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2026年03月15日
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【タカシに催眠術をかけるボクっ娘】
2010年05月16日
ボクっ娘が催眠術を覚えたと言い出したので、でこぴんしてやった。
「なにすんだよぉ! ホントに覚えたんだよぉ!」
半泣きでおでこを抑えるボクっ娘に、俺は馬鹿にして言った。
「ボクっ娘のことだ、催眠術と間違えて脳破壊光線でも覚えたんだろ」
「ボクっ娘じゃなくて梓ぁ! いい加減に覚えてよぉ! それに、脳破壊光線なんて覚えてないよぉ! ホントに催眠じゅちゅ覚えたんだからぁ!」
なるほど、催眠じゅちゅなら梓にも使えるだろう。
「いいから、やるよ! この5円玉見ててね」
梓は5円玉を取り出し、糸で縛って俺の前で揺らし始めた。
「また古いなぁ……」
「いーから見てて! あなたはだんだん眠くなる、眠くなるぅ~」
……全然眠たくならない。ま、いいか。寝たフリしてやろう。ぐぅ。
「……あ、寝た? 寝ちゃった? ふふーん、ボクってすごい!」
寝てねぇ。フリだ馬鹿。
「……じゃ、じゃあ、あなたはだんだん目が覚める~、そして目が覚めたらボクの言うことをきく~」
……そういうことか。まぁいいや、乗ってやろう。
俺は目を開き、努めて目をうつろにして催眠術にかかったフリをした。
「……か、かかってるよね? 大丈夫だよね? ……こほん。え、えっと、……ボクを、ぎゅってして」
……こいつは、また。しゃーねえ、してやるか。
俺は梓の小さな体を抱きしめた。
「わ……わ、ホントにした。……えっとね、じゃね、次はね、ボクの頭を……なでなでして」
……ぼちぼち魂胆が読めてきた。とりあえず、なでてやろう。
頭をなでると、梓は目をぎゅっとつむり、袖からわずかに出た手を握り締めた。
「あぅ、くぅん……。つ、次はえっと……ぼ、ボクをお嫁さんに……」
「するか馬鹿」
「ひゃああああ! お、起きてたの?」
「起きてた。しかも催眠術になんかかかってない」
「う……ひ、ひどいよ! ボク、てっきり催眠じゅちゅにかかってたとばっかり……あうう、恥ずかしくて死にそうだよぉ!」
真っ赤な顔を手で覆い隠す梓に、俺は笑って言った。
「仕方ないよ。梓は抱っこしてだの、なでなでしてだの言うエロ娘なんだから」
「ボクはエロくないよぉ! エロいのはタカシだよぉ! いっつもボクのおっぱい触るくせに!」
「それは触って大きくしてやろうという親切心だ。なに、気にするな」
「巨大なお世話だよぉ! だいたい、なんでかかったフリなんてしたんだよ?」
「ドッキリあんど嫌がらせ。成功した?」
「大成功だよぉ! タカシのいじめっこ! うわ~ん!」
盛大に泣き出した梓の頭をなでながら、俺はできるだけぶっきらぼうに言った。
「……ま、嫁にするのはもうちょっとしっかりしてからだな。お互いに」
「……え? いま、なんて?」
「なんでもない。空耳だろ」
くそ、赤くなるな俺の顔。
「……そっか、空耳かぁ。……えへ♪」
泣きやんだ梓は、幸せそうになでられていた。
「なにすんだよぉ! ホントに覚えたんだよぉ!」
半泣きでおでこを抑えるボクっ娘に、俺は馬鹿にして言った。
「ボクっ娘のことだ、催眠術と間違えて脳破壊光線でも覚えたんだろ」
「ボクっ娘じゃなくて梓ぁ! いい加減に覚えてよぉ! それに、脳破壊光線なんて覚えてないよぉ! ホントに催眠じゅちゅ覚えたんだからぁ!」
なるほど、催眠じゅちゅなら梓にも使えるだろう。
「いいから、やるよ! この5円玉見ててね」
梓は5円玉を取り出し、糸で縛って俺の前で揺らし始めた。
「また古いなぁ……」
「いーから見てて! あなたはだんだん眠くなる、眠くなるぅ~」
……全然眠たくならない。ま、いいか。寝たフリしてやろう。ぐぅ。
「……あ、寝た? 寝ちゃった? ふふーん、ボクってすごい!」
寝てねぇ。フリだ馬鹿。
「……じゃ、じゃあ、あなたはだんだん目が覚める~、そして目が覚めたらボクの言うことをきく~」
……そういうことか。まぁいいや、乗ってやろう。
俺は目を開き、努めて目をうつろにして催眠術にかかったフリをした。
「……か、かかってるよね? 大丈夫だよね? ……こほん。え、えっと、……ボクを、ぎゅってして」
……こいつは、また。しゃーねえ、してやるか。
俺は梓の小さな体を抱きしめた。
「わ……わ、ホントにした。……えっとね、じゃね、次はね、ボクの頭を……なでなでして」
……ぼちぼち魂胆が読めてきた。とりあえず、なでてやろう。
頭をなでると、梓は目をぎゅっとつむり、袖からわずかに出た手を握り締めた。
「あぅ、くぅん……。つ、次はえっと……ぼ、ボクをお嫁さんに……」
「するか馬鹿」
「ひゃああああ! お、起きてたの?」
「起きてた。しかも催眠術になんかかかってない」
「う……ひ、ひどいよ! ボク、てっきり催眠じゅちゅにかかってたとばっかり……あうう、恥ずかしくて死にそうだよぉ!」
真っ赤な顔を手で覆い隠す梓に、俺は笑って言った。
