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2026年03月20日
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【ツンデレのあだ名をでっかい声で呼んでみたら】
2010年02月09日
授業中、ふと校庭を見たら体育中の姉がいたので、手を振ってみた。しかし、姉は気づかない。なので、呼んでみた。
「姉の人ーッ!」
驚いた様子で姉はこちらを見た。
「授業中に叫ぶなっ、愚弟!」
「ごめんね!」
その後、教師に授業中に突然叫ぶなと怒られた。姉め、許せないぞ!(責任転嫁)
ということで放課後、姉に責任をなすりつけるべく一緒に帰宅。
「お前が授業中に叫んだりするから、先生に怒られたじゃないか!」
責任をなすりつける前に、俺に責任が発生してしまった。
「分かった、気をつける」
「……まあ、分かったならいいんだ、分かったなら」
翌日。またしても校庭に体育の授業中の姉がいた。しかし、そこはそれ同じ轍を踏まない俺。
「しまぱん姫ーッ!」
姉と呼ぶのではなく、あだ名で呼ぶことにより親しみを持たせる作戦開始。
「…………」
てっきり『もー、あだ名で呼ぶなんておうちだけでするのよ、弟きゅん♪』とかなると思ったのだが、ポニー辺りなら悶死しそうな怨念が姉付近から発生するだけで終わった。ていうか怖っ、姉怖あっ!
その日の昼休み、弁当食べようとしたら影が差した。顔を上げると、姉の人。なんかものすげー怖い顔で俺を見下ろしている。
「……ちょっといいか」
「あー、いいけど弁当食べてから。それまでそこでパンツ見せてて」
「見せるかッ! なんだ、しまぱん姫ってのは!」
「俺が広めようと画策している姉のあだ名」
「画策するなッ!」
ほっぺをぎうーっと引っ張られた。
『別府のお姉さん、しまぱんだってよ……』
『しまぱん……うおおっ、萌える!』
「そこっ! うるさいっ!」
教室から上がるひそひそ声を一喝する姉。ただ、顔が赤いので迫力もあんまりない。
「怒るな、しまぱん姫」
「変なあだ名をさも当然のように使うなッ!」
「でも、しまぱんだろ?」
「そっ! ……え、ええいっ、貴様に言う必要などないッ!」
「やっぱしまぱんなんだな、しまぱん姫」
「~~~~~っ! ち、ちょっと来い、愚弟!」
あちこちからしまぱんしまぱんと漏れる教室を抜け出し、つれてこられた場所は空き教室。
「……ふう。で、言い残すことは?」
「あれ、死ぬの?」
「無論だ! 姉を辱めさせた罰、受けてもらう!」
「待って殺すの待って! しまぱんを着用した姫のごとく美しき人、それを略してしまぱん姫と言ったまでで、悪意はないんです!」
「嘘をつけっ! 悪意しか見えんわっ!」
「ぬう。じゃ、姉さんにあだ名を選ばせてあげるから、今から挙げるあだ名から選んでくれ」
「断る。貴様の考えるあだ名だ、ろくなものがないに決まっている」
「しまぱん淑女にしまぱんマスター、それからしまぱん……」
「待て待て待て! 言いたいことが山ほどあるぞっ!」
「ひとつだけなら聞いてやる」
ほっぺを引っ張られたので全部聞くことにする。
「まず、聞かんと言ってるのに無視してあだ名を並べるな! それから、想像通りろくなあだ名がない! さらに、何故全てのあだ名にしまぱんがついている!」
「ええと、要約すると気に入らない……と?」
「当然だッ! しまぱんしまぱんと……そんなしまぱんが好きか!」
「いや、しまぱん好きなのは姉さんだろ。下着ほとんどしまぱんだし」
「んなっ!? なっ、何故知っている!?」
「よく着替え覗くから」
「当然のように犯罪を告白するな、この愚弟ッ!」
「ごめぬ。次からは姉さんが着替えてる最中に部屋に入り、そこで鑑賞することにする」
「覗かなければいいという話ではないッ!」
大変怒られた上、あだ名を付けることを禁止された。とても残念。
「姉の人ーッ!」
驚いた様子で姉はこちらを見た。
「授業中に叫ぶなっ、愚弟!」
「ごめんね!」
その後、教師に授業中に突然叫ぶなと怒られた。姉め、許せないぞ!(責任転嫁)
ということで放課後、姉に責任をなすりつけるべく一緒に帰宅。
「お前が授業中に叫んだりするから、先生に怒られたじゃないか!」
責任をなすりつける前に、俺に責任が発生してしまった。
「分かった、気をつける」
「……まあ、分かったならいいんだ、分かったなら」
翌日。またしても校庭に体育の授業中の姉がいた。しかし、そこはそれ同じ轍を踏まない俺。
「しまぱん姫ーッ!」
姉と呼ぶのではなく、あだ名で呼ぶことにより親しみを持たせる作戦開始。
「…………」
てっきり『もー、あだ名で呼ぶなんておうちだけでするのよ、弟きゅん♪』とかなると思ったのだが、ポニー辺りなら悶死しそうな怨念が姉付近から発生するだけで終わった。ていうか怖っ、姉怖あっ!
