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2019年10月15日
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【みこと呪われる】

2010年05月13日
 だらだらと登校してると、みことを見かけた。珍しいことに、帽子を被ってる。
「はよーん、みこと。珍しいな、帽子なんか被って。禿げたのか?」
 無言でほっぺをつねられる。
「まぁ冗談はいいとして、どしたんだ? 『お洒落なんてわからないにゃあ。ご主人様、頭なでなでしてほしいにゃあ』と常々言ってるみことらしくないぞ」
「そんなこと言った覚えはない!」
 ほっぺをつねられる。たぶん、万力で挟まれるより痛い。
「ちょっと貸して。俺も被る」
「あっ、やめ……ッ!」
 みことの帽子を取ると、何かが勢いよくぴょこんと立った。……耳?
「みこと、これって……」
「ちょっと来い!」
 みことは俺から帽子を奪い取り素早く頭に被ると、俺の手を掴み路地裏へ連れ込んだ。
「……まったく、余計なことをしてくれる」
「まぁそう褒めるな。照れる」
「何をどうやったらそういう思考になるのだ! ……いや、おまえに論理的思考を求めるほうが間違ってるか」
「で、どうしたんだ? その頭から生えてる耳……えっと、猫の耳みたいなんだが」
「……察しの通り、猫の耳だ。蔵の整理をしていたら年代物の掛け軸が出てきてな、それを広げたら……この通りだ」
 帽子を取り、ネコミミをさらす。
「なんで?」
「……父上に聞いたところ、なんでもその掛け軸は呪いの品だとか。そしてそれを広げた私が呪いの対象になった、とのことだ。父上に頼み解呪できる人を探しているのだが、芳しくないらしい」
 憂鬱そうにみことは息を吐いた。それに呼応するように頭上のネコミミがぴこぴこ動く。
「呪われてネコミミ、かぁ。誰が呪ったか知らないけど、粋なことするな。最高。ネコミミモード歌って。さんはい」
「誰が歌うか! それより、このことは黙っていてくれないか? 皆に知られると……その、困る」
「つまり、二人だけの秘密だな。……甘美な響きだ。気に入ったので黙っていよう」
「そ、そうか! 助かる」
 憂鬱そうな顔から一転、みことは破顔した。その可愛らしい表情とぴこぴこ動くネコミミに、つい手が出る。なでなでなで。
「…………。……はっ! きっ、貴様! なでるな、愚か者!」
 みことに張り倒されゴミ箱に頭から突っ込まされながらも、俺はこれからの学校生活が楽しみで仕方がなかった。

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