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2019年10月15日
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【雪大好きなツンデレ】

2010年03月24日
 寒いなぁと思ってたら雪が降ってたので喜び勇んで外に出て遊んでると寒くて鼻水出た。
「……何やってんの」
 ティッシュがないので雪で鼻拭いてると、えらく着膨れたかなみと遭遇した。
「雪遊び。一人寂しくかまくら作ってた」
「ふーん。で、そこにあるの何?」
「雪だるま」
「……あのさ。自分で言ってておかしいとか思わないの?」
「確かに。俺一人で寂しく遊んでるというのに、誰も一緒になって遊んでくれないのはおかしい。全部政治のせいだ」
「おかしいのはアンタの頭よ。ったく、こんな寒いのに外で遊ぶなんて……正気を疑うわね」
 そう言って、かなみは小さく身体を震わせた。
「一見すれば羊と間違わんばかりにもこもこのくせに、寒そうだな」
「あら、羊みたいにもこもこで可愛いってこと? タカシもお世辞を覚えたのね」
「可愛いなんて言った覚えもないのに……なんという自尊心、驚くばかりの自画自賛!」
「なんか知んないけどムカつくわね……」
 なんかほっぺ引っ張られた。
「それより俺と一緒に遊びませんか? 今なら俺と一緒にかまくらを作れるびっぐちゃんす!」
「嫌よ。タカシと遊ぶのも嫌なのに、雪で遊ぶなんてもってのほかよ」
「そか、残念」
 無理に勧めるのもなんなので、諦めて引き続き一人で遊ぼう。
「……あ、あのさ、タカシがどうしてもって言うなら、一緒に遊んであげなくもないんだけど……」
 雪を固めていると、足で雪をつつきながらかなみがそんなことを言った。
「や、別にいい」
「……あっそ!」
 そう言って、かなみは俺の作った雪だるまの元に行くと、素晴らしいハイキックを雪だるまの頭部に見舞った。
 雪だるまの頭部は砕け散り、まるでスイカ割りの後のような惨状になってしまった。目の代わりに埋めたみかんが悲しげに俺を見つめている。
「なな、何をする! 俺の親友だるまんを……よくも!」
「雪だるまを親友って……アンタ、結構寂しいわね」
「それに蹴るなら、ちゃんとパンツが俺に見えるように蹴れ! 折角スカート穿いてんだから、パンツを見せる義務があるかとぐべっ」
 力説してたら雪玉が飛んできて俺の口の中に入った。おいしくない。
「このえっち! えっち男! 男えっち!」
「し、失敬な! エッチじゃない! ただかなみのパンツを見たいだけだ! できれば写真に収めたい! いい?」
 連続して雪玉が飛んできた。ダメのようだ。とにかく謝って怒りを治めてもらう。
「まったく、謝るくらいなら最初からバカなこと言わなけりゃいいのに……」
 そもそも俺の雪だるまを壊した奴が悪いのだけど、言うとまたヘソを曲げられるので黙っておく。
「で、かなみさん。雪を投げるくらいなら一緒にかまくら作りません?」
「べ、別にあたしはそんなのしたくもないけど、どうしてもって言うなら別に……」
「じゃあ別に」
「どうしてもって言うなら遊んであげるわよっ!」
 両手を組み、目を吊り上げて射抜くような視線で俺を睨むかなみ。
 ……ああ、ここはドラクエで言うところの「はい」「いいえ」のどっちを選んでも一緒な選択肢なんだなぁ。
「……どうしても、かなみと一緒にかまくら作りたいです」
「そ、そう? まったく、アンタもお子様ねー♪」
 色々言いたかったけど、なんだかすごく楽しそうな笑顔でスコップを取りに行ったので、まぁいいか。

「……ふぅ。結構大変だったわね」
 雑談しながら雪と格闘すること数時間。小さなかまくらが完成した。
「しっかし、狭いわねー。これじゃ一人入るだけで精一杯ね」
「じゃあ俺が」
 もそもそ入ろうとしたら止められた。
「こういう時、普通レディーファーストじゃない?」
「俺は男女平等主義なんだ。だからかなみが俺と一緒に風呂に入ろうと言うなら、喜んでご一緒します。一緒する?」
「しないっ!」
 思い切り頬を引っ張られて痛い痛い。
「とにかく、あたしが先! これは宇宙が出来る前から決まってる事なのよ」
「や、そういう電波話は壁にでも話してもらうとして」
「電波話とか言うな!」
 本人も多少恥ずかしかったのか、ちょっと頬が赤い。
「強度が分からんのでな。一応俺が先に入って調べたいと思うのですよ。突然崩れたらアレだし」
「あ、そうなんだ。……あたしのこと、心配したってコト?」
 まだ恥ずかしさが残ってるのか、かなみの頬に赤みが増す。
「まぁ、かなみが入った途端かまくらが崩れ、そのまま生き埋めになり捜索の甲斐なく春まで見つからない未来も楽しそうだけど」
「こんなちっちゃい場所探すだけで春にならないっ! あーもう、やっぱあたしが先入る! 先入ってアンタが入れないよう、フタする!」
「何っ!? こんな苦労して入れないのは嫌だ! 俺が先だ!」
 かなみと押し合いながら入り口に突進する。
「うぐぐぐ……せ、狭い」
「ちょ、ちょっと、なんでアンタもいるのよ」
 どちらかが弾かれると思ったが、二人してかまくらの中に入ってしまった。しかし、中は非常に狭くてかなみと抱き合うような形で固まってしまった。
「うう、狭い……かなみ、ちょっとでいいから痩せて」
「痩せてるわよっ! この馬鹿、この馬鹿、この馬鹿!」
 狭いというのにかなみの奴は無理やり手を動かし、俺の頭を何度も叩いた。
「動くな、動くと崩れる!」
「アンタなんかと抱き合ってるより、崩した方がいいわよ!」
「し、しかし、折角かなみと共同で作り上げたものを、こうも簡単に崩すのは、その……」
「う……し、しょうがないわね! ……も、もうちょっとだけ我慢してあげるわよ」
 それから数十分、目の前にある真っ赤な顔の持ち主と何も喋らず、ただ黙って抱き合ってた。

「……まぁ、雪ん中いりゃ、風邪ひくわな」
「う、うるさいっ! なんでアンタ風邪ひかないのよ!」
 その後、かなみだけ風邪ひいて、見舞いに行きました。
「健康だけが自慢です」
「あたしが風邪ひいたの、アンタのせいよ! この馬鹿この馬鹿この馬鹿!」
「すげー元気じゃん」
「空元気よっ!」
 自分で言うな。
「とにかく、責任とって……そ、その、……ちゃんと毎日見舞いに来なさいよ。い、いいわねっ!」
「えー、めんどくさい」
「……ど、どうしてもとは言わないけど」(涙目)
「任せろ! 見舞いは俺の十八番さっ!」
 我ながら女性の涙に弱すぎると思った。

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