その日の昼休み、弁当食べようとしたら影が差した。顔を上げると、姉の人。なんかものすげー怖い顔で俺を見下ろしている。
「……ちょっといいか」
「あー、いいけど弁当食べてから。それまでそこでパンツ見せてて」
「見せるかッ! なんだ、しまぱん姫ってのは!」
「俺が広めようと画策している姉のあだ名」
「画策するなッ!」
ほっぺをぎうーっと引っ張られた。
『別府のお姉さん、しまぱんだってよ……』
『しまぱん……うおおっ、萌える!』
「そこっ! うるさいっ!」
教室から上がるひそひそ声を一喝する姉。ただ、顔が赤いので迫力もあんまりない。
「怒るな、しまぱん姫」
「変なあだ名をさも当然のように使うなッ!」
「でも、しまぱんだろ?」
「そっ! ……え、ええいっ、貴様に言う必要などないッ!」
「やっぱしまぱんなんだな、しまぱん姫」
「~~~~~っ! ち、ちょっと来い、愚弟!」
あちこちからしまぱんしまぱんと漏れる教室を抜け出し、つれてこられた場所は空き教室。
「……ふう。で、言い残すことは?」
「あれ、死ぬの?」
「無論だ! 姉を辱めさせた罰、受けてもらう!」
「待って殺すの待って! しまぱんを着用した姫のごとく美しき人、それを略してしまぱん姫と言ったまでで、悪意はないんです!」
「嘘をつけっ! 悪意しか見えんわっ!」
「ぬう。じゃ、姉さんにあだ名を選ばせてあげるから、今から挙げるあだ名から選んでくれ」
「断る。貴様の考えるあだ名だ、ろくなものがないに決まっている」
「しまぱん淑女にしまぱんマスター、それからしまぱん……」
「待て待て待て! 言いたいことが山ほどあるぞっ!」
「ひとつだけなら聞いてやる」
ほっぺを引っ張られたので全部聞くことにする。
「まず、聞かんと言ってるのに無視してあだ名を並べるな! それから、想像通りろくなあだ名がない! さらに、何故全てのあだ名にしまぱんがついている!」
「ええと、要約すると気に入らない……と?」
「当然だッ! しまぱんしまぱんと……そんなしまぱんが好きか!」
「いや、しまぱん好きなのは姉さんだろ。下着ほとんどしまぱんだし」
「んなっ!? なっ、何故知っている!?」
「よく着替え覗くから」
「当然のように犯罪を告白するな、この愚弟ッ!」
「ごめぬ。次からは姉さんが着替えてる最中に部屋に入り、そこで鑑賞することにする」
「覗かなければいいという話ではないッ!」
大変怒られた上、あだ名を付けることを禁止された。とても残念。
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【膝を擦りむいたツンデレ】
2010年02月09日
「ふにゃっ!?」
登校中、猫っぽい声に後ろを振り向くと、かなみが見事なまでにずっこけていた。
「何やってんだよ……」
「う、うっさいわねー! こんなところに石があるのが悪いのよ! あと、アンタがそこにいるのも悪い! ていうかアンタがそこにいるせいで、あたしがこけたの!」
「なんで俺のせいやねん。……はっ、まさか、俺に人を転ばせるという秘められた超能力が、今まさに開花したのか……? 嬉しくない、かなみ、そんな超能力嬉しくない! 透視とかがいい!」
「うっさい! ……あ痛っ」
立ち上がろうと体を起こすかなみだったが、またすぐにぺたんと尻餅をついてしまった。
「あ、お前怪我してんじゃん、膝。うあ、痛そ」
こけた際にすりむいたのか、かなみの膝は血で赤くにじんでいた。
「痛そう、じゃなくて痛いの! どーにかしなさいよ!」
「なんでそんな偉そうなんだよ……まあいいや、善人なので手を貸そう」
「アンタなんかに手を握られるくらいなら、ここで人生を全うする方がマシよ!」
「かなみが道端に居を構える決意を。つまり、ホームレスになる決意を」
「違うっ!」
「あーもう、にゃーにゃー言ってる暇があったら行くぞ」
「だっ、誰がにゃーにゃーって……きゃっ!?」
かなみを抱きかかえ、そのまま歩き出す。
「ちょっ、だっ、誰がこんなこと許可したのよ!?」
「俺様。お前ほって学校行くのも嫌だから、お姫さん抱っこで連れて行くことについて脳内会議を行った結果、全員一致で可決した」
「勝手に可決するなっ、このばかっ! 離せ、はーなーせー!」
かなみは俺の腕の中でじたじたと暴れた。細い手が俺の顔をべしべし叩くので大変痛い。
「ええいっ、暴れるな! 落ちるだろーが! じっとしてないとキスするぞっ!」
「きっ、キス!? なっ、なななっ、なんでアンタなんかとしなくちゃいけないのよっ!」
「じっとしてないとするってぇ話だ! 大人しくしてたらしないから、じっとしてろ」
「…………。だっ、誰がアンタなんかの言うこと聞くもんですか! はーなーせー!」
俺の話を聞いた上で、かなみはさらにじたじたと暴れた。手が俺の鼻やら口やらを叩くので泣きそうなくらい痛い。
「あい分かった! 許さん。もうキスする」
「そっ、そんなのお断りよっ! 誰がアンタなんかと!」
「…………」
「……ぜ、絶対嫌なんだから(どきどき、どきどき)」
「……かなみさん」
「な、何よ! キスなんて絶対許さないんだからねっ!」
「なんで目つぶってるんですか」
「お、お日様がまぶしかっただけよ!」
「あと、なんで口をタコみたいにむぅーってやってんですか」
「や、やってないわよ、そんなこと!」
「してないのか。俺の目がおかしかったのか」
「そ、そうよ。そうに決まってるわよ」
「そっか。それはそれとして、再度キスを!」
「だっ、だから嫌って言ってるでしょ!」
「…………」
「(どきどき、どきどき)」
「俺の目が腐りきっているのか、どうしてもかなみが目をつぶって口をむちゅーってしているようにしか見えないのですが」
「アンタわざとやってるでしょ!」
「いやあ、かなみの恥ずかしがる姿がとても愛らしくて」
「ちょ! あ、アンタ、なに言ってんのよ! ……は、恥ずかしいじゃない」
俺の胸に頭を預け、かなみは俺の胸をくりくりと指でいじった。
「そして、そんなのろけを道行く通行人の方々に聞かせたくて」
「へ? ……あ、アンタ、アンタ、アンタ! こっ、こここここっ、ここ道じゃない! 道端じゃない!」
かなみの言うとおりここはごく普通の通学路であり、そして今は登校中なので学生さんがたくさんいる。知った顔もちらほら。
「みっ、みんな見てるじゃないの! 降ろしなさい! 今すぐ!」
「怪我人を歩かせるなんて、俺のダンディズムが許さない。あと、ダンジネスも許さない」
「ダンジネスって誰!? ていうか早く降ろせっ、ばかーっ!」
真っ赤な顔でじたじたと暴れるかなみだった。
登校中、猫っぽい声に後ろを振り向くと、かなみが見事なまでにずっこけていた。
「何やってんだよ……」
「う、うっさいわねー! こんなところに石があるのが悪いのよ! あと、アンタがそこにいるのも悪い! ていうかアンタがそこにいるせいで、あたしがこけたの!」
「なんで俺のせいやねん。……はっ、まさか、俺に人を転ばせるという秘められた超能力が、今まさに開花したのか……? 嬉しくない、かなみ、そんな超能力嬉しくない! 透視とかがいい!」
「うっさい! ……あ痛っ」
立ち上がろうと体を起こすかなみだったが、またすぐにぺたんと尻餅をついてしまった。
「あ、お前怪我してんじゃん、膝。うあ、痛そ」
こけた際にすりむいたのか、かなみの膝は血で赤くにじんでいた。
「痛そう、じゃなくて痛いの! どーにかしなさいよ!」
「なんでそんな偉そうなんだよ……まあいいや、善人なので手を貸そう」
