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2026年03月18日
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【お嬢口調に憧れるボクっ娘】

2010年03月25日
「お、おはようございますですわよ、タカシ」
「…………」
 いつものように学校へ行く途中でボクっ娘に会うと、奇妙奇天烈摩訶不思議な言語を駆使して俺に挨拶らしきものをしてきた。
「な、なんとか言えよぉ……ですわよ」
「おはやう、変な人。なんか憑かれた?」
「憑かれてなんかないよっ! ……あのね、実はね」
「あー今日も寒いなー寒いと冬眠しそう」
「人がいっしょーけんめー話そうとしてるのに聞く素振りも見せない!?」
「冬眠する素振りなら見せてるぞ? なんなら一緒に冬眠するか?」
「しないっ! いいからボクの話聞けっ!」
 なんか怒られたので聞くことにする。
「ボクねー、リナちゃんの口調に憧れてんだ。ほら、リナちゃんかっくいーよね」
「お前が比較対象だと、誰でもかっこよく見える」
「うう……タカシは酷いことを平然と言うから嫌いだよ」
「やや、ボクっ娘が一見傷ついた風だ」
「傷ついてるよっ! これでも傷つきやすい乙女なんだよっ!」
「まるで俺の持ってるガンプラみたいだな。よく一人で戦わせて遊ぶから傷まみれ」
「タカシの寂しい趣味なんか知んないよっ!」
「さ、寂しいとは失敬な! 罰としてお前も俺のガンプラ遊びに付き合え。俺がシャア専用ガンキャノンするから、お前ザク使え」
「そんなシャア専用ないよっ!」
「赤いのは全てシャア専用じゃないのか?」
「違うよっ! ……じゃなくて、ボク、リナちゃんみたいなかっくいー女性になりたいから、まず口調からマネることにしたんだ。……ですわよ?」
「しかしなぁ……口調を真似たところで、胸は大きくならないぞ?」
「リナちゃんの胸に憧れてるんじゃなくて、性格に憧れるんだよっ! 一回も胸のことなんて言ってない!」
「しかし、リナの乳のでかさを知ってるだろ? あれを知ってて憧れないなんて、もはや罪だぞ」
「タカシ無茶苦茶言ってるよぉ!?」
「その名もきょぬー憧れない罪。罰として永遠に貧乳。や、これは素敵」
「ちっとも素敵じゃないよっ! ずーっとちっちゃいおっぱいなんてヤだよっ!」
「ちっちゃいおっぱいには夢が詰まってるという話なのにか?」
「問題外だよっ!」
「それはとても残念ですが、それよりいいのか? 口調がいつもの頭の悪いボクっ娘口調に戻ってるが」
「え……あ! タカシがいたら、リナちゃんっぽくなれないですことよ。困るですわよ。……あと、ボクのいつもの口調は別に頭悪くないもん」
「これは失礼した。頭が悪いのは梓なだけで、口調に罪はないよな」
「謝ってるフリしてまたボクを馬鹿にした!?」
「や、バレた」
「バレた、じゃないよぉ! もー許さない、今日という今日は泣かすもんねっ!」
「…………」
「な、なんだよ、ニヤニヤして。……とうとう狂った?」
「真顔で聞くな。じゃなくて、やっぱお前はいつもの口調の方がいいな」
 困惑してる様子の梓の頭を軽くなでる。
「う……う?」
「かっくいーのもいいが、普段のぽやぽやしてるお前の口調の方が、俺は好きだな」
「え……ええっ!?」
 突然大声を出されて、耳キーン。
「すすっ、好きって! 好きって言った!」
