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2019年10月15日
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【三連休、一度も男と会えずじまいで終わりそうなツンデレ】

2011年07月19日
 なんか急に欠員が出たとかで、この連休はずーっとバイトしてた。超疲れた。
 そんな連休の最終日。その日は珍しく早めに上がれた。疲れたおっぱい! 疲れたおっぱい! と心の中で回復呪文を唱えながら家まで歩いてると、うなだれた様子のかなみが前から歩いてきた。
 どうしたんだろう、と少し心配になっていると、かなみが顔をあげた。目が合った。なんかこっちに走ってきた。逃げる。
「逃げるなあああああ!!!」
「すいませんバイトのお金が入るのはまだ先なんです今はないんです助けてぇ!」
「人聞きの悪いこと叫ぶな、馬鹿!!!」
 とりあえず公園があったので逃げ込む。しかし、バイトの疲れもあり、足がよろけて超無様に転んだところを捕まえられた。
「ぜーっ、ぜーっ……な、なんで逃げるのよ、馬鹿」
 かなみは俺に馬乗りになり、襟を掴んだ。このまま絞め殺すのか!?
「いや、追いかけられると逃げる習性が俺の遺伝子には備わっていましてね」
「もー……無駄に疲れたじゃないの、馬鹿」
「いやはや、すいません」
「……それで、さ。なんで、ずーっとあたしを避けてたのよ」
「……はい?」
「だ、だから! ……この連休中さ。ずーっとあたしを無視してさ。携帯に連絡しても返事くんないし。メールしても無視するし」
「へ?」
「へ、じゃないわよ! わざとでしょ! わざと無視してたんでしょ! アンタなんかに無視されても平気だけど! 平気だけど! なんかムカつくじゃない!」
「いやいや痛い痛い」
 襟を掴まれたまま激しく揺さぶられたため、頭が地面にがっつんがっつん当たって超痛い。しかし、ここが公園でよかった。地面が芝生だからまだ大丈夫だが、コンクリなら今頃脳がでろりと出ているに違いない。
「わははは」
「あに笑ってんのよ!」
 自分の死体を想像し思わず笑ってしまったが、そんなタイミングではなかったために叱られた。
「や、失敬。ええとだな、ここ数日ずーっとバイトで家に帰ると疲れてバタンQという生活を繰り返していたのだ。結果、携帯の確認を怠っていたがために起こった悲劇ではなかろうか」
「え? ……そなの?」
「そうなの。毎日朝から晩までバイト漬けでな。いや、疲れた疲れた」
「……今までいっぱい悪口言われた腹いせに、無視してたんじゃないの?」
「するわけねーだろ馬鹿」
「あいたっ!」
 かなみにデコピンしてやる。全く、変な勘違いをしおって。
「う~……痛いじゃないのよ」
「それくらい我慢しろ馬鹿。つーかだな、悪口を言ってたって自覚はあるのだな」
「う……そ、それは、まあ。……怒ってる?」
「怒りのあまり変身をあと一回残してるのに頭がエクレアみたいな状態のまま死んでしまいそうだ」
「どこのフリーザよっ! ていうか最後死んでるし!」
「しまった」
「しまったじゃないわよ……それで、結局のところ怒ってるの?」
「怒ってない」
「ホントに?」
「本当に。というか、お前と一緒にいて悪口言われるたびに怒ってたら身がもたねーよ」
「……なによ。それって、あたしがずーっとアンタの悪口言ってるみたいじゃないのよ」
「違わないのか?」
「ちが……わないけどさ。ふん。馬鹿。意地悪」
 かなみは俺の顔に何度もチョップした。軽くだからいいが、結構痛い。
「割れます。顔が割れます」
「知らないわよ。あのさ、それでさ。今日もバイトだったの?」
「だったの。や、疲れた疲れた」
「そなんだ。……あ、あのさ、そのさ。ひっ、膝枕、したげよっか?」
 …………。え?
「ちっ、違うのよ!? 勘違いしないでよね! なんか誤解して追いかけちゃったこととか今までいっぱい悪口言っちゃったとかそーゆーのの罪滅ぼしのためだけで!?」
 かなみは顔を真っ赤にして、あわあわしながら言葉を並べた。
「あ、うん。まあ、その、なんちうか、してくれると嬉しいです」
「う、うん、うん。……じゃ、じゃあ、そこのベンチいこ」
 そんなわけで、近くのベンチに二人して腰掛ける。時刻は宵闇迫る夕刻、人気はない。しかも、公園の木々がうまい具合に俺たちを道路から隠してくれている。
「じゃ、じゃあ、どぞ」
「う、うむ」
 かなみの太ももに頭をのっける。ふにょっとして超気持ちいいのでこのまま寝てしまいそうです。
「ど、どう? 気持ちいー?」
「気持ちー。乳の脂肪が全部太ももにきているがための気持ちよさなのでしょうね」
「…………」
 無言で頬を超つねられた。割と本気で取れるかと思った。
「嘘ですごめんなさい頬を取らないで!」
「ふんだ。ばか」
「でも、いつだって言ってるけど、俺はお前の貧乳具合が大好きですよ?」
「そんなの言われて喜ぶ女の子なんていないっ!」
「でも、お前は喜んでるよな」
「よっ、喜ぶわけないじゃない! な、なに言ってるのよ、ばかっ!」
「表情と口調は怒ってるけど、その頬の赤さを俺の目から隠せまい!」
「えっ!? ちっ、ちちちっ、違うわよ、これは夕日に照らされて赤く見えるだけなのっ! アンタに好きとか言われて喜ぶわけないじゃない!」
 そう言ってる最中に、どんどん頬が赤くなっているのは指摘しない方がいいのだろうな。
「かなみは可愛いなあ」
 なので、感想だけ言うことにした。
「かっ、可愛いとか言うなっ、ばかっ! えっち!」
「いていていて」
 すると、沢山殴られたので言うんじゃなかった。
「はぁ……まったく、なんで殴られるって分かっててそーゆーコト言うかなあ」
「我慢できなかったんだろうね、きっと」
「自分のことなのに他人事みたいに……ほんっと、アンタって変な奴よね。ばーかばーか♪」
 かなみは楽しそうに笑いながら俺の頬をうにうにと押した。
「かなみ」
「んー、なに?」
 いつまでもその笑顔を見ていたいが、これだけは言っておかなければならない。
「また今度さ、一緒に遊びに行こうな」
「……ど、どしてもって言うなら、行ってやらないでもない」
 かなみはまたしても顔を赤くして、明後日の方向を見ながらぽしょぽしょと呟くのだった。

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