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2026年03月19日
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【ツンデレとクリスマス】

2010年03月01日
 今日はクリスマスイブなので、是が非にでもぱーてーを行いたい! そして、イチャイチャしたい気持ち!
 という気持ちだけは潤沢にあるのだけど、声をかける勇気はない。
「か、勘違いしないでよね、別に断られるのが怖いんじゃないんだからねっ!」
「どやかましいっ!」
 後ろを通りがかったかなみが俺を怒鳴る。怒られて怖いので、教室の隅っこに移動する。
「……何やってんのよ」
 しばし震えを楽しんでると、かなみが俺の前に立ち、じろりと見下ろしているのに気づいた。
「あ、いや、その、……ぱ、ぱーてーの来客リストを確認してたまでさ」
 怒られて怖かったので隅っこで震えていた、と言うことは男としてのプライドが許さないので、適当なことを言ってみる。
「来客リストぉ? ばっかねー、アンタなんかが開くパーティーに人が集まるわけないじゃない」
 最初から嘘と決めてかかっているのか、かなみは鼻で笑った。
「クロロホルム仕入れたから大丈夫」
「さらってまで集めるなっ!」
 もっともなことを言われた。
「ったく。どーせ誰も来てくれないんでしょ?」
「そ、そんなことはないぞ? 両手両足の指じゃ足りないほどの人数が来るという噂が」
「絶対嘘ね。アンタみたいなのと一緒にクリスマス過ごす奇特な奴なんていないわよ」
 残念でしたー、と晴れやかな笑顔を浮かべるムカツク娘っ子。
「い、いるさっ! たで食う虫も好き好きと言うし、この銀河系のどこかにはきっと俺の事を好きで好きで仕方がない女性型の何かがいるさっ!」
「女性型の何かって……言ってて悲しくない?」
 実は自分で言ってて空しさのあまり死にそう。
「とっ、とにかくそういうことなので、俺様は来客を捌くのに忙しいのだ! さらばだかなみ、また会おうっ!」
「あっ、待ちなさいよ! ……もう」
 これ以上何か言われるとボロが出るので、というかもうすでにかなりの量のボロが出てるが、とにかく教室から飛び出す。こうなったら意地でも声をかけまくってやる!

「……おかしい」
 その後、校内を駆けずり回って必死に「俺とぱーちーしません?」と訊ねまわったが、誰一人としてうなずいてくれなかった。
「やはり執拗に『エロいことはしませんからうえっへっへっへ』と言ったのがまずかったのだろうか」
 怯えられないよう笑顔を作ったはいいが、慣れていないため引きつり、怪しくなってしまった。
「……い、いや、まだだ、まだ! ひょっとしたら気の早いサンタが俺に貧乳の妹っぽい女の子をプレゼントしてくれるかもしれない!」
 一縷の望みを抱き、帰宅する。祈るように自室のドアを開ける。
「……まぁ、そうだわな」
 見慣れた部屋は見慣れたままで、サンタも貧乳も妹もいなかった。
「あー……なんかもういいや。疲れた」
 着替えもそこそこにベッドに倒れこむ。クリスマスの情熱がしぼんでいくのを感じる。もうなんか今年はクリスマスいいや。

「……っと、起きなさいよ!」
 体を揺すられ、意識が覚醒する。
「んあ、んー……ぐぅ」
 しかし、まだ眠いので開きかけたまぶたを閉じて二度寝する。
「だから、起きろって言ってるでしょっ!」
「げはあっ!?」
 おなか痛い、すごくぽんぽんが痛い! あまりの痛みに眠気もどっか飛んで行き、代わりに理不尽な暴力に対する怒りがふつふつと! よし、この乱暴な闖入者に一言いってやる!
