やった! 雪さん、雪さん! 来たよ、俺来たよ! 雪さぁぁぁん!!!」
 花々を踏みしめながら雪さんの姿を探し、走る。やがて、天を突くような大木が見えた。その根元に、誰かいる。
「……雪さん? 雪さんだよね? 雪さん! 雪さぁぁぁぁん!!!」
「誰が雪さんか!」
 雪さんに抱きつこうとすると、鼻っ柱を殴られた。
「貴様、花梨!?」
「かなみよっ!」
「なんで!? 雪さんは? どこ?」
「そんなの知らないわよ。……それより、私見てなにか思わないの?」
 かなみの言葉を無視して雪さんを探してたら殴られたので、仕方なくかなみを上から下までじっくり見る。
 髪はいつも通りツインテールだ。ちょっと頬が赤いか? 目はいつもの挑むような視線を俺に向けてるし……ふむ。
「太った?」
 別に気がついたところなどないので適当に言ったら、首を絞められた。どうやら失言だったようだ。
「太ってない! ……ほ、ほら、メイド服だよ。ヘッドドレスもあるよ? アンタの好きなメイドさんだよ?」
「……は! そんな外見だけでメイドを謳おうなどとは愚かしいにも程がある! いいか? メイドさんは優しくて、ご飯を作ってくれて、買出しについていって袋持とうとすると『嫌です。雪の仕事を取らないでください』とか言って、夜は添い寝してくれて、どんな時でも俺のことを想っていてくれる。そんな、そんなメイドさんをおまえは……ああああ雪さぁぁぁん!!!」
「いちいち叫ぶな! ああもう!」
 かなみに突然手を引かれ、バランスを崩し転ぶ。そして俺の頭を持ち、かなみは
「……あ、アンタの言う雪さんは、こ、こういうことしてくれる?」
 ……俺に、膝枕をした。
「……え、えーと、どうだったかな?」
 かなみの太ももの柔らかさにドキドキしつつも、どこか安らぎを感じていた。
「ふ、ふふん、どう? 雪さんよりあたしの方がすごいでしょ?」
「んー……分からん。でも、このまま寝かせてくれたら……」
「……し、しょうがないわね。いいわよ。……お休み、タカシ」
 そっと俺の頭をなでてくれる感触を感じながら、俺は夢とも現とも知れない世界でまどろんでいった。

