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2026年03月18日
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【マヨネーズを召還できる姉ちなみん】

2010年04月02日
「……タカくん、タカくん」
 部屋で仰向けになり漫画を読んでると、いつぞやのようにちなねえが俺の腹をつんつん突付いてきた。
「……タカくん、タカくん」
 何度も何度も突付かれるが、面倒事に巻き込まれそうなので放置。
「……ぐすっ、タカくん、タカくん」
「無視されたくらいでいい歳の大人が泣くなッ!」 
 上半身を跳ね起こし、ぐすぐす泣くちなねえを一喝する。
「……だって、タカくん無視するんだもん。……お姉ちゃんは、少し悲しくなりました」
「だからって泣くなよ。子供か……」
「……タカくんはお馬鹿だから知らないだろうけど、お姉ちゃんはタカくんより年上です」
「知ってるよ! 馬鹿じゃねえよ! あーもー、この見た目子供姉がっ!」
「……そんなひどいことを言う弟を懲らしめるため、お姉ちゃんは新しい召還獣を手に入れました」
 また襲われたら敵わないので逃げようとしたら、ちなねえが俺の上に乗ってきた。
「なにすんだよっ!」
「……逃げたらダメー。……なむなむ、マヨネーズさんマヨネーズさん、出て来いはよーん」
 一連の召還の動作を行い、煙から出てきたのは……マヨネーズそのものだった。
「……召還獣?」
「……召還まよねーず。……なんと、通常のまよねーずの三倍くらい栄養たっぷりなのです」
 すごい? とちなねえの瞳が訴えているが放置。
「いや、あのさ、ちなねえ。その、出てけ」
「これでタカくんのマヨネーズ嫌いを克服です。……ささ、ぐぐーっと」
「むあっ!?」
 あろうことか、ちなねえはマヨネーズを俺の口に無理矢理注ぎ入れた。口いっぱいにマヨネーズ味が広がる。
「……ぶああああっ!」
「うわぁ」
 栄養はともかくとてもマズイので思い切り吐き出すと、ちなねえはちっとも驚いているようには聞こえない叫び声をあげた。
「……うー、いっぱいついた」
「う、ちなねえが白濁とした液体まみれに」
 これは……イカンですよ。イケナイ想像をしてしまいそうですよ。
「……まったく。タカくんがいっぱい出すから、顔にまで白いのがついちゃったじゃないですか」
「……ちなねえ、その言い方はヤメテ。なんか、違うこと想像しそう」
「違うことって……あっ! ……た、タカくんはえっちですね」
 ちなねえは不満そうに少し頬を膨らませた。
「と、とにかくもういいだろ? ほら、早くどいてくれよ」
「……まだです。えっちなタカくんには、もっとお仕置きが必要です」
 無理矢理口にマヨネーズを注ぎ入れて、まだお仕置きが必要と言うちなねえ。そこまでエッチは悪なのか?
「……あ、まよねーず、なくなっちゃいました」
 ちなねえの持つマヨネーズは、すでに空になっていた。……すげー勢いで注ぎ込んでたもんな。
「そ、そりゃ残念だな。諦めろ、ちなねえ」
「……まだです。……私の体に、タカくんが吐き出したまよねーずがついてます」
「え……」
「……な、舐め取ってください」
「えええええ!?」
「……うるさいです」
「えっ、いや、ちょ、ちなねえ? 大丈夫? 頭働いてるか? 起きてる?」
「……弟に馬鹿にされて、ちょっとショックです。……いいから、早く舐めるのです。……こんな風に」
 そう言って、ちなねえは俺の頬をぺろりってえええええ!?
「……ほ、ほら、タカくんも私のマネして、ぺろぺろするべきです」
「え、いや、あの」
「……べき、です」
「は、はい」
 怖いから従う。……い、いや、ホントに怖いってだけの理由です。べべ別にちなねえをぺろぺろしたい欲望なんてこれっぽっちも!
「……た、タカくん、舐め方がえっちです」
 ……す、少しくらいはあるかもしれないです。

