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2017年10月19日
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【ぽかぽかぱんち】

2010年05月20日
 今日も今日とてタカシは日課のボクっ娘いじめをしていた。
「うっ、ひぐっ……タカシのばかぁ、いじめっこ! こら、逃げるなぁ!」
「わはははは! 馬鹿め、怪盗タカシ様が捕まってたまるか!」
 窓から身を躍らせ、タカシは教室から飛び出した。
「ああっ! 逃げたぁ!」
「ここ3階なのに……相変わらずタカシは後先考えてないわね」
 地面に落ちていくタカシを見ながら、かなみはボクっ娘──梓に近づいた。
「……ねぇ、梓ちゃん。タカシに仕返ししたくない?」
「えぐっ……し、仕返し?」
「そう。……やる気があるなら、私の『ぽかぽかぱんち』、伝授してもいいわよ」
 その傍で話を聞いていたみことは、かなみの言葉を聞き驚いていた。
「ぽかぽかぱんちだと!?」
「知っておるのか、雷で……げふんげふん、みこと」
 わざとらしい咳をしながら、まつりはみことに問いかけた。
「ぽかぽかぱんちとは、歩禍歩禍班血のこと。その技を喰らった者に禍を与え、使い手の歩いた後には斑に血が付着するという伝説とまで言われた技……よもやかなみがその伝承者だったとは」
「へー」
 まったく興味を示さないまつりにみことが軽く殺意を覚えていたころ、かなみは梓に伝授を終えていた。
「これで大丈夫。タカシなんて一撃よ♪」
「は、はぁ……これ、やっても死なないよね?」
「…………」
「なんで目をそむけるの!?」
 明けて翌日。全身に包帯を巻いたタカシはいつものように梓をいじめていた。
「ほーら梓、象さんだよー。ぱおーん、ぱおーん」
「うううううっ、タカシのばかぁ、セクハラ大魔王! 食らえ、ぽかぽかぱんち!」
 梓の拳が唸りを上げてタカシの顔に! ……へろへろへろ、ぽすん。
「……? なんだこれ? ぽかぽかっていうか、へろへろぱんちだな」
 むにむにと梓のほっぺを引っ張りながら、タカシは言った。
「うう~、ひっひゃらひゃひへほ、はは~!」
「はいそこまで!」
「ぐぎゃあ!」
 一撃で教室の端までタカシを吹き飛ばし、かなみは梓に話しかけた。
「あーもう、何やってんのよ。昨日ちゃんと教えたでしょ?」
「う……だ、だって、あれやっちゃうとタカシ死んじゃうんでしょ? で、できないよぉ……」
「……ぷ、あはははは! だいじょーぶだいじょーぶ。死にはしないわよ。後遺症残るけど」
「一緒だよぉ! い、いいの! タカシはボクが自力でどうにかするから!」
 吹き飛ばされて目を回しているタカシの元へ、梓は駆けていった。その様子を、かなみは微笑ましくも、羨ましそうに見ていた。

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