「仕方ないよ。梓は抱っこしてだの、なでなでしてだの言うエロ娘なんだから」
「ボクはエロくないよぉ! エロいのはタカシだよぉ! いっつもボクのおっぱい触るくせに!」
「それは触って大きくしてやろうという親切心だ。なに、気にするな」
「巨大なお世話だよぉ! だいたい、なんでかかったフリなんてしたんだよ?」
「ドッキリあんど嫌がらせ。成功した?」
「大成功だよぉ! タカシのいじめっこ! うわ~ん!」
盛大に泣き出した梓の頭をなでながら、俺はできるだけぶっきらぼうに言った。
「……ま、嫁にするのはもうちょっとしっかりしてからだな。お互いに」
「……え? いま、なんて?」
「なんでもない。空耳だろ」
くそ、赤くなるな俺の顔。
「……そっか、空耳かぁ。……えへ♪」
泣きやんだ梓は、幸せそうになでられていた。
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【ヤンバルテナガコガネちなみん】
2010年05月16日
暑い。もう、死にそう。ふらふらになりながら帰宅すると、虫っぽいちなみがいた。無視して服を着替える。
「……ヤンバルテナガコガネです。……無視されるのは、ちょっと辛いです」
「あちーんだよ。おまえもそんなの着てたら暑いだろ」
「……クーラー内蔵で冷え冷え。熱帯夜もらくちん、です」
それ着て寝るのか。逆に寝苦しいと思うぞ。
「……ヤンバルテナガコガネは、日本最大の甲虫です。しかも、天然記念物です」
「ほう、それは凄いな」
階下に降りて何か飲み物を、と思ってドアを開けようとしたら、ちなみに腕を引っ張られた。
「……相手、してください」
目の端に涙をためて、ちなみは少し拗ねたように言った。
「ノド乾いたんだよ。なんか飲んでくるから、ちょっと待ってろ」
「……そんなのどうでもいいです。……相手してくれないと、ヤンバルテナガコガネのすごさを見せつけます」
「すごさって……具体的にどうすんだ?」
「……天然記念物なので、捕まえると逮捕されます」
「捕まえないから、意味ないな」
「……タカシはいじわるです。空気を読んでくれません。……最悪ぷーです」
ぷーと言って、ちなみはぷーとほおを膨らませた。
「……こうなったら、逆に私がタカシを捕まえます。その後、タカシは逮捕されます」
「本物の天然記念物じゃないし、されねーよ」
「……なせばなる、です。とうっ」
掛け声をあげて、ちなみっぽい虫が飛んできた。ひらりとかわすと、ちなみは俺の後ろの本棚にぶつかった。そして、落ちてきた本に埋もれた。
「さて、なんか飲んでくるか」
「……ひどいです。あんまりです。……タカシは、いじわるです」
本の山から半泣きのちなみが現れた。
俺はため息をついて、ちなみの頭を撫でてやった。
「あーもう、分かった分かった。相手してやるから機嫌直せ」
「……いやです。怒りました。……もっと撫でてくれないと、許しません」
怒ったポーズをとりながら撫でろとせがむちなみに、俺は苦笑して頭を撫でてやった。
「……ヤンバルテナガコガネです。……無視されるのは、ちょっと辛いです」
「あちーんだよ。おまえもそんなの着てたら暑いだろ」
「……クーラー内蔵で冷え冷え。熱帯夜もらくちん、です」
それ着て寝るのか。逆に寝苦しいと思うぞ。
「……ヤンバルテナガコガネは、日本最大の甲虫です。しかも、天然記念物です」
「ほう、それは凄いな」
階下に降りて何か飲み物を、と思ってドアを開けようとしたら、ちなみに腕を引っ張られた。
「……相手、してください」
目の端に涙をためて、ちなみは少し拗ねたように言った。
「ノド乾いたんだよ。なんか飲んでくるから、ちょっと待ってろ」
「……そんなのどうでもいいです。……相手してくれないと、ヤンバルテナガコガネのすごさを見せつけます」
「すごさって……具体的にどうすんだ?」
「……天然記念物なので、捕まえると逮捕されます」
「捕まえないから、意味ないな」
「……タカシはいじわるです。空気を読んでくれません。……最悪ぷーです」
ぷーと言って、ちなみはぷーとほおを膨らませた。
「……こうなったら、逆に私がタカシを捕まえます。その後、タカシは逮捕されます」
「本物の天然記念物じゃないし、されねーよ」
「……なせばなる、です。とうっ」
掛け声をあげて、ちなみっぽい虫が飛んできた。ひらりとかわすと、ちなみは俺の後ろの本棚にぶつかった。そして、落ちてきた本に埋もれた。
「さて、なんか飲んでくるか」
「……ひどいです。あんまりです。……タカシは、いじわるです」
本の山から半泣きのちなみが現れた。
俺はため息をついて、ちなみの頭を撫でてやった。
「あーもう、分かった分かった。相手してやるから機嫌直せ」
「……いやです。怒りました。……もっと撫でてくれないと、許しません」
怒ったポーズをとりながら撫でろとせがむちなみに、俺は苦笑して頭を撫でてやった。
【ツンデレと雨宿り】
2010年05月16日
急な通り雨に道をふさがれ、俺はぼーっと雨宿りしていた。やまないな、と思っていると隣に誰かやってきた。
「……リナ?」
「あら、タカシじゃないの。奇遇ですわね」