「アンタなんかに手を握られるくらいなら、ここで人生を全うする方がマシよ!」
「かなみが道端に居を構える決意を。つまり、ホームレスになる決意を」
「違うっ!」
「あーもう、にゃーにゃー言ってる暇があったら行くぞ」
「だっ、誰がにゃーにゃーって……きゃっ!?」
かなみを抱きかかえ、そのまま歩き出す。
「ちょっ、だっ、誰がこんなこと許可したのよ!?」
「俺様。お前ほって学校行くのも嫌だから、お姫さん抱っこで連れて行くことについて脳内会議を行った結果、全員一致で可決した」
「勝手に可決するなっ、このばかっ! 離せ、はーなーせー!」
かなみは俺の腕の中でじたじたと暴れた。細い手が俺の顔をべしべし叩くので大変痛い。
「ええいっ、暴れるな! 落ちるだろーが! じっとしてないとキスするぞっ!」
「きっ、キス!? なっ、なななっ、なんでアンタなんかとしなくちゃいけないのよっ!」
「じっとしてないとするってぇ話だ! 大人しくしてたらしないから、じっとしてろ」
「…………。だっ、誰がアンタなんかの言うこと聞くもんですか! はーなーせー!」
俺の話を聞いた上で、かなみはさらにじたじたと暴れた。手が俺の鼻やら口やらを叩くので泣きそうなくらい痛い。
「あい分かった! 許さん。もうキスする」
「そっ、そんなのお断りよっ! 誰がアンタなんかと!」
「…………」
「……ぜ、絶対嫌なんだから(どきどき、どきどき)」
「……かなみさん」
「な、何よ! キスなんて絶対許さないんだからねっ!」
「なんで目つぶってるんですか」
「お、お日様がまぶしかっただけよ!」
「あと、なんで口をタコみたいにむぅーってやってんですか」
「や、やってないわよ、そんなこと!」
「してないのか。俺の目がおかしかったのか」
「そ、そうよ。そうに決まってるわよ」
「そっか。それはそれとして、再度キスを!」
「だっ、だから嫌って言ってるでしょ!」
「…………」
「(どきどき、どきどき)」
「俺の目が腐りきっているのか、どうしてもかなみが目をつぶって口をむちゅーってしているようにしか見えないのですが」
「アンタわざとやってるでしょ!」
「いやあ、かなみの恥ずかしがる姿がとても愛らしくて」
「ちょ! あ、アンタ、なに言ってんのよ! ……は、恥ずかしいじゃない」
俺の胸に頭を預け、かなみは俺の胸をくりくりと指でいじった。
「そして、そんなのろけを道行く通行人の方々に聞かせたくて」
「へ? ……あ、アンタ、アンタ、アンタ! こっ、こここここっ、ここ道じゃない! 道端じゃない!」
かなみの言うとおりここはごく普通の通学路であり、そして今は登校中なので学生さんがたくさんいる。知った顔もちらほら。
「みっ、みんな見てるじゃないの! 降ろしなさい! 今すぐ!」
「怪我人を歩かせるなんて、俺のダンディズムが許さない。あと、ダンジネスも許さない」
「ダンジネスって誰!? ていうか早く降ろせっ、ばかーっ!」
真っ赤な顔でじたじたと暴れるかなみだった。
【勢い余ってぶっ飛んでしまったツンデレ】
2010年02月09日
下校中、ふと前方を見ると、木に体を隠したちなみを発見してしまった。奴のことだ、俺が通りかかった時に体当たりし、そのまま車道へ吹き飛ばして亡き者にしようとしているに違いない。(被害妄想)
そうはさせじと警戒しつつ、それを表に出さないままちなみが隠れてる木の前を通る。
「……とー」
果たして、やる気のない掛け声をあげて俺を殺さんと(被害妄想)ちなみが飛び出してきた。それを華麗にかわす俺。
「……お?」
不思議そうな声をあげながら、ちなみはそのまま道路……ではなく、反対側の商店の壁にぶつかった。
「ぬがっ」
その反動でごろんごろん転がり、俺の足元まで転がりついた。こてりと俺の靴を枕に、目が合う。
「ええと……大丈夫か?」
「……よけた」
「うん」
「……痛かった」
「そのようで」
「…………」(じわーっ)
「いやいやだからって泣かれても困りますよいや本当にちょっと待ってほらほら変な顔ー」
慌ててちなみを抱き起こして埃を払い、そのまま流れるような動きで変な顔をして慰める。
「……こども扱いだ」(じわわーっ)
「変顔度が足りなかった!? 待って泣くな泣かれるともう俺はどうしたらいいか分からないのだ!」
「……うー」
「いやその、ちっとも俺は悪くないんだけどゴメンナサイ」
「……ダメ。許さない」
なぜ俺が許しを請う側になっているのか。よく考えると俺がちなみと同じ状況になっててもおかしくないのだ。よし、そこのところをびしっと話そうではないか!
「こら、ちなみ!」
「……おっきな声、怖い」(うるるるる)
「ごめんね俺が悪かったですなんでもするから許して泣かないでお願いします!」
こいつ、自分の武器を熟知してるから嫌い。
「……ふふん。……じゃ、罰」
「四肢をもぐとかでなければ受けよう」
「……あー、それもアリかと」
「なしの方向でひとつ!」
「……ちぇ。……んと、……じゃ、どしよっかな」
「思いつかないのであれば何もしないのはどうだろう」
「きゃっきゃ。……こほん。……却下」
「きゃっきゃ。ちなみ、きゃっきゃ」
「…………」
ものすげー嫌そうな顔でちなみは俺を見た。とても愉快。
「……不愉快なので、酷い罰の方向で」
いかん、俺の四肢がとてもピンチ。
「……と、いうわけで、罰」
「罰スか、これ」
「……ん。罰。……恐ろしい。がくがくがく」
一緒に自宅に帰り、そこで言い渡された罰とは、恐ろしくともなんともなく、ただちなみを後ろから抱っこするだけだった。
「俺にはどこが恐ろしいのかちっとも分からないので、教えてはくれまいか」
「……やれやれ、おばかなタカシに賢い私が教えてやる。……えーと」
「いま考えてませんか」
「気のせい。……えーと、どうしよっかな」
「どうしよっかなって聞こえた」
「……もー、タカシが後ろでぐちゃぐちゃ言うから忘れちゃったじゃない。……罰として、なでなですること」
「めんどい」
「……なでなで、すること」(じわーっ)
「だから、イチイチ泣くなッ! ああもうっ、好きなだけしてやるよっ!」
ちょっと乱暴にちなみの頭をなでなでする。
「……いつになく乱暴な手つきに、ちょっとドキドキ」
「いらんこと言うなッ!」
「むふー」
満足そうに鼻息を漏らすちなみの髪をくしゃくしゃにする俺だった。
そうはさせじと警戒しつつ、それを表に出さないままちなみが隠れてる木の前を通る。
「……とー」
果たして、やる気のない掛け声をあげて俺を殺さんと(被害妄想)ちなみが飛び出してきた。それを華麗にかわす俺。
「……お?」
不思議そうな声をあげながら、ちなみはそのまま道路……ではなく、反対側の商店の壁にぶつかった。
「ぬがっ」
その反動でごろんごろん転がり、俺の足元まで転がりついた。こてりと俺の靴を枕に、目が合う。
「ええと……大丈夫か?」
「……よけた」
「うん」
「……痛かった」
「そのようで」
「…………」(じわーっ)
「いやいやだからって泣かれても困りますよいや本当にちょっと待ってほらほら変な顔ー」
慌ててちなみを抱き起こして埃を払い、そのまま流れるような動きで変な顔をして慰める。
「……こども扱いだ」(じわわーっ)
「変顔度が足りなかった!? 待って泣くな泣かれるともう俺はどうしたらいいか分からないのだ!」
「……うー」
「いやその、ちっとも俺は悪くないんだけどゴメンナサイ」
「……ダメ。許さない」
なぜ俺が許しを請う側になっているのか。よく考えると俺がちなみと同じ状況になっててもおかしくないのだ。よし、そこのところをびしっと話そうではないか!