「ん……あ、いや、そうじゃなくて、好意を抱くというか、その、なんだ。……そう! 友達として好き、と!」
「……ともだちー?」
「なぜに不満顔か」
「ふっ、不満なんかじゃないよっ! え、えーっと、……と、とにかく、タカシがそうまで言うなら、ボクは普段の口調に戻すよ」
「だよもん星人にか」
「……タカシのいじわる星人」
 そんな異星人二人で登校しました。

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【男から告白された夢を見たツンデレ】

2010年03月25日
 夕暮れ迫る校舎裏で、気がつくと、ボクはタカシに話しかけられていた。
「……梓。あの、今さらなんだが、その……ええっと、なんだ。アレだ、……分かるな?」
「分かんないよ。あっ、アレって……昨日体育の着替え覗いたのやっぱりタカシなの!?」
「おまいは俺をなんだと思っているのだ。昨日は覗いてないぞ」
「昨日『は』?」
「ん、え、あ、その、言葉のアヤだ。本当に。……じゃなくて! 俺の話を聞け!」
「怪しいなぁ……で、なんなの? ボク、早く帰りたいんだけど」
「……あー、おまえ鈍いからとっとと言うな。……好きだ。俺と付き合え」
「え……えええええ!?」
「うるさい」
「え、でも……え!? ボクだよ、タカシがいっつもボクっ娘ボクっ娘言って馬鹿にしてるボクだよ!?」
「うるさい黙れ。惚れちまったんだ。諦めろ」
「え、あれ……ドッキリ?」
「なんでやねん」
「じゃあ……夢?」
 夢だった。
「……あぅぅぅぅ」
 両手で顔を押さえて、今見た夢のあまりの恥ずかしさに思わず身悶える。
「う、うう~……なんだよなんだよ、あれじゃボクがタカシに好きって言って欲しいみたいじゃんよぉ……」
 ああもぉ、自分で言ってて頬が熱くなってくるじゃん。タカシのばか。

「……あの、梓たん? 何か怒ってらっしゃいませんか?」
「別に!」
 いつもみたいにタカシと一緒に登校する。するけど、さっき見ちゃった夢のせいか、タカシの顔をまともに見れない。
「……ひょっとして、昨日体育の着替え覗いてたの、ばれた?」
「ええっ!? だって、昨日はしてないって言ったじゃん!」
「え? いや、んなこと俺一言も言ってないぞ?」
「あ……」
 それは夢の話だった。そこから連想して、またタカシのばかの告白を思い出しちゃう。
「そもそも俺は覗きなどしてなくて、ただ女体の神秘を探ろうとしただけなので先生に告げ口するのは勘弁して欲しいというか……梓?」
「な、なに?」
「顔真っ赤だが……調子悪いのか?」
「わ、悪くない悪くない! へーきだよ!」
 タカシの心配そうな顔が迫ってきたので、ボクは慌てて両手を振って平気なことをアピールした。
「そうか? よく分からんが、無理すんなよ。学校で調子悪くなったらちゃんと言えよ」
 そう言って、タカシはボクの髪を優しくなでた。
 ……なんだよ。普段いじわるなことばっかするくせに、なんでこういう時だけ優しいんだよ。ずるいよ、タカシ。
「子供のせいか、ボクっ娘の髪はほわほわで気持ちいいなぁ」
「子供じゃないよ、同い年だよっ!」
 前言撤回。やっぱタカシはいじわるだ。
「これはご冗談を。俺と同い年と言うなら、ちょっとは大人らしい所を見せてみるべし」
「ど、どっからどこ見ても大人だよ? ほ、ほらほら、うっふーん!」
 ボクは少しだけ肩をはだけて、タカシに見せ付けた。これでタカシもメロメロメローンになるはず!