「貴様っ、俺様が銀河連邦総司令官だと知っての狼藉かっ!」
「……中二病はほどほどにしといた方がいいわよ」
 意外というか予想通りというか、闖入者はかなみでした。ま、コイツには以前鍵の隠し場所教えちゃったからな。
「えーと、聞いていいかどうか分からないけど、聞くぞ。なんでいるの?」
「えっ? え、えーと、その……」
 かなみは視線を空中にさまよわせた。……適当に考えてるな。
「アンタが哀れにも一人でクリスマスを過ごしてるらしいから、誘いを断ってまでして様子を見に来てやったの! 感謝しなさい!」
 照れているのか知らないが、かなみは顔を真っ赤にし、偉そうに胸を張ってそう言い切った。
「はぁ」
「何よ、その気のない返事! こーんな美少女が来てあげたのよ、もっと喜びなさいよ!」
「わぁい」
「顔が無表情! きちっと笑いなさい! あと、もっと全身を使って喜びを表現しなさい!」
「嬉しさがはちきれるっぜ!」
「……やっぱしなくていいわ。なんか、陸に打ち上げられたタコ系の深海魚みたい」
 人が折角頑張ってやったというのにこの仕打ち。
「まぁいいわ。ほら、パーティーするんでしょ?」
 かなみはコートを脱ぎ、テーブルの前に座った。そして、持っていた袋からチキンとケーキを取り出し、テーブルに並べ始めた。
「……な、何よ。勘違いしないでよね! 偶然安売りしてて、アンタには安物が似合いだと思って買ってきただけなんだから!」
 その様子を呆然と見ている俺に気づいたのか、かなみは顔を赤くしながらそう早口にまくし立てた。
「あー……うん。安物でもなんでも嬉しいです」
「……そ、そう」
 なんだか妙な雰囲気になってしまったが、とにかくパーティーの準備は整った。ジュースで乾杯する。
「ま、まあ一応ね。かんぱーい」
「おっぱーい」
 小動物なら死ぬレベルで睨まれたので、乾杯と言い直してコップを合わせる。
「しっかし……予想通りとはいえ、見事に誰もいないわね。一人くらい連れてこれなかったの?」
 かなみは周囲を見渡し、ジュースを飲みながら馬鹿にした口調で言った。
「よく調べたら、クロロホルムじゃ一瞬で昏倒しないらしくて」
「だから、さらおうとすなっ! ……でも、なんで誰も来ないかねー。アンタ、黙ってたらそこそこ見れるのに。ま、黙ってないから来ないんだけど」
 かなみは楽しそうに笑いながら俺の頬をぐいぐい引っ張った。
「それではまるで俺の性格に難ありと聞こえるが」
「そばにいたら疲れる性格ではあるわね」
 非常に失礼な奴め。俺ほど人畜無害な奴なんていないというのに、とか思いながらチキンをぱくつく。
「どう? おいしい?」
「おいしい」
「そっか。ほら、ケーキも食べなさいよ。アンタ、ショートケーキ好きだったわよね?」
 返事を聞く前にかなみは紙皿にショートケーキを載せ、俺の前に置いた。
「よく覚えてたな、俺がショートケーキ好きなの」
「えっ!? えっ、えっと、あ、あたし記憶力バツグンだから、どんなつまんないことでも覚えてるの!」
 何気ない事を聞いたつもりだったのだが、予想以上に狼狽させてしまった。申し訳なく思いながらケーキを食べる。
「あっ、これすっげーおいしい」
 話を変えるために多少アレでもおいしいと言うつもりだったが、予想を遥かに超えていたため、素直に口からついて出てきた。
「でしょっ? へへっ、前々から予約しておいただけはあるでしょ?」
「ん? 偶然安売りしてたケーキじゃないのか、これ」
 かなみは顔に笑顔を貼り付けたまま凍った。かと思ったら、突然顔を赤くして一気にまくし立てた。
「ちっ、ちちち違うわよっ! 予約をキャンセルされて売れ残ってたケーキよっ! アンタの聞き間違いっ!」
「いや、仮にそうだとしても変だよな。クリスマスなんてケーキが最も売れる時期だろうし、キャンセルされてもすぐ売れるかと」
「うっ、うるさいうるさいうるさいっ! それはドブ川のヘドロが原材料のケーキだから安いのっ! 色々聞くなっ!」
 いくらなんでも訴えられるぞ、と思ったが、あんまりにも必死だったので納得してやることにする。
「そか。それなら安くても納得だな」
「う……」
「ほら、かなみも食え。すごくおいしいぞ」
 かなみの前に持っていく。俺を何度か見た後、かなみはおずおず口にした。
「……おいしい」
 フォークを咥え、かなみはちょっと申し訳なさそうに上目づかいで俺を見た。
「……なんか、ごめんね」
