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2019年10月15日
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【星を見て綺麗と言ったツンデレにお前のほうが……って言ったら】

2010年02月15日
 部活をしていたら腹が減ったので部活の面子と一緒にラーメンを食いつつだべってたら、随分と遅くなってしまった。現在夜の8時、子供は帰る時間です。男子として、女子を送らねば。
「流石にこんな時間だし、送ってくよ」
 男子連中が女の子たちを送ろうと打診している中、帰る方向が一緒ということで、俺もみことにその旨を伝える。
「結構だ。むしろ、貴様に送られる方が不安だ」
 人の善意をごく自然に踏みにじるみこと嬢。人をなんだと思ってやがる。
「何もしないよ。本当だよ。きっとしないという噂だよ。もししたら、罰としてしっぺしてもいいよ」
「なんだその罰は! 何かする気満々ではないか! 絶対に貴様などに送ってなどもらわん!」
 みことは一人でとっとと歩き出してしまった。友人たちに別れの挨拶を告げてから、慌てて追いかける。
「待て、待てって。冗談に決まっとろーが。お前みたいなのでも女の子なんだから、一人で帰るな、馬鹿」
 早足でみことの元まで走り、隣を歩く。
「馬鹿は貴様だ、馬鹿」
「ばかって言う方がばかなんですー」
「子供か」
「ストライクポイントが? まあ、そうなんですが! そういえばみことも子供体型で嬉しい限りですねウヒヒヒヒ」
 無言で鼻っ柱を殴られ鼻血が止まらないが、一緒に帰ることはなんとか許可を頂いた。
「はぁ……まったく、どうして貴様はそんなに変態なのだろうな」
「いや、俺が特別変態というわけではないと思うぞ。ただ、俺が人より心のうちをポンポン言うので変態扱いされるんじゃないか?」
 鼻にティッシュを詰めつつ、そんなことを言ってみる。
「分かっているなら自重しろ、変態」
「みことに嘘をつくのは嫌なんだ」
「んなっ……きっ、貴様はなんでそういうことをさらっと……この、ばかっ!」
「痛い痛い痛い!」
 なんか知らんがみことが赤い顔で俺を攻撃するので痛い。
「むー……」
「なんで殴ったお前が不服そうなんだよ……」
「うるさいっ、ばかっ!」
 なんか何を言っても殴られるので、黙って歩く。口を開くと怒られるので、なんとはなしに空を見上げる。ぽつぽつとだが、星が瞬いていた。
「……こんな住宅街でも、結構星が見えるものなのだな」
 そのまましばらく星を眺めながら歩いてたら、俺にならって星を見ていたみことがぽつりとつぶやいた。
「そだな。ほら、あの星なんてはっきり見えるぞ」
「ああ、あれはデネブだな」
「あー。なんか、昔習ったような」
「その隣がベガ、その隣がアルタイル。この三つを夏の大三角形という」
 まるで先生のような口ぶりに、思わず口元が緩む。
「な、なんだ。……どうせ、私が星の名前を知ってるなんて、似合わないとでも言いたいのだろう」
「や、そうじゃなくて」
「ふん。いいじゃないか、私が星に詳しくても」
 みことはぷいっと顔を背けてしまった。うーむ、誤解なんだがなあ。
「……私のような人間でも、星を見て綺麗と思う心はある」
「……そだな。確かに星は綺麗だな」
 けど、と言って、一旦言葉を止める。……うむ、ちょっと照れ臭いが、言っちゃおう。
「お前の方が綺麗……だと、思う」
 隣の人物がえらい勢いでこっちを向く気配があるが、こっちはこっちでえらい勢いでそっぽを向いたので確認できないし、したくもない。
「……は、恥ずかしい事を言う奴だな、お前は」
「いや、全く。らしくもないが、嘘を言った覚えはない」
「……う、うー」
 唸り声がしたかと思ったら、服の裾を掴まれた。
「恥ずかしい奴め。恥ずかしい奴め。恥ずかしい奴め」
 そんな声と共に、腹あたりをぐりぐりされる感覚。たぶん、頭をぐりぐり押し付けられているのだと思うが、ちょっとわけありで視線が明後日の方向に固定されているので確認できません。
「何度も何度も言うな。自覚はしてるんだから」
「……うー」
 うーうー唸り続けるみことを連れ、夜道を散歩するかのようにゆっくりゆっくり帰った。結局最後まで目を合わせられませんでした。

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