「こら、ちなみ!」
「……おっきな声、怖い」(うるるるる)
「ごめんね俺が悪かったですなんでもするから許して泣かないでお願いします!」
こいつ、自分の武器を熟知してるから嫌い。
「……ふふん。……じゃ、罰」
「四肢をもぐとかでなければ受けよう」
「……あー、それもアリかと」
「なしの方向でひとつ!」
「……ちぇ。……んと、……じゃ、どしよっかな」
「思いつかないのであれば何もしないのはどうだろう」
「きゃっきゃ。……こほん。……却下」
「きゃっきゃ。ちなみ、きゃっきゃ」
「…………」
ものすげー嫌そうな顔でちなみは俺を見た。とても愉快。
「……不愉快なので、酷い罰の方向で」
いかん、俺の四肢がとてもピンチ。
「……と、いうわけで、罰」
「罰スか、これ」
「……ん。罰。……恐ろしい。がくがくがく」
一緒に自宅に帰り、そこで言い渡された罰とは、恐ろしくともなんともなく、ただちなみを後ろから抱っこするだけだった。
「俺にはどこが恐ろしいのかちっとも分からないので、教えてはくれまいか」
「……やれやれ、おばかなタカシに賢い私が教えてやる。……えーと」
「いま考えてませんか」
「気のせい。……えーと、どうしよっかな」
「どうしよっかなって聞こえた」
「……もー、タカシが後ろでぐちゃぐちゃ言うから忘れちゃったじゃない。……罰として、なでなですること」
「めんどい」
「……なでなで、すること」(じわーっ)
「だから、イチイチ泣くなッ! ああもうっ、好きなだけしてやるよっ!」
ちょっと乱暴にちなみの頭をなでなでする。
「……いつになく乱暴な手つきに、ちょっとドキドキ」
「いらんこと言うなッ!」
「むふー」
満足そうに鼻息を漏らすちなみの髪をくしゃくしゃにする俺だった。
【まる 連休最後の日】
2010年02月09日
うちの飼い猫、まるが人になりました。わぁ、びっくり。
「うぬー……」
しかし、生活態度は以前と変わらず猫ペースのままなので基本寝てます。今もなんか苦しそうにまぶたをぴくぴくさせ、寝ながら俺の手に歯形をつけているので痛い。
「ぬー……む? むー……ん。……くぁぁぁぁ」
痛いなあと思ってたらゆっくりまるの目が開いた。数度目を瞬かせた後、大きなアクビを一つ。
「ぬ。おはような、飼い主の人」
「ご主人様と呼べ、駄猫」
「だびょー」
だびょーと言いながら、まるはあぐらをかく俺の膝に座った。
「はふー。ご主人は最近家にいるのな。学校辞めたのな?」
「辞めるか。ただの連休だ」
「なのな。よく分からないけど、家にいるのはいいことなのな。なぜならば、あちしと遊べるから! 喜ぶのなー! はっはー!」
「お前寝てばっかじゃん」
「眠いから仕方ないのな」
やっぱ駄猫だ、コイツ。
「くぁぁ……ぬ。また眠くなったのな」
「寝すぎると頭腐るぞ」
「ご主人は寝すぎたのな? 可哀想な。いーこいーこしてほしいのな?」
「飼い主に向かって失礼だな、キミは」
「にゃはははは。さて、寝るのな。ご主人も一緒に寝るのな」
「俺は宿題しないと。明日からまた学校だし。全然手つけてないし、ちょっとはやっておかないとな」
「え……ずーっとずーっと休みじゃないのな?」
「幸か不幸かまだ毎日が日曜日状態ではないので、明日は学校。休みは今日まで」
「……つまんないのな」
するりと俺から離れ、まるは机の下に潜った。狭そう。
「ぬ……体がおっきくなったのは嬉しいけど、こういう時は不便なのな。ご主人、あちしを小さくすれ」
「分かった。ちょっと斧を取ってくるから待ってろ」
「殺されるのな!」
尻をこちらに向け、まるはガタガタ震えだした。しっぽがくるりと腹側に回ってることから、マジで怖がってるようだ。
「冗談、冗談だ」
「……本当なのな? 嘘ついてないのな?」
「…………。当然じゃないか!」
「その間はなんなのな! あちしは賢いから騙されないのな! きっとあちしを出汁に猫汁を作るつもりなのな! おいしそうなのな! あちしも飲みたい!」
「猫って馬鹿なんだなあ」
「馬鹿にするにゃー!」
まるのしっぽが膨れた。
「はいはい、いーから出た出た。そこにいられると宿題できねーだろうが」
「! ふふん、断るのな。あちしがいる限り、ご主人はずっと宿題ができなくて、学校に行けないのな。そうすれば、ずっとずっとあちしと一緒な。んで、一緒にお昼寝な。幸せなのな」
さも名案だ、といった様子でまるはしっぽを立てた。
「いや、どっちにしろ学校には行くぞ」
「がーん!」
「がーん?」
「……なんでなのな。そんなにあちしが嫌いなのな?」
「いやいや、いやいやいや。好きとか嫌いとかじゃなくて。宿題の出来はともかく、学校に登校するのは決定済みだ」
「いーやーなーのーなー! あちしといるのなー! 一緒に昼寝するのなー!」
まるは子供みたいにじたじたと暴れだした。しかし、体は大人(というには少々つるぺたに過ぎるが)なので、被害は相応に出る。
「こら暴れんな! ああ机が、机があ!」
「にゃ?」
俺が使ってる机は古いものなので、防御力生命力共に低い。ゆえに、まるの攻撃で容易く足が折れたりする。
「……折れたのな」
「折った、だ、阿呆!」
まるの頭にげんこつを落とす。
「ふぎゃっ! 叩いた、叩いたのな! あちしの頭叩いたのな! 動物虐待なのな! けーさつに連絡なのな!」
「罪には罰だ! 悪いことした時に罰与えない方がダメなの! ……ったく、どうしようかな」
「ぬー……あっ、閃きそうなのな! そして閃いたのな! 決してヒラメがいたのではないので注意が必要なのな。あ、ヒラメ食べたいのな」
まるは馬鹿なんだなあ、という思いを込めながらまるの頭をなでなで。
「ぬー♪ ……いやいや、そうじゃないのな。机がないなら、あちしと遊べばいいのな。名案なのな! なでなでするのな?」
「しねぇよ」
「なんでなのなー……」