「ちっともメロメロメローンにはならないです」
「ええっ!? ていうかなんでボクの考え分かるの!?」
「お前の考えてることくらい、全部まとめてまるっとお見通しだ」
「じゃ、じゃあ今考えてること言えよっ!」
「子供か」
「いーから言えよ、ほらっ!」
「んーと、目の前の人が大好きだなぁ、抱っこしたいなぁ、とか」
「な、ななななんでだよっ! そんなこと1ミリも考えたことないよっ!」
 ……1ミリってのは嘘だけど。
「しまった、そりゃ俺の考えだった」
「え……えええええっ!? それってそれってそれって、タカシがボクをボクをボクをす、すす……好きって、好きってコト!?」
「動揺しすぎだ」
「するよ、しまくりだよ! ロマンチックが欠片もない告白されたよ、どうするの!?」
「安心しろ、半ば冗談だ」
「…………」
「ありゃ、梓がフリーズした。再起動しないと」
「……もーっ!」
「しまった、再起動に失敗して牛になった」
「牛じゃないよっ! そんな冗談ダメだよ許せないよ乙女心を粉砕したよっ!」
「じゃあ今日から乙女心の変わりに男心をその小さな胸に宿せ。大丈夫、ボクっ娘なら立派なボクっ男になれる。太鼓判押そう」
「そんな太鼓判貰っても嬉しくないし、小さなってのは余計だよっ!」
「そう怒るでない。言ったろ、半ば冗談と」
「だから、そんな冗談は……」
「『半ば』だ。残りはどうだろうな」
「え……え? それって……え?」
「さって、ボチボチ学校着くな。とっとと行って温まるべ、梓」
 目を白黒させてるボクを置いて、タカシは先に行ってしまった。
「あっ、待ってよタカシ!」
 小走りでタカシの横に並んだけど、タカシはボクの方を見ようとしない。
「はぁはぁ……あのさ、さっきの話だけど、えと……タカシ?」
「なんですか」
「なんでずっと向こう見てるの? 人と話す時はちゃんと顔見ながら話さないとダメだよ?」
「寝違えたんだ」
「……ひょっとして、照れてるの?」
「……ふん」
 タカシの耳がどんどん赤くなっていく。
「……えへへっ♪」
「うわっ!?」
 その耳を見ているうちになんだか嬉しくなって、ボクは思わずタカシに腕に抱きついていた。
「あ、あの、梓たん、気のせいか俺の俺の腕に抱きついているような」
「気のせいじゃないの?」
「そ、そっかな」
「そうだよ♪」
 珍しくうろたえるタカシにくっついたまま、ボクらは校門をくぐった。

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【ツンデレな妹VSデレデレな姉5】

2010年03月25日
 朝飯食って、出すもん出して、お姉ちゃんと妹のカナがテレビの運勢チェックに夢中になってる間にそ~っと家を出る。
 うむ、たまには一人で登校するのもいいもんだ。
 なんて思ってたら、ものすごい衝撃が後頭部を直撃した。すごく痛い。
「はーっ、はーっ、兄貴、あたし置いてくのはともかく、姉ちゃん置いてくなよ!」
 カナが肩を上下させながら俺に怒鳴っていた。たぶん、手に持ってる鞄で殴られたんだろう。
「いや、その、気づかなくて」
「んなわけあるかッ!」
「ううううう~、タカくん酷い~」
 カナに怒られてると、お姉ちゃんがひどく頼りない足つきで走ってきた。
「やあお姉ちゃん、ご機嫌いかが?」
「タカくんに追いてかれたから悲しい~。めそめそ」
 お姉ちゃんが口でめそめそ言いながら泣きまねした。
「いや、これも全てはお姉ちゃんを鍛えるため。獅子は子を千仭の谷に落とすと言うし、俺もそれに倣ってみた」
「お姉ちゃんはタカくんのお姉ちゃんだから、子じゃないよ?」
「じゃあカナを落とそう」
「なんでよッ!」
 マンホールの蓋を開けようとしたら、頭を蹴られて地面とランデブー。
「いててて……まったく、カナは乱暴だな。嫁の貰い手がなくなるぞ」
「余計なお世話よ。それに、こう見えてもあたし結構もてるのよ?」
「…………」
「何よその目は! 信じてないわね?」
「……まぁ、最近はロリコンが増えてるしなぁ」
「誰がつるぺたかッ!」
 腹を貫く勢いでボディーブローが炸裂する。朝から吐きそう。
「カナちゃんは本当にもてるんだよ。大変だね、タカくん」
「大変って、何が?」
「ね、姉ちゃん! 何言ってんの!」
 なぜか慌てているカナが、お姉ちゃんの口を塞いだ。
「むーっ、むーっ」
「あ、あはははは、変な姉ちゃんだね」
 それならカナも大概変だが、それを言うとまた殴られるので黙っておく。
「けど、カナがなぁ……なんか、寂しいな」
「なにが?」
 お姉ちゃんを解放したカナが不思議そうに問い返した。
「いや、彼氏とかできたら、お前とこうやって一緒に登校したりするのも出来なくなるんだなって。それが、なんか寂しいなって」
「……大丈夫だって。あたし結構もてるけど、本当に好きな人には振り向いてもらえないし」
「何ッ! い、いるのか! 誰だ! 俺の知ってる奴か!?」
 カナの両肩に手を置き激しく揺さぶると、カナは目をさ迷わせた。
「え、え~と、その、……一応、知ってることになる、かな?」
「どんな奴だ! 変な奴だとお兄さん許さんぞ!」
「え、えっと、変だし馬鹿だけど、本当はすっごく優しくて、……その、ずっと一緒にいたいと思える人……かな」
 カナは俺を見つめながら、頬を染めて言った。
 変で馬鹿、だけど本当は優しくて一緒にいたいと思えるような奴……誰だ?
