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2019年10月18日
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【帰宅するとツンデレに「ごはんにする?お風呂にする?それとも死ぬ?」と言われました】

2010年01月25日
 学校から帰ると梓が三つ指ついて出迎えてた。
「今日もお疲れさま、あなた。ごはんにする? お風呂にする? それとも……ぼ、ボク?」
「状況が全く飲み込めないが、ここで貴様以外を選択する理由が見当たらんので梓で!」
「は、はぅぅ……や、優しくしないと嫌だよ?」
「完全了承! では、いざ!」
 ルパンダイブで梓に飛びついたのに、目の前には床。棚の上で目覚まし時計がじりりんと。

「……つまり、夢オチという最悪の結果だったので、やり直しを求める」
「夢のボクの責任を現実のボクに求めるなっ!」
 登校して朝の出来事を梓に話したら、どういうことか怒られた。
「まあそう言うなよ、朴さん」
「梓だよっ! どこの人だよ!」
「や、ボクボク言ってたから間違った。それで朴さん、どうだろうか」
「間違ったままだよ! 梓って呼べ!」
「ん、んん。……梓?」
「……そ、そだよ。それでいいんだよ」
 低音の魅力を満載して名前を呼んだら、梓は顔を赤くしながらうんうんうなずいた。
「で、でもまた間違える可能性があるから、もっかい呼んで? ……べ、別にボクの名前呼んでほしいだけじゃないよ?」
「分かってるよ、朴さん」
「もう間違ってる!?」
「そういうわけで、朴さんを騙くらかして出迎えさせることに成功した」
「間違ったまま勝手なナレーションを流された!?」

「そんなわけで放課後なのですが、梓さん」
「ようやっと名前が戻ったよ……今日ずーっと朴さん朴さん言われてたから、半ば朴さんになりかけてたよ」
「相変わらずの頭の悪さに安心しました」
「朴さんぱんち!」
 朴さんぱんちを片手で避け、空いた手で梓のほっぺを引っ張りながら説明を続ける。
「朝にも言ったように、今から俺を出迎えてもらう。拒否は許されない」
「うーっ! ううーっ!」
「日本語でお願いします」
「……ぷはっ。ほっぺ引っ張られてたから喋れなかっただけだよっ!」
「む、それはすまない。次は乳首を引っ張ります」
「謝罪でセクハラ宣言するなっ、ばかっ!」
「ごめんね。じゃ、まず梓には俺の家に入ってもらう。で、俺好みのコスチュームに着替え、そして俺を出迎えてもらいます」
「色々問題が山積みだけど……コスチュームってなに?」
「ふく」
「それは完っぺきに分かってるよ! なんでタカシのためにコスプレなんかしなくちゃならないって聞いてるんだよ!」
「俺が小躍りするから。もし不満なのであれば、大踊りしますが」
「踊りの規模が不満じゃないの! なんだよ、大踊りって!」
「おおおどり、と“お”が三つも並ぶ景気のよい言語です」
「説明が説明じゃない!?」
「衣装はセーラー服、ブルマ、スクール水着、魔法少女、と種々様々取り揃えております。アイテムもエプロン、おたま、ネコミミ、魔法少女の杖、縦笛、ランドセルと色々あります」
「病気の人だ!!!」
 断言されると辛い。
「お勧めはスクール水着とランドセル、そしてネコミミです。にゃーとか言え」
「本気の目だよ!?」
「じゃ、よろしく。着替えてなかったら全裸調教な」
「悪魔がここに降臨してるよ!」
 なんかわにゃわにゃ言ってる梓を家に押し込む。
「うわ、ホントにいっぱいある。ていうか、朝の内に準備してたんだ……」
「用意周到だろ? 策士と呼んでくれ」
「策士はネコミミとか魔法少女の服とか持ってないと思う」
 ぐぅの音も出ないことを言われつつ、しばし待つ。
「梓ー、もういいかー?」
「ま、まだ! ……ね、ねぇタカシ。本当に着なきゃダメ?」
「んー、嫌なら別にいいよ。ただ、ちょっとだけ外を裸で歩いてもらうけど」
「全裸調教だろっ! 分かったよ、着るから待ってろ!」
「早くしないと俺が寒くて辛いです」
「知らないよっ!」
 それからしばらく寒風に吹かれてたら、自信なさげな声がドアの奥から聞こえてきた。
「い、いちおー着たけど……変でも笑うなよ?」
「分かった、笑わない。欲情するだけにするよ」
「もータカシはそこで一生過ごせっ!」
 それは大変辛そうな一生なので、なんとか謝ってご機嫌を取り戻す。
「んじゃ、今から帰るので、出迎えてくださいね」
「わ、分かったよ……」
 軽く髪と服を整え、ドアを開ける。
「や、やあ。いま帰ったよ」
「え、えと……お帰りなさい、タカシ。あの、ごはんにする? お風呂にする? それとも死ぬ?」
「最後ので! ……おや?」
「やったー! えへへっ、ボクの作戦勝ちーっ♪ どーせタカシのことだから、最後に『ボクにする?』って言うと思っただろ? えっへっへー、ボクの勝ちー♪」
 やたら嬉しそうにくるくる踊ってるボクっ娘を見るのは大変楽しいですが、してやられたのは悔しい。
「んじゃね、死んで?」
「自分の発言だ。仕方ない、死のう。でも、その前にひとつだけ」
「ん? なに?」
「大変可愛いですね」
「う……」
 梓は俺が先ほど言ったスク水+ランドセル+ネコミミというフル装備をしていた。お釈迦さまでも一撃でダウンするほどの可愛さを誇っているので頭がおかしくなります。
「だ、だって、どんなの着たらいいか分かんなかったもん! なんかさ、こんなのがいーって言ってたし……」
「少々記号が多くて乱雑になるかと思ったが……なかなかどうして、素晴らしいじゃないか! にゃーとか言え」
「言うもんか! いーから早く死ぬの!」
「ふむ。じゃ、死ぬので可愛いポーズをとれ」
「へ? なんで?」
「梓の可愛さのあまり悶死する、という方法を採ったので。さ、お早く」
「よ、よく分かんないけど、分かった。えと……こう?」
 梓は四つんばいになり、右手を顔の横に添え、くいくいと手招きした。
「え、ええと……にゃー?」
「ちょっと俺の部屋に行こうね」
「間違いなく何かされる!? ていうか、こら! 触るな!」
 梓をお姫さま抱っこして連れ去ろうとしたら、ぺこぽこ叩かれた。
「いやぁははは可愛いなあチクショウ!」
「泣きながら笑ってる!?」
「……何やってんのアンタら」
 突然振って沸いた声に後ろを振り向くと、見慣れた顔。
「やあ母さん。なんというタイミングのご帰還か」

