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2026年03月15日
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【ツンデレの事を「ハニー」と呼んだら】

2010年05月14日
 弁当持ってくるの忘れた。金もない。さぁどうしよう。
 うむ、ここは誰かの飯を徴収しよう。いいところにかなみがいる、ターゲット決定。
「ハニー」
 かなみが牛乳を吹いた。
「げほっげほっげほっ! な、なに言ってんの? 牛乳吹いちゃったじゃない!」
「ハニー、牛乳は雑巾で拭くんだ。愉快なことになるぞ」
「だから、なによそのハニーって!」
「愛称だ。愛情を込めました」
「な、なによ愛情って……そんなの込められても、……困る」
「困るな、ハニー。さぁ、かなみも俺のことをダーリンと呼べ」
「誰が呼ぶかっ!」
「照れるな」
「照れてない! ……本当にどしたの? いつも変だけど、今日はいつにも増して変よ?」
「はは、何を言ってるんだいハニー。僕はいつもこうさ。……ところでハニー、物は相談だが」
「パンならあげないわよ」
「…………」
 先手を打たれた。読まれてる?
「……な、何を言ってるんだハニー。パンを欲しいがために、おだててるだなんて一言も」
「あー、やっぱそういうことね」
「しまった、誘導尋問か!? 卑怯な!」
「アンタが勝手に言ったでしょうが! まったくもう」
 そう言いながら、かなみはパンにかぶりついた。
「……ハニー、少しでいいんだ。このままでは、君のダーリンは飢え死にするぞ」
「誰がダーリンか! だいたい、一食抜いたぐらいで死にゃしないわよ」
 無慈悲にも、かなみはパンを食う手を止めなかった。
「ええい、鬼め! もういい、そのまま食う!」
 かなみの持つパンに下から食らいつく。
「あっ、何すんのよこの馬鹿! 食うな!」
 かなみは俺の食う反対側から食べてる。ふん、俺が先に食いきってやる!
「がつがつ!」
「あぎあぎ!」
 ……ちゅ。
「ぬあっ!」
「ひゃっ!?」
 なんか、口に柔らかいのが触れた。
「ななな、なにすんのよ!」
 かなみは顔を真っ赤にして俺に食って掛かった。
「うっ、うるさい! おまえが俺に飯くれないのが悪いんだ!」
「……タカシ、顔まっか」
 今まで傍観していたちなみが痛いところを指摘する。
「き、気のせいだ。そ、それより、腹減ったからおまえの飯よこせ」
「……キスされるのヤだから、あげない」
「き、キスって、おま」
「……じゃ、そゆことで」
 ちなみは軽いステップで教室を出て行った。そして、衆目を集めてる俺とかなみが取り残される。
「……あー、その、腹が減りました、ハニー」
「まだ言うか!」
 ハニーは顔を真っ赤にしたまま俺を蹴りとばし、教室を出て行った。
「いたた……」
 周囲を見ると、みんなが俺を見てる。えーと、どうしよう。
「……以上、お昼の演目『腹減り太夫』でした」
 拍手の代わりにチャイムが教室中に響き渡った。

拍手[8回]

