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2026年03月17日
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【ツンデレと一緒に映画鑑賞】

2010年04月13日
 日曜日。ちなみと話してると、映画でも観に行こうかという話になった。
「なに観る? コメディ? アクション?」
 映画館への道すがら、何を観るかちなみと相談する。
「……うーん、そんな気分でもない。……ホラーとか、どう? 内臓ぴゅーって」
「貴様、俺を泣かす気か! 自慢じゃないが、ホラーは大の苦手だぞ!」
「……本当に自慢にもならないことを、タカシは誇らしげに言う」
 いいじゃん、怖いんだから。
「そういや、今なんかファンタジーのやってるよな。なんつったっけ?」
「……ナルニア国物語。……ライオンさんが出てる」
「そう、そのライオンのやつ。それ観るか」
「……しかたない、そんなにタカシが観たいなら付き合ってあげる」
「いや、そんなどうしても観たいわけじゃ」
「……タカシはライオンさんがどうしても観たいと言う。……おこちゃま。ぷぷー」
 んなこと一言も言ってません。言ってませんが、どうせ話がこじれるだけだしいいか。ちなみも観たいようだし。
 しばらく歩いて映画館に着いたはいいが、ちなみが観たいと言った映画は大人気で、立ち見しなければならないようだった。
「どーする、ちなみ?」
「うう……2時間以上立ちっぱなしは、イヤ。……残念だけど、別の観よ」
「別のって……今観れるの、恋愛モノだけだぞ」
「……ん~、一緒に観る相手がタカシってのがアレだけど、……まーいっか」
 アレってどういうことか詳しく聞こうとしたが、ちなみは一人でチケット売り場に行ってしまった。
 俺もちなみに続いてチケットを買い、適当な席に座る。しばらく話してると、ブザー音が鳴り響いた。
「……この瞬間、好き」
「お、ちなみもか。なんかこう、ワクワクしてくるよな」
 場内の明かりが落ち、予告編が始まった。
「……映画って、予告編の方が面白かったりするよね」
「確かにな。色んな予告編だけ集めたDVDとか出ないかな? 俺、出たら買うぞ」
「……また変なことを。……でも、確かにちょっと欲しいかも」
 なんてことを話してるうちに予告編も終わり、本編が始まった。
 映画の中身はなんということはない、ありきたりな恋愛モノだった。
 なんというか……話の先が見えてしまって、退屈極まりない。俳優たちのオーバーアクションと相まって、あくび出そう。
 ちなみも退屈してるだろうに、と隣を見ると、ちなみさん頬を染めて恍惚としてますよ!?
「はぅぅ、いいなぁ……」
 スクリーンに映されてる甘々シーンに、ちなみは羨ましそうに息を漏らした。面白い奴。
 ……ここで手とか握ったら、驚くかな? やってみよう、えい。
「……! た、タカシ?」
 なんでもないようにスクリーンを見る。……さ、どうでる?
「……は、はぅ……ふにゅ」
 ちなみは変な響きを漏らし、うつむいてしまった。
 ……ええと。てっきり「……タカシはすぐえろいことする」とか言って振りほどくと思ったのだけど、……どうしよう。
「う……にゅ」
 いかん、ちなみが猫っぽくなってきた。手を離すべきか!?
「……にゅ♪」
 ……なんか幸せそうだし、いっか。
 結局、1時間近く手を繋いだままスクリーンを眺めてました。柔らかいとか気持ちいいとか小さい指だなとか、そんな感想しか思いつきません。
「……え、えと、面白かったね」
 近くの喫茶店で休みながらちなみと映画の感想を交わす……が、感想なんて上記したことしかありません。
「そ、そうだな。はは、ははは」
「……あ、あの、また今度、一緒に映画、観に行こっか……?」
 顔を赤く染めたまま、ちなみは恐る恐る切り出した。
「あ、そ、そだな。次こそナルニアを……」
「そ、それもいいけど、……また恋愛モノがいいな、……なんて」
「う……」
 ちなみの手の平の感触を思い出し、俺は顔が熱くなるのを感じながらコクコクと頷くのだった。

