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2026年03月15日
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【ツンデレが男のモテモテな姿見てヤキモチやくとどうなるの?】
2010年05月20日
文化祭まで日がないというのに一向に準備が進んでないらしく、どういうことか実行委員に問いかけたら「人手が足りない」という答えが返ってきた。
折角の文化祭だ。精一杯楽しみたいと思い、放課後、俺は手伝いを申し出た。
「ありがと~。みんなやってくれないから助かった~」
「うんうん、みんなすぐサボろうとするんだもの。今日も当番の男子サボってるし」
「いやいや、困ってる女性を助けるのは当然のことですよ。にゃはははは」
けっこう可愛い女生徒たちに感謝され、思わず笑みがこぼれる。
「…………」
ちなみに背中をつねられる。
「痛い! なにすんでい、ちなみ!」
「……別に」
いつもより微妙に無愛想に言って、ちなみは作業を始めた。
「なんだ……? まぁいいや、俺も手伝うぞ」
あてがわれたでかい板に釘を打つ。打ちまくる。
「……ところで、文化祭なにすんだっけ?」
「あれ、別府君知らないの? おばけ屋敷だよ」
女生徒に問いかけると、そんな答えが返ってきた。
「ああ、おばけ屋敷か。どんな感じにするんだ? やっぱ定番の焼きそばおばけ屋敷か?」
「な、何それ」
「知らんのか? 焼きそばおばけ屋敷とは……」
詳しく説明すると、非常に微妙な顔をされた。面白いのに。
「それにしても、どうして別府君は手伝ってくれたの?」
「えーと、暇だから」
本当の理由を言うのはなんだか恥ずかしいから、適当に茶を濁す。
「え~、本当に?」
「それ以外にどんな理由があるってんだよ」
「だからぁ、私たちが大変だから助けてあげよう、って思ってとか」
「は?」
「そうそう、そういうとこあるよね、別府君って。さりげなく優しいっていうか」
別の場所で作業していたもう一人の女生徒がやって来て、話に加わる。
「気のせいだろ。買いかぶり過ぎだ」
話の流れが嫌な感じになってきた。釘打とう、釘。
「結構人気あるよね、別府君。……ね、彼女とかいるの?」
「あー、えーと、いない、けど」
「ホント!? それじゃ私立候補しようかなー?」
「あー、久美子ずるい! 私も結構別府君のこといいかなーって思ってたのに!」
その時、背後で破砕音がした。恐る恐る振り返ると、嫌な感じのオーラをまとったちなみが板を金槌で粉砕していた。
「……ごめん、壊しちゃった」
「き、気にしないでいいよ、ちなみ」
「そ、そうそう、失敗なんて誰にでもあるから」
冷や汗を垂らした二人は、そのまま俺から離れて作業を再開した。残された俺は、ゆっくり近づいてくるちなみを大量の冷や汗を感じながら迎えるしかなかった。
「……よかったね、モテモテで」
ぶら下げた金槌を小さく揺らしながら、ちなみは非常に不愉快そうに言った。
「い、いや、別にそんな……」
「……さりげなく優しいらしいね。……私にはあんまり優しくしてくれないのに」
物凄い量の冷や汗が流れる。ちなみの目が怖い。
「いや、俺は……」
「……恋人に立候補だって。……ほんと、優しい別府君はモテモテだね」
ゆっくりゆっくりこちらへやってくるちなみに、我知らず唾を飲む。
「い、いや、俺は別にそんなつもりは……」
「……いいけどね、別に私は別府君の彼女でもなんでもないんだし。……いいけどね」
俺が釘を打ってた板のそばに座り、どかどか釘を打つ。
「……何してんの。……やんないなら帰ったら」
「あ、いや、やる。やらせてください」
恐る恐るちなみのそばに座り、無言のプレッシャーに苛まされながらおばけ屋敷の壁を作った。
真綿で首を絞められるような長い長い時は終わり、ちなみと一緒に帰宅の途につく。
「…………」
しかし、学校出てからずっと無言で死ぬほど気まずい。何か話さないと、何か。
「えーっと、象さんって可愛いよな……あれ、ちなみ?」
隣を見ても、誰もいない。慌てて振り向くと、少し離れた場所でちなみは座り込んでいた。
「ど、どした? なんかあったか?」
「……疲れた」
「……は?」
「……疲れた。……おんぶして」
「え、いや、おんぶって……」
「……嫌なら、いい」
「嫌なんかじゃない! おんぶさせてお願い待って立たないで!」
慌ててちなみに駆け寄り、背を向けてしゃがむ。しばらく間があって、ちなみが俺の背中に乗ったのを感じた。
「の、乗った? いいかな?」
「……いい」
ちなみを背中に乗せ、宵闇の街をゆっくり歩く。
体の距離が近づいた分だけ、心も近づけたらいいのに、なんてらしくないことを思ったり。
「……タカシが悪いんだよ」
道程も半ばを過ぎたころ、ぽつりとちなみが呟いた。
「え?」
「……タカシが女の子にモテていい気になってるのが、悪いんだよ」
「え、えっと……?」
「……そんな似合わないことしてるから、なんか、……イライラする」
ぎゅっ、と俺の首に回された手に力がこもる。
「……ああ、つまり焼きもちを妬いた、ってことぐぇぇ」
ぎゅーっ、と俺の首に回された手に力がこもる。ていうか首絞められてる。
「……焼きもちなんて妬いてない。……別にタカシのことなんて、好きじゃないし」
力を緩め、ぼそぼそとちなみは言った。
「俺はおまえのこと、結構好きだけどな」
「ッ! ……そういうことを平気で言うとこ、嫌い。大嫌い」
「そりゃ残念」
あとは、ずっと無言だった。けど、ちなみの暖かさに触れていたせいか、嫌な空気じゃなかった。
しばらくして、ちなみの家に着いた。背から降ろし、別れを告げる。
「じゃな、ちなみ。お休み。また明日、学校でな」
そのまま帰ろうとしたら、袖を掴まれた。
「ん? なんか用か?」
「……ちょっと、かがむ」
「はぁ、別にいいけど……何すんだ? キスでもしてくれんのか?」
「…………正解」
気がつけば、目の前にちなみの顔。そして、唇に柔らかな感触。……キス、された?