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【素直クールと一緒にホラー映画】

2010年04月01日
 部屋でぼんやり涼んでると、いきなりクーが乱入してきた。
「ノックは無用!?」
「映画に行かないか? タダ券を貰ったんだ」
「あ、行く行くー」
 突然の乱入者に驚いてるにも関わらず、タダという響きに弱い俺はコクコク頷いていた。
「いや、それよりあの、クー? 部屋に入る時はノックくらいしてほしいな、と……」
「では行こう。さ、早く」
「え、あのでも俺まだパジャマで、その」
「キミの魅力はたとえパジャマだとしても、まるで陰らないから大丈夫だ。私が太鼓判を押そう」
 仮にそうだとしても、パジャマで外に飛び出すのは勇気が必要です。
「とにかく、着替えるから待っててくれ」
「分かった」(すごい熱視線を俺の股間付近に向けながら)
「……少しの間、部屋から出てくれていると非常に助かります」
「残念だ……」
 心底残念そうに眉尻を下げながら、クーは部屋から出て行った。ぱっぱと着替え、クーと一緒に映画館へ。
「そういや聞いてなかったけど、映画ってどんなのだ? アニメ? アニメか? アニメいいよね」
「期待に応えられなくて残念なのだが、ホラーだ」
 俺の足が止まった。
「ホラー……って、あの、血がぴゅーって出たりするやつ?」
「ああ、出るな。血どころか、内臓も出るだろう」
「帰る」
「待て、いきなり帰るな。……ひょっとして、ホラー苦手なのか?」
「にに、苦手ではないデスよ? た、ただ、爺さんの遺言でホラー映画だけは婦女子と一緒に見るなと」
「キミの祖父はまだ鬼籍に入ってないだろう。先日、コロッケ屋の前で会ったぞ」
「時々生き返るんだ。ウチの家系は黄泉返りがちなんだ」
「なるほど……ということは、キミも死んだら生き返るのか? それなら、キミが死んでも安心だな」
「嘘です信じないで死ぬともう生き返りません!」
 クーは俺の言葉を疑わないので、うっかりボケると大変なことになる。
「……また騙された。注意しているのだが、どうしてもキミの言葉はつい信じてしまう」
 具体的には、こうしてクーが落ち込む。
「あーごめんごめん。ほれ、落ち込むない」
 クーの頭をなでてご機嫌を取る。ボケる→落ち込む→なでる、はセットになっております。
「……♪」(ご満悦)
 機嫌の直ったクーと一緒に映画館へ。
「……何か忘れているような」
「忘れているということは、どうでもいいことなのだろう」
「それもそうな」
 クーと一緒に映画館に入る。うん、どうでもいいことじゃなかったよ。

「……うぇっぷ」
 近くの喫茶店で休憩する。もう赤色は嫌です。
「大丈夫か? 酷い顔だが……」
「生まれつきなので罵倒しないでください!」
「ああ、違う違う。造詣ではなく、顔色のことだ。キミの顔は……私はすごく好きだぞ?」
「あー、どーもー」
 なんだかこそばゆくなるようなことを言われているようだが、気分が悪くてそれどころではない。
「お待ちどうさま、こちらトマトジュースになります」
 しかも、何の恨みがあるのか知らないがクーの奴真っ赤な野菜汁を頼みやがるし。
「こちらコーラになります」
 俺の注文した品をテーブルに置き、店員さんは下がった。じとーっとした目つきでクーを見る。
「……ああ、一緒に飲みたいのか? 大賛成だ」
 いそいそと俺のストローを血汁の中に入れるクー。
「さあ、いつでもいいぞ」
「違うっ! そうじゃなくて、ホラー映画見た後にトマトジュース飲むってどうなんだよ!」
「……ああ、キミはトマトジュースが嫌いなのか。じゃあ、コーラを一緒に飲もう」
「そうじゃなくて、そうじゃなくてぇ! 分かれよバカ!」
「……ああ、バナナジュースの追加注文だな? キミはバナナが好きだからな」
 したり顔のクーに、デコピンしてやった。

