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2019年10月18日
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【うさぎちなみん】

2010年05月31日
 たまにはこっちから誘おうとちなみを探したら、うさぎに着替え中でした。
「…………」
 ものすごい殴られたけど、どうにか生きてる奇跡。
「……うさぎです。ぴょんぴょん、うさ」
 それでもちゃんと名乗るちなみは律儀だと思う。
「……うさぎは、寂しいと死ぬといいます」
「いや、それ迷信」
「……兎ちなみは、寂しいと死にます」
 断言されると、信じるしかない。
「……死んで欲しくなかったら、かまってください」
 そう言って、ちなみは両手を広げて俺を見上げた。
「……まー、ちなみに死なれると困るしな」
 俺は、ちなみをぎゅっと抱きしめた。
「……わ」
 そのまま少し強く抱きしめる。ぎゅっ、ぎゅー。
「は、はうぅ……」
「これでいいか?」
「……も、もっと、です」
 ぎゅっ、とちなみの方から抱きついてきた。負けじと俺も抱きしめる。
 ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅぎゅぎゅー。
「……これ、予想以上にいいです。……すごく、落ち着きます」
「ああ、確かに……」
 ちなみの体は小さく、俺の胸にすっぽり収まる感じだ。抱き枕にちょうどいいかもしれない。
 その時、チャイムが鳴った。
「あ、授業行かないと……」
 手を離そうとすると、強く抱きしめられる感覚。
「……まだ、です。まだ、……充電が、足りません」
「いや、んなこと言っても授業が……俺、よくサボるから単位そろそろ危ないし」
「……なら」

 必殺の策を携え、教室に戻る。少し遅刻だ。
「あー、すいません先生。ちっと遅れました」
「遅いぞ、別……」
 俺を見て、先生が絶句する。それを尻目に、自分の席に着く。
「ちょ、ちょっとタカシ」
「ん?」
 隣のかなみが話しかけてきた。
「……どしたの、それ」
 かなみの指差す先……つまり、俺の首に腕を回し、しがみついている兎ちなみを見て、当然の疑問を口にする。
「うさぎだから、仕方ない」
「……です、うさ」
 俺に続けてちなみが言った。
「はぁ? うさぎ?」
「……まぁ色々あるんだ。気にしないでくれ」
 うさぎの頭をなでると、気持ちよさそうな鼻声を出して俺の胸に顔をこすりつけた。
「~♪」
 機嫌のよさそうなちなみを見ていると、目が血走り、鼻息荒く、残り少ない髪を剥げ落としならがこちらへ向かってくる教師のことなんてどうでもよくなってくるよね。

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