「何の話だか。お前はクリスマスに一人ぼっちで哀れな俺を救済に来た優しい子だろ? 感謝されることはあっても、恨まれることなんて絶対ないさ」
「……へへっ。やっぱタカシは優しいね」
 まっすぐ言われると、非常になんというか、こう、照れる。
「……あ、照れてる?」
「気のせいだ」
「タカシってさ、褒められるの苦手だよね」
「そんなことはないぞ」
「……じゃ、なんでずっと向こう向いてるの?」
「寝違えたんだ」
「さっきまで普通だったでしょ! こっち向きなさい!」
 無理矢理かなみの方を向かされる。
「あはっ、やっぱり顔真っ赤。かっわい~♪」
 だから嫌だったんだ。ふてくされながらケーキを食べる。
「ほら、怒らないの。食べさせてあげるから」
 なんてことを言い出すのか、この娘は。
「い、いや、いい。一人で食べられる」
「いいから。ほら、あーん」
 かなみはケーキを掴み、俺に差し出した。
「いや、だから……」
「それとも、タカシがあたしにあーんしたいのかな?」
「……お願いします」
 観念して口を開ける。かなみはニコニコしながら俺にケーキを食べさせた。
「どう? おいしい? 普通に食べるよりおいしい?」
「……まあ」
「へっへー♪ そうよね、愛しのかなみちゃんが食べさせてくれてるんだもんねー♪」
 どう対処したもんでしょ、このキャラの変わりよう。……まあ、嫌じゃないけど。
「うりうり~」
 しかも、意味もなく俺のほっぺをつついてるし。楽しそうだからいいけど。
「……もーっ! タカシもちょっとは楽しそうにしなさいよ!」
 かと思ったら、突然ふくれっ面になった。気分屋め。
「いや、俺は充分楽しんでるが」
 主にかなみの変貌っぷりに。
「タカシってあんまり表情変わんないから、よく分かんないのよね……タカシってさ、何やってる時が楽しいの?」
「ん? んー……特には思いつかん」
「つまんない奴ねぇ……」
「でも、お前といる時は楽しいと思う。割と」
「……は、恥ずかしい奴ね、真顔で言ってさ」
 少なくとも、今のかなみのリンゴみたいな真っ赤な顔よりは恥ずかしくないと思う。
「……ね、ねえ。もっかいあーん、してあげよっか?」
「え、い、いや、もう結構」
「ね、ね? してほしいでしょ? ほら、あーん」
「いや、だから」
「あーん♪」
 そんな、満面の笑みであーんとか。卑怯ですよ。勝てるわけないじゃないですか。
「……あ、あーん」
 馬鹿みたいに口を開ける俺に、かなみはクスクス笑いながらケーキを食べさせた。
「おいしい? おいしい?」
「……お、おいしい」
「へへっ♪ じゃ、次はチキンね。はい、あーん♪」
 笑顔で迫るかなみに、今日は全部あーんで食べさせられる、そんな幸せな地獄絵図が脳裏に浮かんだ。

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【ツンデレと食】

2010年03月01日
 あと一歩で餓死、というところでチャイムが鳴った。昼休みだ。
 ミラクルダッシュで学食へ向かおうとしたが、あまりの腹減りに力が出ず幽鬼のようにふらふら走る。当然の帰結として、パンは売り切れていた。
「腹、減ったぁ……」
 教室に戻り机に伏せっていると、頭を殴られた。
「何やってんの、陰気臭い」
 顔を上げると、見知った顔があった。
「お腹空いたのですよ。パンが売り切れたのですよ。……金、ないのですよ」
「あらま可哀想。あはははは!」
 愉快そうに笑う娘さんに、軽い殺意を抱く。が、腹が減ってその気も萎える。
「なんでもいいから恵んでくれ。おまえ、確か弁当だろ? なんか残ってないか?」
「残飯漁れば?」
「ないすあいであ。漁ってくる」
 もうプライドだとか尊厳だとか言ってる場合ではないので、提言通り残飯を漁りに行こうとしたら慌てて止められた。
「冗談に決まってるでしょ、馬鹿! ……ったく、しかたないわねぇ。ほら」
 差し出された手に、小さな弁当箱が乗っていた。
「おお! 意外にいい奴だったんだな、おまえって」
「あ、味は期待しないでよね」
「なんだ? おまえが作ったのか?」
「ちっ、違うわよ! ママが作ったに決まってるでしょ!」
「そか。なら安心だな、おまえのおばさん料理の腕プロ級だから」
「……ふん」
 何か機嫌を損ねてしまったけど、まぁいいや、弁当箱を開いて頂きます。
「……ん? おい、これ残りじゃないぞ?」
 弁当箱の中身は、三色ごはんにアスパラのベーコン巻き、ハンバーグに玉子焼きと気合の入った内容だった。そして、そのどれにも食べた跡は見られなかった。
