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2020年03月30日
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【まる 連休最後の日】

2010年02月09日
 うちの飼い猫、まるが人になりました。わぁ、びっくり。
「うぬー……」
 しかし、生活態度は以前と変わらず猫ペースのままなので基本寝てます。今もなんか苦しそうにまぶたをぴくぴくさせ、寝ながら俺の手に歯形をつけているので痛い。
「ぬー……む? むー……ん。……くぁぁぁぁ」
 痛いなあと思ってたらゆっくりまるの目が開いた。数度目を瞬かせた後、大きなアクビを一つ。
「ぬ。おはような、飼い主の人」
「ご主人様と呼べ、駄猫」
「だびょー」
 だびょーと言いながら、まるはあぐらをかく俺の膝に座った。
「はふー。ご主人は最近家にいるのな。学校辞めたのな?」
「辞めるか。ただの連休だ」
「なのな。よく分からないけど、家にいるのはいいことなのな。なぜならば、あちしと遊べるから! 喜ぶのなー! はっはー!」
「お前寝てばっかじゃん」
「眠いから仕方ないのな」
 やっぱ駄猫だ、コイツ。
「くぁぁ……ぬ。また眠くなったのな」
「寝すぎると頭腐るぞ」
「ご主人は寝すぎたのな? 可哀想な。いーこいーこしてほしいのな?」
「飼い主に向かって失礼だな、キミは」
「にゃはははは。さて、寝るのな。ご主人も一緒に寝るのな」
「俺は宿題しないと。明日からまた学校だし。全然手つけてないし、ちょっとはやっておかないとな」
「え……ずーっとずーっと休みじゃないのな?」
「幸か不幸かまだ毎日が日曜日状態ではないので、明日は学校。休みは今日まで」
「……つまんないのな」
 するりと俺から離れ、まるは机の下に潜った。狭そう。
「ぬ……体がおっきくなったのは嬉しいけど、こういう時は不便なのな。ご主人、あちしを小さくすれ」
「分かった。ちょっと斧を取ってくるから待ってろ」
「殺されるのな!」
 尻をこちらに向け、まるはガタガタ震えだした。しっぽがくるりと腹側に回ってることから、マジで怖がってるようだ。
「冗談、冗談だ」
「……本当なのな? 嘘ついてないのな?」
「…………。当然じゃないか!」
「その間はなんなのな! あちしは賢いから騙されないのな! きっとあちしを出汁に猫汁を作るつもりなのな! おいしそうなのな! あちしも飲みたい!」
「猫って馬鹿なんだなあ」
「馬鹿にするにゃー!」
 まるのしっぽが膨れた。
「はいはい、いーから出た出た。そこにいられると宿題できねーだろうが」
「! ふふん、断るのな。あちしがいる限り、ご主人はずっと宿題ができなくて、学校に行けないのな。そうすれば、ずっとずっとあちしと一緒な。んで、一緒にお昼寝な。幸せなのな」
 さも名案だ、といった様子でまるはしっぽを立てた。
「いや、どっちにしろ学校には行くぞ」
「がーん!」
「がーん?」
「……なんでなのな。そんなにあちしが嫌いなのな?」
「いやいや、いやいやいや。好きとか嫌いとかじゃなくて。宿題の出来はともかく、学校に登校するのは決定済みだ」
「いーやーなーのーなー! あちしといるのなー! 一緒に昼寝するのなー!」
 まるは子供みたいにじたじたと暴れだした。しかし、体は大人(というには少々つるぺたに過ぎるが)なので、被害は相応に出る。
「こら暴れんな! ああ机が、机があ!」
「にゃ?」
 俺が使ってる机は古いものなので、防御力生命力共に低い。ゆえに、まるの攻撃で容易く足が折れたりする。
「……折れたのな」
「折った、だ、阿呆!」
 まるの頭にげんこつを落とす。
