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2024年04月27日
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【犬子 ランカ扱い】

2012年11月04日
「マクロスFの歌を聴いてたらランカが可愛く思えてきたので、代わりにお前を可愛がっていいですか?」
「私に対してものすっごい侮辱だよ、符長くんっ!」
 冒頭から何やら怒ってる犬子だ。カルシウムが足りないのだろうか。
「骨食べる?」
「怒ってる人を相手に犬扱いをやめないの!? 逆にすごいよ!」
「いやあ。でへへへ」
「褒めてないよっ!」
「薄々だが感じ取ってはいたんだが、その感覚を無視して全力で照れた俺だった。だが、その選択は過ちだったようだな」
「はぅー……」
 今日も犬子は俺にはぅーって感じの顔を見せる。
「って、はぅーじゃないよ! ランカちゃんの代わりってことは、やっと私を普通の人間って認識してくれたの?」
「いや、いつもお前が『犬耳じゃないわん! ランカちゃんの髪型と一緒だわん! わふわふ、ご主人さま。なでなでしてくださいですわん!』と言ってるのを思い出し、飼い主としてたまには飼い犬の言うことを聞いてみるかと思ったのです」
「酷い捏造だよ! 最初のランカちゃんの髪型のくだりしかあってないよ! 私は語尾にわんなんてつけてないもん!」
「可愛いのに」
「可愛くても! ……あ、あと、別に符長くんはご主人さまじゃないもん」
「いや、ご主人さまだ。お手」
「違うのにぃ……」
 それでも律儀に俺の手に自分の手を重ねてくれる犬子は優しい奴だと思う。
「それじゃあランカの代わりに可愛がるので、服を脱いで股を開け」
「超お断るよっ! それに、可愛がるなら何かの代用品じゃなくて、ちゃんと私として可愛がってよ!」
「なんてえろい台詞だ。これは興奮する」
「え? ……ち、ちちちちち違う違うよっ!? そ、そーゆー意味じゃないんだよっ!」
「なんだ。頭なでまくったり抱っこしたりほっぺにちゅーしたりしたがったが、そういう意味じゃなかったのか。いや、俺の早とちりでいらぬ恥をかくところだった。はっはっは」
「…………」
 何やら犬子方面から熱い視線を感じる。
「あー……あのね、符長くん?」
「いいえ」
「そこは否定しちゃダメだよっ! 符長くんでしょ!?」
「ふははは、ばーれーたーかー」ガオー
「……今更だけど、符長くんって変だよね」
「はい。お前は善人だから言い難いだろうが、嫌になったらいつでも友達やめてくれていいぞ。迷惑をかけてまで犬子の善意に甘えるつもりはないから」
「ちょーっぷ!」
「なんか弱々ちょっぷが俺の頭部に振り下ろされたかと思ったが、それは弱々ではなく銀河を引き裂くほどの威力を有したチョップであった。俺の身体は真中から綺麗に左右に別れてしまった。今日から俺はシンメトリー人間です」
「嘘説明はいーのっ! ……そーゆー自虐的なこと言うの、禁止」
「う。い、いや、しかしだな、自虐とかでなく客観的な事実として、俺の学校での評判はあまり」
「禁止なのっ!」
「はいっ」
 半泣きで言われては断れない。
「うー……符長くんのそーゆーとこ、ダメだよ。自分で自分を嫌いになっちゃ、誰も符長くんのこと好きになってくんないよ?」
「いやはや」
「いやはやじゃないのっ! ……ま、まあ、私は、その。……アレだけど」
「本当は誰よりも俺を毛嫌いしていると。つまり、今の俺に対する友好的な態度はあとで裏切るための布石か。なんて酷い奴だ!」
「違うよっ! ものすっごく好きだよっ! ……あ」
「…………」
「む、無言で赤面するの禁止禁止禁止っ! い、今のは違うのっ! ち、ちょっとした間違いっていうか! そーゆーのっ!」
「そ、そうだよな。は、ははは」
「……ま、まあ。その、そーゆーワケだから、はい」
「?」
 犬子は両手をこちらに投げ出した。意味が分からんので握手する。
「えへへへー♪ ……じ、じゃなくて」
「すごい笑顔でしたね」
「説明しなくていーのっ! ……そ、そじゃなくて、抱っこ」
「…………」
「だ、だから、無言で赤面しなくていーのっ! あ、アレだもん、毛嫌いなんてしてないって証明するための証拠を見せるためだもん。だ、だから抱っことかしてもらってもいいんだもん」
「あ、信じてるので大丈夫です」(NOという感じの手を突きつけながら)
「こんな時に限って物分かりがいい!? 今日も悪辣だよ、符長くん!」
「わはは。……じゃあ、その。抱っこして、いい?」
「……え、えと。……や、優しく、ね?」
「精神的にノーブルであろうとしている俺なので、女性にはいつも優しく接する努力は怠っていないとの噂だから安心しろ」
「素直にうん、って言えばいいのにぃ……」
「緊張すると口数って増えません?」
「あ、符長くんも緊張してるんだ。……えへへ、一緒だね♪」
「いや、数多の女性と床を共にしたことがあるので特に緊張してません」
「……そ、そなんだ。……符長くん素敵だし、しょがないよね。……そだよね」
 犬子の精神が暗黒へ落ちていくのを感じる。ものすごい落ち込みようだ。
「なんで信じるか。人を信じる心は尊いが、犬子のそれは少々危ういな」(なでなで)