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【動物とお話できるちなねえ】

2010年04月01日
「……あっ、タカくんタカくん。……お姉ちゃんは、タカくんを探してました」
 ぷらぷらと近所を散歩してると、ちなねえと遭遇した。
「人違いです」
「……お姉ちゃんがタカくんを見間違えるわけないです。……あなたは、タカくんです」
「目の迷いです」
「……お姉ちゃんの目は、迷ってませんよ?」
「ヤギズボンです」
「……タカくん、適当なこと言ってるだけ?」
 コクコク頷くと、ちなねえが怒った。
「……お姉ちゃんに適当なことを言ってはいけません。……まったく、タカくんには困ったものです」
「だって暑いんですもの」
「……そんなタカくんにろーほーです。……なんと、お姉ちゃんは動物とお話ができるようになりました」
 すごい? と眼が雄弁に語っているが無視。
「あー……あのさ、ちなねえ。動物と話できても、暑さは解消されないと思うが」
「……そうですね、そこの猫さんと話してみましょう」
 俺の鋭すぎる疑問を完全無視し、ちなねえは日陰でぐったりしてる猫に近づいた。
「……にゃ、にゃー」
「ちなねえが壊れた」
「……壊れてません。……タカくん、邪魔しないでください」
 俺を叱りつけ、ちなねえは再びにゃーにゃー言い出した。
「……にゃ、にゃー。にゃにゃ」
「……にゃふ~……」
 頑張って見れば、猫と会話しているように見えなくもない。普通に見たら、猫に話しかけてる変な人。
「……ふむふむ、分かりました」
「本当か、20過ぎてにゃーにゃー言ってるちなねえ?」
「…………」
 なんだか不満そうに見られた。
「……にゃーにゃー言うお姉ちゃんが言います。……『暑い』って言ってます」
 皮肉を交えながら、ちなねえは分かりきったことを言った。
「そんなの、このぐったりしてる姿見りゃ聞かなくても分かるだろ……」
 相変わらず暑そうに寝そべってる猫を指すと、ちなねえは小さく頬を膨らませた。
「……だって、そう言ってるんです。……私のせいじゃないです。……タカくんは、お姉ちゃんが頑張ったのに、褒めてくれないんですか?」
 にゃーにゃー言ったのは頑張ったことになるのでしょうか。
「この炎天下の下、よくぞにゃーにゃー言った! 感動した!」
「……褒められてる気がしません」
「まーまー、いいから帰ろうぜ。暑くて脳が溶けそうだ」
「……タカくんが褒めてくれなくて残念ですが、それには賛成です」
 ちなねえを伴い、帰路に着く。
「ところでさ、どうやって動物と話せるようになったんだ?」
「……ふふ、よくぞ聞いてくれました」
 ちなねえの口元が小さく歪む。それを見て、聞くんじゃなかったという後悔の念が俺の中になぜか渦巻いた。
「……えっと、……じゃっじゃ~ん。……これのおかげです」
 そう言ってちなねえが取り出したのは、
「……月刊、お姉ちゃん……」
「……今月号は、なんと動物とお話できるようになる方法が書いてあります」
 表紙に『動物とお話できるお姉ちゃんになり、弟ともっともっと仲良くなろう!』と、大きく書かれていた。
「……魔術書?」
「……趣味の本、です」
 どっかの魔術協会に封印されてもおかしくない本を懐に仕舞い、ちなねえは俺の手を握った。
「……さっ、帰りましょう。……ご飯食べて、その後もう一度猫さんとお話しましょう」
「もーいいよ、家でだらだらしたいよ……」
「……ダメです。タカくんが褒めてくれるまで、お姉ちゃんは猫さんとお話します」
 散歩は堪能したので、今日はもう外に出たくない。だが、褒めると以後延々と獣と会話する姉を見させられてしまう。……別の方向から攻めてみるか。
「ちなねえは可愛いなぁ、一日中ずっとすりすりしていたいくらい可愛いなぁ」
「っ!! ……そ、そういうことを褒めるべきではないです。……ね、猫さんと話せる事を褒めるべきです」
 作戦は失敗に終わった。しゃーない、家でゴロゴロは諦めよう。
「……だ、だけど、……私はお姉ちゃんなので、弟のしたいことはなるべくさせてあげたいです。……で、ですから、……すりすりしても、いいですよ?」
 作戦は変な方向で成功した。ほにゃほにゃだった。