「……まあね、梓ちゃんも色々あるかもしれないけど、これは選ばない方がいいよ」
「ふふ。実の親にこれ呼ばわりされる事実」
 母さんにべこんぼこんにされ、さらに縄でぐるぐる巻きにされ、部屋の隅っこに転がされています。
「あ、あの、やりすぎじゃ……」
「あ、いーのいーの。これくらいじゃ死なない程度には鍛えてるから」
「虐待じゃないのか鬼婆」
「黙れ火星人」
「ぐはあっ!」
 思わぬ反射ダメージを喰らい、致死ダメージを受ける。
「え、火星人……?」
 梓には何のことか分かってないのがせめてもの救いか。
「あー……。あのね、梓ちゃん。火星人って言うのは」
「説明するな俺を産んだ人!」
 俺の願いは届かなかった。
「あ、あの、タカシ? ぼ、ボクは気にしないよ?」
 梓に慰められるということが俺のプライドを大層傷つけます。
「しくしくしくしく」
「あっはっは! あー楽しかった。そこで泣いてる馬鹿、後で玄関片付けて置くように。それから梓ちゃん、そろそろその頭おかしい服を着替えたほうがいいんじゃない?」
「頭おかしいとは何だ! スク水にネコミミにランドセルだぞ!? こんな可愛いのに、可愛いのに……!」
「親に自分の性癖を力説するな」
 もっともなことを言って、母さんは部屋から出て行った。続けて梓も出て行こうとしたが、こちらに小走りでやってきた。
「あ、あのね。……ホントに可愛いって思った?」
「ん? そりゃ、もちろん」
「そ、そっか。……あ、あのさ。また着てあげよっか?」
「マジで!?」
「う、うん。……べ、別にタカシのためにじゃなくて、ボクがちこっと気に入ったからだよ? ……ほ、ホントに」
「理由はどうでもいい! またその格好を見れるのであれば、悪魔に梓の魂を売ることも厭わない!」
「自分のを売れ! ……えへへっ、でも、そんな好きなの?」
「うん。とっても可愛いよね」
「へ、へへ、えへへ……そ、そう? ボク、可愛い?」
「超可愛い。結婚してえ」
「けっ、けっ!? そそそんなまだ早いよ! でっ、でもどーしてもって言うならボクは!?」
「メダパニ」
「う~……とっ、とにかくまたねっ!」
 梓は顔を真っ赤にして部屋から出て行った。大変楽しかったので、今度は母さんがいない時間帯を狙ってまたしたいです。

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