いきなりのことに、頭が真っ白になる。
「お、おま、な、なにを……」
「……印。……取られたら、面白くないし」
暗闇でも分かるほど、ちなみの顔は赤い。そして、俺の顔も同じかそれ以上に。
「し、しるし? 何が?」
「……タカシは私のもの、っていう印。……ダメだよ、私以外のものになったら」
「も、ものって、おまえ、人のことを物扱いして……」
ダメだ、顔がにやけして仕方がない。
「……いいの。タカシは物。タカシは私の物。……拒否権は、ないから」
そう言って、ちなみは薄く笑った。
「そ、それって、俺のこと好きってこと、か?」
「……さあ、ね。……とにかく、あの子たちに色目使ったら……知らないから」
色目を使った覚えはまるでないが、今の俺はちなみの所有物。所有者に逆らうわけにはいかないだろう。……そういうことにしといてくれ。
「分かった。ちなみのそばにいる」
「……ずっと?」
「ずっとだ。嫌ってくらいにな」
ちなみは嬉しそうに微笑んで、家に入っていった。
俺は明日の文化祭の準備を楽しみにしながら、帰途に着いた。
折角の文化祭だ。精一杯楽しみたいと思い、放課後、俺は手伝いを申し出た。
「ありがと~。みんなやってくれないから助かった~」
「うんうん、みんなすぐサボろうとするんだもの。今日も当番の男子サボってるし」
「いやいや、困ってる女性を助けるのは当然のことですよ。にゃはははは」
けっこう可愛い女生徒たちに感謝され、思わず笑みがこぼれる。
「…………」
ちなみに背中をつねられる。
「痛い! なにすんでい、ちなみ!」
「……別に」
いつもより微妙に無愛想に言って、ちなみは作業を始めた。
「なんだ……? まぁいいや、俺も手伝うぞ」
あてがわれたでかい板に釘を打つ。打ちまくる。
「……ところで、文化祭なにすんだっけ?」
「あれ、別府君知らないの? おばけ屋敷だよ」
女生徒に問いかけると、そんな答えが返ってきた。
「ああ、おばけ屋敷か。どんな感じにするんだ? やっぱ定番の焼きそばおばけ屋敷か?」
「な、何それ」
「知らんのか? 焼きそばおばけ屋敷とは……」
詳しく説明すると、非常に微妙な顔をされた。面白いのに。
「それにしても、どうして別府君は手伝ってくれたの?」
「えーと、暇だから」
本当の理由を言うのはなんだか恥ずかしいから、適当に茶を濁す。
「え~、本当に?」
「それ以外にどんな理由があるってんだよ」
「だからぁ、私たちが大変だから助けてあげよう、って思ってとか」
「は?」
「そうそう、そういうとこあるよね、別府君って。さりげなく優しいっていうか」
別の場所で作業していたもう一人の女生徒がやって来て、話に加わる。
「気のせいだろ。買いかぶり過ぎだ」
話の流れが嫌な感じになってきた。釘打とう、釘。
「結構人気あるよね、別府君。……ね、彼女とかいるの?」
「あー、えーと、いない、けど」
「ホント!? それじゃ私立候補しようかなー?」
「あー、久美子ずるい! 私も結構別府君のこといいかなーって思ってたのに!」
その時、背後で破砕音がした。恐る恐る振り返ると、嫌な感じのオーラをまとったちなみが板を金槌で粉砕していた。
「……ごめん、壊しちゃった」
「き、気にしないでいいよ、ちなみ」
「そ、そうそう、失敗なんて誰にでもあるから」