「え、えっと、その、だから、……そう! あたしってたくさん食べるから二つ持ってきてるの。あはははは!」
「なるほろ。その割りに乳は育ってないようだが」
 殺されかけた。マスタースキル:土下座で生き延びた。
「いらんことばっか言ってないで、さっさと食べなさい。もうあんまり時間もないんだから」
「ん、分かった。……むぐむぐ」
 アスパラのベーコン巻きを箸で掴み、食べる。
「……ど、どう?」
「アスパラが半生で硬い。ベーコンは焼けすぎで炭の味がする。おばさん、料理下手になった?」
「ぐ……ち、ちょっとね。風邪ぎみだったから舌がおかしくなってるんじゃない?」
 続けてそぼろ、卵、ふりかけの三色ご飯を食べる。
「そ、それはどう? これはおいしいでしょ?」
「んー、ご飯が柔らかすぎてべちょべちょする。そぼろとふりかけはうまいが、卵はこげてて苦い」
「……そ、そう。ダメねーママって、あはははは」
 どこか乾いた笑い声を上げる娘さんをよそに、次の料理、ハンバーグへ。
「今度こそおいしいでしょ?」
「……にがい。焼けすぎ。生よりはマシだが」
「……も、もういいでしょ? そろそろお腹一杯になったんじゃない? ほ、ほら、まずいの無理して食べてもしかたないじゃない」
「まだ足りん」
 止めようとする娘さんを置いて、最後の料理である玉子焼きを。
「…………」
「ま、まずかった? まずかったよね? ほら、ここに出していいから」
「うまい」
「……へ?」
「うん、これはうまい。他のはちょっとアレだけど、これはうまい。ダシに使ってるのなんだ? 醤油か?」
「いや、醤油じゃなくて素麺つゆ……はっ!」
 自分の失言に気づいたのか、目の前の少女は狼狽した様子で手をわたわたと横に振った。
「いや、そうじゃなくて、ママが作ってたのを横で見てて、その、だから!」
「サンキュ。すげーうまかったぞ。また作ってくれな」
 笑ってそう言うと、少女のほおが赤く染まった。
「……いじわる。いつ気づいたの?」
「最初から。おまえ、いつも弁当一つしか持って来てないからな。次はもっと上手に作れよ」
「……いいわよ。じゃあ明日も明後日もその次も作ってくるから、食べなさいよ! あっと言わせてやるんだから!」
 少女の言葉に、俺は笑顔でうなずいた。

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【ツンゲッターちなみん】

2010年03月01日
 スパロボでどのキャラをひいきにするか討論になった。
「やっぱガンダム系ね。WもXも種もいいわね」
「未通女はこれだから困る。男たるもの、ゲッターロボ一筋に決まっているだろう。特にゲッター2のドリルに敵うものはない」
「おぼことか言うな馬鹿!」
「開通したのか?」
「もう喋るなッ!」
 とまあいつものようにかなみに空中三段コンボを決められていると、ちなみが感心したようにうなずきながらどこかに電話しているのに気がついた。
 嫌な予感はしたものの、特別気にはせず松葉杖を突きながら帰宅。
「……ゲッター2です。どりるどりどりぎゅいんぎゅいん」
 ゲッター2なちなみが、俺の秘蔵本『つるぺたっこ大集合』をドリルで粉砕していた。
「あああああ! 俺のつるぺたっこ大集合がぁぁぁぁッ!!」
「……変態です。ロリペドです」
「ペドフィリアじゃない、ロリータコンプレックスだ! いやコンプレックスを感じるどころか誇りにすら思ってますが!」
「……どっちにしても変態です。……これもやっちいまいしょう」
 そう言ってちなみが取り出したのは、プレミアがついてるらしいつるぺた同人誌だった。
「そっ、それだけは! それだけは勘弁してください!」
「…………」
 ちなみは無言でドリルをぎゅいんぎゅいん回している。
「……一緒に遊んでくれたら、考えないでもないです」
「な、なんだ? ままごとか? あやとりか?」
「……子供扱いしてます。……ドリルの出番でしょうか」
 ドリルが火花をあげて高速回転し始めたので、慌てて考える。
「えーとえーとえーと! えーと! ごめんなさい考え付きませんのでなんでも付き合う所存です!」
「……仕方ないですね。ええと、ゲッターごっこでもしましょうか。『チェンジゲッター2 スイッチオン』って言ってください」
 よく分からない思考をしてるね、この娘さん。ごっこ遊びはOKなの?
