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2026年03月20日
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【ツンデレに「(買い物に)付き合ってくれ」って言ったら】

2010年02月13日
 総入れ歯、もとい、そういえば、今日は楽しみにしてたゲームの発売日だった。折角だし、みことでも誘うか。そうと決まれば電話電話。ぴぽぱぽぷるるるがちゃ。
『私だ。何用だ?』
「(買い物に)付き合ってくれ」
 電話機越しに、ガタガタガタッ!と何か大きな物音がした。
『なっ、なななななっ、なァーッ!?』
「何を驚いている」
『おっ、驚くも轟くもない! きっ、貴様、貴様は何を何を言っているのら!?』
「そっちこそ何を言ってる。新しいキャラ付け?」
『何を……ええい、埒が明かん! 貴様の家へ行くからちょっと待ってろ!』
「え、おい、もしもーし」
 呼びかけても、プープーという音が耳朶を叩くばかり。電源OFFしてため息一つ。
「何を驚いてるかなあ……」
「ぜーっ、ぜーっ……」
「うわあっ!?」
 ついさっき電話で話してた人が俺の部屋にいたので驚いた。
「な、何を、驚いて……はぁはぁ」
「早い、早すぎる! 電話切ってから一分も経ってない! お前どれだけ急いで来たんだよ!」
「い、急いでなど全く……はぁはぁ、すー……はぁ」
 大きく深呼吸して、みことは息を整えた。ただの一度でいつもの泰然とした状態に戻るみことは、やっぱりすごいと思う。
「そ、それで、だ。電話でのアレは、その、どういう意味だ?」
 ──とか思ってたのに、次の瞬間にはみことはまるで熟れたトマトのように顔を赤らめ、所在なさげに指をくるくると自分の髪に絡ませ、ちらちらと俺に視線を送っているではないか。泰然のたの字もない。
「いや、どういうもこういうも、そのままの意味だけど?」
「そ、そうか……ま、全く、困ったものだ」
 俺の言葉に、みことの顔はますます赤くなった。何でここまで赤くなってるか皆目検討もつかんが、まるで年頃の娘のような反応にどうしたらいいか分からん!
「は、ははは、いや全く」
 そんなわけで、意味もなく頭をがりがり引っかいたり。ええい、こそばゆい。
「き、貴様が困ってどうする。貴様が言い出したことだろう」
「や、そうなんだけどね。ははははは」
「むぅ……」
 ちょっと不満げに、みことは口を尖らせた。なんか今日のみことさん、扱いが難しいですよ。
「あー、その、なんだ。んじゃ、そろそろ行くか」
「何ィッ!? ま、まだ返事もないのに、いきなりか!?」
「あ、都合悪かったか? じゃあ別に」
「悪いなど言っていないだろうッッッ!!!」
 予想以上の反抗にとてもびっくりした。ちょっと涙出た。
「この程度で泣く奴があるか! ……そ、その、いきなり大きな声を出したりして悪いとは思うが」
 みことは指先で俺の頭をこするようになでた。申し訳なさそうな顔に、こっちが申し訳なく思う。
「いや、ちょっとびっくりしただけ。お前が悪いわけじゃない」
 こしこしと目元を擦ると、みことはほっとしたように息を吐いた。なんだかんだ言って、いい奴なんだよな、こいつ。
「やれやれ。……ま、まあ、貴様のような情けない奴は、私のようなしっかりした者が側にいた方がいいかもしれぬな」
 そっぽを向き、みことは虚空を眺めながら言った。顔から湯気が上がらんばかりに赤いのは病気?
「はぁ」
「……なんだ、その気のない返事は。自分から言い出したくせに、私では不満と言うのか!?」
 よく分からないけど、すごく怒ってる。なんで? ……ああ、早く買い物に出かけたいのか! 俺の買い物に付き合うだけにそこまで気合を入れるとは……こっちも気合を入れないと。
「いや、そんなことはない。よろしく頼む」
「……む、うむ。……その、……幸せにしないと許さないぞ、馬鹿野郎」
 俺の腹を指でうにうにとつつきながら、みことは拗ねた猫のような顔で俺を見上げた。その表情は見ているだけで庇護欲をかき立て、思わず抱きしめそうになるが、その前に疑問が一つ。
「ええと……買い物と幸せにどのような因果関係が?」
「……買い物?」
 みことの顔に疑問符が浮かぶ。
「いや、買い物に付き合ってくれって話……だよな?」
 みことの顔が疑問→氷解→立腹→憤怒へと変化していく。
「ふ、ふふ……そうか、そういうことか……ふふふ」
 底冷えのする笑みを浮かべるみことが怖い。死ぬの、俺?
「あ、あの、みことさんは何の話だと思っていたのでせうか?」
「そっ、そんなこと貴様なぞに言う必要などない、馬鹿者が! そもそも貴様が主語を抜かして喋ったりしたのがいけないのだ! そう、貴様が悪い! そこへ直れ、成敗してくれる!」
「とても嫌だ! 助けてえ!」
 そう言ったのに成敗された。とても痛かった。