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【人魚ちなみん】

2010年04月09日
「貝ブラっていいよね。男の夢だよね。誰かやれ」
 かなみに殴られ、まつりに斬られ、みことに窓から放り出された後、俺は泣きながら帰宅した。
 そこで待っていたのは、人魚なちなみだった。
「……人魚です。ぴちぴち」
「……いつの間に先回りを?」
「……泣き叫んで許しを請っているにも関わらず、みことに窓から投げ捨てられたところ辺り、かな」
 とても恥ずかしいところを見られていたようだ。日常と言えなくもないが。
「で、何用でしょう?」
「……貝ブラです。にひ」
 ちなみは胸を張って、貝ブラを強調した。……ほぼまっ平らな胸で、どうやって貼り付けてるのだろう。
「……嬉しい?」
「ま、まぁ、それなりに」
 本当は脳汁が耳から出そうなほど嬉しいけど、言ったら調子に乗るので言わない。
「……あんまり喜ばないので、今日は帰ります」
「待って死ぬほど嬉しいからここにいてお願いします!」
 今回だけは俺の負けということにしてやろう、と土下座しながら心の中で思う。
「……にひ」
 ちなみは意地の悪そうな笑みを浮かべた。……計算ずくだな、チクショウ。
「……どうです? おっぱいぼいーんな私が貝ブラして」
「おっぱいぺたーんだけど、貝ブラはいいな。堪らないな。鼻血が出そうだ」
「…………」
 なぜか睨まれた。褒めたのに。
「……どうせ私はぺたんこです。ちょっとくらい夢見てもいいじゃないですか。……タカシはいじわるです」
 上目遣いに睨むちなみに、俺は頭をなでながら優しく言った。
「大丈夫、小学生みたいで可愛いぞ」
「……全然まったくちっとも嬉しくありません」
 最上級の褒め言葉が通用しない。女心は難しい。
「ほら、えーっと、そのな、つるぺただと……」
 俺がどう言い繕うか考えていると、ちなみの胸に張られた貝が床に落ちた。
「……こういう素敵なハプニングが起こるし」
 ピンク色のつぼみを網膜に焼き付けながら言った。言い切った。
「…………」
 胸を押さえ、怒りに震えるちなみ。
「……がう!」
 がぶり、と俺の腕に噛み付いてきた。
「痛え! 何すんでい!」
「……見ました。私のおっぱい見ました」
「違う! 見たのはおっぱいではなく乳首だ!」
「一緒です! というかより悪いです! もうお嫁にいけません!」
「元よりお前みたいな変な奴が嫁にいけるわけないだろ、ばーか!」
「……う~! がう、がう、がう!」
 噛まれまくった。
「……タカシはひどいです。あんまりです」
 ちなみは噛むのをやめ、ぽつりと呟いた。
 ひどいのはちなみだろう、と全身に刻まれた噛み跡を見ながら思った。
「……そういう時は、嘘でも『俺が嫁にもらってやる』と言うものです」
「嘘は嫌いなんだ」
「……そう、ですか」
 うつむいたちなみに、俺は言った。
「だから、嘘が本当になるまで待ってくれ。なに、そう時間はかからないさ」
「え……」
「……に、二回も言えるか! こんなクソ恥ずかしいこと!」
 ちなみが柔らかく微笑むのを、俺は顔が熱くなるのを感じながら横目で見ていた。