冷や汗を垂らした二人は、そのまま俺から離れて作業を再開した。残された俺は、ゆっくり近づいてくるちなみを大量の冷や汗を感じながら迎えるしかなかった。
「……よかったね、モテモテで」
ぶら下げた金槌を小さく揺らしながら、ちなみは非常に不愉快そうに言った。
「い、いや、別にそんな……」
「……さりげなく優しいらしいね。……私にはあんまり優しくしてくれないのに」
物凄い量の冷や汗が流れる。ちなみの目が怖い。
「いや、俺は……」
「……恋人に立候補だって。……ほんと、優しい別府君はモテモテだね」
ゆっくりゆっくりこちらへやってくるちなみに、我知らず唾を飲む。
「い、いや、俺は別にそんなつもりは……」
「……いいけどね、別に私は別府君の彼女でもなんでもないんだし。……いいけどね」
俺が釘を打ってた板のそばに座り、どかどか釘を打つ。
「……何してんの。……やんないなら帰ったら」
「あ、いや、やる。やらせてください」
恐る恐るちなみのそばに座り、無言のプレッシャーに苛まされながらおばけ屋敷の壁を作った。
真綿で首を絞められるような長い長い時は終わり、ちなみと一緒に帰宅の途につく。
「…………」
しかし、学校出てからずっと無言で死ぬほど気まずい。何か話さないと、何か。
「えーっと、象さんって可愛いよな……あれ、ちなみ?」
隣を見ても、誰もいない。慌てて振り向くと、少し離れた場所でちなみは座り込んでいた。
「ど、どした? なんかあったか?」
「……疲れた」
「……は?」
「……疲れた。……おんぶして」
「え、いや、おんぶって……」
「……嫌なら、いい」
「嫌なんかじゃない! おんぶさせてお願い待って立たないで!」
慌ててちなみに駆け寄り、背を向けてしゃがむ。しばらく間があって、ちなみが俺の背中に乗ったのを感じた。
「の、乗った? いいかな?」
「……いい」
ちなみを背中に乗せ、宵闇の街をゆっくり歩く。
体の距離が近づいた分だけ、心も近づけたらいいのに、なんてらしくないことを思ったり。
「……タカシが悪いんだよ」
道程も半ばを過ぎたころ、ぽつりとちなみが呟いた。
「え?」
「……タカシが女の子にモテていい気になってるのが、悪いんだよ」
「え、えっと……?」
「……そんな似合わないことしてるから、なんか、……イライラする」
ぎゅっ、と俺の首に回された手に力がこもる。
「……ああ、つまり焼きもちを妬いた、ってことぐぇぇ」
ぎゅーっ、と俺の首に回された手に力がこもる。ていうか首絞められてる。
「……焼きもちなんて妬いてない。……別にタカシのことなんて、好きじゃないし」
力を緩め、ぼそぼそとちなみは言った。
「俺はおまえのこと、結構好きだけどな」
「ッ! ……そういうことを平気で言うとこ、嫌い。大嫌い」
「そりゃ残念」
あとは、ずっと無言だった。けど、ちなみの暖かさに触れていたせいか、嫌な空気じゃなかった。
しばらくして、ちなみの家に着いた。背から降ろし、別れを告げる。
「じゃな、ちなみ。お休み。また明日、学校でな」
そのまま帰ろうとしたら、袖を掴まれた。
「ん? なんか用か?」
「……ちょっと、かがむ」
「はぁ、別にいいけど……何すんだ? キスでもしてくれんのか?」
「…………正解」
気がつけば、目の前にちなみの顔。そして、唇に柔らかな感触。……キス、された?
