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2024年04月30日
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【ツンデレに理想郷について話したら】

2012年11月10日
 こんなにネコミミが好きなのに、この世界ときたら女の子にネコミミを生やしやがらねえ。
「おかしいと思いませんか!?」プンスカ
「……思う」
「よもや賛同を得られるとは! よし、一緒に神を成敗しにいこうではないか、ちなみ!」
「……ただ、まあ、タカシがおかしいのはいつものことなので、殊更言う必要もない気もする」
「いや、俺の頭の話ではなくて、この世界のコトワリをね。ちなみに、俺の頭はおかしくない」
「……名前を呼ばれた。本当にタカシは私が好きで好きで困る。迷惑なので自殺しろ」
「呼んでねえ。『前に述べた事柄に、あとから簡単な補足などを付け加えるときに用いる。ついでに言うと、という意味合い』のちなみに、という言葉を使っただけです。あと、自殺はしたくないです」
「……また呼ばれた。そして自殺はしろ」
「嫌だっての」
 ちなみの眉間をむぎゅーっと押して断りをいれる。
「……そこでもいいけど、もうちょっと眉寄りのトコ押したら、もっと眼精疲労が取れるのに。これだからタカシは使えない」
「お仕置きで疲労を取ろうとするな」
 とはいえ、一応眉頭の周辺を押してやる。
「む。ちなみ、押しにくいのでちょっと顔を上向きにして」
「むっ。……人の身体を小さいと申すか」
「申すのです」
「……申されては仕方ない」
 顔が上向きになったので、両手の親指でくいくいとちなみの眉をマッサージする。
「んー。んぅ。んー」
「うるさい」
「……気持ちよさのアピール中なのに。タカシにはがっかりだ」
「がっかり。……そう思いだした、がっかり世界だ! ネコミミの話をしてたのに、どうしてちなみのマッサージをしているのか! こんなことしてる場合じゃない!」
「……うーん。顔のマッサージのあとは、おっぱいのマッサージをしないと。誰かしてくれないかなあ」
「あっ! 丁度俺なんか上手だと思いますよ! なんか嫌な予感がしますが全力で気にしないことにします!」
 元気よくハイと手を上げて立候補する。
「……じゃあ、頑張れ」
「ハイ!」
 そんなわけで、くいくいくいとちなみの顔をマッサージする。
「んー。結構上手だね、タカシ」
「金取れそうなレヴェルか?」
「……唇の下っかわを噛んで発音しているので、お金は取れない」
「抜かった! こんなところで帰国子女の弊害が出ようとは……!」
「……この国から出たことないくせに」
「アイ ドント ハブ ア パスポゥト」
「発音がカタカナ。……ん。もーいーよ」
「しまった、マッサージに夢中になるあまりかくれんぼをしていたことに気づかなかった! これでは即座に捕まってしまう!」
「……もーいーよ、という響きからかくれんぼだと連想、思うがままに言ったと推測」
「当たり」(なでなで)
「…………」(ちょっと嬉しい)
「それで、お、お、お、おっぱいマッサージの話ですが!」
「?」
「おっぱい! おっぱいマッサージですよ! ほら、よく知らないけど大きくするために揉んだりするんでしょう!? ありえないですよね! 揉みたいから言いませんが! だけどまあ、ありえないですよね!」
「……本当にタカシはロリコンなんだなあ。ちなみ」
「みつを、みたいに言うな」(なでなで)
「ふふん。……まあ、なんだ。おっぱいマッサージとか、させるわけない」
「ですよねー。分かってたんです。本当に分かってたんです。だけど、一縷の望みに託したんです」
「ふははははー。ばーか」ペシペシ
 高らかに笑いながら人の頭をぺしぺしするちなみ。こっそり背伸びしてるが、気づかないフリをしてあげるのがマナーです。