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【ツンデレの家でご飯を食べたら】

2010年04月08日
 かなみの家に遊びに行ってだべってたら、夕食の時間になった。
 おばさんの「よかったらタカシ君も食べていって」という言葉をそのまま受け取り、嫌そうな顔をしてるかなみと一緒に食卓へ。
「たくさん食べてね。かなみったら、ダイエットだかなんだか知らないけど最近あんまり食べてくれないの」
「お、お母さん! 変なこと言わないでよ!」
「ダイエットは胸から痩せると聞いたことがある。かなみ、それ以上胸を虐待するのはやめた方がいいと思うぞ」
「忠告ありがとねっ!」
 ありがとうと言いながら殴るのはどうしてだろう。
 ひりひりする頬をさすり、両手を合わせて食事開始もぐもぐもぐ。
「タカシ、野菜も食べなさいよ。肉ばっか食べてんじゃないわよ」
「別府家の人間は野菜を食うと青紫色の汁を撒き散らしながら悶死するという言い伝えが」
「いいから食えッ!」
「もがもが」
 野菜を直接口に詰め込まれる。それはいいが、一緒に指まで突っ込むな。
「ひゃうっ!? な、舐めるな、ばかっ!」
 指を舐めると怒られた。あと殴られた。
「ほんっと、かなみはタカシ君がいるとイキイキしてるわね」
「なっ、なに言ってるのよお母さん! そんなわけないじゃない!」
 だが、逆に俺はかなみといるとどんどん弱っていく。時に死にかける。
「……つまり、かなみは俺の生体エナジーを吸い取っているのか」
「人を妖怪みたいに言うなッ!」
 俺とかなみが話してるのを、おばさんはニコニコと眺めていた。
「タカシ君、おいしい?」
「大変おいしいです、おばさん。思わず結婚を申し込みたいくらい」
「あらやだ、おばさん本気にしちゃうわよ?」
「熟女は本来俺の範囲外なのですが……おばさんくらい綺麗だと、ストライクゾーンに入るかと。どうです?」
「人の母親を堂々とナンパするなッ!」
 おばさんの手を握ったら、かなみが俺の首をぎぅっと締めた。いつになく本気だ。うーん、死ぬ。
「じ、冗談よ、かなみ。ね、タカシ君?」
「……げ、げごぉ」
「日本語喋りなさいよ、日本語!」
 ノドを絞められており、うまく喋れません。
 その後、おばさんの取り成しもあり、どうにか死の淵から生還した。
「……ったく、馬鹿」
「ごめんね、タカシ君。かなみったら、嫉妬しちゃったみたい」
「なっ、なんで私が嫉妬なんかするってのよ!」
 かなみは顔を真っ赤にして叫んだ。
「人の趣味をとやかく言うつもりはないが、近親相姦でレズってのは人としてどうかと思うぞ」
「違うわよッ!」
「じゃあ、一体誰に嫉妬してるのかしらね?」
「う……」
 俺とおばさんの連係プレイに、かなみは顔を赤くしてうつむいてしまった。
「も、もう部屋に戻る! ごちそうさまっ!」
 かなみは食器を流しに入れると、慌しく部屋から出て行った。
「あらあら、からかいすぎたかしらね」
「かなみはからかうと面白いから、仕方ないですよ」
「ふふっ。……そうそう、かなみったら、家じゃタカシ君のことばかり話してるのよ」
「う……そ、そうですか」
「今日はタカシと何をしたとか、どんなことをしていたとか。口じゃ悪く言ってるけど、それは楽しそうに教えてくれるの」
「は、はぁ……」
 なんだか異様に居心地が悪い。背中がむずがゆい。
「……タカシ君はぁ、かなみのこと、どう思ってるのかなー?」
「もぐもぐむしゃむしゃがつがつがつ! ごちそうさまでしたおばさん、大変おいしかったです! おっともうこんな時間だ、そろそろ失礼しまっす!」
 勢いよく立ち上がり、言葉を挟ませないうちに家を立ち去ろうとする……が、忘れ物に気づいた。
「鞄、かなみの部屋じゃないの?」
「……はい」
 ニッコニコなおばさんに見送られ、かなみの部屋へ。
「た、タカシ、まだいたの?」
「か、鞄を忘れてな」
 かなみの部屋に入り、鞄を拾う。さぁ、帰ろう。
「……うー」
 ……帰ろう、と思うのだが、さっきから枕を抱えて低く唸ってる娘さんが気になって仕方がない。
「か、かなみさん、何か?」
「……嫉妬なんて、してないもん」
「はい?」
「だ、だから、誰も嫉妬なんてしてないもん! そうよね!?」
「はっ、はいっ!」
 かなみの勢いに、思わず返事してしまう。
「……そ、そうよ。なんで私が嫉妬なんてしなきゃいけないのよ。気のせいよ、気のせい」
「そうそう、そのとおり。気のせいに決まってる」
 思わずへりくだってかなみに同調すると、不満そうに睨まれた。
「……嬉しそうね」
「へ?」
「……嫉妬されてなかったら嬉しいんだ。まーそうよね、私のことなんてタカシからしたらどーでもいいものね」
 ああもう、どうしろと言うのだ。なんでそこで機嫌が悪くなる?
「……もう寝る。帰って」
「あー、帰れと言うなら帰るが、一つだけ」
「……なによ」
「かなみがどうでもいいなんて思ったこと、一度もないぞ」
 瞬間、かなみの顔が真っ赤に染まった。
「あっ、の、ええと、……ああもう、帰れ馬鹿!」
 飛んできた枕を鞄でかわし、部屋を飛び出す。
「じゃーなかなみ、また明日」
「うううるさい、ばかっ!」
 真っ赤な顔のかなみに見送られ、俺は家を出るのだった。