「なんでこんなとこにいるんだ? 車で帰ったんじゃないのか? 急に貧乏になったのか?」
「なってません! 今日は少し歩きたい気分でしたの。……でも、ついてませんわね。急に雨が降ってきますし、隣にタカシがいますし」
「前者は認めるが、後者はむしろ幸運なことだぞ」
「……何を言ってるのかしら。それにしても、嫌な雨ね……。早くやまないかしら」
リナにつられ、俺も空を見上げる。重苦しい雲は視界いっぱいに広がり、まだまだやむ気配を見せなかった。
「本格的に降りそうだな……まいったな」
「ええ、本当に参りましたわ。このままタカシの側にいるという苦行を強いられるのは非常に辛いですわね」
「…………」
リナはなかなか辛辣だ。ちょっと泣きそう。
それからしばらく待ったけど、雨が止む気配はない。……無言が続いて、どうにも居心地が悪い。適当な話題を振るか。
「あ、そうだ、腹減ってないか? 俺チョコ持ってんだけど、よかったらやるよ」
ポケットからチョコを取り出し、何か言われる前にリナに渡す。
「随分と強引ですわね……。それにしても、どうしてチョコレートなんて持ってますの?」
リナがチョコを口にするのを待って、俺は言った。
「いつ遭難しても大丈夫なようにな。保存食と聞いたことがある」
「……ひょっとして、古いんですの?」
「ワインとかは古いほうが美味しいって聞いたが」
「これはチョコレートですわ!」
リナはハンカチを取り出して口元を覆い、チョコを吐き出してしまった。
「ああ、もったいない……」
「まったく、タカシときたら……ああ、何食べてるんですの! ここにお出しなさい!」
俺がチョコを頬張るのを見て、リナは慌てた様子でハンカチを広げた。ちょっとチョコがついてる。
「むぐむぐ……大丈夫だよ、腹は丈夫な方だし」
「何言ってるんですの!? 万が一、ということがあるでしょう! ほら、早く!」
「やだ。もったいない。むぐむぐ……むがぁ!」
リナは強引に俺の口を開き、中のチョコを取り出そうとした。
「ああ、もうほとんど溶けてますわ……もう、何を考えてますの!」
それはお前に聞きたい。
「古いチョコを食べて、お腹を壊して、……それで死んだりしたらどうするんですの!」
「いや、そんなもんで死んだりはしないと思うが……」
「いいから! もうこんなことはしないと約束なさい!」
えらい剣幕に、思わずうなずいてしまう。
「よろしい、それでいいのです。……まったく、タカシはダメですわね。一人で放っておくと野垂れ死ぬんじゃないかしら?」
そこまでダメ人間じゃない、と否定できないのが少し悲しい。
「じゃあリナが面倒見てくれ」
仕返しとばかりにそう言うと、リナは頬を染めてまくし立てた。
「なっ、なにを言ってるんですの!? なんで私がタカシなんかの面倒を見なくちゃならないんですの!?」
「放っておかれたら死ぬから」
自分で言っておいてなんだが、小動物か何かか、俺は。
「小動物みたいですわね……」
ほらみろ、リナにも思われた。
「あーもういいや。ぼちぼち小雨になってきたし、帰ろうぜ」
リナに手を差し出すが、受け取ってくれない。
「え、でもまだ少し降ってますし、もう少し……」
「いいから!」
リナの手を強引に取り、俺はそぼ降る雨の中に飛び出した。
「きゃっ! ……もう、本当に強引ですわね」
ため息をつくリナの笑顔を見て、雨も悪くないと思いながら俺たちは走った。
「……リナ?」
「あら、タカシじゃないの。奇遇ですわね」
「なんでこんなとこにいるんだ? 車で帰ったんじゃないのか? 急に貧乏になったのか?」
「なってません! 今日は少し歩きたい気分でしたの。……でも、ついてませんわね。急に雨が降ってきますし、隣にタカシがいますし」
「前者は認めるが、後者はむしろ幸運なことだぞ」
「……何を言ってるのかしら。それにしても、嫌な雨ね……。早くやまないかしら」
リナにつられ、俺も空を見上げる。重苦しい雲は視界いっぱいに広がり、まだまだやむ気配を見せなかった。
「本格的に降りそうだな……まいったな」
「ええ、本当に参りましたわ。このままタカシの側にいるという苦行を強いられるのは非常に辛いですわね」
「…………」
リナはなかなか辛辣だ。ちょっと泣きそう。
それからしばらく待ったけど、雨が止む気配はない。……無言が続いて、どうにも居心地が悪い。適当な話題を振るか。
「あ、そうだ、腹減ってないか? 俺チョコ持ってんだけど、よかったらやるよ」
ポケットからチョコを取り出し、何か言われる前にリナに渡す。
「随分と強引ですわね……。それにしても、どうしてチョコレートなんて持ってますの?」
リナがチョコを口にするのを待って、俺は言った。
「いつ遭難しても大丈夫なようにな。保存食と聞いたことがある」
「……ひょっとして、古いんですの?」
「ワインとかは古いほうが美味しいって聞いたが」
「これはチョコレートですわ!」
リナはハンカチを取り出して口元を覆い、チョコを吐き出してしまった。
「ああ、もったいない……」
「まったく、タカシときたら……ああ、何食べてるんですの! ここにお出しなさい!」