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【ボクッ娘に「お前は俺の犬だからな」って言ったら】

2010年02月13日
 犬が欲しいけど母が動物アレルギーなので飼えない。
「だから今日からお前は俺の犬。決定」
「その決定待った! なぜならばボクはわんわんではないから!」
 そんな訳でボクっ娘に栄誉ある役を授けたのだけど、どういうわけか怒った顔をしている。
「犬。さんはい」
「う……うるさいなあ。わんわんはわんわんだよ! わんわんわん!」
「早速わんわん言うとは、犬の自覚充分だな。これからの調教もその調子で頑張るンだ!」
「頑張らないンだ! ていうか女の子に調教とか言うな、ばかっ!」
「ええっ、男の子に調教するの!? ……あ、想像したらそんな悪くない! 普段からボクボク言う奴を相手してるから?」
「ボクのせいにするなっ、ばかっ!」
 普段からボクボク言う奴が怒った。
「まあそう怒るな」(なでなで)
「わふわふ♪」(嬉しそう)
「このように、なでられる=喜ばしい生物は犬なのでお前は犬」
「ううう……なんでタカシになでられると喜んじゃうんだろ……」
 がっかり感が強い梓だった。
「じゃ、とりあえず尿をする箇所を教えるから覚えろ。間違えたら殺す」
「もう調教する段に入ってる!? ていうか罰が怖すぎるよ!」
「トイレは人間用のところで頑張れ。で、寝る場所がここ」
「寝る場所って……そこ、タカシのベッドじゃん」
「ペットと一緒に寝るのって素敵だよね」
「タカシのことだからボクにえっちなことするに決まってるよ! お断りだよっ!」
「優しくするよ?」
「嫌に決まってるだろ!」
「やらしくするよ?」
「超嫌に決まってるだろっ!」
 断り文句がパワーアップした。
「納得したところで次。散歩は朝と夕方の二回、登校前と帰宅後に行う」
「納得してないのに……あの、散歩って、タカシと一緒?」
「ああ」
「……散歩だから、手とか繋ぐ?」
「ああ」
「……しょ、しょうがないなあ。嫌だけど、タカシの遊びに付き合ってあげるよ」
 口調だけ渋りながら、梓は頬を染めた。
「あ、そうだ。散歩の際、風邪などひかないよう注意しろよ」
「風邪って……いま夏だよ?」
「全裸だから夏でもひくだろ」
「全裸!? 外だよ!?」
「犬に服着せるのって可哀想だろ」
「わんわん“役”だろ! 明らかにボクの方が可哀想だよ!」
「全裸の奴と手繋いでるんだぞ? 知り合いだと思われる俺の方が可哀想だ」
「知り合いを全裸にして外に連れ出すなっ、ばかっ!」
「分かった。全裸にするのは家の中だけにする」
「それでいいんだよ。……あれ?」
 気づいてない内に話を進める。
「後は……エサか。犬って何食うんだろ。ニワトリの頭?」
「怖いよ、怖すぎるよ!」
「梓、お前は何の頭が好き?」
「なんで頭限定なの!? 女の子は主にケーキとかパフェとか甘いのが好きなものなの!」
「女性だからって全員が全員甘味が好きとは思わんが」
「知らないの? 女の子は砂糖菓子でできてるんだよ? だから、常に甘いものを補充してないと壊れちゃうんだよ」
 ちょっと偉そうに梓が講釈を垂れる。
「じゃあエサは砂糖でいいか」
「調味料じゃん! 加工された品がいいよ! ケーキとか! ケーキ食べたいケーキ! あ、なんかホントに食べたくなった! ケーキケーキケーキ! タカシ買ってきて!」
 だだっ子のようにケーキをせがむので、しぶしぶ買ってきた。
「うー……おいひい♪ これが毎回食べれるなら、ボク本当にタカシのわんわんになってもいいよ?」
「俺の財布が悲鳴をあげているので却下」
「うー……残念だよ。まあ、ケーキ食べれたからいいや♪」
 嬉しそうにおごりケーキをぱくつく梓だった。