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【ツンデレに男が理想の女について語ってみたら】

2010年04月01日
 昼休み、友人らが理想の女性像を熱く語り合っている。
「別府、さっきからぼーっとしてるけど、お前もなんか言えよ」
「腹減った」
「いや……なんでも言えばいいってもんじゃなくて、理想の女のこと言えよ。胸がでけーのがいいとか、巨乳がいいとか、あるだろ?」
「俺にご飯くれる人がいい」
「…………」
 巨乳フェチの友人はなんだか疲れた顔をして、他の友たちとの会話に入っていった。それにしても腹減った。
 弁当でも食おうと思ってたら、幼なじみのかなみがやってきた。なんか怖い雰囲気。
「アンタら、何やってんの?」
「え、俺らは別に……」
 ややひるんだ様子で答える友人。
「別に、じゃないわよ。教室中に響く声でやれ『やっぱ巨乳だよな』とか、『前髪ぱっつんが』とか。もうちょっと静かにしなさいよ」
 かなみに注意され、友人らはなんだか居心地悪そうに体を小さく揺すった。
「あ、お、俺用事あったんだ」
 と誰かが言ったのを皮切りに、友人らは全員教室から出て行った。
「……アンタは行かないの?」
 一人残された俺に、かなみが問いかける。
「弁当食う」
「はぁ……そう言えば、アンタは『ご飯くれる人』とかワケ分かんない答え言ってたわね。犬みたい」
「危うい所ですが、人間です」
 鞄を漁るが、どうしたことか弁当が見つからない。
「あ、そういや早弁したんだっけ」
 学食でも行くかと財布を漁ってると、かなみがためらいがちに声をかけてきた。
「あ、あのさ、よかったらあたしのお弁当食べる?」
「後で倍にして返さないといけない気がするので遠慮する」
「しないわよっ! 失礼ねぇ……」
「そうか? 前になんか倍返ししたような……」
「……あっ、この間のこと? アレはアンタが勝手にあたしのお弁当食べちゃうからでしょ!」
 言われて思い出した。先日、腹が減ってかなみの弁当を黙って食い、それがばれて倍返しさせられたのだった。
「だって、お腹が空いたんですもの」
「お腹空いたからって、人の食べたらダメでしょっ! ……なんでこんな子供に言うようなこと、同級生に言わなきゃいけないのよ……」
「玉子焼きが絶品でした」
「……そっ、そう。ありがと」
 なんで感謝されたのだろう。
「とっ、とにかく、あたしの食べなさい。いーわね?」
「気持ちは嬉しいが、もう倍返しのお金ないんです」
「だから、勝手に食べなかったらしなくていいのっ! ……もう、馬鹿なんだから」
 馬鹿と言われ少し悲しくなったが、食っていいなら頂こう。わさわさと移動し、かなみの席へ。そこにはかなみの友人らしき他の女子たちもいた。
「あっ、別府くんだ。やほー」
「やほー」
 ノリのいい女子にやほーを返すと、かなみになんか睨まれた。
「す、すいません」
「あははっ、別府くんってかなみに弱いねー」
「いや、俺は老若男女全てに弱いんだ。歩く欠陥住宅なんだ。攻城兵器に特攻なんだ」
「アンタ、その適当に喋るクセどうにかしなさいよ……」
 かなみに呆れられたので、大人しく席に着いてかなみの食べかけ弁当に箸をつける。
「ほら、もっと落ち着いて食べなさいよ。ああもう、ご飯こぼしてる。ほら、野菜もちゃんと食べなさい」
 かなみに横から色々注意される。言い返すと三倍くらいになって返って来るので、素直に頷いておく。
「かなみと別府くんってさ、なんかすっごい仲いいよね。本当の姉弟みたい」
「おばさんに世話頼まれてるし、何よりコイツほっといたら野垂れ死にしそうだからね。嫌々よ、イヤイヤ」
 失礼な奴だもぐもぐ……うぐぐ、ノドに飯詰まった。死ぬ。
「あっ、またご飯ノドに詰めてる! ほら、お茶!」
 かなみが淹れてくれた茶を受け取り、一気に飲み干す。
「ごくごくごく……ぷはーっ。死にかけた」
「落ち着いて食べなさいよ、バカ。ほら、またご飯粒ほっぺにつけて……」
 俺の頬についた飯粒を取り、かなみは口に入れた。それを見て、女性陣が声を荒げた。
「どしたんだ?」
「さぁ……」
 不審がる俺とかなみをよそに、女性陣はなんだか盛り上がっていた。
「もぐもぐ……ごっそさん。ありがとな、かなみ。うまかった」
「そう。……で、どれが美味しかった?」
「すき焼き」
「誰もアンタの好物なんて聞いてない! お弁当に入ってたので答えなさい!」
「た、玉子焼きです」
「ふぅん……そっか。……ふぅん」
 なんだか嬉しそうにニヤニヤ笑ってるかなみ。
「気でも触れたか?」
「触れてないわよっ!」
「いや、やけに嬉しそうだし」
「うっ、嬉しくなんかないわよっ!」
 なんで怒られたのか分からないけど、このままここにいたらもっと怒られると俺の経験が告げている。とっとと自分の席に戻ろう。
「んじゃな」
「あ、うん」
 ぽてぽて後ろの席に戻り、前方にいるかなみの方をぼんやり見る。友達たちになんか言われて顔真っ赤にしてる。何言われてんだ?
 ……あ、こっち来た。
「だっ、誰がアンタなんかと! ばーか!」
「……えーと、意味が分からんのだが。説明してくれるとありがたい」
「せっ、説明なんてできるわけないでしょっ! ばか、ばーか!」
 顔を真っ赤にしたまま、かなみは俺にバカと言い続けた。それを、かなみの友人たちがにやにやしながら見ていた。
 訳の分からない俺は、馬鹿馬鹿言われ泣きそうです。

拍手[11回]