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【ボクっ娘が不眠症になっちゃった】

2010年05月14日
 ボクっ娘が眠れないらしい。心優しい俺は、話し相手になってやろうと思い、深夜、ボクっ娘宅に窓から侵入した。そして布団の中にいるであろう娘さんに声をかける。
「恨めしい!」
「うわあああああ! おばけーーーーーーーーーーーッ!!!」
 優しく声をかけると、梓は布団を跳ね飛ばして起き上がった。
「オバケチガウ。美男子だ」
 部屋の明かりをつけ、美男子っぷりを見せ付ける。
「あ……た、タカシじゃないか! 脅かさないでよぉ! あと、美男子じゃないよ」
 梓には俺の美男子っぷりが分からないようだ。
「こんな夜中に何の用? ボク、寝たいんだけど」
「梓が不眠症と聞き、治療しに来た」
「……なんでこんな夜中に? それに治療って、そんなのできるの?」
「任せろ。ちゃんと道具も持ってきた」
 鞄から治療道具を取り出す。
「……ね、瞬間接着剤なんて使うの?」
「まぶたにつければ二度と目が覚めないぞ。ほれ、こっち向け」
「嫌だよ! こら、近寄るなぁ!」
「何が嫌なんだか……じゃあこれだ」
「……かなづち?」
「これで殴れば眠れるぞ」
「永眠しちゃうよ!」
「些細な問題だ」
「巨大な問題だよぉ!」
「じゃあ無理。諦めろ」
「早いよぉ! もっと頑張ってよぉ!」
「だいたい素人が不眠症を治療できるわけないじゃねえかばーかばーかばーか」
「ば、ばかって、そんなのタカシのほうが馬鹿だよ、大馬鹿だよ、超ド級馬鹿だよ!」
「ええい、馬鹿馬鹿言うな! 馬鹿と言うほうが馬鹿……はっ、ということは俺が馬鹿なのか!?」
「うん」
 激しいショックを受ける。もう立ち直れない。
「もういいや、俺は馬鹿だから高校やめて中東で石油でも見つけて金持ちにでもなるよ……」
「極端だよぉ! 意味分かんないし! だから学校辞めるなんて言わないでよぉ!」
 窓から出ようとしたら、梓がすがりついて止めてきた。
「ボクっ娘が話し相手になってくれたら学校行く」
「う、うん! いくらでも話相手になるよ! ……だから、冗談でも辞めるなんて言わないでね?」
「俺はいつだって本気だ」
「なお悪いよぉ! そ、その話題はもう終わり! なに話そっか?」
「ふむ……そうだな、ちなみの着ぐるみ症候群についてでも話すか」
 夜が明けるまで、俺は梓とベッドの上でくだらないことを話していた。
「……超眠ぃ」
「ボクも……」
 二人でふらふらになりながら登校する。教室に着くと、かなみが声をかけてきた。
「おはよー、タカシ、梓。……なんか、二人とも眠そうね」
「梓が眠らしてくれねぇんだ」
 かなみが凍った。
「……かなみ?」
「……アンタ、梓が大人しいからって、無理やりしちゃったの?」
 何かとんでもない勘違いをしている。誤解を晴らさなくては。
「あー、いや、その、気持ちよかったです」
 いかん、眠くて頭が回らん。やばいこと言ってる気がする。
「……言い残すことは? ないわね? ……覚悟なさい!」
 かなみに殴り飛ばされた俺は、窓から外に飛び出て校庭の木に引っかかった。ちょうどいいからこのまま寝ちまえ。ぐぅ。

「あ……あの、かなみちゃん、誤解だよ? タカシとはただお喋りしてただけで」
「あ……そ、そうなの? まぁいっかあ、タカシだし。あはははは」
 かなみは笑って誤魔化し、そそくさと自分の席へ戻った。
「……ありがとね、タカシ」
 梓は眠れない自分のために話し相手になってくれたタカシに、そっと感謝の言葉を紡いだ。

拍手[5回]

【ツンデレと男がベストカップルに選ばれたら】

2010年05月14日
「かなみー、ちょっと貸して欲しいものがあるんだけど」
「嫌。アンタに貸す位ならドブに捨てる」
「えっと、シャーペンとノートと国語の教科書貸して」
「人の話聞きなさいよ! それに、それって全部じゃない! どうしたのよ?」
「遅刻しそうであまりに慌ててたのか、鞄持ってくるの忘れた」
「……はぁ、相変わらず馬鹿ね」
 かなみに罵倒され傷ついていると、二、三人の男女がカメラを持って教室に入ってきた。そして壇上に上がった。
「別府タカシさん、椎水かなみさん、いますかー?」
 なんか呼ばれてるので行く。
「なんだ? 内容次第によっては犯す」
「いきなり脅すな! で、なに?」
 俺の脅迫に怯えてる眼鏡な女生徒は、おずおずと切り出した。
「じ……実は我が校で先日行われたアンケートで、別府さんと椎水さんがベストカップルに選ばれまして、その、表彰に……」
「だとさ、かなみ」
「なんでアンタ相手なのよ。ものすごい迷惑」
「だとさ、メガネちゃん」
「メガネちゃん……? と、とにかく、これを受け取ってください」
 メガネがよく似合う女生徒からノートの束を渡される。
「では、皆さん拍手をお願いします」
 教室に無責任な拍手が舞い起こった。
「それでは、私たちはこれで」
 何枚か写真を撮って、メガネちゃんたちは出て行った。
「すごいじゃない、かなみ!」
「相手がこいつじゃなけりゃ、もっと嬉しかったんだけどね」
 寄ってきた女生徒に、かなみは俺の顔を指しながら嫌そうに言った。
「やるなぁ、タカシ」
「ああ、とても嬉しい」
 寄ってきた男子生徒に満面の笑顔でそう言うと、周囲から冷やかしの声があがった。
「あ、アンタなにを……!」
「本当のことを言って何が悪い?」
 かなみは、何か言いたげにもごもごと口を動かした。
「これでノートはかなみの世話にならずに済む。あとは、シャーペンと教科書貸してもらえれば」
「……借りなくて済むから嬉しいってこと?」
「無論だ。まぁ、ベストカップルも悪くないがな」
 周囲からため息が漏れた。
「……ったく、アンタは。で、それ使うの?」
「ノート持ってきてないからな。ちょうどいい」
「……えっと、全部貸すから、それちょうだい」
「え、いや、あの」
 俺が何か言う前に、かなみはノートを奪ってしまった。
「はい。教科書はあたしも使うから貸せないけど、これでいいでしょ?」
 自分の机に取って帰り、ノートとシャーペンを渡される。
「まぁいいんだが……そんなに景品のノートが欲しかったのか?」
「べっ、別にこんなの欲しくないけど、その、……ええと、かっ、描かれてるキャラが可愛かったから!」
 よく覚えてないが、特にキャラクターは描かれていなかったような。
「いっ、いいから! ほら、みんなも戻る!」
 首をひねっていると、かなみは手を叩いて皆を元の位置に戻した。いまいち納得できなかったが、とりあえず目的の品は手に入ったからまぁいいか。