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【鹿せんべい買って鹿に追い回されるツンデレ 】

2010年04月08日
 修学旅行で奈良の鹿が生息するという公園に連行された。
「じゃあここでしばらく自由行動にします。みんな、鹿さんと触れ合ってね♪」
「いかに童顔とはいえ、30過ぎの女性が音符マークを飛ばすのはどうかと思うぞ」
「まだ29だもん!」
「もん、とか言うな。四捨五入すると30過ぎの人」
「ううう……別府くんがいじめるぅぅぅぅぅ!」
 泣きダッシュをかます担任を尻目に、級友たちはわらわらと散っていった。
「アンタねー、先生泣かすんじゃないわよ」
 俺も鹿と戯れるかと思ってると、呆れ顔のかなみが寄ってきた。
「いつものことだ、気にするな。で、どうする? 鹿と遊ぶか?」
「んー……そうね。折角だし、鹿せんべいでもあげましょ」
 かなみと一緒に露天でせんべいを買うと、早速鹿たちが寄ってきた。
「あははっ、食べてる食べてる。アンタの方は?」
「ぱりぱりぱり……うむ、思った通りおいしくない。味しない」
「なんで自分で食べてるのよッ!」
 せんべいを食ってると怒られた。
「自分で買ったんだし、いいだろ別に。それよりかなみ、えらく鹿が寄ってきてるぞ」
「え……わっ、本当だ」
 最初は数匹の鹿が、今はもう10を越すほどの数に膨れ上がっていた。
「人間にはその暴力で敬遠されるかなみだったが、そうと知らない鹿には大人気だった」
「暴力なんてしたことないわよっ!」
 なんて言いながら俺の頬をぶつこれは暴力以外の何ですか。痛いですよ?
「そ、それより……なんか、すっごい寄ってきてるんだけど」
「うむ、鹿まみれだな」
 まるで何かに追い立てられるかのように、鹿がかなみの元に集まっていく。少しばかり怖い。
「ちょ、ちょっと、もう鹿せんべい持ってないのに……た、助けてよタカシ~」
「そんな情けない声を出すでない。いつもの暴力で鹿を振り払えばいいだろうに」
「そんな可哀想なことできるわけないでしょ! ほら、こういう時くらい役に立ちなさいよ!」
「あいにく鹿に襲われてる友人を助けるHowTo本を読んだことがなくてな。くっ……こんな時に何もできない自分が歯痒い」
「そんなHowTo本ないっ! いいから助けろ馬鹿!」
「大丈夫だって、鹿は草食だから別に食われやしないぞ」
「そ、そうだけど……やだ、ちょっと服噛まないでよ!」
 鹿にスカートの裾を噛まれ、かなみは悲鳴をあげた。
「わっ、ちょっと……もうヤダ、やめてよ!」
 どうにか鹿を振り払い、かなみはその場から逃げ出した。その後を鹿がぞろぞろ着いていく。
「羊飼いの少女のようで、一見のどかな風景ですね。いや、鹿飼いの少女か」
「何をのん気に……早く助けなさいよ、タカシ!」
「しかし、これほどのどかな光景を失うのは人類にとって大きな痛手になるかと。かなみを取るか、人類を取るか……これは極めて難しい選択だ」
「早くしろ、ばかっ!」
 叱られたので、鹿を散らす。具体的な方法を記すと政府に消されるので秘密。
「はー……怖かった」
「大丈夫か?」
 ぺたりと地面に座り込んでるかなみに手を差し伸べる。
「大丈夫じゃないわよ! なんで最初っから助けてくれないのよ!」
 俺の手をとらず、座ったままかなみは俺に疑問をぶつけた。
「なんでと言われても……ただ、鹿に追われるかなみが可愛かったから、それをできるだけ長く見たかったからとしか」
「んなっ!?」
 途端、かなみの顔に朱が射した。
「そ、そんな言い訳で私が納得するとでも……」
 ごにょごにょ口元で言われても、俺の耳まで届かない。
「とはいえ、すぐ助けないのは確かにダメだな。悪かった」
「……ま、まぁ、別に、その、謝ることないっていうか……うぅ」
「とにかく、ぼちぼち立て。この辺りは地雷が埋まってて危険だぞ」
「地雷……?」
「鹿がいるんだ、糞に決まってるだろ。……それとも糞と戯れる趣味が?」
「ないわよっ! 早く言え、馬鹿!」
 かなみは左手で俺の手を引っ張り、右手で俺のあごを打ちぬいた。
「あーもう、やっぱアンタって最低! べーっだ!」
 このままでは地雷に顔から突っ込むというのに、俺ときたら舌を出すかなみの仕草に心を奪われる体たらくだった。