「ふぎゃっ! 叩いた、叩いたのな! あちしの頭叩いたのな! 動物虐待なのな! けーさつに連絡なのな!」
「罪には罰だ! 悪いことした時に罰与えない方がダメなの! ……ったく、どうしようかな」
「ぬー……あっ、閃きそうなのな! そして閃いたのな! 決してヒラメがいたのではないので注意が必要なのな。あ、ヒラメ食べたいのな」
 まるは馬鹿なんだなあ、という思いを込めながらまるの頭をなでなで。
「ぬー♪ ……いやいや、そうじゃないのな。机がないなら、あちしと遊べばいいのな。名案なのな! なでなでするのな?」
「しねぇよ」
「なんでなのなー……」
 悲しそうにしっぽをうなだれさせてるまるの横で、小さくため息をつく。
「はぁ……しゃーねえ。明日朝イチで学校行って、そこで宿題すっか」
「ぬーぬー……」
「つーわけで、急遽暇になったご主人様がここにいるが、どうする?」
「……いいのな? ご主人、あちしを嫌いになったんじゃないのな?」
「怒りはしたが、嫌いになんかなってないし、ならない。ほれ、早くしないと気が変わるぞ」
「……抱っこ、してほしいのな」
「ほい。来い」
 ぱんと一発手を叩き、あぐらをかいて手招き。
「にゅー……」
 まるはおずおずとその上に乗った。
「……で、なでなでしてほしいのな」
「乳を?」
「ご主人えっちなのな! えっちなのはいけないと思うますなのな! なんか、ご主人がむふーむふー言いながら見てたテレビの台詞なのな」
 まるとは猫時代からずっと一緒に住んでるので秘密を握られており、色々恥ずかしい。
「おっぱいより、頭をなでなでするのな」
「俺はおっぱいがいい」
「あたまー! 頭なでなでするのなー!」
「わがままな奴め……」
 まあいいや。適当にまるの頭をなでる。
「ぬーぬー♪ なでるのな、もっともっとなでるのな、ご主人」
「分かった、火が出るくらいなでる」
「今すぐ離れるのな!」
 ものすごい警戒された。
「冗談に決まってるだろーが。ほりほり」
 まるのアゴをくりくりと指でかいてやる。
「むぬー♪ ご主人、てくにしゃんなのな。涎出そーなのな」
「出てるっ!」
「ぬ?」
 まるの口元から涎がだろーんと出ていた。
「まあ、気にしないのな。それよりなでなでするのな、なでなでするのな」
「気にしろっ! ああもうっ、ほれティッシュティッシュ!」
「ぬー」
 まるの口元にティッシュを押し当てぐしぐしすると、迷惑そうな顔をされた。
「ご主人、心が狭いのな……」
「その通り。超狭いので、これ以上まるをなでなでしない」
「がーん!」
「がーん?」
「ご主人はずるいのな! なんか知んないけど、なでなでしてもらえなくなったのな!」
「なんか知らないけど、ではなく、涎をこぼすを是としたのでなでなくなったの」
「むぬー……んじゃ、だれーんってしなかったらなでなでするのな?」
「まあ、やぶさかではない」
「ご主人、すぐ難しい言葉使う……やぶさかってなんなのな! 草むらなのな!?」
「なんで怒ってるんだよ……」
「なでなでしてくんなくなったからなのなー! ふがー!」
 ふがー言いながらまるは俺の上でじたじた暴れだした。
「ああもう、落ち着け! 喰らえ、いま必殺の……なでなで!」
「ふにゅふにゅふにゅ……ぬー」
「落ち着いた心地か?」
「心地なー……。なーご主人」
「ん?」
「呼んだだけなのなー♪」
「ははは、こやつめ」
「……なんか知んないけど、髭のおっさんが頭に浮かんだのな。あちし、病気なのな?」
「そうだよ」
「死んじゃうのなー!」
 泣き叫ぶまるは可愛いなあ。

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