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【ツンデレときつねうどん】

2010年02月13日
 たまには食堂で昼食を。適当な定食を買い、どこに座ろうかと席を探してると、うどんをすすっているいずみを見つけた。
「ずずーっ、ずっ、ずずーっ……ぷはぁ」
 顔を上げ、一息ついてるところで目が合った。
「なんでうどん食うだけで死にそうになってんだ?」
「死にそうになんてなってへん! おいしいなあ思いながら食べてるだけや!」
 丁度いずみの正面の席が空いてたので、そこに座る。
「勝手に座るしい……」
「ん、ここ誰か予約入ってたか? 問題あるなら他の所に行くが」
「別にええねんけど……食べてるとこタカちゃんに見られんの、恥ずかしいやん」
 後半に行くに従ってぼしょぼしょとした声になっていったので、非常に聞き取りにくい。
「俺といずみの仲だ、気にするな」
「聞こえへんように言ってるのに、なんで聞こえてんねん!」
 いずみは顔を真っ赤にして怒った。耳のよさだけが自慢です。
「もー……タカちゃんはデリカシーなさすぎや。そんなんやと、女の子にもてへんで?」
「大丈夫。昨日だけで3人に告白された」
「ななななななんやて!? 誰や、誰に告白されたんや!?」
 テーブルに身を乗り出し、いずみは俺の胸倉を掴んでがっくんがっくん揺らした。
「いやあのその冗談冗談だから揺するな」
「3人て、まさか、全員とつきあうつもりやないやろな! そんなんウチ許さへんで!」
 俺の言葉なんて聞こえてないのか、いずみはなおも俺を揺すり続けた。
「タカちゃんは綺麗で可愛くて優しい子と一対一でお付き合いせなアカンねん! そんな爛れた恋愛、ウチ許さへん!」
「いやあの待て揺するな酔う酔うゼうぇっっっっっぷ」
「ん……? あーっ、タカちゃん顔真っ青やないの! どないしたん?」
 お前のせいだばかやろう、とも言えずにぐったり。脳を激しくシェイクされて疲労困憊です。
「大丈夫? 保健室行く?」
 首を横に振り、そのまましばらく体力回復。
「ふー。回復。まさか冗談でこんなことになるとは思いもしなかった」
「え、冗談? ……えっと、人数が?」
「告白自体」
「…………。た、タカちゃんのあほ、あほー!」
 いずみは俺の胸をぽかぽか叩いた。
「お前も俺と付き合い長いんだから気づけ。俺が告白されるわけなかろーが」
「なんで自慢げやねん。……でも、そんなことないで? タカちゃん、優しいから女の子に人気あるもん」
「いずみのくせに世辞を言うとは生意気な」
「せ、世辞とかやなくて! もー、やめてーや」
 ぐりぐりと多少乱暴になでると、いずみは迷惑そうにしながらも少し嬉しそうに目を細めた。
「さて。なんだか分からないが無駄に時間を浪費した。次の授業まで時間もないし、とっとと食っちまおう」
「タカちゃんが冗談言わへんかったら済む話やのに……」
「お前は俺に死ねと言うのか」
「死ぬんや……」
 どこか驚いた様子で俺を見つめるいずみだった。その隙をつき、いずみのうどんから油揚げをかっさらう。
「あー! ウチのあげさん取った! 返せー!」
「返して欲しくば『お兄ちゃん大好き♪』って言いながら俺に微笑みかけろ」
 箸で油揚げを弄びながら、不敵で素敵な感じに微笑む。いずみは平均的な高校生から逸脱してる身長なので、妹っぽく振舞ってくれると嬉しい。俺が。
「だっ、誰が言うか! タカちゃんのあほー! 病気、病気ー!」
「違う、罵声を浴びせるのではない。まあそれも悪くないですが!」
「本格的にタカちゃんがあかん!」
 本格的にとか言うな。
「言わないと油揚げ食う」
「あかん! それ食ったらウチのきつねうどんがすうどんになるやないの! 一大事や!」
 そこまで大事とは思わないが、好都合。
「それが嫌ならとっとと言うことだな」
「……ど、どないしても?」
「どないしても」
「……わ、分かったわ。で、でもな、ウチの本心ちゃうで? ウチはあげさんを返して欲しいから言うだけやで?」
「わーったから早く言え」
「そ、そんな急かさんでもええやん」
 いずみは2、3度深呼吸し、鋭い目つきで俺を見た。
「……た、タカちゃん。大好きやで」
 精一杯、といった様子でいずみは一言ずつ区切って言った。
「…………」
「い、言うたで! 言うたから返して!」
「……あー、いや、まあ、言ったけど、その」
 どう言ったものか思案しながら、照れ隠しに頭をガジガジかく。
「な、なんやねんな。ケチつけるん?」
「その、まさか俺を名指しで大好き言うとは。いやはや、お兄さんちょっと照れますよ」
「……? ……ッッッ!!!」
 最初は何のことか分かっていなかった様子だったが、すぐに見当がついたようで、いずみの顔がタコみたいに真っ赤になった。
「ちゃちゃちゃちゃうねん、ちゃうねん! ちょっと間違っただけやねん! 別にタカちゃんが好きとか、そーゆーのとはちゃうねんて!」
「いやはや、なんか得した気分。もぐもぐ」
「あーッ!!! な、何食うてんねん! 何ウチのあげさん食うてんねん!」
「ん? あ」
 無意識にいずみの油揚げを摂取していた。もぐもぐしていた。
「むしゃむしゃごめん。味がしみてておいしい」
「ちっともごめん思てない! あー……折角頑張って言うたのに……思てもないこと言うたのに……あほー。タカちゃんのあほー」
「そう落ち込むな。ほら、俺の飯やるから」
「……ウチはあげさんが食べたかったんや。……タカちゃんのあほー」
 あまりにあほーあほー言うので、いなり寿司を買ってやった。
「むしゃむしゃ……こんなんじゃウチの傷ついたハートは癒やせへんで。むしゃむしゃ……も一個ええ?」
「いくらでもどうぞ」
「やたっ♪ ……そ、それはそれとして、恨んでるからな! ほ、ホンマやで?」
 両手でいなり寿司を抱えたまま、いずみは付け足すように言った。
「大好きな俺に免じて許せ」
「だっ、だからそれは間違って言うただけや! もーっ、タカちゃんのあほー!」
 顔を真っ赤にしていなり寿司にかぶりつくいずみだった。

