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2017年09月24日
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【男から告白された夢を見たツンデレ】

2010年03月25日
 夕暮れ迫る校舎裏で、気がつくと、ボクはタカシに話しかけられていた。
「……梓。あの、今さらなんだが、その……ええっと、なんだ。アレだ、……分かるな?」
「分かんないよ。あっ、アレって……昨日体育の着替え覗いたのやっぱりタカシなの!?」
「おまいは俺をなんだと思っているのだ。昨日は覗いてないぞ」
「昨日『は』?」
「ん、え、あ、その、言葉のアヤだ。本当に。……じゃなくて! 俺の話を聞け!」
「怪しいなぁ……で、なんなの? ボク、早く帰りたいんだけど」
「……あー、おまえ鈍いからとっとと言うな。……好きだ。俺と付き合え」
「え……えええええ!?」
「うるさい」
「え、でも……え!? ボクだよ、タカシがいっつもボクっ娘ボクっ娘言って馬鹿にしてるボクだよ!?」
「うるさい黙れ。惚れちまったんだ。諦めろ」
「え、あれ……ドッキリ?」
「なんでやねん」
「じゃあ……夢?」
 夢だった。
「……あぅぅぅぅ」
 両手で顔を押さえて、今見た夢のあまりの恥ずかしさに思わず身悶える。
「う、うう~……なんだよなんだよ、あれじゃボクがタカシに好きって言って欲しいみたいじゃんよぉ……」
 ああもぉ、自分で言ってて頬が熱くなってくるじゃん。タカシのばか。

「……あの、梓たん? 何か怒ってらっしゃいませんか?」
「別に!」
 いつもみたいにタカシと一緒に登校する。するけど、さっき見ちゃった夢のせいか、タカシの顔をまともに見れない。
「……ひょっとして、昨日体育の着替え覗いてたの、ばれた?」
「ええっ!? だって、昨日はしてないって言ったじゃん!」
「え? いや、んなこと俺一言も言ってないぞ?」
「あ……」
 それは夢の話だった。そこから連想して、またタカシのばかの告白を思い出しちゃう。
「そもそも俺は覗きなどしてなくて、ただ女体の神秘を探ろうとしただけなので先生に告げ口するのは勘弁して欲しいというか……梓?」
「な、なに?」
「顔真っ赤だが……調子悪いのか?」
「わ、悪くない悪くない! へーきだよ!」
 タカシの心配そうな顔が迫ってきたので、ボクは慌てて両手を振って平気なことをアピールした。
「そうか? よく分からんが、無理すんなよ。学校で調子悪くなったらちゃんと言えよ」
 そう言って、タカシはボクの髪を優しくなでた。
 ……なんだよ。普段いじわるなことばっかするくせに、なんでこういう時だけ優しいんだよ。ずるいよ、タカシ。
「子供のせいか、ボクっ娘の髪はほわほわで気持ちいいなぁ」
「子供じゃないよ、同い年だよっ!」
 前言撤回。やっぱタカシはいじわるだ。
「これはご冗談を。俺と同い年と言うなら、ちょっとは大人らしい所を見せてみるべし」
「ど、どっからどこ見ても大人だよ? ほ、ほらほら、うっふーん!」
 ボクは少しだけ肩をはだけて、タカシに見せ付けた。これでタカシもメロメロメローンになるはず!
「ちっともメロメロメローンにはならないです」
「ええっ!? ていうかなんでボクの考え分かるの!?」
「お前の考えてることくらい、全部まとめてまるっとお見通しだ」
「じゃ、じゃあ今考えてること言えよっ!」
「子供か」
「いーから言えよ、ほらっ!」
「んーと、目の前の人が大好きだなぁ、抱っこしたいなぁ、とか」
「な、ななななんでだよっ! そんなこと1ミリも考えたことないよっ!」
 ……1ミリってのは嘘だけど。
「しまった、そりゃ俺の考えだった」
「え……えええええっ!? それってそれってそれって、タカシがボクをボクをボクをす、すす……好きって、好きってコト!?」
「動揺しすぎだ」
「するよ、しまくりだよ! ロマンチックが欠片もない告白されたよ、どうするの!?」
「安心しろ、半ば冗談だ」
「…………」
「ありゃ、梓がフリーズした。再起動しないと」
「……もーっ!」
「しまった、再起動に失敗して牛になった」
「牛じゃないよっ! そんな冗談ダメだよ許せないよ乙女心を粉砕したよっ!」
「じゃあ今日から乙女心の変わりに男心をその小さな胸に宿せ。大丈夫、ボクっ娘なら立派なボクっ男になれる。太鼓判押そう」
「そんな太鼓判貰っても嬉しくないし、小さなってのは余計だよっ!」
「そう怒るでない。言ったろ、半ば冗談と」
「だから、そんな冗談は……」
「『半ば』だ。残りはどうだろうな」
「え……え? それって……え?」
「さって、ボチボチ学校着くな。とっとと行って温まるべ、梓」
 目を白黒させてるボクを置いて、タカシは先に行ってしまった。
「あっ、待ってよタカシ!」
 小走りでタカシの横に並んだけど、タカシはボクの方を見ようとしない。
「はぁはぁ……あのさ、さっきの話だけど、えと……タカシ?」
「なんですか」
「なんでずっと向こう見てるの? 人と話す時はちゃんと顔見ながら話さないとダメだよ?」
「寝違えたんだ」
「……ひょっとして、照れてるの?」
「……ふん」
 タカシの耳がどんどん赤くなっていく。
「……えへへっ♪」
「うわっ!?」
 その耳を見ているうちになんだか嬉しくなって、ボクは思わずタカシに腕に抱きついていた。
「あ、あの、梓たん、気のせいか俺の俺の腕に抱きついているような」
「気のせいじゃないの?」
「そ、そっかな」
「そうだよ♪」
 珍しくうろたえるタカシにくっついたまま、ボクらは校門をくぐった。

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