いきなりのことに、頭が真っ白になる。
「お、おま、な、なにを……」
「……印。……取られたら、面白くないし」
暗闇でも分かるほど、ちなみの顔は赤い。そして、俺の顔も同じかそれ以上に。
「し、しるし? 何が?」
「……タカシは私のもの、っていう印。……ダメだよ、私以外のものになったら」
「も、ものって、おまえ、人のことを物扱いして……」
ダメだ、顔がにやけして仕方がない。
「……いいの。タカシは物。タカシは私の物。……拒否権は、ないから」
そう言って、ちなみは薄く笑った。
「そ、それって、俺のこと好きってこと、か?」
「……さあ、ね。……とにかく、あの子たちに色目使ったら……知らないから」
色目を使った覚えはまるでないが、今の俺はちなみの所有物。所有者に逆らうわけにはいかないだろう。……そういうことにしといてくれ。
「分かった。ちなみのそばにいる」
「……ずっと?」
「ずっとだ。嫌ってくらいにな」
ちなみは嬉しそうに微笑んで、家に入っていった。
俺は明日の文化祭の準備を楽しみにしながら、帰途に着いた。
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【ぽかぽかぱんち】
2010年05月20日
今日も今日とてタカシは日課のボクっ娘いじめをしていた。
「うっ、ひぐっ……タカシのばかぁ、いじめっこ! こら、逃げるなぁ!」
「わはははは! 馬鹿め、怪盗タカシ様が捕まってたまるか!」
窓から身を躍らせ、タカシは教室から飛び出した。
「ああっ! 逃げたぁ!」
「ここ3階なのに……相変わらずタカシは後先考えてないわね」
地面に落ちていくタカシを見ながら、かなみはボクっ娘──梓に近づいた。
「……ねぇ、梓ちゃん。タカシに仕返ししたくない?」
「えぐっ……し、仕返し?」
「そう。……やる気があるなら、私の『ぽかぽかぱんち』、伝授してもいいわよ」
その傍で話を聞いていたみことは、かなみの言葉を聞き驚いていた。
「ぽかぽかぱんちだと!?」
「知っておるのか、雷で……げふんげふん、みこと」
わざとらしい咳をしながら、まつりはみことに問いかけた。
「ぽかぽかぱんちとは、歩禍歩禍班血のこと。その技を喰らった者に禍を与え、使い手の歩いた後には斑に血が付着するという伝説とまで言われた技……よもやかなみがその伝承者だったとは」
「へー」
まったく興味を示さないまつりにみことが軽く殺意を覚えていたころ、かなみは梓に伝授を終えていた。
「これで大丈夫。タカシなんて一撃よ♪」
「は、はぁ……これ、やっても死なないよね?」
「…………」
「なんで目をそむけるの!?」
明けて翌日。全身に包帯を巻いたタカシはいつものように梓をいじめていた。
「ほーら梓、象さんだよー。ぱおーん、ぱおーん」
「うううううっ、タカシのばかぁ、セクハラ大魔王! 食らえ、ぽかぽかぱんち!」
梓の拳が唸りを上げてタカシの顔に! ……へろへろへろ、ぽすん。
「……? なんだこれ? ぽかぽかっていうか、へろへろぱんちだな」
むにむにと梓のほっぺを引っ張りながら、タカシは言った。
「うう~、ひっひゃらひゃひへほ、はは~!」
「はいそこまで!」
「ぐぎゃあ!」
一撃で教室の端までタカシを吹き飛ばし、かなみは梓に話しかけた。
「あーもう、何やってんのよ。昨日ちゃんと教えたでしょ?」
「う……だ、だって、あれやっちゃうとタカシ死んじゃうんでしょ? で、できないよぉ……」
「……ぷ、あはははは! だいじょーぶだいじょーぶ。死にはしないわよ。後遺症残るけど」
「一緒だよぉ! い、いいの! タカシはボクが自力でどうにかするから!」
吹き飛ばされて目を回しているタカシの元へ、梓は駆けていった。その様子を、かなみは微笑ましくも、羨ましそうに見ていた。
「うっ、ひぐっ……タカシのばかぁ、いじめっこ! こら、逃げるなぁ!」
「わはははは! 馬鹿め、怪盗タカシ様が捕まってたまるか!」
窓から身を躍らせ、タカシは教室から飛び出した。
「ああっ! 逃げたぁ!」
「ここ3階なのに……相変わらずタカシは後先考えてないわね」
地面に落ちていくタカシを見ながら、かなみはボクっ娘──梓に近づいた。
「……ねぇ、梓ちゃん。タカシに仕返ししたくない?」
「えぐっ……し、仕返し?」
「そう。……やる気があるなら、私の『ぽかぽかぱんち』、伝授してもいいわよ」
その傍で話を聞いていたみことは、かなみの言葉を聞き驚いていた。
「ぽかぽかぱんちだと!?」
「知っておるのか、雷で……げふんげふん、みこと」
わざとらしい咳をしながら、まつりはみことに問いかけた。
「ぽかぽかぱんちとは、歩禍歩禍班血のこと。その技を喰らった者に禍を与え、使い手の歩いた後には斑に血が付着するという伝説とまで言われた技……よもやかなみがその伝承者だったとは」
「へー」
まったく興味を示さないまつりにみことが軽く殺意を覚えていたころ、かなみは梓に伝授を終えていた。
「これで大丈夫。タカシなんて一撃よ♪」
「は、はぁ……これ、やっても死なないよね?」
「…………」
「なんで目をそむけるの!?」
明けて翌日。全身に包帯を巻いたタカシはいつものように梓をいじめていた。
「ほーら梓、象さんだよー。ぱおーん、ぱおーん」
「うううううっ、タカシのばかぁ、セクハラ大魔王! 食らえ、ぽかぽかぱんち!」
梓の拳が唸りを上げてタカシの顔に! ……へろへろへろ、ぽすん。
「……? なんだこれ? ぽかぽかっていうか、へろへろぱんちだな」
むにむにと梓のほっぺを引っ張りながら、タカシは言った。
「うう~、ひっひゃらひゃひへほ、はは~!」
「はいそこまで!」
「ぐぎゃあ!」
一撃で教室の端までタカシを吹き飛ばし、かなみは梓に話しかけた。
「あーもう、何やってんのよ。昨日ちゃんと教えたでしょ?」
「う……だ、だって、あれやっちゃうとタカシ死んじゃうんでしょ? で、できないよぉ……」
「……ぷ、あはははは! だいじょーぶだいじょーぶ。死にはしないわよ。後遺症残るけど」
「一緒だよぉ! い、いいの! タカシはボクが自力でどうにかするから!」
吹き飛ばされて目を回しているタカシの元へ、梓は駆けていった。その様子を、かなみは微笑ましくも、羨ましそうに見ていた。
【さめちなみん】
2010年05月19日
今日の体育はプール。つまり、スク水鑑賞の日。先日は拝めなかったちなみのスク水、たんと鑑賞させてもらうぜ!