【白魔法も黒魔法も使えるちなねえ】

2010年04月01日
「……タカくん、タカくん」
 耳慣れた声が聞こえたので、全力で逃げる。
「……えい、ぱららいず~」
「ぐっ」
 ちなねえのやる気のない声を聞いた瞬間、全身が金縛りにあったかのように動かなくなる。慣性の法則により、顔面から床に落ちた。
「……タカくん、お姉ちゃんから逃げてはいけません」
 のんびりやって来たちなねえが、俺の顔の前にしゃがみ込んだ。
「あ、あの、ち、ちなねえ、か、体、ぴりぴり、すんだけ、ど」
 俺の顔の前に座ったため、ちなねえのパンツは全開です。頑張れ網膜、今こそ残された力を解き放ち、脳裏に全て刻み込め!
「……? タカくん、どこ見てるんです?」
「ぱんつ」
 思わず素直に答えると、ちなねえの顔が真っ赤に染まった。
「……た、タカくんのばかばか。……お姉ちゃんのパンツを見るなんて、反則です」
 俺をぽかぽか叩きながら、ちなねえは恥ずかしそうに片手でパンツを隠してしまった。無念。
「そ、そんなことより、しびれを、どうにかして」
「……お姉ちゃんのパンツは、そんなことなんですか……」
 ちなねえが凹んだ。
「い、いいから、今はしびれを……」
「……ちょっと不満ですが、弟の頼みは断れません。……えい、でぃすぱららいず~」
 ちなねえのやる気のない声で、体の痺れが取れた。軽く腕を回し、ちゃんと動くか確認する。
「はぁ……やっと戻った」
 軽く息をついてると、ちなねえが「治したよ? 褒める?」と期待に満ちた目で俺を見ていたので、無視してあげる。
「……タカくん、最近お姉ちゃんに冷たいです」
 ちなねえが拗ねた。
「夏場だから冷たくした方がいいと思って」
「……そんなことされても、嬉しくありません。……はっ。ということは、冬になれば暖かくされるのでしょうか? ……だ、抱っことか?」
「しないよ」
「…………」
 ちなねえは悲しそうに俺を見た。ちょっと犬っぽい。
「そんなことより、ちなねえ俺に何したんだ? 急に痺れたんだけど……」
「……ふふ、よくぞ聞いてくれました」
「あ、やっぱいい」
 嬉しそうにほくそ笑むちなねえに嫌な予感がしたので、慌てて首を横に振る。ちなねえの眉尻が悲しそうに下がった。
「……タカくん、お姉ちゃんのこと、嫌いになっちゃいましたか?」
「じ、冗談だよ、冗談。ごめんな、ちなねえ」
 ちょっと泣きそうになっていたので、慌ててちなねえの頭をなでる。
「……こ、こんなことで喜びませんよ。……お姉ちゃんですから」
 ものすごくニコニコしながら言われた。
「……あ、そうそう。……痺れなんですが、……なんと、お姉ちゃんの新技、黒魔法でタカくんをびりびりさせました」
「それは……えっと、また例の本から学んで?」
「……これですか?」
 そう言って、ちなねえは例の本──月刊お姉ちゃんを取り出した。いつものように奪う。
「『この夏は黒魔法で決まり! 弟を捕縛、魅了、抹殺、なんでもこい』……?」
「かっ、返してください」
 物騒な事が書かれてる本を取られた。抹殺って何だ、抹殺って。
「……まったく、タカくんはすぐ私の本を取ろうとしますね。……そんなにお姉ちゃんの物が欲しいんですか?」
 単に怖いもの見たさで取っただけなのだが、変に解釈された。でもなんか嬉しそうだし、黙っていよう。
「……ど、どうしてもと言うなら、その、……お姉ちゃん、ぱんつあげても……」
「いりません」
 きっぱり断ると、ちなねえは悲しそうに俺を見上げた。姉のパンツ貰って喜ぶって、俺は変態と思われているのだろうか。
 ……いや、まぁ欲しいけど。
「んで、ちなねえ。他にどんなことができるんだ? 胸が大きくなる魔法とかないのか?」
「……ないです」
 自分の薄い胸を見下ろし、ちなねえはとてもとても悲しそうに呟いた。
「……タカくんは、おっきなおっぱいの女性が好みですか?」
「嫌いじゃないが、俺はつるぺたの方が好きだな。子供みたいで可愛いよね」
 ちなねえはまるで花が咲いたように笑った。……が、その後少し難しい顔をした。
「……弟が変態に。……だけど、私の胸はぺたぺた。……むむ、これは難しい問題です」
 難しい顔をして何か悩んでるちなねえだった。

拍手[6回]