 その夜。かなみは鞄からベストカップルの賞品であるノートの束を取り出していた。
「アイツとベストカップル、だって……へへ、嘘みたい」
 かなみはお日様のような笑顔でノートを見つめた。
「でも、タカシの奴平気でこれ使おうとしてたな……アイツにとって、ベストカップルなんてどうでもいいのかな……」
 自分の考えに、かなみは落ち込んでしまう。
「……そうだね、どうでもいいんだろうね。そういう奴だし」
 軽く息をついて、かなみはベッドに寝転んだ。
 飾らない人。いつだって自分に正直な人。そういう人だからこそ、好きになったのだ。周りの目を気にしてしまう自分にとって、タカシはいつだって眩しく見える。
「……ま、いっか。ベストカップルも悪くない、って言ってたし。今はまだ、それでいいや」
 いつか”悪くない”が”嬉しい”となる日を夢見て、かなみは目を閉じた。

拍手[9回]

【羊いずみん】

2010年05月13日
 幻覚を見た。いや、見ている。
「ひ、羊や。めぇめぇ。……なんやねん、その目は」
「幻覚が喋った」
「誰が幻覚やねん! ……いや、まぁそう思う気持ちも分かるけどな」
 めぇ、と鳴いていずみは俺のそばに座った。
「ちょっと聞いてや。あんな、寝てたら、神様が出てきてん」
「いずみが壊れた」
「壊れてへん! ええから、聞き。あんな、神様いうても夢ん中や。で、その神様が言うには、羊のかっこして男の友達に会えば大金を授かるらしいんや」
「……で、それを信じた、と」
「うち、結構正夢見るねんで? こないだも10円拾う夢見たら、実際に拾たし!」
「あーもう、分かった分かった。とにかく用事は終わったな? じゃとっとと帰れ。俺は寝る」
 朝っぱらから家に押しかけられ、堪ったものではない。俺はベッドの中に入った。
「あー待って待って! 夢には続きがあってな、その……男に腕枕をされたらさらに大金が! ……みたいなことを、……な?」
「な、じゃねえ。別に男の友人って俺だけじゃないだろ? おまえ見た目だけは可愛いんだから、そいつらに頼みゃ喜んでやってくれるぞ」
「そ、そうやねんけど……こんなん言えるんタカシだけやねん。な、減るもんやなし、ええやろ? なぁ、なぁて♪」
 見た目だけは可愛いと言ったことに突っ込みがなかったことに軽く戦慄する。
 けどもういいや、面倒だし頭まで布団に入って黙殺しよう、と思っていたら、いずみが上に飛び乗ってきた。
「ぐぇ!」
「ええやん! ちょっとくらいええやん! なんや、それとも女が怖いんか? んん?」
「女は怖くないが、いずみは怖い。後で金請求されそう」
「なんやて! ……ん、んん。うち、怖くないでぇ~? お金も取らへんし、うちの体、や~こいで~♪」
「挿れていいってことか?」
「ええわけあるか、アホ! あーもうええやん、眠いんやろ? うちに腕枕してくれたらぱぱっと出て行くさかい、それでええやん?」
「あーもう……わーったよ。ほれ」
 腕を伸ばして横になると、いずみは少し恥ずかしそうに俺の腕に頭を乗せた。
「へへ……んじゃ、お邪魔します」
 羊の毛がちくちくして痛い。寝れねぇ。
「脱げ」
「な、なに言いだすねん! 脱げやなんて、いきなり……」
「羊毛がちくちくすんだ。寝れやしねえ」
「あ、こ、これのことかいな。あ、あはははは」
 いずみは乾いた笑い声を立てて着ぐるみを脱いだ。……ちゃんと下に服を着てる。ちぇ。
「……なんや、その残念そうな顔は」
「全裸を期待してました」
 鼻を殴られた。
「アホかっ! どこの世界に着ぐるみだけ着るアホがおんねん!」
 いずみを指差したらまた殴られた。鼻を。
「ええから腕枕しい!」
 怖いので大人しく腕枕をする。
「どうだ?」
「ん、悪ないな……ひゃ!」
 いずみが俺の腕に頭を乗せたのを確認すると、すかさず彼女を抱きしめた。
「な、な、なんやねん!?」
「抱っこ。寝るまで抱っこさせろ」
「な、なんで?」
「したいから。腕枕してやるんだから、それくらいいいだろ?」
「……し、しゃあないなあ。ちょっとの間だけやで?」
 少し呆れたようにいずみは言った。でも、声はなんだか優しかった。
「努力する。んじゃお休み、いずみ」
「ん、おやすみ、タカシ……」
 俺といずみは、抱き合って眠りに就いた。