「……ぎゅいんぎゅいん」
 ドリルが回りだしたので慌てて指定の言葉を叫ぶ。
「チェェェェンジ ゲッター2 スイッッッッチィ、オン!」
 叫ぶや否やちなみの頬をぷにぷに。
「……え、えと、がおー?」
 疑問系で言われても困る。
「……何するか考えてなかったのか?」
「むっ。おバカなタカシじゃあるまいし、ちゃんと考えてます」
 そう言いながらも、ちなみは眉根をよせて必死に考えているようだった。
 待ってる間暇なので、ちなみのほっぺをぷにぷに突つく。肌触りがよくて気持ちいい。
「……ほっぺ、ぷにぷにしないでください。……考えがまとまりません」
「んー」
 ぷにぷにするのはやめて、軽く引っ張る。むにー。
「……ひっはははひへふははひ(引っ張らないでください)」
「んー」
 引っ張るのをやめて、なにするかな。えーと……なんか眠くなってきた。
 眠くなったので、ごそごそとベットに移動してると背中を引っ張られてる感覚。ふりむくと、悲しそうなちなみが俺のシャツをつまんでいた。
「……寝ないでください。……つまんないです」
「ねみーんだよ。寝かせてくれ」
「……じゃあ、間をとって膝枕しましょう」
 さも名案だ、というふうにちなみは自分の膝をぽんぽん叩いた。
「……ゲッターロボに膝枕されてもなぁ」
「……それもそうですね」
 ちなみはゲッター2から人間に戻った。簡単に言うと着ぐるみを脱いで下着だけに。
「服くらい着ろッ!」
「……ちょっと、恥ずかしいです」
「あーもう、……えっと、ほれ、これ着ろ!」
 床に落ちてたカッターシャツを投げる。
「……大きいです」
 俺のシャツを着たちなみは、なんというか、その、扇情的で困る。袖は長すぎるし生足が見えるし上目遣いで見てるしもう!(困惑中)
「……ほら、膝枕ひざまくら♪」
 ちなみは嬉しそうに自分の膝をぽんぽん叩いた。逆らえるほど理性は残ってない。俺は誘われるようにちなみの膝元に頭を乗せた。
「……なんか、いいのかなぁ」
「いいのです♪」
 幸せそうなちなみの声を聞きながら、俺は眠りに就いた。

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【男の弁当を食べたがるツンデレ】

2010年02月28日
 会長のとある秘密を知ってしまった結果、生徒会入りを果たしてしまった。
 そんなある日の朝、会長が用事があるとかで俺を呼び出した。さては愛のこくふぁくか!? と鼻息荒くばふーと生徒会室に入ったら、違った。
「これを明日の放課後までにやっとけ」
 そう言いながら、会長は長机にうずたかく鎮座ましましている書類の山×3を指した。
「告白だと思ったのに……会長にはガッカリだ!」
「どうしてワシが貴様なんぞに告白なんぞをしなければならん。脳に蛆が湧いとるのかえ?」
「湧いてません。それより、この量は流石にきちーです。授業全部ぶっとばしてやっても不可能と思うますが」
「貴様の力を見込んでのことじゃ」
「褒めて伸ばされそうだ!」
「普通に返事せんか。それで、やるのかえ? やらないのかえ?」
「無理」
「ふむ。……まだ死にたくはなかろう?」
 そう言って、会長はスカートの裾から真っ白なしっぽ(!)をふわりと覗かせた。
 会長の秘密、それは、会長は実は狐の物の怪、ということだ。詳しいことは知らないが、狐耳としっぽが大変にラブリーなので、いつか思う存分触りまくりたいと俺は常々思っている。
「なるほど、このような感じで触らせまくり、俺を悶死させると言うのだな? 負けん、負けんぞ!」(もふもふもふ)
「ひゃうわっ!? ちっ、違うっ、脅しただけじゃっ! そっ、それより誰が触っていいと言った、この愚か者がっ! がぶがぶがぶっ!」
 あまりの誘惑に前後不覚に陥り、思わず会長のしっぽを抱きしめたら怒られたうえ、頭もかじられた。