俺がチョコを頬張るのを見て、リナは慌てた様子でハンカチを広げた。ちょっとチョコがついてる。
「むぐむぐ……大丈夫だよ、腹は丈夫な方だし」
「何言ってるんですの!? 万が一、ということがあるでしょう! ほら、早く!」
「やだ。もったいない。むぐむぐ……むがぁ!」
リナは強引に俺の口を開き、中のチョコを取り出そうとした。
「ああ、もうほとんど溶けてますわ……もう、何を考えてますの!」
それはお前に聞きたい。
「古いチョコを食べて、お腹を壊して、……それで死んだりしたらどうするんですの!」
「いや、そんなもんで死んだりはしないと思うが……」
「いいから! もうこんなことはしないと約束なさい!」
えらい剣幕に、思わずうなずいてしまう。
「よろしい、それでいいのです。……まったく、タカシはダメですわね。一人で放っておくと野垂れ死ぬんじゃないかしら?」
そこまでダメ人間じゃない、と否定できないのが少し悲しい。
「じゃあリナが面倒見てくれ」
仕返しとばかりにそう言うと、リナは頬を染めてまくし立てた。
「なっ、なにを言ってるんですの!? なんで私がタカシなんかの面倒を見なくちゃならないんですの!?」
「放っておかれたら死ぬから」
自分で言っておいてなんだが、小動物か何かか、俺は。
「小動物みたいですわね……」
ほらみろ、リナにも思われた。
「あーもういいや。ぼちぼち小雨になってきたし、帰ろうぜ」
リナに手を差し出すが、受け取ってくれない。
「え、でもまだ少し降ってますし、もう少し……」
「いいから!」
リナの手を強引に取り、俺はそぼ降る雨の中に飛び出した。
「きゃっ! ……もう、本当に強引ですわね」
ため息をつくリナの笑顔を見て、雨も悪くないと思いながら俺たちは走った。
【ツンデレとライトセーバー】
2010年05月16日
かなみが工事現場でおっさんが持ってるピカピカ光る棒を振り回して「ライトセーバーよ!」とか言い出した。
「……かなみ、それライトセーバー違うぞ」
「違う! これはライトセーバー! 私はジュダイの騎士よ!」
スターウォーズ観たのか。簡単だね。
「どこで拾ったんだ?」
「工事現場のおじさんから奪……じゃない、ヨーダにもらったのよ!」
そうか。かわいそうにな、おっさん。
「勝負よ、タカシ! 敗者は勝者に一週間服従! いいわね!」
「え、いや、なんで? 俺、武器ないし」
「ええい、ごちゃごちゃうるさい! くらえ!」
棒を上段に構え、かなみが襲い掛かってきた。女の子を殴る趣味はないので、飛びかかってきたかなみを抱きとめる。
「こっ、こら! 何すんのよ変態!」
「うるさい、暴れるな! ええい柔らかいなぁ!」
「どさくさに紛れて何言ってんのよ馬鹿!」
暴れるかなみを抱きしめて拘束する。しばらくそのまま暴れていたが、諦めたのか次第に大人しくなっていった。
「うう……フォースが足りない」
「足りないのはおつむだ」
「なんでよ! ……あーあ、もういいわ」
「じゃ、今日から一週間服従な。そーだな、何させようか……」
「……えっちなのは、なしね」
「馬鹿な!?」
「当然でしょ。アンタみたいな変態に許可したら妊娠しちゃうわよ」
「んー……とすると、残るは……アレ、か」
にんまり笑うと、かなみは怯えて逃げようとしたが俺に抱きしめられているので逃げられない!
「な……なによ、なにするつもりよ」
「……恋人ごっこだ! 今日から一週間、おまえは俺の彼女になれ!」
「え……あ、えと、……し、しょうがないわね! 分かったわ、いいわよ! 彼女になって甘えてあげるわよ!」
てっきり断られるか殴られるかすると思ったが、意外にもかなみは素直に了承して俺の胸に体を預けた。
膝枕や一緒にお風呂を、と思ったが、今はとりあえずかなみの心地よい重さを感じてるだけで幸せだった。
「……かなみ、それライトセーバー違うぞ」
「違う! これはライトセーバー! 私はジュダイの騎士よ!」
スターウォーズ観たのか。簡単だね。
「どこで拾ったんだ?」
「工事現場のおじさんから奪……じゃない、ヨーダにもらったのよ!」
そうか。かわいそうにな、おっさん。
「勝負よ、タカシ! 敗者は勝者に一週間服従! いいわね!」
「え、いや、なんで? 俺、武器ないし」
「ええい、ごちゃごちゃうるさい! くらえ!」
棒を上段に構え、かなみが襲い掛かってきた。女の子を殴る趣味はないので、飛びかかってきたかなみを抱きとめる。
「こっ、こら! 何すんのよ変態!」
「うるさい、暴れるな! ええい柔らかいなぁ!」
「どさくさに紛れて何言ってんのよ馬鹿!」
暴れるかなみを抱きしめて拘束する。しばらくそのまま暴れていたが、諦めたのか次第に大人しくなっていった。
「うう……フォースが足りない」
「足りないのはおつむだ」
「なんでよ! ……あーあ、もういいわ」
「じゃ、今日から一週間服従な。そーだな、何させようか……」
「……えっちなのは、なしね」
「馬鹿な!?」
「当然でしょ。アンタみたいな変態に許可したら妊娠しちゃうわよ」
「んー……とすると、残るは……アレ、か」
にんまり笑うと、かなみは怯えて逃げようとしたが俺に抱きしめられているので逃げられない!