と気合を入れて女子更衣室の前で待っていたのに、出てきたちなみはサメだった。
「……サメです。しゃーくしゃーく」
うるさい。なんだその鳴き声。
「……ちなみに、しゃーくというのはサメの英語名です。……ジョーズと勘違いしがちですので、気をつけましょう」
知ってる。ひれで頭をぺんぺん叩くな。馬鹿にしてんのか。
「ああもう腹立つ! こうなったら覗いてやれ!」
ちなみのスク水姿が見れないことで超欲求不満になり、思わず更衣室に侵入しようとすると、急に尻が痛みだした。不思議に思って振り向くと、ちなみが俺の尻に噛み付いていた。
「ああなるほど……って、なにしやがる!」
尻に噛り付くちなみを振りほどく。
「……サメですから。噛みますよ?」
「もう噛んでる! ……ああもういいや、スク水見れないし、今日はサボろう」
「……他の人、みんなスクール水着着てますよ?」
「俺はちなみのスク水が見たかったんだよ」
言ってから、失言だったかな、と思った。
「……えっと、……見たかった?」
ほらな、困ってる……え?
「え、見せてくれるのか?」
「……ちょっと恥ずかしいけど、……まぁ、……タカシは遊んでくれるから」
そう言って、ちなみは更衣室の中に入っていった。そして、指でちょいちょい、と俺を呼んだ。
俺は、少しドキドキしながら魅惑の女子更衣室に侵入した。そこで見たものは!
……着替え中の、女の子たちだった。そういやまだ全員着替え終わってないもんな。
ちなみの罠なのかな、と殺気立った半裸の女の子たちに囲まれながら思った。
「はい、授業をはじめ……うわぁ! なんだ、これは!」
体育教師が俺の様子を見て驚いている。
「「「罰です」」」
女子たちが異口同音に発声するのを、俺はポールに吊るされてぼんやり聞いていた。
と気合を入れて女子更衣室の前で待っていたのに、出てきたちなみはサメだった。
「……サメです。しゃーくしゃーく」
うるさい。なんだその鳴き声。
「……ちなみに、しゃーくというのはサメの英語名です。……ジョーズと勘違いしがちですので、気をつけましょう」
知ってる。ひれで頭をぺんぺん叩くな。馬鹿にしてんのか。
「ああもう腹立つ! こうなったら覗いてやれ!」
ちなみのスク水姿が見れないことで超欲求不満になり、思わず更衣室に侵入しようとすると、急に尻が痛みだした。不思議に思って振り向くと、ちなみが俺の尻に噛み付いていた。
「ああなるほど……って、なにしやがる!」
尻に噛り付くちなみを振りほどく。
「……サメですから。噛みますよ?」
「もう噛んでる! ……ああもういいや、スク水見れないし、今日はサボろう」
「……他の人、みんなスクール水着着てますよ?」
「俺はちなみのスク水が見たかったんだよ」
言ってから、失言だったかな、と思った。
「……えっと、……見たかった?」
ほらな、困ってる……え?
「え、見せてくれるのか?」
「……ちょっと恥ずかしいけど、……まぁ、……タカシは遊んでくれるから」
そう言って、ちなみは更衣室の中に入っていった。そして、指でちょいちょい、と俺を呼んだ。
俺は、少しドキドキしながら魅惑の女子更衣室に侵入した。そこで見たものは!