悲しそうにしっぽをうなだれさせてるまるの横で、小さくため息をつく。
「はぁ……しゃーねえ。明日朝イチで学校行って、そこで宿題すっか」
「ぬーぬー……」
「つーわけで、急遽暇になったご主人様がここにいるが、どうする?」
「……いいのな? ご主人、あちしを嫌いになったんじゃないのな?」
「怒りはしたが、嫌いになんかなってないし、ならない。ほれ、早くしないと気が変わるぞ」
「……抱っこ、してほしいのな」
「ほい。来い」
ぱんと一発手を叩き、あぐらをかいて手招き。
「にゅー……」
まるはおずおずとその上に乗った。
「……で、なでなでしてほしいのな」
「乳を?」
「ご主人えっちなのな! えっちなのはいけないと思うますなのな! なんか、ご主人がむふーむふー言いながら見てたテレビの台詞なのな」
まるとは猫時代からずっと一緒に住んでるので秘密を握られており、色々恥ずかしい。
「おっぱいより、頭をなでなでするのな」
「俺はおっぱいがいい」
「あたまー! 頭なでなでするのなー!」
「わがままな奴め……」
まあいいや。適当にまるの頭をなでる。
「ぬーぬー♪ なでるのな、もっともっとなでるのな、ご主人」
「分かった、火が出るくらいなでる」
「今すぐ離れるのな!」
ものすごい警戒された。
「冗談に決まってるだろーが。ほりほり」
まるのアゴをくりくりと指でかいてやる。
「むぬー♪ ご主人、てくにしゃんなのな。涎出そーなのな」
「出てるっ!」
「ぬ?」
まるの口元から涎がだろーんと出ていた。
「まあ、気にしないのな。それよりなでなでするのな、なでなでするのな」
「気にしろっ! ああもうっ、ほれティッシュティッシュ!」
「ぬー」
まるの口元にティッシュを押し当てぐしぐしすると、迷惑そうな顔をされた。
「ご主人、心が狭いのな……」
「その通り。超狭いので、これ以上まるをなでなでしない」
「がーん!」
「がーん?」
「ご主人はずるいのな! なんか知んないけど、なでなでしてもらえなくなったのな!」
「なんか知らないけど、ではなく、涎をこぼすを是としたのでなでなくなったの」
「むぬー……んじゃ、だれーんってしなかったらなでなでするのな?」
「まあ、やぶさかではない」
「ご主人、すぐ難しい言葉使う……やぶさかってなんなのな! 草むらなのな!?」
「なんで怒ってるんだよ……」
「なでなでしてくんなくなったからなのなー! ふがー!」
ふがー言いながらまるは俺の上でじたじた暴れだした。
「ああもう、落ち着け! 喰らえ、いま必殺の……なでなで!」
「ふにゅふにゅふにゅ……ぬー」
「落ち着いた心地か?」
「心地なー……。なーご主人」
「ん?」
「呼んだだけなのなー♪」
「ははは、こやつめ」
「……なんか知んないけど、髭のおっさんが頭に浮かんだのな。あちし、病気なのな?」
「そうだよ」
「死んじゃうのなー!」
泣き叫ぶまるは可愛いなあ。
「うぬー……」
しかし、生活態度は以前と変わらず猫ペースのままなので基本寝てます。今もなんか苦しそうにまぶたをぴくぴくさせ、寝ながら俺の手に歯形をつけているので痛い。
「ぬー……む? むー……ん。……くぁぁぁぁ」
痛いなあと思ってたらゆっくりまるの目が開いた。数度目を瞬かせた後、大きなアクビを一つ。
「ぬ。おはような、飼い主の人」
「ご主人様と呼べ、駄猫」
「だびょー」
だびょーと言いながら、まるはあぐらをかく俺の膝に座った。
「はふー。ご主人は最近家にいるのな。学校辞めたのな?」
「辞めるか。ただの連休だ」
「なのな。よく分からないけど、家にいるのはいいことなのな。なぜならば、あちしと遊べるから! 喜ぶのなー! はっはー!」
「お前寝てばっかじゃん」
「眠いから仕方ないのな」
やっぱ駄猫だ、コイツ。
「くぁぁ……ぬ。また眠くなったのな」
「寝すぎると頭腐るぞ」
「ご主人は寝すぎたのな? 可哀想な。いーこいーこしてほしいのな?」
「飼い主に向かって失礼だな、キミは」
「にゃはははは。さて、寝るのな。ご主人も一緒に寝るのな」
「俺は宿題しないと。明日からまた学校だし。全然手つけてないし、ちょっとはやっておかないとな」
「え……ずーっとずーっと休みじゃないのな?」
「幸か不幸かまだ毎日が日曜日状態ではないので、明日は学校。休みは今日まで」
「……つまんないのな」
するりと俺から離れ、まるは机の下に潜った。狭そう。
「ぬ……体がおっきくなったのは嬉しいけど、こういう時は不便なのな。ご主人、あちしを小さくすれ」
「分かった。ちょっと斧を取ってくるから待ってろ」
「殺されるのな!」
尻をこちらに向け、まるはガタガタ震えだした。しっぽがくるりと腹側に回ってることから、マジで怖がってるようだ。
「冗談、冗談だ」
「……本当なのな? 嘘ついてないのな?」
「…………。当然じゃないか!」
「その間はなんなのな! あちしは賢いから騙されないのな! きっとあちしを出汁に猫汁を作るつもりなのな! おいしそうなのな! あちしも飲みたい!」
「猫って馬鹿なんだなあ」
「馬鹿にするにゃー!」
まるのしっぽが膨れた。
「はいはい、いーから出た出た。そこにいられると宿題できねーだろうが」
「! ふふん、断るのな。あちしがいる限り、ご主人はずっと宿題ができなくて、学校に行けないのな。そうすれば、ずっとずっとあちしと一緒な。んで、一緒にお昼寝な。幸せなのな」
さも名案だ、といった様子でまるはしっぽを立てた。
「いや、どっちにしろ学校には行くぞ」
「がーん!」
「がーん?」
「……なんでなのな。そんなにあちしが嫌いなのな?」
「いやいや、いやいやいや。好きとか嫌いとかじゃなくて。宿題の出来はともかく、学校に登校するのは決定済みだ」
「いーやーなーのーなー! あちしといるのなー! 一緒に昼寝するのなー!」
