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2019年10月15日
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【ツンデレの家でご飯を食べたら】

2010年04月08日
 かなみの家に遊びに行ってだべってたら、夕食の時間になった。
 おばさんの「よかったらタカシ君も食べていって」という言葉をそのまま受け取り、嫌そうな顔をしてるかなみと一緒に食卓へ。
「たくさん食べてね。かなみったら、ダイエットだかなんだか知らないけど最近あんまり食べてくれないの」
「お、お母さん! 変なこと言わないでよ!」
「ダイエットは胸から痩せると聞いたことがある。かなみ、それ以上胸を虐待するのはやめた方がいいと思うぞ」
「忠告ありがとねっ!」
 ありがとうと言いながら殴るのはどうしてだろう。
 ひりひりする頬をさすり、両手を合わせて食事開始もぐもぐもぐ。
「タカシ、野菜も食べなさいよ。肉ばっか食べてんじゃないわよ」
「別府家の人間は野菜を食うと青紫色の汁を撒き散らしながら悶死するという言い伝えが」
「いいから食えッ!」
「もがもが」
 野菜を直接口に詰め込まれる。それはいいが、一緒に指まで突っ込むな。
「ひゃうっ!? な、舐めるな、ばかっ!」
 指を舐めると怒られた。あと殴られた。
「ほんっと、かなみはタカシ君がいるとイキイキしてるわね」
「なっ、なに言ってるのよお母さん! そんなわけないじゃない!」
 だが、逆に俺はかなみといるとどんどん弱っていく。時に死にかける。
「……つまり、かなみは俺の生体エナジーを吸い取っているのか」
「人を妖怪みたいに言うなッ!」
 俺とかなみが話してるのを、おばさんはニコニコと眺めていた。
「タカシ君、おいしい?」
「大変おいしいです、おばさん。思わず結婚を申し込みたいくらい」
「あらやだ、おばさん本気にしちゃうわよ?」
「熟女は本来俺の範囲外なのですが……おばさんくらい綺麗だと、ストライクゾーンに入るかと。どうです?」
「人の母親を堂々とナンパするなッ!」
 おばさんの手を握ったら、かなみが俺の首をぎぅっと締めた。いつになく本気だ。うーん、死ぬ。
「じ、冗談よ、かなみ。ね、タカシ君?」
「……げ、げごぉ」
「日本語喋りなさいよ、日本語!」
 ノドを絞められており、うまく喋れません。
 その後、おばさんの取り成しもあり、どうにか死の淵から生還した。
「……ったく、馬鹿」
「ごめんね、タカシ君。かなみったら、嫉妬しちゃったみたい」
「なっ、なんで私が嫉妬なんかするってのよ!」
 かなみは顔を真っ赤にして叫んだ。
「人の趣味をとやかく言うつもりはないが、近親相姦でレズってのは人としてどうかと思うぞ」
「違うわよッ!」
「じゃあ、一体誰に嫉妬してるのかしらね?」
「う……」
 俺とおばさんの連係プレイに、かなみは顔を赤くしてうつむいてしまった。
「も、もう部屋に戻る! ごちそうさまっ!」
 かなみは食器を流しに入れると、慌しく部屋から出て行った。
「あらあら、からかいすぎたかしらね」
「かなみはからかうと面白いから、仕方ないですよ」
「ふふっ。……そうそう、かなみったら、家じゃタカシ君のことばかり話してるのよ」
「う……そ、そうですか」
「今日はタカシと何をしたとか、どんなことをしていたとか。口じゃ悪く言ってるけど、それは楽しそうに教えてくれるの」
「は、はぁ……」
 なんだか異様に居心地が悪い。背中がむずがゆい。
「……タカシ君はぁ、かなみのこと、どう思ってるのかなー?」
「もぐもぐむしゃむしゃがつがつがつ! ごちそうさまでしたおばさん、大変おいしかったです! おっともうこんな時間だ、そろそろ失礼しまっす!」
 勢いよく立ち上がり、言葉を挟ませないうちに家を立ち去ろうとする……が、忘れ物に気づいた。
「鞄、かなみの部屋じゃないの?」
「……はい」
 ニッコニコなおばさんに見送られ、かなみの部屋へ。
「た、タカシ、まだいたの?」
「か、鞄を忘れてな」
 かなみの部屋に入り、鞄を拾う。さぁ、帰ろう。
「……うー」
 ……帰ろう、と思うのだが、さっきから枕を抱えて低く唸ってる娘さんが気になって仕方がない。
「か、かなみさん、何か?」
「……嫉妬なんて、してないもん」
「はい?」
「だ、だから、誰も嫉妬なんてしてないもん! そうよね!?」
「はっ、はいっ!」
 かなみの勢いに、思わず返事してしまう。
「……そ、そうよ。なんで私が嫉妬なんてしなきゃいけないのよ。気のせいよ、気のせい」
「そうそう、そのとおり。気のせいに決まってる」
 思わずへりくだってかなみに同調すると、不満そうに睨まれた。
「……嬉しそうね」
「へ?」
「……嫉妬されてなかったら嬉しいんだ。まーそうよね、私のことなんてタカシからしたらどーでもいいものね」
 ああもう、どうしろと言うのだ。なんでそこで機嫌が悪くなる?
「……もう寝る。帰って」
「あー、帰れと言うなら帰るが、一つだけ」
「……なによ」
「かなみがどうでもいいなんて思ったこと、一度もないぞ」
 瞬間、かなみの顔が真っ赤に染まった。
「あっ、の、ええと、……ああもう、帰れ馬鹿!」
 飛んできた枕を鞄でかわし、部屋を飛び出す。
「じゃーなかなみ、また明日」
「うううるさい、ばかっ!」
 真っ赤な顔のかなみに見送られ、俺は家を出るのだった。

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