……着替え中の、女の子たちだった。そういやまだ全員着替え終わってないもんな。
ちなみの罠なのかな、と殺気立った半裸の女の子たちに囲まれながら思った。
「はい、授業をはじめ……うわぁ! なんだ、これは!」
体育教師が俺の様子を見て驚いている。
「「「罰です」」」
女子たちが異口同音に発声するのを、俺はポールに吊るされてぼんやり聞いていた。
【ボクっ娘にタイヤキをおごってやったら】
2010年05月19日
冬。雪が街を白く染め上げるころ、俺はKanonをクリアした。その記念として、ボクっ娘にタイヤキを奢ってやることにした。
「珍しいね、タカシがボクに奢ってくれるなんて」
「感謝してむせび泣いて初めてを寄越すんだな、ボクっ娘」
「感謝はするけど泣かないし初めてなんかあげないしボクっ娘じゃなくて梓! いい加減に覚えてよぉ!」
よく分からないことをわめいている梓としばし歩き、タイヤキ屋につく。妙にガタイのいい兄ちゃんがせっせとタイヤキを焼いていた。
「盗むなよ。拉致監禁されてリコーダーで処女喪失プレイされるぞ」
「盗まないよぉ! 怖いこと言わないでよぉ!」
「いや、あの顔は恥部に肉便器と刺青を入れるプロだな。もう20人はやってる」
「随分失礼なこと言うな、兄ちゃん」
「タイヤキ三つくれ。アンコと白アンとマヨネーズ」
「……へい、毎度」
なんだか知らないが態度の悪い店員からタイヤキを受け取り、適当なベンチに座る。
「ほい、食え」
「……なんでマヨネーズ入りを渡すの?」
「こんなもん食えねぇから、おまえにやる」
「ボクも食べないよ!」
強引に袋からアンコ入りを取り出し、梓はかぶりついた。
「ん~! おいしいねぇ。奢りだと余計においしく感じるよ!」
「……なぁ、梓。実は折り入って頼みが」
食い終わったのを見計らい、俺は梓に切り出した。
「ん? お金なら貸さないよ。タカシに貸したら、いつ返ってくるか分からないもん」
白アンのタイヤキを口にしながら、梓は言った。
「いや、そんなんじゃない。簡単な話だ。……うぐぅ、って言ってくれないか」
「……? う、うぐぅ?」
「……あゆっ!」
「うわあああ! あゆじゃなくて梓だよぉ! なに抱きついてんだよぉ!」
「探し物は見つかったか? ちゃんと幸せに暮らしてるか?」
「訳分かんないよぉ! ちょっと、どこ触ってんだよえっち!」
思わずヒートアップして乳をもんでいた。よくある失敗といえよう。
「いきなり何すんだよぉ!」
「悪い悪い。ちょっとはっちゃけた。実は……」
俺は梓にKanonに出てくるキャラ、あゆについて説明した。
「……というわけで、飛んでいったベールを見て泣いちゃうんだよ。その後意識が戻って7年の空白を埋めるために謎のジャムを食うんだ」
他のキャラの話が混じった。まぁいいか。
「うっうっ……いい話だねぇ。ずびー」
こんな説明で泣ける梓はすごい。
「それを踏まえて、もう一度うぐぅを! リピート!」
「うっうっ……うん、ボク、言うよ! うぐぅ、うぐぅ、うぐぅ!」
「あゆーーーーーーーーーーっ!!!」
「だからボクはあゆじゃなくて梓だよぉ! なんでいちいち抱きつくんだよぉ!? おっぱい触るなぁ!」
夕暮れの街に、雪が静かに降り積もっていった。
「珍しいね、タカシがボクに奢ってくれるなんて」
「感謝してむせび泣いて初めてを寄越すんだな、ボクっ娘」
「感謝はするけど泣かないし初めてなんかあげないしボクっ娘じゃなくて梓! いい加減に覚えてよぉ!」
よく分からないことをわめいている梓としばし歩き、タイヤキ屋につく。妙にガタイのいい兄ちゃんがせっせとタイヤキを焼いていた。
「盗むなよ。拉致監禁されてリコーダーで処女喪失プレイされるぞ」
「盗まないよぉ! 怖いこと言わないでよぉ!」
「いや、あの顔は恥部に肉便器と刺青を入れるプロだな。もう20人はやってる」
「随分失礼なこと言うな、兄ちゃん」
「タイヤキ三つくれ。アンコと白アンとマヨネーズ」
「……へい、毎度」
なんだか知らないが態度の悪い店員からタイヤキを受け取り、適当なベンチに座る。
「ほい、食え」
「……なんでマヨネーズ入りを渡すの?」
「こんなもん食えねぇから、おまえにやる」
「ボクも食べないよ!」
強引に袋からアンコ入りを取り出し、梓はかぶりついた。
「ん~! おいしいねぇ。奢りだと余計においしく感じるよ!」
「……なぁ、梓。実は折り入って頼みが」
食い終わったのを見計らい、俺は梓に切り出した。
「ん? お金なら貸さないよ。タカシに貸したら、いつ返ってくるか分からないもん」
白アンのタイヤキを口にしながら、梓は言った。
「いや、そんなんじゃない。簡単な話だ。……うぐぅ、って言ってくれないか」
「……? う、うぐぅ?」
「……あゆっ!」
「うわあああ! あゆじゃなくて梓だよぉ! なに抱きついてんだよぉ!」
「探し物は見つかったか? ちゃんと幸せに暮らしてるか?」
「訳分かんないよぉ! ちょっと、どこ触ってんだよえっち!」
思わずヒートアップして乳をもんでいた。よくある失敗といえよう。
「いきなり何すんだよぉ!」
「悪い悪い。ちょっとはっちゃけた。実は……」
俺は梓にKanonに出てくるキャラ、あゆについて説明した。
「……というわけで、飛んでいったベールを見て泣いちゃうんだよ。その後意識が戻って7年の空白を埋めるために謎のジャムを食うんだ」