「な……なによ、なにするつもりよ」
「……恋人ごっこだ! 今日から一週間、おまえは俺の彼女になれ!」
「え……あ、えと、……し、しょうがないわね! 分かったわ、いいわよ! 彼女になって甘えてあげるわよ!」
てっきり断られるか殴られるかすると思ったが、意外にもかなみは素直に了承して俺の胸に体を預けた。
膝枕や一緒にお風呂を、と思ったが、今はとりあえずかなみの心地よい重さを感じてるだけで幸せだった。
【ラーメンの味で喧嘩するツンデレ】
2010年05月16日
とある休日。お腹が空いたので何か食おうと冷蔵庫を漁ったが、何もない。ははぁこれは神がもういい死ねと言っていると悟ったので、無神論者として断固抵抗すべく、外食することにした。
今日はよい天気だなあと思いながらぷらぷら歩いてると、能天気を具現化したような存在を発見したのでチョップしてみた。
「痛いっ!? 誰ですか、先生の頭にチョップするのは!」
具現化した存在、即ち担任の大谷先生がわきゃわきゃわめいた。この生物は大人らしいのだが、身長やら精神年齢やら乳やら色々幼く、ロリコンである俺の心をぐらぐらさせる存在なので油断ならない。
「少なくとも俺でないことは確かだ」
「別府くんです! これはもう別府くんがしたに違いないです! ていうか、別府くんがしたという確かな証拠を見つけました!」
「ほう、俺に冤罪を被せるか。面白い、やってみせろ! 異議ありとか言ってやる!」
「今まさに先生の頭に別府くんの手が載ってます! チョップの形のままです!」
「ああ、しまった。今のナシね」
そそくさと先生の頭から手をどけ、こほんと咳払い。
「い、一体誰が俺の先生の頭にチョップなんてしたんだ! 許さねえぞ!」
「無理がありすぎですっ! 嘘ぱわーが満載です! ……あ、あと、“俺の”ではないです! 先生は先生のものです!」
「後半の台詞に照れが入っているのは何故ですか」
「う、うるさいですっ! 大人には色々あるのですっ!」
「はいはい」(なでなで)
「頭なでないでくだたいっ!」
「くだたい?」
「うがー!」
先生が怒って威嚇した。
「まあなんでもいいや。こんな昼間っからどしたんだ、先生?」(なでなで)
「ちっとも堪えてないです。依然なでられるがままです。……えっとですね、お昼ご飯をどこかで食べようと思ったんです」
「奇遇だな、俺もなんだ。ここで会ったのも何かの縁だ、奢らせてやってもいいぞ」
「別府くんが信じられないくらい偉そうです! 世が世なら斬り捨て御免ってされても文句言えないです!」
「文明開化が起きててよかったよ。それで、どこで食うんだ?」
「え、あれ、先生が奢るってなってる……?」
「あ、そこのラーメン屋行こう。前食って、うまかったんだ」
「ま、待ってくださいっ! 手握らないでくださいっ! 腕組むのもダメですっ! だからってお姫様抱っこはありえないですよ!?」
色々文句を言われたので、先生を小脇に抱えて店に入る。
「いらっしゃいま……」
「ほらほら店員さん驚いてますっ! ていうか何より先生が一番驚いてますっ! 先生は鞄じゃないので小脇に抱えないでくださいっ!」
「ジャンバラヤひとつ」
「そんなのありませんっ! いーから下ろしてくださいっ!」
ぎゃーぎゃーうるさかったので、先生を下ろし、適当なテーブル席に座る。
「ふうっ。全く、別府くんは問題児の中の問題児です。信じられないです」
「unbelievable」
「無駄に発音がいいですよぉ……」
メニューを見る。この店の売りはこってりとしたスープだ。よし、こってりラーメン、君に決めた!
「先生、決まった?」
「んとですね……はい、いいですよ。じゃ、店員さん呼びますね」
テーブルに据え付けられているスイッチを先生が押すと、すぐに店員さんがやってきた。
「えっと、チャーハンと、ラーメンのあっさりでお願いします」
「ラーメンのこってり、それとギョーザ」
注文を聞き、店員さんが厨房に戻っていった。さて、話すべき議題ができた。
「先生、なんでまたあっさりなんて」
「別府くんこそ、なんでこってりなんですか? しつこすぎて死んじゃっても、先生埋めることしかできないですよ?」
「あ、ちょっと待ってくれ。ICレコーダーで録音して教育委員会に送るから、さっきの台詞もっかい言ってくれ」
「絶対に言いません!!! ……別府くんは鬼です。先生のこと、嫌いですか?」
「思いのほか好きだよ」
「普通に好きって言ったほうがいいです! なんですか、思いのほかって!」
「じゃあ、改めて。……先生、大好きだ」
「そ、それはそれで色々問題ありです! て、ていうかですね、先生の手を握ってじーっとこっちを見てはダメです! は、はやややや!?」
先生を見つめる時間と比例して、先生の顔がどんどん赤くなっていって愉快痛快。
「も、もーいいです! ……ま、まったく、別府くんは先生をからかってばかりで困ります。先生、ぷんぷんです」
先生は俺の手を振り払い、ぷらぷらと振った。
「臭いのか? 女の子なんだから、風呂には毎日入れよな」
「ハエがたかってるわけではないです! ぷーんぷーんではないです! ぷんぷんと言いました! 怒ってることを可愛らしく表現したのですっ!」
「自分で可愛らしくとか言うなよ……」
「う、うるさいです! 別府くんのばか!」
「で、話は戻るが、なんだってあっさりなんて頼んだんだ? この店の売りはこってりスープだぞ?」
「……前に注文したんですが、しつこくってしつこくって、全部食べられなかったんです」
「三回食えばやみつきだぞ? 現に俺なんて、週に一度は食いたくなる。そして食べなかったら手が震え、幻聴まで聞こえ出すんだ」