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【ツンデレとデレデレのむっちりした○○をプニプニしてみたら】

2010年02月12日
 部屋でごろりと寝そべってたら友人のみことと隣家のちみっこ、夕美がやってきて僕を転がします。
「何をする。吐くぞ」
「この私が来てごろごろしたままとは許せん。少しは体を動かせ」
「いきなりだな……まあいい任せろ、得意だ」
 全身を小刻みに震わせる。
「お兄ちゃん、病気?」
 夕美が天真爛漫な笑みで俺を攻撃する。
「病人ではないです。んで、何か用か?」
「いや、特に用ということはないのだが、近くを通ったので寄ったまでだ。休日にまで私に会えた幸運に感謝しろ」
 みことが倣岸な言葉と共に俺の頬をうりうりと押すので、負けじと夕美の頬をうりうりと押す。
「にゅー」
 すると、変な音が出た。スイッチ?
「お兄ちゃん、夕美の頬うりうりするの、好き?」
「大嫌い」
「好きになりなさい!」
 夕美が無茶を言う。まあ、嫌いじゃないんだけど。
「分かった、好きになる。大好き。結婚してください」
「プロポーズされにゃ!?」
 驚きのあまり夕美の語尾が猫っぽくなった。
「どういうことだ、別府タカシ!」
 そして俺をフルネームで呼びながらがっくんがっくん揺するみこと。
「どういうことなんだろう」
「自分の発言には責任を持て!」
「にゃー……お兄ちゃん、ハネムーンにはどこ行く? ハワイ? ハワイ行く?」
「熱海」
「昭和だよう……ハワイがいいな、ハワイ。あ、グァムでもいーよ?」
 現実的な場所を持っていくことにより目を覚まさせる作戦、失敗。
「結婚など許さんぞ! 第一、夕美ちゃんはまだ小学生ではないか!」
「夕美はおっけーだよ?」
「俺も俺も! むしろそっちの方が!」
 みことが僕の首を絞めます。
「お兄ちゃんの顔色が面白いことに! 写真撮らなきゃ、写真!」
 いいから助けて。