「痛いです」
「うるさいのじゃ! まったく、ワシのしっぽを触って生きておった奴など、貴様以外におらんぞ?」
「光栄に思えばいいのだろうけど、頭から血が流れ出ていてそれどころでは」
 会長は物の怪だけあって攻撃力が高く、俺程度の防御力では流血を防げない。
「早く治せ、愚か者」
「人間はそんな治癒力高くないのですよ」
「まったく……なんと脆弱な生き物じゃ。ほれ、こっち来い」
 ふらふらと会長の元へ向かうと、会長は俺の頭をなでなでした。
「畜生、幼児扱いだ! しかし頭をなでられいい気分なのも事実! それとも血が足りずにそう感じるだけなのだろうか。それはつまり今まさに死に瀕しているわけであり、死にたくないなあ」
「黙っとれ、治癒しとるだけじゃ。……ほれ、もう止まったぞ」
 頭に手をやると、あれほどぴうぴう出ていた血が止まっていた。
「すごいぞ妖術、やるなあ物の怪!」
「……どうも感謝の念がないように思えるのは、ワシだけじゃろうか」
「大丈夫、俺もそう思ってる」
「がぶがぶがぶっ!」
 会長は怒ると人の頭をかじって元の木阿弥にするのでやめてほしいなあ、と思った。

 翌日。書類を家に持って帰ってばりばりこなしたはいいがまるで終わらないので、昼休みも返上して仕事をこなしてると、急に教室がざわめきだした。
 なんじゃらホイ、と思って顔を上げると、会長が入り口付近できょろきょろしていた。あ、目が合った。と思ったらこっちへまっすぐやって来た。
「何をしとるんじゃ」
「え、いや、会長に言われた仕事をこなしてるのですが」
「……飯は」
「え、あ、いや、まだ」
 会長は苛立たしげに俺を見下ろしている。はて、飯……? あ。
「あ、あー。そうな、そうだったな。いやはや、つい熱中してて。行きませう」
「う、うむ」
 サブバッグを持って会長と一緒に教室を出る。出てから数秒後、怒号が教室から響いた。
「なんじゃ!? あっ……」
「いーから!」
 会長の手を取り、生徒会室へ一目散に退避。
「ふー……」
「な、なんじゃったのじゃ、さっきの叫びは」
「会長……呼びに来てくれるのは大変嬉しいが、もうちょっと自分の人気とか考えた方がいい」
「むう……?」
 よく分かっていないのか、会長は困ったように眉を寄せるだけだった。
「はぁ……まあいいや、可愛いし。んじゃ、飯食うか」
「そ、それはいいが、……い、いつまでワシの手を握っとるんじゃ?」
「え、あ」
 そう言えば、ずっと会長の手を握ったままだった。
「うーん。柔らかい」
「い、いらんことは言わんでいいっ!」
 会長は荒々しく俺の手を振り払い、顔を赤くしながら手をさすさすさすった。
「まったく……それで、弁当はどこじゃ?」
「ああ、これこれ」
 机の上に置いたサブバッグから、弁当箱を取り出す。
「うむ」
 そしてそれを当然のように奪われた。
「さぁてと……おおー! 今日もうまそうじゃ!」
 蓋を取ると、会長は歓声をあげた。そして、両手にそれぞれひとつずつ稲荷寿司を手に取った。
「まぐまぐまぐ! ……むふー、貴様の親が作るおいなりさんは格別じゃのお!」
「喜んでくれて嬉しいが、俺の食う分も残してくれたらもっと嬉しい」
「貴様のことなど知らん。まぐまぐまぐ……にゅふー♪」
 おいしいんだか嬉しいんだか知らないが、狐の耳が出てる。しっぽも出てる。すっげー振ってる。
「会長、しっぽ出てる。耳も」
「む? まあ気にするな、ここにはワシと貴様しかおらんのじゃ」
「いや、まあいいんだけど……」
 もし急に誰かが入ってきたりしたら、色々と面倒くさいことになりそうな。最悪、この学校が滅びそうな。いや、学校どころか日本が……。
「むふー。美味かったのじゃー♪」
 人が色々と不安になってるというのに、会長は人の弁当を空にしてご満悦な様子。今日も俺は飯にありつけそうにない。