「本当に病みつきです! 何が入ってるんですか!?」
「鳥のダシか何かじゃないか?」
「意外と普通の答えでした!」
などと侃々諤々先生と言い合ってると、店員さんがやってきて注文した品々をテーブルに並べた。
「わー……久々ですが、やっぱりおいしそーです。いただきまーす♪」
「くるしゅうない」
「……ずるずる」
偉そうに言ったら、先生が嫌そうな顔をしてラーメンをすすりだした。
「んー♪ おいしいです♪ ほらほら、別府くんも一度食べたらこのあっさりスープのよさが分かりますよ?」
「まあ待て、俺の分を食ってからだ。ずるずるずる……」
まずスープを少し飲んでから、麺をすする。うむ、想像通りうまい。
「まったりとしていて、それでいてしつこくなく」
「ものすごく嘘っぽい表現です……」
「超うめえ」
「シンプルですが、とってもよく伝わります。いりませんが!」
手をNOという感じにして出されたので、レンゲでスープをすくい先生に向ける。
「いらないって言ってるのに……」
「まあまあ、騙されたと思って一口飲んで見てくれよ。もし飲んで騙されたと感じたのであれば、先生は騙されやすいので後で詐欺して大金うはうは」
「絶対に飲みません!!!」
俺の説得はよく失敗します。
「それより、先生のラーメンを食べてみるべきです。あっさりしていて、とてもおいしいんですよ?」
「猿の脳みそより?」
「ありえないチョイスですっ! もーちょっとマシなものを出すべきですっ!」
「寡聞にして猿以外の脳の味を知らないんだ」
「猿は知ってるんですかっ!? 別府くんが恐ろしい生物に見えてきました……」
「男ってのは怖いものさ」
「怖いの種類が違いますっ!」
「まあ、本当は猿の味も知らないんだけどな。それはともかく、そのスープ味見していいか?」
「普通に、最初っから、わーいって言って食べればいいのに……」
「わーい」
「なんか馬鹿にされてる気がします……」
どうしろと言うのだ。とまれ、先生が差し出したレンゲを口に含む。
「ふむ……。まあ、普通だな」
「ええっ!? そんなことないですよ、とってもおいしいですよ!? 別府くんは普段ろくなもの食べてないからそう感じるだけです!」
「俺だけでなく、別府家全体を敵に回す台詞だな」
「こんなおいしーのに……このおいしさが分からないなんて、別府くんは可哀想です。……あっ! え、えっと、お子様にはこのおいしさが分からないんですよ。……ふふん?」
「まあ、お子様は舌が発達してないので、しつこいものよりあっさりしたものの方が好きだよな」
「折角の大人アピールのチャンスを冷静に潰さないでくださいっ!」
「そこまで大人と言い張るのであれば、やはり俺様のスープを飲んで証明するしかあるまい」
再度レンゲでラーメンのスープをすくい、先生に向ける。
「う……こ、これを飲んだら大人ですか? 先生を尊敬しますか? もういじめませんか?」
「いいえいいえいいえ」
「いっぱいいいえって言われました! 飲む理由が一切なくなりましたっ!」
「しまった。よし、嘘をつくぞ。うーんうーんうーん。これを飲んだら大人で尊敬していじめない」
「騙す気が全く見えませんっ! もうちょっと頑張って欲しいものですっ!」
「ええと……よし。俺がおいしいと感じるものを、先生に味わって欲しいんだ」
「あ、あぅ……そ、それはよい騙し文句です。先生、ちょこっとぐらぐら来ました。もうちょっと頑張ったら、先生、くらーっていっちゃうかもですよ?」
先生は両手を合わせ、軽く首を傾げて何かを期待する目でこちらを見た。
「よし。……先生、俺が卒業したら、小さなアパートでも借りて、一緒に」
「すとーーーーーーっぷ! それはなんか違う意味でくらくらーってしちゃう大変危険な呪文なので、片手間に言うのは禁止です! 禁止禁止禁止!」
先生は顔を真っ赤にしながら俺の頭に連続でチョップした。
「先生、痛い」
「うるさいですっ! 別府くんのばかっ! 本当に別府くんは嘘ばっかりつくダメな生徒ですっ!」
「嘘をつくかもしれないが、少なくとも年齢は詐称してはいないぞ。……あ」
「あーっ! それは先生に実は幼女だろばーかばーかって暗に言ってますね! 先生は子供ではなく、大人ですっ! ほらほら、めんきょしょー!」
気づいた時には既に遅く、先生は手馴れた様子で懐から免許証を取り出すと、俺の頬にめり込ませだした。
「先生、痛い。あと、俺の頬に目はないので、そこに押し込まれても見えない」
「もー何十回と見せたので、知ってるでしょ!」
「なら何十回と見せなくてもいいのでは」
「毎回毎回別府くんが先生の年齢を疑うからですっ!」
「うるさい合法ロリだなあ」
「あんまりな台詞が飛び出しましたよ!?」
「黙らないと先生の口を塞いで家に持ち帰り、一緒にゲームとかするぞ」
「途中まですっごく怖かったのに、最終的には友達感覚です!」
「先生と仲良くなりたいんだ」
「一緒にラーメン食べておいて、何を言ってるですか……」
「いやはや。先生と一緒だと、何やっても楽しいよね」
「なっ、なに、何を、何を言ってるですか!? そ、そゆこと言っても先生は篭絡されませんよ!? う? う!?」
「篭絡って何の話でしょうか」
「うっ、うるさいですっ! 別府くんのばかっ!」
先生は俺を怒りながらずるずるずるーっと一気にラーメンをすすった。
「げへんげへんげへんっ!」
そしてむせた。
「ああほら、一気に食ったりするから。はい」
水を渡すと、先生は一気にあおった。
「……っん、っん、っん、……ぷはぁ。ふぅ、死ぬかと思いました」