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【男が好きで好きでたまらないツンデレ】

2010年04月12日
「みこと、一緒に帰ろうぜ」
 ホームルームが終わり、鞄に教科書を詰めているとタカシが私に声をかけてきた。
「断る。一人で帰れ」
 いつものように、すげなく断る。だけど、タカシは諦めることなく言葉を続けた。
「それを更に断る。迷子になって当て所なくさまよう幼子を放っていいと思ってるのか?」
「お前は幼子でもなんでもないだろう。……まぁ、ふらふら迷子になってるタカシを想像するのは容易だがな」
 半泣きで家を探すタカシを想像して、思わず吹き出してしまう。
「失礼な。とにかく、帰ろうぜ」
「ふふっ、まぁいいだろう」
 鞄を持って、私はタカシと一緒に学校を出た。冷たい風が吹き、小さく体が震える。
「う……外は寒いな」
 さり気なく、タカシは私の手を握った。じろりと睨むと、タカシは申し訳なさそうな笑顔を見せた。
「いや、手が冷たいし。それに、一人より二人と言うし。それにだな、……あー、ええと……」
「もういい。まったく、しょうがない奴だ」
 タカシの手は冷たいどころか、とても暖かかった。きっと、私が寒そうにしているのを見て手を握ったのだろう。……肩でも抱けばいいものを、不器用な奴。
「……なんだよ、笑ったりして」
 タカシは少し不満そうに口を尖らせた。
「いや、なんでもない。……変な奴だと思っただけだ」
「相変わらず失礼だな……」
 そんなことを言いながらも、タカシは私の手を離すことはなかった。
 ……まったく、どうしてこんな素直じゃない私のことを嫌わないんだ。どうしていつも笑顔をくれるんだ。どうして私をいつも笑顔にしてくれるんだ。
 ……本当に、変な奴。
「みこと、次の休みどっか行かないか? カラオケとか、映画とか」
「む……騒がしいところは少々苦手だ」
「んじゃ、みことの家でしっぽりと」
「ふ、ふざけるな! 何がしっぽりだ!」
「ぐはっ!」
 顔が熱を持つのを感じながら、私はタカシのお腹を殴った。まったく、エッチな奴だ。
「いつつ……残念。んじゃ、俺んちでゲームでもすっか?」
「まぁ、それならいいだろう。……しかし、たまには他の奴と遊んだらどうだ? ここしばらく、休みの日はずっと私といるだろう」
「あー……ひょっとして、俺と遊ぶの嫌で、実のところ義理で付き合ってるとか?」
「ま、まぁそんなところだ。私の寛大な心に感謝するがいい」
 違う。嫌どころか、タカシと一緒にいれて嬉しい。なんでそんな簡単なことが言えないんだ。
「そっか。……だが、知ったことではない!」
「は?」
「お前が付き合いきれなくなるまで、俺はお前を誘い続けるだろう。なにせ、俺はみことと一緒にいる時が一番楽しいからな!」
 そう言って、タカシは笑った。……ああもう、なんでこいつはこんなまっすぐな笑顔ができるんだ。
 世辞が言えるような奴ではないから、嘘ではないのだろう。その事実が、私の顔をさらに赤くさせる。
「……ん? みこと、顔赤いぞ? 惚れたか?」
「きっ、貴様のような奴に惚れる訳がないだろうが! この痴れ者が!」
 ああそうさ、貴様の言うとおりだ。隣で嬉しそうに笑ってる痴れ者に、私は心底参っているのだろう。
「ま、いーや。とにかく、約束したぞ。忘れんなよ?」
 そう言って、タカシは手を離した。……ああそうか、もう別れ道に着いてしまったか。
 手の温もりを冬の風が急速に奪っていく。……タカシの温もりが、消えていく。
「た、タカシ!」
 気がつくと、私はタカシの後姿に叫んでいた。驚いたような顔をして、タカシは振り向いた。
「ん? どした?」
 柔和な笑顔を見せるタカシに、私はどうしていいか分からなくなってしまった。……寂しくなったなんて、言えるわけがない。
「あ、いや、その……」
「……ふむ。よく分からんが、こんな寒いところで立ち話もなんだ。お前の家に行くか」
 タカシは私のところまで戻って来て、ぎゅっと手を握った。
「あ……」
 私の手が、再び優しい温もりに包まれる。
「ほれ、こんなとこ突っ立ってたら風邪ひくぞ」
「し、しかたないな。そんなに私と一緒にいたいなら、少しだけつきあってやるか」
 苦笑いを浮かべるタカシの手を引いて、私は自分の家に向かった。
 ……タカシといると、どうも調子を狂わされる。私はこんな弱い人間じゃなかった。
 だから、責任を取ってもらわないと。ずっと、ずーっと傍にいてもらうからな。覚悟しろ、タカシ。