他のキャラの話が混じった。まぁいいか。
「うっうっ……いい話だねぇ。ずびー」
こんな説明で泣ける梓はすごい。
「それを踏まえて、もう一度うぐぅを! リピート!」
「うっうっ……うん、ボク、言うよ! うぐぅ、うぐぅ、うぐぅ!」
「あゆーーーーーーーーーーっ!!!」
「だからボクはあゆじゃなくて梓だよぉ! なんでいちいち抱きつくんだよぉ!? おっぱい触るなぁ!」
夕暮れの街に、雪が静かに降り積もっていった。
【デートすっぼかされたツンデレ】
2010年05月19日
タカシにデートの約束を取り付けた。買い物に付き合って、と言ったけど、ほとんどデートよね、うん。
お風呂に入って体中キレイにして、明日着ていく服選んで、ワクワクしながら寝て、あんまりにもワクワクしすぎてなかなか寝れなくて。
日が昇る前に起きてお弁当作って、でもなかなか上手に出来ないから何度も作り直して、結局出来たのは約束の時間の2時間前。早起きしておいてよかった。ほとんど寝れなかったけど。
集合場所の公園に着いたのが1時間半前。……ちょっと早すぎたかな。
でも、いっか。こうやって待ってるのもデートの楽しみの一つだもんね。うん。
……タカシ、この服気に入ってくれるかな。とっておきの白のワンピース。……気合入りすぎてないよね? 変に勘繰られないよね?
そうだ、お弁当大丈夫かな? 夏だし腐りにくいのは入れてないけど、あんまり日なたに置いてたら痛んじゃうよね。日陰に置いておこ。
……10分前か。タカシのことだし、たぶん遅れてくるよね。それをあたしは「こらー!」とか言って怒って出迎えるんだ。ふふっ、楽しみ♪
……30分過ぎた。ちょっと遅いな。でも、タカシのことだし仕方ないよね。もうちょっと待とっと。
……一時間が過ぎた。どうしたのかな? 寝過ごしたのかな? 電話でも……あ、携帯持ってくるの忘れちゃった。取りに帰ろうかな……。
でも、その間にタカシが来たらがっかりするだろうし……うー、待とう。もうちょっとしたら来るよ、きっと。
……二時間が過ぎた。……忘れてるのかな。……それとも、あたしが相手だから嫌だったのかな。……やだ、涙出てきた。
……三時間が過ぎた。……嫌われちゃった、のかな。……帰ろう、かな。……でも、もし来たら、って思うと帰れない。
……タカシ。あたし、寂しいよぉ……。
「……はぁっ、はぁっ、かなみーっ!」
待ち望んでいた声がした。あたしは、その声に顔を上げた。
「ごめん、マジでゴメン! 俺、約束明日だとばっかり勘違いしてて! 本当にごめん! 謝って済むこととは思わないけど、今は謝らせてくれ!」
土下座しそうな勢いで、タカシはあたしにありったけの謝罪の言葉を口にした。
「……遅い」
あたしは、それだけ言うので精一杯だった。だって、ちょっとでも口を開くと涙がこぼれそうだったから。
「あああああ、俺の馬鹿! なんでもするから許して! 本当、俺にできることならなんだってするから!」
「……じゃ、ここで裸踊りして」
「任せろ!」
そう言って、人通りの多い公園でタカシは躊躇なく服を脱ぎだした。あたしは慌てて止めた。
「……冗談よ」
「へ? なんだ、冗談か。それでかなみの溜飲が下がるなら、俺は構わないのに」
……この人は、あたしのためならどんな恥ずかしいことでもできるんだ。
嬉しくって、でもあんなことを言った自分が恥ずかしくて、笑ったような、怒ったような、泣きたいような、微妙な表情を浮かべてしまう。
「えっと、それで、かなみさん、……買い物に付き合いたいのですが、よろしいでしょうか?」
「……ぐすっ。お腹すいた」
「あ、それじゃどっかで飯食うか? どんな高いのでもいいぞ。今日は全部俺のおごりだ」
「…………」
あたしは無言で首を振って、物陰に置いていたランチパックを取り出した。
「……遅れてきた罰。……これ、食べて」
「……罰って、えっと……」
不安そうなタカシに、あたしはランチパックを開けた。中にある弁当箱を見て、タカシはほっと息を吐いた。
「なんだ、かなみの弁当か。こりゃ罰じゃなくてご褒美だな」
あたしは恥ずかしくて、照れ隠しに満面の笑みを浮かべるタカシのほっぺをつねった。
「いへへへへ! なんだよ、本当のことなのに……」
あたしは無言で弁当箱を取り出し、タカシに渡した。
「……早く食べなさいよ。それ食べたら、今日のことは不問にしてあげるから」
「任せろ! ……あ、早く食べるのだけは却下。折角のかなみの手料理だ、味わって食いたいしな」
そう言って弁当箱の蓋を開けるタカシを、あたしはやっと笑って見ることができた。
お風呂に入って体中キレイにして、明日着ていく服選んで、ワクワクしながら寝て、あんまりにもワクワクしすぎてなかなか寝れなくて。
日が昇る前に起きてお弁当作って、でもなかなか上手に出来ないから何度も作り直して、結局出来たのは約束の時間の2時間前。早起きしておいてよかった。ほとんど寝れなかったけど。
集合場所の公園に着いたのが1時間半前。……ちょっと早すぎたかな。
でも、いっか。こうやって待ってるのもデートの楽しみの一つだもんね。うん。
……タカシ、この服気に入ってくれるかな。とっておきの白のワンピース。……気合入りすぎてないよね? 変に勘繰られないよね?