まるは子供みたいにじたじたと暴れだした。しかし、体は大人(というには少々つるぺたに過ぎるが)なので、被害は相応に出る。
「こら暴れんな! ああ机が、机があ!」
「にゃ?」
俺が使ってる机は古いものなので、防御力生命力共に低い。ゆえに、まるの攻撃で容易く足が折れたりする。
「……折れたのな」
「折った、だ、阿呆!」
まるの頭にげんこつを落とす。
「ふぎゃっ! 叩いた、叩いたのな! あちしの頭叩いたのな! 動物虐待なのな! けーさつに連絡なのな!」
「罪には罰だ! 悪いことした時に罰与えない方がダメなの! ……ったく、どうしようかな」
「ぬー……あっ、閃きそうなのな! そして閃いたのな! 決してヒラメがいたのではないので注意が必要なのな。あ、ヒラメ食べたいのな」
まるは馬鹿なんだなあ、という思いを込めながらまるの頭をなでなで。
「ぬー♪ ……いやいや、そうじゃないのな。机がないなら、あちしと遊べばいいのな。名案なのな! なでなでするのな?」
「しねぇよ」
「なんでなのなー……」
悲しそうにしっぽをうなだれさせてるまるの横で、小さくため息をつく。
「はぁ……しゃーねえ。明日朝イチで学校行って、そこで宿題すっか」
「ぬーぬー……」
「つーわけで、急遽暇になったご主人様がここにいるが、どうする?」
「……いいのな? ご主人、あちしを嫌いになったんじゃないのな?」
「怒りはしたが、嫌いになんかなってないし、ならない。ほれ、早くしないと気が変わるぞ」
「……抱っこ、してほしいのな」
「ほい。来い」
ぱんと一発手を叩き、あぐらをかいて手招き。
「にゅー……」
まるはおずおずとその上に乗った。
「……で、なでなでしてほしいのな」
「乳を?」
「ご主人えっちなのな! えっちなのはいけないと思うますなのな! なんか、ご主人がむふーむふー言いながら見てたテレビの台詞なのな」
まるとは猫時代からずっと一緒に住んでるので秘密を握られており、色々恥ずかしい。
「おっぱいより、頭をなでなでするのな」
「俺はおっぱいがいい」
「あたまー! 頭なでなでするのなー!」
「わがままな奴め……」
まあいいや。適当にまるの頭をなでる。
「ぬーぬー♪ なでるのな、もっともっとなでるのな、ご主人」
「分かった、火が出るくらいなでる」
「今すぐ離れるのな!」
ものすごい警戒された。
「冗談に決まってるだろーが。ほりほり」
まるのアゴをくりくりと指でかいてやる。
「むぬー♪ ご主人、てくにしゃんなのな。涎出そーなのな」
「出てるっ!」
「ぬ?」
まるの口元から涎がだろーんと出ていた。
「まあ、気にしないのな。それよりなでなでするのな、なでなでするのな」
「気にしろっ! ああもうっ、ほれティッシュティッシュ!」
「ぬー」
まるの口元にティッシュを押し当てぐしぐしすると、迷惑そうな顔をされた。
「ご主人、心が狭いのな……」
「その通り。超狭いので、これ以上まるをなでなでしない」
「がーん!」
「がーん?」
「ご主人はずるいのな! なんか知んないけど、なでなでしてもらえなくなったのな!」
「なんか知らないけど、ではなく、涎をこぼすを是としたのでなでなくなったの」
「むぬー……んじゃ、だれーんってしなかったらなでなでするのな?」
「まあ、やぶさかではない」
「ご主人、すぐ難しい言葉使う……やぶさかってなんなのな! 草むらなのな!?」
「なんで怒ってるんだよ……」
「なでなでしてくんなくなったからなのなー! ふがー!」
ふがー言いながらまるは俺の上でじたじた暴れだした。
「ああもう、落ち着け! 喰らえ、いま必殺の……なでなで!」
「ふにゅふにゅふにゅ……ぬー」
「落ち着いた心地か?」
「心地なー……。なーご主人」
「ん?」
「呼んだだけなのなー♪」
「ははは、こやつめ」
「……なんか知んないけど、髭のおっさんが頭に浮かんだのな。あちし、病気なのな?」
「そうだよ」
「死んじゃうのなー!」
泣き叫ぶまるは可愛いなあ。
【まる ささみ】
2010年02月08日
学校から帰ると、腹を丸出しにして盛大にいびきをかいてる美少女がいた。
「誰!? アレか、冴えない僕の元に異次元から美少女がってアレか! よし来た、据え膳食うぞ!」
「むにゅ、むー……あ、おはような、ご主人」
「あ、うんおはよう」
俺の小芝居を無視し、美少女こと元俺の飼い猫で、現なんか知らんが人間になったまるが欠伸をした。
「くぁぁぁぁ~……。ぬ、ご主人、その袋なんなのな? あちしが入る袋なのな?」
俺の持つ小さなコンビニ袋を見て、まるの目が光った。こんなナリをしてるがやはり元猫、血が騒ぐのだろう。
「これほど小さな袋に収まるにはお前を複数のパーツに分ける必要があるが、まあどうしてもと言うのであればご主人様として協力してやろう。斧どこだっけっか……」
「殺されるのな!」
まるは頭から布団にもぐり、ガタガタ震えだした。
「冗談に決まっとろーが。つか、尻丸出しでスカートまくれてパンツ丸見えだぞ」
店員さんにヒソヒソされながらも買った水色ストライプが非常にまぶしい感じだ。
「ドキドキなのな?」
「うむ、土器土器」
「……なんか、あちしの思ってるドキドキと違う気がするのな」
妙に鋭い奴め。
「ほれ、それよりこの中身を知りたいと思う猫ではないのか?」
「じゃあ、思うのな。なんなのな?」
にゅるりと布団から抜け出し、まるは袋に鼻を近づけ匂いを嗅いだ。
「くんくんくん……ぬー、分からないのな」
「鼻が利かない猫なんて無意味だよな」
「ねこぱんち!」
ねこぱんちられ鼻血出た。
「ぬー……血がいっぱい出たのな。汚いのな」
「お前、俺のこと嫌いだろ」
「ぬ?」
ええい、分からないフリをしおって。
「まぁいいや……ほい、これ買ってきた」
鼻にティッシュを詰めつつ、まるの前に袋から商品を取り出す。
「おー! チョコ! チョコなのな!」