「はぁ……」
「なんじゃ、辛気臭い顔して」
「お腹が空いたやら何やらで。……あ、会長。飯粒ついてるぞ」
 会長のほっぺについてた飯粒を取り、ぱくりと食べる。
「……ぬわっ!?」
 ややあって、会長からぼわんと湯気が上がった。
「ほほう」
「な、なんじゃ、ほほうって!」
「や、別に」
「うー……い、いいじゃろが、別に。……ワシはこういうのに慣れてないだけじゃ、愚か者」
 会長は怒ったように明後日の方を向いてしまった。
「やれやれ、怒らせてしまったか。どうにかしたいが、腹が減ったので学食に行って来るな」
 席を立とうと机に手を置くと、その手にしっぽがくるりと巻きついた。会長の方を見るが、依然として明後日の方を見てつーんとしている。
「あの。これでは出れないのですが」
「ぬ? ……ぬ!? な、なぜワシのしっぽが貴様なんぞに巻きついとる!?」
「それは超こっちの台詞だ」
 とりあえずしっぽ巻きつきを解除してもらう。そして立とうとしたら、もう片方の手にしっぽがくるりと巻きついた。
「会長……」
「し、知らん! ワシのしっぽが勝手に動くのじゃ!」
「あー……まあ、一日くらい昼飯抜いても死にはしないか」
 諦めて腰を椅子に落とす。会長のしっぽが嬉しそうに俺の腕をさすさすさすった。
「ちうわけで、巻きつきを解除してもらえますか?」
「……なんじゃ、その目は。わ、ワシは貴様なんぞおらんでも平気じゃからな!」
「何も言ってませんが」
「目が言っておる! 『やーい、こいつ狐の物の怪のくせに俺がいないと寂しいんだー』って!」
 超似てねえ。
「ぬー……何か言わぬか!」
「やーい、こいつ狐の物の怪のくせに俺がいないと寂しいんだー」
「一言一句違わず!?」
 とても驚いてる会長だった。

拍手[13回]

【ツンデレが起こしにきたら】

2010年02月28日
 朝は超眠ぃ。なのでぐーすか寝てたら、体を揺さぶられた。
「もー、休みだからってぐーすかぴゃーぴゃー寝て……先生、ぷんぷんですよ?」
 どうやら俺の家に下宿してる大谷先生のようだ。しかし、この程度のゆさゆさで起きるほど俺の眠気は甘くない!
「むー、起きません。別府くん、おーきーなーさーい!」
 布団の上に馬乗りになり、先生は激しく体を揺さぶった。
 本来なら重さのあまり起きるところだが、先生はそこらの子供程度の大きさなので、むしろ心地よい重みでさらに眠気が。
「むう、全然です。……まっ、まさか、先生が知らない間に死にましたか!?」
 怖い事を言われているような気がする。
「そ、蘇生です! 人工呼吸です! はうあっ、よもやこんなところでファーストキスを奪われるとは! 先生、びっくりです!」
「俺の方がびっくりだあああああっ!」
「みぎゃああああっ!?」
 がばりと起き上がり、先生を吹き飛ばす。先生はころころ転がり、頭から壁にぶつかった。
「うぐぐぐ……痛い、痛いです! 血が出ました! ほらほら!」
「出てねえよ」
 ばびゅーんと走り寄って来て、先生は俺の顔に自分の頭をぐりぐり押し付けた。
「出てます! 別府くんは心が汚れてるから見えないだけですっ!」
「先生の血は心が綺麗じゃないと見えないのか」
「そんなのどうでもいいですっ! 別府くん、起きてるなら早く起きてください! 別府くんのせいで先生、頭がとても痛いです!」
「俺も朝から子供の高い声聞かされて頭がガンガンする」
「あああああっ!? こ、子供って言いました、言われましたよ!? 先生は子供じゃないです、立派な大人です! ちょっと人よりコンパクトにできてるだけですっ!」
「先生、この間小学生と間違われて補導されたよな。いや、あの時は笑った笑った」
「ものすっごく馬鹿にされてますっ! 別府くん、先生を馬鹿にしたら怒りますよ! めってしますよ!」