「少し落ち着こう」
「貴様が適当なことばかり言わなければ済む話だ、別府タカシ!」
「全くだよ! 結婚が嘘だなんて、許されざる行為だよ! これはもう、結婚するしかないよ!」
「なるほどそうか! じゃあ結婚……いや、しませんよ?」
 みことが小動物あたりなら悶死する程度の殺意を込めた視線を俺に送るので、汗を垂らしながら否定する。
「とても残念だよ……」
「そう落ち込むな。ほら、ぷにぷにー」
 夕美のほっぺをぷにぷに押して慰める。
「にゃーにゃー♪」
 簡単に機嫌が直った。スイッチ? やはりスイッチなのか? 機嫌修復スイッチ?
「…………」
 しかし、同時にみことの機嫌を損ねるので危険なスイッチと言えよう。物凄い不機嫌オーラがみこと付近から噴出して怖い。
「み、みことにもぷにぷにー」
「む……」
 みことの頬をぷにっと押す。怒るかと思ったが、意外にもみことは少し表情を緩めるだけに留めた。
「……ふ、ふん。幼稚なことだな、別府タカシ。まあ、寛大なる私はこんなことをされても怒りはしない。さ、もっとやるがいい」
「…………」
「な、なんだ、その目は」
「嬉しいの?」
「う、嬉しくなどない! やるのか、やらないのか、どっちだ!」
「やんない。夕美にする」
 みことに背を向け、夕美のほっぺをぷにぷにする。
「どうだ、夕美?」
「にゅあーにゅあー♪」
 ご機嫌率と共に猫率が上がってる。なんで?
「まあいいや。夕美は可愛いなあ」
「有名な話なのですだよ! そして、もっとぷにぷにするべきだと判断する夕美なのですだよ!」
「素人判断は危険だ、もう止めた方がいい」
「ま、全くだ。これ以上すれば夕美ちゃんのほっぺは崩壊するだろう。だから、代わりに私のほっぺをぷにぷにすればいいんじゃないか、別府タカシ?」
 これ幸いとばかりに俺の尻馬に乗り、みことはぷにぷにをせがんだ。
「「…………」」
 俺と夕美、二人分の視線がみことに注がれる。
「……ふ、ふん。いいさ、二人で楽しくぷにぷにしてろ。私は隅っこで膝を抱えているから気にするな」
 そう言って、みことは部屋の隅に座り込んで膝を抱えた。恨めしそうにじっと俺を見つめている。
「みことの許可が出たので、ぷにぷにしまくろう」
「やっにゃー! お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんー♪」
 ごろごろすりすりしてくる夕美を抱っこして、思う存分夕美をぷにぷにする。
「ちょっとは気を使え! 普通、こういう時は私にも勧めるだろう! どうして二人だけで楽しく過ごす! ええい!」
 俺と夕美の間に滑り込み、みことが怒った。
「ぷにぷにしてほしい?」
「無論! ……い、いや、違う! 今のは言葉のあやだ! 別にしてほしくなど……その、ええい、貴様分かって言ってるだろう!」
 これ以上いじめるのは可哀想なので、みことのほっぺをぷにぷにする。
「ぷにぷにー」
「ぬ……ぬう」
「みことって、ぷにぷにされてる時嬉しそうだな。ブラッシングされてる猫みたい」
「だ、誰が猫だ、誰が……ぬ、ぬう」
 ぷにーと押すと、みことの目が細まった。
「うららましい……うららましいよ、お兄ちゃん! 夕美にも夕美にも!」
「はい。ぷにー」
「にゅー♪」
「何をしている。私にもしないか」
「はい。ぷにー」
「うむ」
 両手に花状態でぷにぷにしまくる休日の午後は、割合幸せ。