「いや、それは俺の分。お前食うと中毒起こすだろ」
「嫌なのなー! 昔っからご主人が食べてるの見て、おいしそーって思ってたのな! 食べる、食べたいー!」
まるは俺に奪われまいとチョコをしっかと握り、胸に抱きしめた。
「いや、しかしだな……うーん、でも人型になってるし、大丈夫か?」
「なのな! なのなのな!」
「でもなぁ……万が一ってこともあるしなぁ」
「だいじょーぶなのな! ご主人、しんぱいしょーなのな。ご主人はしんぱいしょー。売れるな?」
「売れねぇよ」
「なんでなのなー……」
なんで悲しそうやねん、と思いながら鼻からティッシュを抜く。お、血止まったか。
「冗談はともかく、ダメ」
一瞬のスキをついて、まるからチョコを奪う。
「あ! 取った! あちしのチョコ取った! 返すのな!」
「うべ、痛、痛いっての! お前取るんなら手狙え、手!」
チョコを取り返すべく、まるは俺の顔やら頭やらをべしばし叩いた。
「弱らせて奪うのな」
「狩猟だ!」
「むふー。ほらほら返すのな! 痛いの嫌なのな?」
「痛かろうが何だろうが、お前が病気になるのが一番嫌だからダメ」
「ぬ……」
そう言った途端、まるの攻撃がぴたりと止んだ。俺の隣に座り、労しげな視線で俺を見上げる。
「……ごめんなのな、ご主人。痛かったのな?」
「痛いのも、それはそれで」
「変態なのな! 助けてほしいのな!」
「冗談だっての。むしろ痛くする方が興奮する」
「ご主人、どっからどこまで冗談なのか分からないのな!」
「俺も時々自分で言ってて混乱する」
「ご主人、ダメダメなのな……」
がっかりされた。
「ま、とにかくだ。これはダメだけど、代わりにこれ買ってきた」
袋の中に入ってる、もうひとつのものをまるの前に出す。
「こ……こりは! ささみ! ささみなのな! さささみなのな!」
「さが一個多い」
「さささささみなのなのな?」
「うむ!」
もうちっとも分からなくなったので力強くうなずく。
「ご主人、これ、あちしが食べていいのな? ご主人の分じゃないのな?」
「いいのいいの。ほれ、食え。お前のために買ってきたんだから」
ささみをほぐしてやり、皿の上に出してやる。
「ご主人、食べさせてほしいのな。あーんって口開けたいのな」
「え、いや、猫時代は確かに食べさせたりもしたけど、既に時代は人へと移行しているので、それはちょっと」
「……食べさせて、くんないのな?」
おめめうるうるさせるなんて、どこでそんな超技術身に付けたの、まるさん。
「あげるともっさ!」
ええ、そりゃもう断る理由なんてこの銀河に存在しませんよ。容易く篭絡しましたよ。
「やったのなー♪ ほらほらご主人、あーんってあちしに言うのな♪」
「あー」
「違うのな! ご主人が口開けてもしょうがないのな! あちしが開けるのな! あー!」
「あー」
「あー!」
二人揃って口内を見せ合う。何コレ。
「お前、やっぱ猫だけあって八重歯すげえな。尖りまくりだ」
「あー! あーあー!」
「あーあーうるさい」
「嫌ならあーんって言ってほしいのな! あーあーあー!」
「分かったよ。ほれ、あーん」
「あー♪」
まるの大きく開いた口に、千切ったささみを放り込む。
「もむもむ……おいしい! おいしいのな! 最高なのな! 世界で一番おいしいのな! たぶん」
「それは流石にないと思うが」
「本当なのな! 嘘だと思うならご主人も食べてみるのな。はい、あーん、なのな」
まるはささみを手に取り、にっこり笑って俺に差し出した。
「え、いや、自分で食うからいい」
「あーん、なのな♪」
「……あーん」
ささみを口に入れられる。
「もぐもぐ。んー、普通」
「そんなことないのな。ご主人は頭悪いからそう感じるだけなのな」
何このちっともご主人様を敬わない駄猫。
「ほらほら、いーからあちしに食べさせるのな、あーんやるのな」
「あー」
「だから、ご主人が口開けてもしょうがないのな! あちしに食べさすのな! あー! あー!」
「うるさい。はい、あーん」
「あー♪ もむもむ……やっぱおいしいのな! このおいしさが分からないとは、ご主人の頭は可哀想なのな。いーこいーこしてほしいのな?」
「お前も大概失礼だな……ほれ、あーん」
「あー♪ もむもむ……むふー、おいしいのなー♪」
それからしばらく食べさせてたら、ささみがなくなった。
「ほい、今ので終わり」
「ぬー……足りないのな。ご主人、もっとほしいのな」
「また後日な。食いすぎると太るぞ」
「ぬー。しょうがないから、ご主人の指舐めて我慢するのな」
「ダメです」
「ぺろぺろ……塩味が利いてておいしいのな!」
「人の話を聞け」
俺の話なんて全く聞かずに、まるは人の指を舐めまくった。
「ぺろぺろ……はうー。ぺろぺろ……はうー!」
「はうはううるさい」
「ぺろぺろ……ふぬー! ぺろぺろ……ふぬー!」
別に言い方を変えればいいという話ではない、と思いながら俺の指を舐めては恍惚としているまるの頭を撫でた。
「誰!? アレか、冴えない僕の元に異次元から美少女がってアレか! よし来た、据え膳食うぞ!」
「むにゅ、むー……あ、おはような、ご主人」
「あ、うんおはよう」
俺の小芝居を無視し、美少女こと元俺の飼い猫で、現なんか知らんが人間になったまるが欠伸をした。
「くぁぁぁぁ~……。ぬ、ご主人、その袋なんなのな? あちしが入る袋なのな?」
俺の持つ小さなコンビニ袋を見て、まるの目が光った。こんなナリをしてるがやはり元猫、血が騒ぐのだろう。
「これほど小さな袋に収まるにはお前を複数のパーツに分ける必要があるが、まあどうしてもと言うのであればご主人様として協力してやろう。斧どこだっけっか……」
「殺されるのな!」
まるは頭から布団にもぐり、ガタガタ震えだした。
「冗談に決まっとろーが。つか、尻丸出しでスカートまくれてパンツ丸見えだぞ」