「渡辺か?」
「校長先生じゃないの! 違うわよ!」
「う~ん……となると」
「い、いいじゃない別にそんなの! 関係ないでしょ!」
「あるに決まってるだろ。大事な妹を任せるんだから、ちゃんと俺のお眼鏡に適う奴でないと」
「……そ、そう。……それなら、多分大丈夫だよ」
「えっ、それってどういう……」
「ほっ、ほら、いいから早く学校行こ! 遅れるよ!」
 カナは顔を赤くしたまま足早に学校へ駆けて行った。
「……どういうこと、お姉ちゃん?」
「お姉ちゃんをほっとくタカくんなんて、知らないもん。お姉ちゃんも行く!」
 お姉ちゃんにも置いてかれた俺は、首を傾げながらも学校へ向かうのだった。

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【ツンデレに押しかけられたら】

2010年03月24日
 物を書いて飯を食うようになって早数年。近頃はどうにか書き物だけで暮らしていけるようになった。
 ただ。まあ、なんというか、その。俺の小説の挿絵を書いてくれてる人がいるのだけど、この人がちょっと。
 いや、ありがたいんですよ? 俺みたいなのの小説に絵をつけてくれるなんて。毎回素晴らしい出来だし、そのおかげで売り上げも悪くないみたいだし。……ただなあ。
 とか思ってると、携帯が鳴った。液晶に映し出された名前に一寸身体の動きが止まる。とはいえ、出ないわけにもいかない。恐る恐る通話ボタンを押す。
『遅いッ! 早く出なさいよ馬鹿ッ!』
「ごめんなさい」
『まったく……んで、なんなの、これ』
「ふんぬっ! ……いや、ごめんなさい。超能力を今この瞬間に開花させ貴方が言っていることが何か探ろうとテレパシーで貴方の脳内を調べたものの、なしのつぶてで」
『いらんことはせんでいいっ! じゃなくて、アンタの今回の小説よッ!』
「はぁ」
『なんだってまたこんなシーンがあるのよッ! 論外よ、論外! どういうこと!?』
「いや、どうと言われても、どの箇所の事を差していっているのか分からないので、俺にもちっとも」
『……ああもう、埒が明かないわ。いいわ、今からアンタの家行くから、首洗って待ってなさいッ!』
「え、いや、でも今はまだ学校の時間ではないのだろうか。そして俺の首はそんなに臭うのだろうか。ふがふが……ふむ、よく分からん」
『そういう意味じゃないッ! いーから待ってるのよ、いいわねッ!?』
 はいともいいえとも言ってないのに、一方的に通話が切られた。嗚呼困った。
 ほどなくして、家政婦さんが誰か来たと怯えた様子で俺に伝えに来た。上がってもらうよう伝え、しばし待つ。
「来てやったわよ!」
 先ほど電話で話してた相手で、俺の小説の挿絵を描いてくれてるお嬢さん、智恵理が襖障子を勢いよく開けて部屋に入ってきた。
「頼んでません」
「何か言った!?」
「お腹が痛くなってきた」
「便所にこもるのは後にしなさいっ!」
 俺の頬をうぎーっと引っ張ってから、智恵理は学生鞄の中を探った。そして紙の束を取り出すと、俺に見せつけた。
「ほら、ここ! 何なの、これ!」
「ところで智恵理さん、学校は?」
「早退! 気になって授業どころじゃないわよ!」
 智恵理は学生という身分でありながらイラストレーターという肩書きも持つ、ダブル草鞋の人物だ。
 俺も以前はコンビニ店員と小説家モドキというダブル草履を履いていたが、近頃は小説家風味という草履だけ履けるようになった。……草履? ……ふむ、草履か。
「聞いてるの!? ……あー、また空想の世界に入ってる。聞きなさい!」
「みぎゃあっ」
 智恵理は自分のツインテールを持つと、俺の両目にざくりと突き刺したので超痛い。
「髪を武器にしないで」
「うるさいっ! ほら、ここ! 見なさいよ!」