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【「人生」って何?と考えるツンデレ】

2010年04月08日
 昼休み、飯も食い終わり暇に任せてぼんやり教室を眺めてると、ちなみが真剣な表情で何か考え込んでいるのに気がついた。
「よっ、何やってんだ?」
「……む、人が思索に耽っているところを得意のセクハラトークで邪魔する気ですね」
「普通に声かけただけですよ!?」
「……そうやって油断させといて、『背が小さい奴は胸も小さい』とか、『小学生は小学校へ行こうね、お嬢ちゃん』とか言うつもりですね」
「言いません!」
「……なんだ、残念」
 残念なのか。
「……とにかく、私は哲学的な問題を考えてる最中なのです。……邪魔しないように」
「ほう、哲学。よく分からんけど小難しげだな」
「そうです、小難しいのです。……タカシには一生かかっても理解できないような難問です」
 ちなみはことあるごとに俺を馬鹿にするので少し悲しい。
「ま、ま。三人寄ればもんじゅメルトダウンの恐怖という格言もある。一人より二人で考えた方がいいかと」
「三人寄れば文殊の知恵、です。……やっぱりタカシはオッペケペーです」
 よく分からないけど、馬鹿にされていることだけは伝わってきました。
「……まぁ、オッペケペーなりに考えるのもいいかもしれません」
 そう言って、ちなみは俺の方に向き直った。
「……人生、とは何でしょう」
「じ、人生デスか?」
「……昨日から考えているのですが……答えが出ないのです」
「まー哲学に答えなんてないしなぁ……」
 頭をかいてどうしたもんかとしばし考える。
「……やはり、タカシじゃ分からないですね。……相談した私がバカでした」
「いやいやいや、分かるぞ。俺に任せろ」
「え……?」
 途端、ちなみの瞳が期待で満ちた。
「人生とは! それ即ち、ちっちゃい子を愛でることである!」
「…………」
 気のせいか、ちなみの目が犯罪者を見るそれに変わっているような。
「……本気で、タカシに相談した私が馬鹿でした」
「ええっ、なんで!? ちっちゃい子可愛いよ!? ちなみとか!」
「……私は小さくないです」
 思い切り頬をつねられた。大変痛いです。あと、ちなみは小さいです。
「……はぁ、タカシはダメダメです。ダメダメのうえ、性犯罪者ときた」
「まだ捕まってない! 前科0犯!」
「……まだ、という辺りに自信のほどが窺い知れます」
「ええい、重箱の隅をつつくな! とにかくだ。人生なんざ幸せになったもん勝ちだぞ」
「……え?」
「俺はちっちゃい子を愛でてたら幸せだ。だから、ちなみも何でもいいから幸せなことを探すんだな」
「…………」
「どした? ぼやーっとして」
「……本当に時々ですが、タカシはすごいことを言うので油断できません」
 なんだ、すごいことって。……今日はまだセクハラ言ってないよな?
「……よく、分かりました」
「な、何が?」
「……分からないなら、いいです。……それでこそ、タカシです」
 馬鹿にされているような、褒められているような。
「……すっきりしたら、おなかが空きました。学食に行きましょう」
「え、お前弁当食ったんじゃないのか?」
「……育ち盛りは、すぐお腹が空くんです。……たくさん食べると、背も伸びます」
「いや、背とか胸とか無理だから。諦めろ」
「……今日はタカシのおごりですか。メニューの端から端まで頼むのもいいですね」
「ええっ!? なんで!?」
「……さ、早く行きましょう。お昼休みが終わっちゃいます」
「え、もう奢るの確定? あれ、なんで?」
 首を傾げながら、俺はちなみに着いていくのだった。

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