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2017年12月11日
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【ボクっ娘の家にお呼ばれ】

2010年04月26日
 料理のレパートリーが増えたので食べてみて、とボクっ娘の家にお呼ばれされた。
「何作れるようになったんだ?」
 何か作ってる梓の後姿に問いかける。
「んとね、クリームシチュー。タカシ、シチューって好き?」
「残飯以外ならなんでも食うぞ」
「……なんで素直に好きって言えないかな」
「照れ屋なんだ」
「照れ屋は普通自分でそう言わないよ。……はいっ、できあがり」
 梓はテーブルの上に大き目の鍋を置いた。蓋を取ると、中から暖かそうな湯気が立ち昇った。食欲をそそる匂いが部屋に立ち込める。
「おお、うまそうだ。早く食いたいと食欲が訴えております」
「待ってよ、今お皿に入れるから……はい、どうぞ」
 制服エプロン姿の梓から皿を受け取り、いただきます。
「……どう?」
「おいしい」
「食べてないじゃん! 食べてから感想言ってよ」
「ずずず……おいしい」
「……ホントかなぁ。タカシってなんでも美味しいって言うから信用ならないよ」
「そんなことないぞ。この間あんまり腹へってティッシュ食ったけど不味かった。あれだけは食わん方がいい」
「言われなくても食べないよ! で、ホントの所、どうなの?」
「ちょっと待ってくれ。ずずずずず……おかわり」
「あははっ、綺麗に食べたね。言わなくても分かっちゃった」
 梓は嬉しそうにおかわりを入れてくれた。
「梓って何気に料理うまいよな。お前と結婚する奴は幸せだな」
「そ、そっかな? ……ね、タカシが結婚するとしたら、ボクみたいな子ってどうかな?」
「…………」
 なんつー質問をするのだろうか、この娘さんは。
「どしたの? タカシ」
「……こほん。ええとそうな、梓の外見は身長:ちび 体格:ぺたんこ 一人称:ボク となっております」
「……あってるけど、なんだかすごく馬鹿にされてる気がする」(ほっぺぷくー)
「中身は……怒りっぽくてすぐ泣く。子犬みたいにふらふら着いてくる。撫でられるとふにゃふにゃになる」
「……そういう風に言われると、もうちょっと大人にならなくちゃって思うよ」
 梓は肩を落として落ち込んだ。
「まぁ、それら全てを複合して……ええと、まぁ、悪くない……かな?」
「……えっ?」
「い、いや、結婚とかよく分からんけど、一緒にいて楽しければいいんじゃないか? その点、梓は一緒にいても嫌どころか楽しいし」
「そ、それってボクと結婚してもいいってこと?」
「なっ! なに言ってんだよお前!」
「た、例えばの話だよ、例えば! 何顔真っ赤にしてんだよ、タカシ馬鹿みたい!」
「う、うっせ! お前こそタコみたいに顔真っ赤だぞ!」
「ぼ、ボクは顔赤くなんかないもん! タカシだけだもん!」
「どう見ても真っ赤だ、真っ赤!」
「うー!」
「がるるるる!」
 梓とにらみ合う。
「……そ、そんな話はどうでもいい。シチューが冷めちまうから、食うぞ」
「う、うん、そうだね」
 なんだか空々しい空気の中、俺は黙ってシチューをすすった。いつまで経っても梓の顔の赤みは取れず、俺の顔は熱を放っていた。

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