「ツインテールが俺の視力を一時的に奪ったため、何も見えません」
 智恵理は再び俺の頬をうぎーっと引っ張った。引っ張られてもそんなすぐは回復しません。
「もー! まだ!?」
「ああ待て、徐々によくなってきた。徐々の奇妙な回復」
「イチイチ余計なことは言わなくていいのっ! ほら、回復したならコレ見なさいッ!」
「もがもが」
「食べるんじゃなくて見るの!」
 しかし、紙の束を顔に押し付けられている現在、見るのは大変に難しい。
「もが……ふむふむ。相変わらず俺の話は面白いなあわはははは!」
 紙の束は前に書いた俺の小説のコピーのようだ。とりあえずプライドを保つために大笑いしてみる。
「虚しい自画自賛はしなくていーの!」
 超ショックなので寝る。
「こら、寝るな! 意味わかんないわよ!」
「砂で出来たプライドの山が今の台詞で崩れたので復旧作業中だ」
「あーもう、めんどくさいわねぇ……こほん。わ、わー、このお話、とっても面白いー♪」
「台詞が超棒読みだったが、それでもなんとか元気を取り戻した俺をどう思うか。褒めるか?」
「面倒くさい」
 立ち上がった勢いのまま再び不貞寝。
「だーかーらーっ! イチイチ寝るなッ!」
「傷つけられたから今日は傷心記念日。なので一日寝る」
「だーっ、もうっ! 大人が簡単に傷つくな! ほら、起きろ!」
 俺の身体にまたがり、智恵理はべしべし人の頭を叩いた。
「一叩きにつき俺の脳細胞が一万破壊されることを忘れるな! あ、一万。あ、また一万。もう面白いのなんて書けない」
「うるさいのっ! ほら、起きる起きる!」
「いていて……いて?」
 髪を掴まれ上半身を起こしたが、そこで気づいた。智恵理の奴、俺にまたがってるのはいいが、スカートがまくれてますよ。グリーン地のパンツが俺に丸見えですよ。小さなリボンのアクセントが素晴らしいですよ。
「うん? 何を見て……っきゃああああ!!!」
「ぐへっ」
 気づかれたため、俺のみぞおちにナイスパンチが炸裂。内臓飛び出そう。
「みっ、見るなっ、ばかっ! えっちえっちえっち!」
「おげげぇ」
「おげげーじゃないっ! おっ、大人だったら注意しなさいっ、ばかっ!」
「うぐぐ……お、俺がそんな出来た大人なわけないだろう。パンツがあれば凝視する。当然だろ?」
「この変態変態変態っ!」
「ごめんね?」
「うう……まるで誠意が感じられないし」
「まあ、その、このシチュエーションは作品に役立たせていただきます。そこで、詳しく取材したいのでもう一度同じ状況を再現してはくれないでしょうか? 寝るので再び俺に乗り、スカートをまくってください」
 寝そべったらいっぱい殴られた。
「畜生、未成年だからって安心して犯罪を行いやがる……! こうなったらエロ小説もかくやと思うほど超緻密に書いてやる!」
「うっさい! ていうか、書くなッ!」
「担当からも言ってもらい、その場面を挿絵にするよう仕組んでやる」
「絶っっっっっ対、描かないっ!」
「頑なに描かないといいつつ、プロとして描かずにはいられない。資料として自身のパンツを見ながら、しかしやはり羞恥で頬は桜色に……おおっ、何やらイマジネーションが! ありがとう、智恵理! いいネタが浮かんだぞ!」
「うっ、浮かぶなっ、ばかっ! そ、それより、て、手っ! 掴まないでよっ!」
「あ、こりゃ失敬」
 喜びのあまり思わず智恵理の手を握ってしまっていた。慌てて離すと、智恵理は顔を赤くしながら手をぷらぷらと振った。
「……もー、ばか」
「いやははは。とまれ、ありがとな。思いがけずネタが手に入った」
「……まぁ、いいケドさ。あんまりえっちなの、やめてよね。……は、恥ずかしいんだからさ、描くの」
「仕事だろ。ていうか、お前が選ぶんじゃないのか、描く箇所は」