「ふん。やれるものならやってみろ」
「うぐぐぐぐ……馬鹿にしてえ! いきますよ、泣いてもごめんなさいしませんよ! せーの……めっ!」
「めぎゃああああああああっ!!!」
「みぎゃああああっ!!?」
 対抗して驚かせたら予想以上に驚かれてしまった。先生は俺の布団に頭から入って震えている。頭隠して尻隠さず状態だ。
「べっ、別府くん、先生を怖がらせると怒りますよ! 別に怖くなかったですが!」
「先生、顔出して喋らないと相手に失礼だよ」
「知らないです! 別府くん相手に失礼とかないです! 別府くんの言うことなんて知りません!」
「先生、スカートまくれてパンツ丸出しだよ」
「みぎゃあああっ!? み、見ないでくださいっ! 見ると先生怒りますよ!」
 俺の言うことなんて知らないとか言ってた人が一瞬で信じた。まあ、本当に丸出しなんだけど。
「先生、大人って言われたいならクマさんぱんつはやめたほうがいいと思うが」
「いーから見ないでくださいっ! ……ううっ、からまって出れません!」
 俺の布団は毛布やら薄手の布やら沢山あるので、ちょっとした障害物競走の様相を呈している。と思ってる間も先生の子供パンツを見続ける。
「ぬうううう……こうなったら奥の手です! えやっ!」
「うわっ!」
 先生は元来た場所から出るのを諦め、上側、俺が座ってる方から出てきた。まあ、つまり、俺に引っ付く位近くにいるわけで。
「ふふん、これでパンツを隠すことに成功です。どうです? すごいですか?」
「ち、近い、先生近い」
「え? ……へ、平気です。先生は大人ですから、別府くんが側にいても平気です。ちっともドキドキなんてしません。そもそも別府くんのことなんて、先生なんとも思ってませんから」
 先生は平気そうな顔でそう言った。ただ、その顔は真っ赤だったが。
「んなのどうでもいいから、早く離れろ。いやいい、俺が離れる」
「な、なんですか、そんな先生と離れたいんですか! そ、そんなこと言われても、先生ちっともショックじゃないですよ! 本当ですよ!」
「いや、んなことはどうでもよくて」
 あんまり近づかれると色々まずいわけで。ほら、朝だし。
「もういいです、先生がどきます!」
 とか言いながら、先生は床に手を置こうとして俺の股間に手を。朝で血液が集まってる俺の股間に手を。
「棒? なんで棒が……あ」
 自分が掴んでいるのが何なのか気づいたのか、先生の顔が見る間に赤くなっていく。
「だ、大丈夫ですよ? そ、その、男の人は朝にこうなるらしいですし。その、よく知らないですが」
「いーから離せっ!」
 先生は慌てて俺の棒から手を離した。
「…………」
「嗅ぐなっ!」
 自分の手の平を嗅ごうとする先生を一喝する。
「ああもう……朝から陵辱された気分だ」
「そっ、それはこっちの台詞です! 朝からとんでもないもの握らされましたよ! 初体験ですよ! どうしてくれるんですか!」
「お返しにおっぱいを触らせてくれたらいいと思う」
「え、えっちなのはいけないと思います! ばーい、別府くんの持ってる漫画です!」
「いかん、おっぱいがない人に失礼なお願いをしてしまった」
「もっと失礼なこと言ってますよ!? ありますよ、先生はないすばでーだからおっぱいたゆんたゆんですよ! 心の目で見れば!」
 心眼は会得してないので、先生の乳はつるぺたのままだ。
「もうなんか朝から疲れた……飯食ってもっかい寝よう」
「ダメです! そんな不摂生な生活、先生の目が光ってる間は許しません! 今日は一緒にお勉強です!」
「実践形式の保健体育ならする」
「えっちなのはいけないと思いますっっっ!!!」
 朝っぱらから絶叫する先生だった。

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