「あ、それ俺の水だった。まあいいか」
「わざとですねっ!? わざと別府くんの水を飲まして先生を混乱させる策ですねっ!?」
「この疑心暗鬼ロリはめんどくさいなあ」
「いちいちロリってつけないでくだたいっ!」
ぎゃーぎゃー騒ぐ大谷先生を、迷惑そうな微笑ましそうな目で見る従業員と客たちだった。
今日はよい天気だなあと思いながらぷらぷら歩いてると、能天気を具現化したような存在を発見したのでチョップしてみた。
「痛いっ!? 誰ですか、先生の頭にチョップするのは!」
具現化した存在、即ち担任の大谷先生がわきゃわきゃわめいた。この生物は大人らしいのだが、身長やら精神年齢やら乳やら色々幼く、ロリコンである俺の心をぐらぐらさせる存在なので油断ならない。
「少なくとも俺でないことは確かだ」
「別府くんです! これはもう別府くんがしたに違いないです! ていうか、別府くんがしたという確かな証拠を見つけました!」
「ほう、俺に冤罪を被せるか。面白い、やってみせろ! 異議ありとか言ってやる!」
「今まさに先生の頭に別府くんの手が載ってます! チョップの形のままです!」
「ああ、しまった。今のナシね」
そそくさと先生の頭から手をどけ、こほんと咳払い。
「い、一体誰が俺の先生の頭にチョップなんてしたんだ! 許さねえぞ!」
「無理がありすぎですっ! 嘘ぱわーが満載です! ……あ、あと、“俺の”ではないです! 先生は先生のものです!」
「後半の台詞に照れが入っているのは何故ですか」
「う、うるさいですっ! 大人には色々あるのですっ!」
「はいはい」(なでなで)
「頭なでないでくだたいっ!」
「くだたい?」
「うがー!」
先生が怒って威嚇した。
「まあなんでもいいや。こんな昼間っからどしたんだ、先生?」(なでなで)
「ちっとも堪えてないです。依然なでられるがままです。……えっとですね、お昼ご飯をどこかで食べようと思ったんです」
「奇遇だな、俺もなんだ。ここで会ったのも何かの縁だ、奢らせてやってもいいぞ」
「別府くんが信じられないくらい偉そうです! 世が世なら斬り捨て御免ってされても文句言えないです!」
「文明開化が起きててよかったよ。それで、どこで食うんだ?」
「え、あれ、先生が奢るってなってる……?」
「あ、そこのラーメン屋行こう。前食って、うまかったんだ」
「ま、待ってくださいっ! 手握らないでくださいっ! 腕組むのもダメですっ! だからってお姫様抱っこはありえないですよ!?」
色々文句を言われたので、先生を小脇に抱えて店に入る。
「いらっしゃいま……」
「ほらほら店員さん驚いてますっ! ていうか何より先生が一番驚いてますっ! 先生は鞄じゃないので小脇に抱えないでくださいっ!」
「ジャンバラヤひとつ」
「そんなのありませんっ! いーから下ろしてくださいっ!」
ぎゃーぎゃーうるさかったので、先生を下ろし、適当なテーブル席に座る。
「ふうっ。全く、別府くんは問題児の中の問題児です。信じられないです」
「unbelievable」
「無駄に発音がいいですよぉ……」
メニューを見る。この店の売りはこってりとしたスープだ。よし、こってりラーメン、君に決めた!
「先生、決まった?」
「んとですね……はい、いいですよ。じゃ、店員さん呼びますね」
テーブルに据え付けられているスイッチを先生が押すと、すぐに店員さんがやってきた。
「えっと、チャーハンと、ラーメンのあっさりでお願いします」
「ラーメンのこってり、それとギョーザ」
注文を聞き、店員さんが厨房に戻っていった。さて、話すべき議題ができた。
「先生、なんでまたあっさりなんて」
「別府くんこそ、なんでこってりなんですか? しつこすぎて死んじゃっても、先生埋めることしかできないですよ?」
「あ、ちょっと待ってくれ。ICレコーダーで録音して教育委員会に送るから、さっきの台詞もっかい言ってくれ」
「絶対に言いません!!! ……別府くんは鬼です。先生のこと、嫌いですか?」
「思いのほか好きだよ」
「普通に好きって言ったほうがいいです! なんですか、思いのほかって!」
「じゃあ、改めて。……先生、大好きだ」
「そ、それはそれで色々問題ありです! て、ていうかですね、先生の手を握ってじーっとこっちを見てはダメです! は、はやややや!?」
先生を見つめる時間と比例して、先生の顔がどんどん赤くなっていって愉快痛快。
「も、もーいいです! ……ま、まったく、別府くんは先生をからかってばかりで困ります。先生、ぷんぷんです」
先生は俺の手を振り払い、ぷらぷらと振った。
「臭いのか? 女の子なんだから、風呂には毎日入れよな」
「ハエがたかってるわけではないです! ぷーんぷーんではないです! ぷんぷんと言いました! 怒ってることを可愛らしく表現したのですっ!」
「自分で可愛らしくとか言うなよ……」
「う、うるさいです! 別府くんのばか!」
「で、話は戻るが、なんだってあっさりなんて頼んだんだ? この店の売りはこってりスープだぞ?」
「……前に注文したんですが、しつこくってしつこくって、全部食べられなかったんです」
「三回食えばやみつきだぞ? 現に俺なんて、週に一度は食いたくなる。そして食べなかったら手が震え、幻聴まで聞こえ出すんだ」
「本当に病みつきです! 何が入ってるんですか!?」
「鳥のダシか何かじゃないか?」
「意外と普通の答えでした!」
などと侃々諤々先生と言い合ってると、店員さんがやってきて注文した品々をテーブルに並べた。
「わー……久々ですが、やっぱりおいしそーです。いただきまーす♪」