「ええい。でもまあ、ちなみの顔をむいむいするのもそう悪くなかったので、まあいいや」
「むっ。……そこは、私に怒ってくれないと、困る」
 言葉通り、さっき俺がマッサージしてたちなみの眉が困ったように八の字を描いた。
「困られても困る。そもそも怒るの嫌いなんです」
「ばーかばーかばーか。……怒った?」(くりっと小首を傾げつつ)
「あまり」(なでなで)
 ちなみの顔がますます困っていく。可愛い。
「……ううううう。……怒れ。おーこーれ」ペシペシ
 両手を振り上げ、ちなみは俺の頬をぺしぺし叩いた。だが、もともと非力なので、鬱陶しいだけでちっとも痛くない。
「ああもう、分かった分かった。えーと、このー!」
「……もっと真剣に怒れ」
「これでなんとかなりません?」
「……やれやれ。これだからタカシは」
 どうして俺が呆れられてる段になってるのか。
「……まあいい、場は整った」
 そう言うと、ちなみはコホンと咳払いをひとつして、懐から何か取り出した。
「……まあまあ、そう怒るな。……このネコミミに免じて許してはどうか」
「ね、ね、ね、ね、ネコミミだぁ!!!」
 そう。ちなみが懐から取り出したのは、果たして俺が渇望して止まない、ネコミミ(のカチューシャ)だったのだ!!!
「……そうちゃーく。ふにゃーん」ネコミミモード
「あああ可愛いなあ。ちなみは可愛いなあ。ねこちなみんは可愛いなあ」(なでなでなで)
「ふにゃーん。くにゃーん」
「あああああ」(なでなでなで)
「……鼻息が荒い」(迷惑げ)
「興奮してるからね!」(なでなでなで)
「……うーん、気持ち悪い」
「はい! すいません! はい!」(なでなで)
「……なで量が減ってる。そんなのでショックを受けるな。いつものことだろうに」
「ご褒美と受け取ろうと努力はしたのですが、どうにも!」(なでなで)
「……やれやれ」(ぽふぽふ)
「ん?」
「……ここに座りたい、と猫が申している」(ぽふぽふ)
 ちなみがぽふぽふと俺の腿を叩く。
「つまり、お膝に乗せて抱っこの許可が出たということでいいんですか!?」
「……のー」
「チクショウ! この世界はいつもこうだ! 期待させるだけ期待させて最後に裏切る! ええい、憎らしい! ええい!」
「……怒った?」
「怒った!」
「……やったー。やっとタカシを怒らせることに成功。ぶい」
「ぶいじゃねえ」
「……じゃあ、満足したので、膝に座らせろ」
「え」
「……怒らせるための嘘だった。膝には座りたい、と猫が申している」
「なんと。この猫はなんて素敵なのだ!」
 というわけで、猫のためにあぐらをかいてその時を待つ。
「ど、どうぞ」
「ふにゃーん」ポフリ
「ネコミミにゃんにゃんが俺の膝に!!!」
「……とてもうるさい。やめておけばよかった」ウンザリ
「時すでにお寿司! 大変にお寿司! ふはははは!」(なでなで)
「……寿司。お寿司食べたい。にゃー」
「あ、今度一緒に食べに行こっか?」
「……ふにゃ」コクコク
「よし、ネコミミ娘とのデートにこぎつけることに成功! その時が楽しみだ!」
「デートではない。……あ、当然だけど、その時は普通のちなみとして行くので、ヨロシコ」
「ええっ!? そしてヨロシコ!?」
「ふにゃふにゃ」スリスリ
「だけどまあ今現在ネコミミの娘さんがふにゃふにゃ言いながらスリスリしてきたからまあいいや!」
「……あ、当然全部おごりね」
「え。いや、それは一介の学生にはちょっとだけ難しいような。もちろん無理すればできるのですが、それでも」
「くにゃーん」スリスリ
「おごりとか当然じゃあないですか!」(なでなで)
「……たやすし」
 自分でもそう思うます。

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