「嘘なの!? ……も、もー♪ 符長くんの嘘つきー♪」
「急に犬子がご機嫌体質になった。嘘をつかれると喜ぶ特殊性癖なのだろうか。よし、ひとつ喜ばせてやろう。饅頭怖い」
「別にそーゆーわけじゃないよ! ……符長くん、落語好きなの?」
「いや、玉子焼きが好きだ」
「そーじゃないよ! そしてそれは知ってるよ! お弁当作ったら、いっつも嬉しそうに食べてるもんね」
「お前の作る玉子焼きは砂糖が入ってて甘くて好き」
「えへへへー。お母さん直伝なんだよ?」
「そっか。そのうち挨拶行かないとなあ」
「へ? ……え、えええええっ!? き、気が早いよっ! さすがに学生でそーゆーのはちょっと! まだちゅーもしてないし! ……で、でも、どしてもっていうなら、私は別に、その……いいよ?」
「お宅の娘さんがいつも俺に脅迫されて弁当作らされてますよって教えないとな」
「超違うよっ! 純然たる善意だよっ! そして勘違いが恥ずかしいよっ!」
「キミは大変愉快だな」
「好きで愉快なんじゃないよっ! 今日も符長くんはいぢわるだよっ!」
「わはは。……落ち着いたか?」
「えっ、あっ。……えへへ、さすがはノーブルだね?」
「存分に憧れ俺のファングッズを買いあさって俺を肥え太らせろ」
「えへ、ノーブルが裸足で逃げちゃったよ。……じゃ、いい?」
「うむ」
 鷹揚にうなずき、ドッキンばぐばぐアニマルな心臓をごまかしつつ、犬子を抱っこする。
「は、はぅ……」
「あ、うすぺたい!」
「言わなくていいの!」
「しまった、こんなところで正直者の心が邪魔をするとは! あ、でもつるぺた大好きですから大丈夫ですよ?」
「……うぅー。……怒りにくいじゃない、ばか」スリスリ
「なんかスリスリされた!?」
「イチイチ言わなくていいのっ! 折角どさくさでやったのにっ!」
「や、失敬。びっくりした模様」
「……まあ、符長くんのドキドキしてる心臓に免じて許しちゃうよ」
「びっくりしたからね。ドキドキも仕方ないね。びっくりしたからね」
「抱っこの最初からドキドキしてたよ?」
 ごまかせてなかった様子。くそぅ、恥ずかしい。
「えへへ。いっぱい抱っこしたらそのうち慣れるから、そしたらだいじょぶだよ?」
「え、そんなにするの」
「……べ、別に符長くんがしたくないならいいけど」(半泣き)
「か、勘違いしないでよねっ! したくないわけじゃないんだからねっ! ただの確認なんだからねっ!」
「わ、ツンデレだ!」
「時折ツンデレ語を喋りたくなる病気なんだ」
「……やっぱ符長くんって、変わってるよね」
「そう言う人もいるよね」
「あ、自虐やめた。えへへ、偉い偉い」ナデナデ
「偉かろう偉かろう。存分になでるがいい」
「なんか可愛くない……」
「……かっ、代わりに犬子が可愛いからいいじゃないか」
「え、あ、う……」
「なぜまっすぐに照れる」
「ふ、符長くんこそ顔真っ赤だよ! 普段ならそーゆー軽口もへーきなくせに、今日に限ってどもったりしてるし!」
「体温と触感と嗅覚を同時に攻められては、童貞には抵抗の術はないよ」
「あ、まだしたことないんだ。……よかったぁ」
「ほう?」
「い、一般論でね!? 簡単に誰とでもするような人って信用出来ないなーって、それだけだよ!? ……ほ、ホントに」
「なるほど、よく分かる話だ。犬子の信頼に応えられるよう、これから10年は誰ともそういうことはしないでいよう」
「べ、別にそこまでする必要はないと思うよ? ほ、ほら、よく知ってる好きな人との間なら、別にだいじょぶだと思うし」
「なんだ。じゃあそこらの女性と親しくなって経験しよう」
「う~~~~~!」
「と思ったが、犬子が情けない顔で睨むのでやめておこう」
「ほっ。……あと、情けなくなんてないもん。怒った顔だもん」
「お前の怒り顔は迫力がないんだよな。ちょっとそういう顔をしてみてくれ」
「こ、こう? ……うー」
 犬子は自分なりの怒り顔を見せた。ただ、俺には眉を寄せて困ってるようにしか見えない。
「可愛い」(なでなで)
「お、怒った顔なのに……も、もー♪」
 といった感じでイチャらイチャらできたが、途中からランカを可愛がりたいという感情は頭の中から消えていた。
「恐るべきは犬ぢからか……!」
「こんな甘々空間なのにまだ犬扱いだったの!?」
 なんか驚いてる犬子だった。

拍手[28回]

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Comment
No title
なんだこの友達以上バカップル以上
符長もげろ
無題
これは末長く爆発するべき
そしてもげるべき
無題
く、口から砂糖が!!
これはもうもげても仕方がないな!
無題
符丁もげるべし
無題
あれ、こいつらチューしたことなかったっけ?
無題
そろそろちゅっちゅさせてあげてほしいけど、今のいちゃいちゃがずっと続いてほしいっていう思いもあるんですよね
無条件に自分のことを肯定し、大好きでいてくれる存在を持つ符長は幸せものだなぁ...うらやましいです
No title
次は犬子は俺の嫁というタイトルでお願いします
No title
犬子、可愛い~。キラッ☆
無題
犬ぢから…
恐るべきものだ…
無題
もげろ符長
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