そうだ、お弁当大丈夫かな? 夏だし腐りにくいのは入れてないけど、あんまり日なたに置いてたら痛んじゃうよね。日陰に置いておこ。
……10分前か。タカシのことだし、たぶん遅れてくるよね。それをあたしは「こらー!」とか言って怒って出迎えるんだ。ふふっ、楽しみ♪
……30分過ぎた。ちょっと遅いな。でも、タカシのことだし仕方ないよね。もうちょっと待とっと。
……一時間が過ぎた。どうしたのかな? 寝過ごしたのかな? 電話でも……あ、携帯持ってくるの忘れちゃった。取りに帰ろうかな……。
でも、その間にタカシが来たらがっかりするだろうし……うー、待とう。もうちょっとしたら来るよ、きっと。
……二時間が過ぎた。……忘れてるのかな。……それとも、あたしが相手だから嫌だったのかな。……やだ、涙出てきた。
……三時間が過ぎた。……嫌われちゃった、のかな。……帰ろう、かな。……でも、もし来たら、って思うと帰れない。
……タカシ。あたし、寂しいよぉ……。
「……はぁっ、はぁっ、かなみーっ!」
待ち望んでいた声がした。あたしは、その声に顔を上げた。
「ごめん、マジでゴメン! 俺、約束明日だとばっかり勘違いしてて! 本当にごめん! 謝って済むこととは思わないけど、今は謝らせてくれ!」
土下座しそうな勢いで、タカシはあたしにありったけの謝罪の言葉を口にした。
「……遅い」
あたしは、それだけ言うので精一杯だった。だって、ちょっとでも口を開くと涙がこぼれそうだったから。
「あああああ、俺の馬鹿! なんでもするから許して! 本当、俺にできることならなんだってするから!」
「……じゃ、ここで裸踊りして」
「任せろ!」
そう言って、人通りの多い公園でタカシは躊躇なく服を脱ぎだした。あたしは慌てて止めた。
「……冗談よ」
「へ? なんだ、冗談か。それでかなみの溜飲が下がるなら、俺は構わないのに」
……この人は、あたしのためならどんな恥ずかしいことでもできるんだ。
嬉しくって、でもあんなことを言った自分が恥ずかしくて、笑ったような、怒ったような、泣きたいような、微妙な表情を浮かべてしまう。
「えっと、それで、かなみさん、……買い物に付き合いたいのですが、よろしいでしょうか?」
「……ぐすっ。お腹すいた」
「あ、それじゃどっかで飯食うか? どんな高いのでもいいぞ。今日は全部俺のおごりだ」
「…………」
あたしは無言で首を振って、物陰に置いていたランチパックを取り出した。
「……遅れてきた罰。……これ、食べて」
「……罰って、えっと……」
不安そうなタカシに、あたしはランチパックを開けた。中にある弁当箱を見て、タカシはほっと息を吐いた。
「なんだ、かなみの弁当か。こりゃ罰じゃなくてご褒美だな」
あたしは恥ずかしくて、照れ隠しに満面の笑みを浮かべるタカシのほっぺをつねった。
「いへへへへ! なんだよ、本当のことなのに……」
あたしは無言で弁当箱を取り出し、タカシに渡した。
「……早く食べなさいよ。それ食べたら、今日のことは不問にしてあげるから」
「任せろ! ……あ、早く食べるのだけは却下。折角のかなみの手料理だ、味わって食いたいしな」
そう言って弁当箱の蓋を開けるタカシを、あたしはやっと笑って見ることができた。