「くるしゅうない」
「……ずるずる」
偉そうに言ったら、先生が嫌そうな顔をしてラーメンをすすりだした。
「んー♪ おいしいです♪ ほらほら、別府くんも一度食べたらこのあっさりスープのよさが分かりますよ?」
「まあ待て、俺の分を食ってからだ。ずるずるずる……」
まずスープを少し飲んでから、麺をすする。うむ、想像通りうまい。
「まったりとしていて、それでいてしつこくなく」
「ものすごく嘘っぽい表現です……」
「超うめえ」
「シンプルですが、とってもよく伝わります。いりませんが!」
手をNOという感じにして出されたので、レンゲでスープをすくい先生に向ける。
「いらないって言ってるのに……」
「まあまあ、騙されたと思って一口飲んで見てくれよ。もし飲んで騙されたと感じたのであれば、先生は騙されやすいので後で詐欺して大金うはうは」
「絶対に飲みません!!!」
俺の説得はよく失敗します。
「それより、先生のラーメンを食べてみるべきです。あっさりしていて、とてもおいしいんですよ?」
「猿の脳みそより?」
「ありえないチョイスですっ! もーちょっとマシなものを出すべきですっ!」
「寡聞にして猿以外の脳の味を知らないんだ」
「猿は知ってるんですかっ!? 別府くんが恐ろしい生物に見えてきました……」
「男ってのは怖いものさ」
「怖いの種類が違いますっ!」
「まあ、本当は猿の味も知らないんだけどな。それはともかく、そのスープ味見していいか?」
「普通に、最初っから、わーいって言って食べればいいのに……」
「わーい」
「なんか馬鹿にされてる気がします……」
どうしろと言うのだ。とまれ、先生が差し出したレンゲを口に含む。
「ふむ……。まあ、普通だな」
「ええっ!? そんなことないですよ、とってもおいしいですよ!? 別府くんは普段ろくなもの食べてないからそう感じるだけです!」
「俺だけでなく、別府家全体を敵に回す台詞だな」
「こんなおいしーのに……このおいしさが分からないなんて、別府くんは可哀想です。……あっ! え、えっと、お子様にはこのおいしさが分からないんですよ。……ふふん?」
「まあ、お子様は舌が発達してないので、しつこいものよりあっさりしたものの方が好きだよな」
「折角の大人アピールのチャンスを冷静に潰さないでくださいっ!」
「そこまで大人と言い張るのであれば、やはり俺様のスープを飲んで証明するしかあるまい」
再度レンゲでラーメンのスープをすくい、先生に向ける。
「う……こ、これを飲んだら大人ですか? 先生を尊敬しますか? もういじめませんか?」
「いいえいいえいいえ」
「いっぱいいいえって言われました! 飲む理由が一切なくなりましたっ!」
「しまった。よし、嘘をつくぞ。うーんうーんうーん。これを飲んだら大人で尊敬していじめない」
「騙す気が全く見えませんっ! もうちょっと頑張って欲しいものですっ!」
「ええと……よし。俺がおいしいと感じるものを、先生に味わって欲しいんだ」
「あ、あぅ……そ、それはよい騙し文句です。先生、ちょこっとぐらぐら来ました。もうちょっと頑張ったら、先生、くらーっていっちゃうかもですよ?」
先生は両手を合わせ、軽く首を傾げて何かを期待する目でこちらを見た。
「よし。……先生、俺が卒業したら、小さなアパートでも借りて、一緒に」
「すとーーーーーーっぷ! それはなんか違う意味でくらくらーってしちゃう大変危険な呪文なので、片手間に言うのは禁止です! 禁止禁止禁止!」
先生は顔を真っ赤にしながら俺の頭に連続でチョップした。
「先生、痛い」
「うるさいですっ! 別府くんのばかっ! 本当に別府くんは嘘ばっかりつくダメな生徒ですっ!」
「嘘をつくかもしれないが、少なくとも年齢は詐称してはいないぞ。……あ」
「あーっ! それは先生に実は幼女だろばーかばーかって暗に言ってますね! 先生は子供ではなく、大人ですっ! ほらほら、めんきょしょー!」
気づいた時には既に遅く、先生は手馴れた様子で懐から免許証を取り出すと、俺の頬にめり込ませだした。
「先生、痛い。あと、俺の頬に目はないので、そこに押し込まれても見えない」
「もー何十回と見せたので、知ってるでしょ!」
「なら何十回と見せなくてもいいのでは」
「毎回毎回別府くんが先生の年齢を疑うからですっ!」
「うるさい合法ロリだなあ」
「あんまりな台詞が飛び出しましたよ!?」
「黙らないと先生の口を塞いで家に持ち帰り、一緒にゲームとかするぞ」
「途中まですっごく怖かったのに、最終的には友達感覚です!」
「先生と仲良くなりたいんだ」
「一緒にラーメン食べておいて、何を言ってるですか……」
「いやはや。先生と一緒だと、何やっても楽しいよね」
「なっ、なに、何を、何を言ってるですか!? そ、そゆこと言っても先生は篭絡されませんよ!? う? う!?」
「篭絡って何の話でしょうか」
「うっ、うるさいですっ! 別府くんのばかっ!」
先生は俺を怒りながらずるずるずるーっと一気にラーメンをすすった。
「げへんげへんげへんっ!」
そしてむせた。
「ああほら、一気に食ったりするから。はい」
水を渡すと、先生は一気にあおった。
「……っん、っん、っん、……ぷはぁ。ふぅ、死ぬかと思いました」
「あ、それ俺の水だった。まあいいか」
「わざとですねっ!? わざと別府くんの水を飲まして先生を混乱させる策ですねっ!?」
「この疑心暗鬼ロリはめんどくさいなあ」
「いちいちロリってつけないでくだたいっ!」
ぎゃーぎゃー騒ぐ大谷先生を、迷惑そうな微笑ましそうな目で見る従業員と客たちだった。