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【チャーハンを作ろうとして失敗したツンデレ】

2010年02月12日
 お腹が空いたので娘にチャーハンを所望した父ですこんにちは。
「娘よ、父のお腹が今にも背中にくっつきそうだ。この危機を脱するには娘製作のチャーハンを早急に胃に収める必要がある。さあ!」
「黙れ、父。今まさに製作中だ。声をかけられると気が散って失敗するぞ」
 娘の背に声をかけると、少し面倒くさそうな声が返ってきた。
「はは、これは異な事を。娘が料理に失敗しようか。いやしない。反語。反語?」
「何故不安げになる、父。いいから黙ってろ」
「ふふ、父がそんなことで黙るはずがないだろう。そう、父の心はどこにでも羽ばたける……ええと、なんだろう。えっと、えっと……そう、風になびく」
「黙ってないとチャーハンがゴマに変化するぞ」
 脅されたので黙る。しかし……なんだな。愛娘の料理する後姿というのは……こう、いいなあ。
「ばふー」
「黙れと言っているだろう!」
「鼻息もダメとは! ナチスも涙を禁じ得ない圧政に父はいま遭遇している!」
「五月蝿い! ……あ」
 こちらを向いた時にひじが当たったのだろう、中華鍋がコンロから外れて地面に落ちた。慌てて娘の元へ向かう。
「娘よ、大丈夫か?」
「あ、ああ……」
 娘の体を確認する。幸いにして娘の体には鍋もチャーハンもあたらず、ただ床が汚れただけのようだ。良かった。
「怪我がないなら問題ない。いや、色々声をかけて注意を逸らしてしまったな。悪い父だ」
「そんな! 私の不注意だ、何故父が謝る!」
「父の七不思議のひとつだ、気にするな。はっはっは」
 適当な事を言いながら汚れた床を掃除する。ぽいぽいゴミ箱にチャーハンを捨ててると、娘が申し訳なさそうな顔をして手伝ってくれた。
「初めての共同作業だな、娘よ」
「馬鹿」
 軽口に、少しだけ娘は微笑んだ。
 しばらくそのまま黙って掃除をしてたら、腹がぐうと鳴った。途端、娘の顔が先ほどの申し訳なさそうなものに戻ってしまった。
「私が落としさえしなければ、今頃は食事だったものを……」
「空腹は最高のスパイスと聞く。この後の食事は最高のものになるに違いない。そうは思わないか、娘よ?」
 軽くおどけて片目をつぶってみる。思い切り娘が吹いた。
「ぶふっ! ……ち、父、あまりに不器用なウインクだな」
「父はウインクをし慣れるほど女性に慣れていないんだ」
「ああ、そのような感じはとてもする」
「超ショック」
 明るくなった雰囲気の中、やっと掃除が終わった。ぐいーと背中を伸ばしていると、娘がくいくい父である俺の服の裾を引っ張った。
「どうした、娘よ?」
「……つ、次は失敗しない。見ていろ、父」
 決意を見せ付けるように、娘は両手に握りこぶしを作り、胸の前でぐっと握った。
「頼もしい限りだ」
 ぽふりと娘の頭に手を乗せ、優しくなでる。
「……また子供扱いする。父は私を子供扱いしすぎるきらいがあるな」
 満更でもなさそうな顔で娘が口をとがらせる。
「小学生は子供に充分値すると思うがな。そして、なでられるのが好きなのもまた子供である証とも思うがな」
「それは父がなでるから……なっ、なんでもない、なんでも! 忘れろ!」
 思わず口をついてしまったのか、娘は顔を真っ赤にして父のお腹をぎゅーっと押した。
「『お父さん大好き♪』って言いながら父にキスしてくれたら忘れる」
「断固断るッ!」
「馬鹿な、ここは『し、仕方のない父だな……ちゅ♪』となる場面ではないのか! 選択肢誤ったか!? ロードロード!」
「はぁ……全く、困った父だ」
 娘は俺の服を引っ張り、しゃがませた。そして、頬に触れる柔らかな感覚。
「……と、特別だぞ、父。忘れさせるためにしたのだからな」
 娘の恥ずかしそうな表情に、父ドキドキ。……ドキドキ?
「まだ忘れない。もっと」
「なっ、ま、まだ!? ……む、むう。あと一回だけだぞ?」
 再びしゃがまされ、頬にちゅ。
「まだ。も一回」
「まだだと!? いったい何度すれば満足すると言うのだ!」
「満足などするはずがない。大好きな娘になら、何度だってキスしてほしいものだ」
「~~~~~っ!!! はっ、恥ずかしい台詞を真顔で言うな、馬鹿父っ!」
 真っ赤な顔で父の尻を蹴る娘だった。

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