店員さんにヒソヒソされながらも買った水色ストライプが非常にまぶしい感じだ。
「ドキドキなのな?」
「うむ、土器土器」
「……なんか、あちしの思ってるドキドキと違う気がするのな」
妙に鋭い奴め。
「ほれ、それよりこの中身を知りたいと思う猫ではないのか?」
「じゃあ、思うのな。なんなのな?」
にゅるりと布団から抜け出し、まるは袋に鼻を近づけ匂いを嗅いだ。
「くんくんくん……ぬー、分からないのな」
「鼻が利かない猫なんて無意味だよな」
「ねこぱんち!」
ねこぱんちられ鼻血出た。
「ぬー……血がいっぱい出たのな。汚いのな」
「お前、俺のこと嫌いだろ」
「ぬ?」
ええい、分からないフリをしおって。
「まぁいいや……ほい、これ買ってきた」
鼻にティッシュを詰めつつ、まるの前に袋から商品を取り出す。
「おー! チョコ! チョコなのな!」
「いや、それは俺の分。お前食うと中毒起こすだろ」
「嫌なのなー! 昔っからご主人が食べてるの見て、おいしそーって思ってたのな! 食べる、食べたいー!」
まるは俺に奪われまいとチョコをしっかと握り、胸に抱きしめた。
「いや、しかしだな……うーん、でも人型になってるし、大丈夫か?」
「なのな! なのなのな!」
「でもなぁ……万が一ってこともあるしなぁ」
「だいじょーぶなのな! ご主人、しんぱいしょーなのな。ご主人はしんぱいしょー。売れるな?」
「売れねぇよ」
「なんでなのなー……」
なんで悲しそうやねん、と思いながら鼻からティッシュを抜く。お、血止まったか。
「冗談はともかく、ダメ」
一瞬のスキをついて、まるからチョコを奪う。
「あ! 取った! あちしのチョコ取った! 返すのな!」
「うべ、痛、痛いっての! お前取るんなら手狙え、手!」
チョコを取り返すべく、まるは俺の顔やら頭やらをべしばし叩いた。
「弱らせて奪うのな」
「狩猟だ!」
「むふー。ほらほら返すのな! 痛いの嫌なのな?」
「痛かろうが何だろうが、お前が病気になるのが一番嫌だからダメ」
「ぬ……」
そう言った途端、まるの攻撃がぴたりと止んだ。俺の隣に座り、労しげな視線で俺を見上げる。
「……ごめんなのな、ご主人。痛かったのな?」
「痛いのも、それはそれで」
「変態なのな! 助けてほしいのな!」
「冗談だっての。むしろ痛くする方が興奮する」
「ご主人、どっからどこまで冗談なのか分からないのな!」
「俺も時々自分で言ってて混乱する」
「ご主人、ダメダメなのな……」
がっかりされた。
「ま、とにかくだ。これはダメだけど、代わりにこれ買ってきた」
袋の中に入ってる、もうひとつのものをまるの前に出す。
「こ……こりは! ささみ! ささみなのな! さささみなのな!」
「さが一個多い」
「さささささみなのなのな?」
「うむ!」
もうちっとも分からなくなったので力強くうなずく。
「ご主人、これ、あちしが食べていいのな? ご主人の分じゃないのな?」
「いいのいいの。ほれ、食え。お前のために買ってきたんだから」
ささみをほぐしてやり、皿の上に出してやる。
「ご主人、食べさせてほしいのな。あーんって口開けたいのな」
「え、いや、猫時代は確かに食べさせたりもしたけど、既に時代は人へと移行しているので、それはちょっと」
「……食べさせて、くんないのな?」
おめめうるうるさせるなんて、どこでそんな超技術身に付けたの、まるさん。
「あげるともっさ!」
ええ、そりゃもう断る理由なんてこの銀河に存在しませんよ。容易く篭絡しましたよ。
「やったのなー♪ ほらほらご主人、あーんってあちしに言うのな♪」
「あー」
「違うのな! ご主人が口開けてもしょうがないのな! あちしが開けるのな! あー!」
「あー」
「あー!」
二人揃って口内を見せ合う。何コレ。
「お前、やっぱ猫だけあって八重歯すげえな。尖りまくりだ」
「あー! あーあー!」
「あーあーうるさい」
「嫌ならあーんって言ってほしいのな! あーあーあー!」
「分かったよ。ほれ、あーん」
「あー♪」
まるの大きく開いた口に、千切ったささみを放り込む。
「もむもむ……おいしい! おいしいのな! 最高なのな! 世界で一番おいしいのな! たぶん」
「それは流石にないと思うが」
「本当なのな! 嘘だと思うならご主人も食べてみるのな。はい、あーん、なのな」
まるはささみを手に取り、にっこり笑って俺に差し出した。
「え、いや、自分で食うからいい」
「あーん、なのな♪」
「……あーん」
ささみを口に入れられる。
「もぐもぐ。んー、普通」
「そんなことないのな。ご主人は頭悪いからそう感じるだけなのな」
何このちっともご主人様を敬わない駄猫。
「ほらほら、いーからあちしに食べさせるのな、あーんやるのな」
「あー」
「だから、ご主人が口開けてもしょうがないのな! あちしに食べさすのな! あー! あー!」
「うるさい。はい、あーん」
「あー♪ もむもむ……やっぱおいしいのな! このおいしさが分からないとは、ご主人の頭は可哀想なのな。いーこいーこしてほしいのな?」
「お前も大概失礼だな……ほれ、あーん」
「あー♪ もむもむ……むふー、おいしいのなー♪」
それからしばらく食べさせてたら、ささみがなくなった。
「ほい、今ので終わり」
「ぬー……足りないのな。ご主人、もっとほしいのな」
「また後日な。食いすぎると太るぞ」
「ぬー。しょうがないから、ご主人の指舐めて我慢するのな」
「ダメです」
「ぺろぺろ……塩味が利いてておいしいのな!」
「人の話を聞け」
俺の話なんて全く聞かずに、まるは人の指を舐めまくった。
「ぺろぺろ……はうー。ぺろぺろ……はうー!」
「はうはううるさい」
「ぺろぺろ……ふぬー! ぺろぺろ……ふぬー!」
別に言い方を変えればいいという話ではない、と思いながら俺の指を舐めては恍惚としているまるの頭を撫でた。