「だ、だって、こーゆーえっちなシーン描いた方が効果的だし……そりゃもちろん過剰にやりすぎたら逆効果だけどさ」
 恥ずかしくても、そういうところはプロなのな。ちょっと感心する。
「……な、何よ。勘違いしないでよね、本の売り上げが悪かったらあたしにも影響があるから描くだけだからねっ! アンタのどーしようもない話なんてどーでもいいんだからっ!」
「ぐふっ、うっ、うぐっ……」
 面と向かってどうしようもない話と言われたので、全力で傷ついた。
「泣くなっ! 大人でしょうがっ! ……な、何よ。私が悪いみたいじゃない」
 もういい。どうせ書いててもさっきのような心ない誹謗中傷が襲ってくるだけだ。辞めよう。で、死のう。
「……うー、も、もう。ほ、ほら。泣かないの」
 智恵理は申し訳なさそうに俺の頭をなでた。
「ど、どーしようもない話だけど、つまんなくないことはない……よ?」
「……抱腹絶倒?」
 ちらりと顔を上げ、智恵理に伺う。
「い、いや、そこまではいかないけど」
「やっぱり死のう」
「絶倒! 抱腹絶倒だから! だから死なないのっ!」
「なんだそうか。……いややっぱりな、俺の書く話は天下一面白いからな! わーっはっはっはっは!」
「はぁ……疲れる。この情緒不安定大人が」
 智恵理はちょっと安心したような顔で俺の頬をぐにーっと引っ張った。
「わはは。それで、今日のご予定は?」
「ん? ……あーっ、そうよ! もーっ、忘れてたじゃないの! この馬鹿!」
 俺のせいではないよね、と頬を再び引っ張られながら思った。
「んっと……ここ、これ!」
 智恵理は床に落ちてたコピーを拾い上げ、目的の箇所を差しながら俺に見せた。
「ふむ……ああ、新キャラの悠里が主人公にパンツを見られるシーンな」
「なんだってアンタの小説は毎回毎回毎回毎回パンツを見られるシーンがあるのよっ! 何ルール!?」
「空想の中くらいは思う存分パンツが見たいからです」
 即答だったのに殴られた。
「だって現実でスカートまくってパンツ見たら怒られるんです。いや、怒られるどころか捕まる始末。この世界はおかしい」
「おかしいのはアンタの頭っ! なんだってこんなシーン描かなくちゃいけないのよっ! 絵にするあたしの気持ちになれっ!」
「いつも感謝してます」
「そっ! ……そ、そんなの当然じゃない、ばーか」
 深々と頭を下げると、智恵理は困ったように顔を赤くしながら悪態をついた。居心地が悪いのか、ツインテールの毛先をいじくりながら視線をさ迷わせている。
「……で、でさ。……このシーン描かなくちゃいけないから、その……」
「ん、ああ。例の」
「れっ、例のとか言うなっ! そんな言うほどしてないっ!」
 ともかく、例のアレの準備をする。襖をしっかり閉め、カーテンを閉める。
「こっちはOKだぞ」
「せ、急かさないでよ」
 智恵理は鞄からデジカメと三脚を取り出すと、布団の近くに置いた。そしてファインダーを覗き、位置を調整した。
「ん、ここでいいわね……よし、っと」
「じゃあ、そういうことで」
 智恵理がセルフタイマーのようなものを押したようなので、俺は急いで布団の上に寝そべった。これでこちらの準備は全ておーけー。
「う、うー……い、言っとくけどね、したいからしてるんじゃないからねっ! 作画に使う写真のためだからねっ!」
「はいはいはい」
「……う、うーっ」
 智恵理は俺に下半身にまたがって立つと、顔を真っ赤にしながらスカートの裾をゆっくりと上げた。徐々に露になる太ももとパンツにお兄さん大変だ。
 ……一応智恵理の名誉のために言っておくと、別に智恵理が突然露出癖に目覚めたのではなく、挿絵の参考にする写真を撮るだけだ。こんなことを頼める友人もいないようで、いつも作者である俺が被写体にされる。そして俺は誰に言っているのだ。
「あっ、あんまりジロジロ見るなっ、ばかっ!」