 後日、「大金拾わんかったやんか! どないしてくれる!」といずみに恫喝され、たこ焼きおごらされました。なんでだろう。

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【みこと呪われる】

2010年05月13日
 だらだらと登校してると、みことを見かけた。珍しいことに、帽子を被ってる。
「はよーん、みこと。珍しいな、帽子なんか被って。禿げたのか?」
 無言でほっぺをつねられる。
「まぁ冗談はいいとして、どしたんだ? 『お洒落なんてわからないにゃあ。ご主人様、頭なでなでしてほしいにゃあ』と常々言ってるみことらしくないぞ」
「そんなこと言った覚えはない!」
 ほっぺをつねられる。たぶん、万力で挟まれるより痛い。
「ちょっと貸して。俺も被る」
「あっ、やめ……ッ!」
 みことの帽子を取ると、何かが勢いよくぴょこんと立った。……耳?
「みこと、これって……」
「ちょっと来い!」
 みことは俺から帽子を奪い取り素早く頭に被ると、俺の手を掴み路地裏へ連れ込んだ。
「……まったく、余計なことをしてくれる」
「まぁそう褒めるな。照れる」
「何をどうやったらそういう思考になるのだ! ……いや、おまえに論理的思考を求めるほうが間違ってるか」
「で、どうしたんだ? その頭から生えてる耳……えっと、猫の耳みたいなんだが」
「……察しの通り、猫の耳だ。蔵の整理をしていたら年代物の掛け軸が出てきてな、それを広げたら……この通りだ」
 帽子を取り、ネコミミをさらす。
「なんで?」
「……父上に聞いたところ、なんでもその掛け軸は呪いの品だとか。そしてそれを広げた私が呪いの対象になった、とのことだ。父上に頼み解呪できる人を探しているのだが、芳しくないらしい」
 憂鬱そうにみことは息を吐いた。それに呼応するように頭上のネコミミがぴこぴこ動く。
「呪われてネコミミ、かぁ。誰が呪ったか知らないけど、粋なことするな。最高。ネコミミモード歌って。さんはい」
「誰が歌うか! それより、このことは黙っていてくれないか? 皆に知られると……その、困る」
「つまり、二人だけの秘密だな。……甘美な響きだ。気に入ったので黙っていよう」
「そ、そうか! 助かる」
 憂鬱そうな顔から一転、みことは破顔した。その可愛らしい表情とぴこぴこ動くネコミミに、つい手が出る。なでなでなで。
「…………。……はっ! きっ、貴様! なでるな、愚か者!」
 みことに張り倒されゴミ箱に頭から突っ込まされながらも、俺はこれからの学校生活が楽しみで仕方がなかった。

拍手[7回]