「い、いや、見る姿勢を収めることが大事なのではないかと」
「目を開ける必要はないじゃないっ! は、早くつむりなさいっ、馬鹿っ!」
「分かった、明日のこの時間につぶる」
「いまっ! いまつむるのっ!」
 わーきゃー言ってる間にすっかりスカートはまくり上がり、完全に智恵理のパンツはその姿を現した。 薄いグリーンに映える小さなリボン、そして何より下方にうっすら刻まれている食い込みが俺の理性を粉砕しているのがよく分かる。
「見るな見るな見るなーっ!」
「仕事って大変だよね」
 食い込みを凝視しつつ脳内のHDDに保存していると、シャッターが連続で切られた。タイマーが作動したようだ。
「ううううう……アンタのせいっ! アンタがえっちなシーンばっか書くからこんなことする羽目になんの! もっと高尚なの書きなさいよ、ばかーっ!」
「次回はお風呂のシーン入れてやる」
「書くな、ばかーっ!」
 パンツをふるふる震わせながら写真を撮られまくる智恵理だった。

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【雪大好きなツンデレ】

2010年03月24日
 寒いなぁと思ってたら雪が降ってたので喜び勇んで外に出て遊んでると寒くて鼻水出た。
「……何やってんの」
 ティッシュがないので雪で鼻拭いてると、えらく着膨れたかなみと遭遇した。
「雪遊び。一人寂しくかまくら作ってた」
「ふーん。で、そこにあるの何?」
「雪だるま」
「……あのさ。自分で言ってておかしいとか思わないの?」
「確かに。俺一人で寂しく遊んでるというのに、誰も一緒になって遊んでくれないのはおかしい。全部政治のせいだ」
「おかしいのはアンタの頭よ。ったく、こんな寒いのに外で遊ぶなんて……正気を疑うわね」
 そう言って、かなみは小さく身体を震わせた。
「一見すれば羊と間違わんばかりにもこもこのくせに、寒そうだな」
「あら、羊みたいにもこもこで可愛いってこと? タカシもお世辞を覚えたのね」
「可愛いなんて言った覚えもないのに……なんという自尊心、驚くばかりの自画自賛!」
「なんか知んないけどムカつくわね……」
 なんかほっぺ引っ張られた。
「それより俺と一緒に遊びませんか? 今なら俺と一緒にかまくらを作れるびっぐちゃんす!」
「嫌よ。タカシと遊ぶのも嫌なのに、雪で遊ぶなんてもってのほかよ」
「そか、残念」
 無理に勧めるのもなんなので、諦めて引き続き一人で遊ぼう。
「……あ、あのさ、タカシがどうしてもって言うなら、一緒に遊んであげなくもないんだけど……」
 雪を固めていると、足で雪をつつきながらかなみがそんなことを言った。
「や、別にいい」
「……あっそ!」
 そう言って、かなみは俺の作った雪だるまの元に行くと、素晴らしいハイキックを雪だるまの頭部に見舞った。
 雪だるまの頭部は砕け散り、まるでスイカ割りの後のような惨状になってしまった。目の代わりに埋めたみかんが悲しげに俺を見つめている。
「なな、何をする! 俺の親友だるまんを……よくも!」
「雪だるまを親友って……アンタ、結構寂しいわね」
「それに蹴るなら、ちゃんとパンツが俺に見えるように蹴れ! 折角スカート穿いてんだから、パンツを見せる義務があるかとぐべっ」
 力説してたら雪玉が飛んできて俺の口の中に入った。おいしくない。
「このえっち! えっち男! 男えっち!」
「し、失敬な! エッチじゃない! ただかなみのパンツを見たいだけだ! できれば写真に収めたい! いい?」
 連続して雪玉が飛んできた。ダメのようだ。とにかく謝って怒りを治めてもらう。
「まったく、謝るくらいなら最初からバカなこと言わなけりゃいいのに……」
 そもそも俺の雪だるまを壊した奴が悪いのだけど、言うとまたヘソを曲げられるので黙っておく。
「で、かなみさん。雪を投げるくらいなら一緒にかまくら作りません?」
「べ、別にあたしはそんなのしたくもないけど、どうしてもって言うなら別に……」
「じゃあ別に」
「どうしてもって言うなら遊んであげるわよっ!」
 両手を組み、目を吊り上げて射抜くような視線で俺を睨むかなみ。
 ……ああ、ここはドラクエで言うところの「はい」「いいえ」のどっちを選んでも一緒な選択肢なんだなぁ。
「……どうしても、かなみと一緒にかまくら作りたいです」
「そ、そう? まったく、アンタもお子様ねー♪」
 色々言いたかったけど、なんだかすごく楽しそうな笑顔でスコップを取りに行ったので、まぁいいか。

「……ふぅ。結構大変だったわね」
 雑談しながら雪と格闘すること数時間。小さなかまくらが完成した。
「しっかし、狭いわねー。これじゃ一人入るだけで精一杯ね」
「じゃあ俺が」
 もそもそ入ろうとしたら止められた。
「こういう時、普通レディーファーストじゃない?」
「俺は男女平等主義なんだ。だからかなみが俺と一緒に風呂に入ろうと言うなら、喜んでご一緒します。一緒する?」
「しないっ!」
 思い切り頬を引っ張られて痛い痛い。
「とにかく、あたしが先! これは宇宙が出来る前から決まってる事なのよ」
「や、そういう電波話は壁にでも話してもらうとして」
「電波話とか言うな!」
 本人も多少恥ずかしかったのか、ちょっと頬が赤い。
「強度が分からんのでな。一応俺が先に入って調べたいと思うのですよ。突然崩れたらアレだし」
「あ、そうなんだ。……あたしのこと、心配したってコト?」
 まだ恥ずかしさが残ってるのか、かなみの頬に赤みが増す。
「まぁ、かなみが入った途端かまくらが崩れ、そのまま生き埋めになり捜索の甲斐なく春まで見つからない未来も楽しそうだけど」
「こんなちっちゃい場所探すだけで春にならないっ! あーもう、やっぱあたしが先入る! 先入ってアンタが入れないよう、フタする!」
「何っ!? こんな苦労して入れないのは嫌だ! 俺が先だ!」
 かなみと押し合いながら入り口に突進する。
「うぐぐぐ……せ、狭い」
「ちょ、ちょっと、なんでアンタもいるのよ」
 どちらかが弾かれると思ったが、二人してかまくらの中に入ってしまった。しかし、中は非常に狭くてかなみと抱き合うような形で固まってしまった。
「うう、狭い……かなみ、ちょっとでいいから痩せて」
「痩せてるわよっ! この馬鹿、この馬鹿、この馬鹿!」
 狭いというのにかなみの奴は無理やり手を動かし、俺の頭を何度も叩いた。
「動くな、動くと崩れる!」
「アンタなんかと抱き合ってるより、崩した方がいいわよ!」
「し、しかし、折角かなみと共同で作り上げたものを、こうも簡単に崩すのは、その……」
「う……し、しょうがないわね! ……も、もうちょっとだけ我慢してあげるわよ」
 それから数十分、目の前にある真っ赤な顔の持ち主と何も喋らず、ただ黙って抱き合ってた。

「……まぁ、雪ん中いりゃ、風邪ひくわな」
「う、うるさいっ! なんでアンタ風邪ひかないのよ!」
 その後、かなみだけ風邪ひいて、見舞いに行きました。
「健康だけが自慢です」
「あたしが風邪ひいたの、アンタのせいよ! この馬鹿この馬鹿この馬鹿!」
「すげー元気じゃん」
「空元気よっ!」
 自分で言うな。
「とにかく、責任とって……そ、その、……ちゃんと毎日見舞いに来なさいよ。い、いいわねっ!」
「えー、めんどくさい」
「……ど、どうしてもとは言わないけど」(涙目)
「任せろ! 見舞いは俺の十八番さっ!」
 我ながら女性の涙に弱すぎると思った。

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