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【ツンデレに「可愛い」と連呼したらどうなる?】

2010年04月12日
 両親が旅行に出かけた。一週間くらいなら自炊もいいだろうと高をくくっていたが、なかなかどうして料理は難しい。
 日に日に痩せていく俺を見かねたのか、梓が俺の家までやってきて飯を作ってくれるらしい。
「タカシって、本当に何もできないんだね」
 エプロンをつけながら、梓は馬鹿にしたような嬉しそうな顔で言った。
「失礼な、エロ本収集は得意だぞ。厳選俺ベスト10持ってこようか?」
「こなくていいよっ!」
「お前みたいな子がいっぱい載ってるのにか?」
「えっ……ぼ、ボクみたいな?」
「ああ、ちょっと待ってろ」
 部屋まで戻り、隠しておいたエロ本を掴んで戻る。
「ほら」
「……ボクみたいって、おっぱいちっちゃい子のこと!?」
「それ以外なにがあるというのだ」
 特選貧乳っ子が俺の顔にぶつかってきた。
「タカシのばか! もうご飯作ってあげない!」
「いてて……待て、待ってください。俺が悪かったです。どうかこの哀れなゴミ虫に餌を」
 エプロンを外そうとする梓に慌てて土下座する。
「……タカシって、へーきでプライド捨てるよね」
「梓の飯が食えないくらいなら、プライドなどドブに捨ててくれる」
「はぁ……しょーがないなぁ」
「お、作ってくれるか? さっすが梓、愛してるぜ」
「わ、わわわわわ」
 感謝の意を表してぎゅーっと抱きしめると、梓は瞬く間に顔を赤らめた。
「……うーん、つるぺたい」
「つるぺたい!?」
「あ、その、俺テレビでも見てくるな」
「あっ、こら!」
 思わず本音が漏れたので、慌てて居間に避難する。やれやれ、剣呑剣呑。
 しばらくぼーっとテレビを見ていると、「できたよっ」という声がした。……まだ少し怒ってるな。
「おおっ、美味そうだな」
 テーブルの上には、久しく見なかった手料理が湯気を上げて俺を待っていた。
「お世辞はいいよっ」
「世辞なんか言うか。はぐっ」
「あっ、箸使いなよ、もー」
「むぐむぐ……うむ、美味い。さすがは梓だ」
「そ、そう? へへ……」
 料理を褒めると、梓は照れくさそうに頬をかいた。
「さて、んじゃいただきますか」
「ん、おあがりなさい♪」
 はぐはぐがつがつむしゃむしゃげふー。
「ごっそさん」
「早いよっ! どれだけ早食いなんだよ!」
「うまかったぞ、サンキュ。……さて、折角作ってくれたんだし、なんか礼しないとな」
「え、いいよ別に。好きでやってることだし」
 そうは言っても、それでは俺の気が済まない。ううむ、何をするか……。
「そうだ、褒めてやろう」
「は?」
「可愛い」
「へ? な、何言ってるんだよ」
「可愛い可愛い」
「ちょ、ちょっとやめてよ、はぅ……」
 ……これは面白い。言われ慣れてないのか、梓は困ったように頬を赤くした。よし、もっと言ってやれ。
「可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い」
「怖いよっ! 連呼しすぎだよ! なんで無表情で言ってるんだよ!?」
「はっはっは。冗談はともかく、俺は本当に梓が可愛いと思うぞ」
「ま、また冗談ばっかり……」
「とても同い年とは思えないほど膨らみが足りない、いや、地平線とも思えるその子供のような胸は可愛いと」
「胸のこと!?」
 俺の冗談で簡単にショックを受ける梓は、やっぱり可愛いと思う。

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【朝が弱いツンデレ】

2010年04月12日
 隣に住むかなみは朝が弱すぎる。そんなわけで、今日も俺はかなみを起こしに向かうのだった。
「ごめんね、毎日毎日。私じゃどうやっても起きなくてね」
「別に構いませんが、年頃の娘さんの寝姿を男に見せるのはどうかと思いますよ」
「タカシ君だし、別にいいわよ。ついでに貰ってくれない?」
「起こしてもらってる身分だと言うのに、ことある毎に蹴ってくるような奴はご免です」
「それは残念ね」
 ひとしきりおばさんと笑いあい、かなみの部屋に入る。
「くぴー……」
 今日もかなみの奴は幸せそうに頬を緩ませて寝ていた。
「ほれ、起きろ寝坊娘」
 布団を引き剥がすと、かなみはなくなった温もりを探すように手を虚空にさまよわせた。
「ほれ、早く起き……」
 布団の下で、かなみのズボンはずれていた。緑色のパンツが俺の眼前に晒される。
「……ほほぅ、これはまたよいパンツで」
 思わず起こす手を止め、じっくり鑑賞してしまう。
「ん~……ん? な、なな、なにしてんのよ!」
「あ、おはよう」
「お、おはようじゃなくて! 何してるのか聞いてるのよ!」
「何って……おお」
 じっくり鑑賞しすぎたせいか、かなみのパンツに顔を密着させていた。
「道理でよく見えると思った。ついでだし舐めていいよね?」
「とっととのけっ!」
 思い切り蹴られた。
「いてて……せっかく起こしてあげたのに、感謝どころか蹴るなんて人としてどうだろう」
「起きたら性犯罪者が股間に顔埋めてんのよ!? 誰でも蹴るわよっ!」
「なるほど、それなら仕方ないか。……ん、性犯罪者?」
「そこで馬鹿みたいに首傾げてる奴よ」
「よく分からんな……下のかなみに聞くか」
「だから、パンツに顔近づけるな馬鹿!」
 朝から何度も蹴られ、泣きそうになりながらおばさんの元に戻る。
「起こしました……」
「ご苦労様。あの子もいい加減慣れたらいいのにねぇ」
「いやはや、まったくです」
「お母さん、なんでこんな奴に起こさせるのよ! お母さんが起こしてくれたらいいのに……」
 かなみがパジャマから制服に着替えてやってきた。準備は完了のようだ。
「私じゃ起きないでしょ。タカシ君が起こすと一発だし、いいじゃない」
「でも、このバカ私にエッチなことばっかりするのよ!?」
「失礼な、下のかなみと会話しようとしただけだ」
「下のかなみとか言うなっ!」
 また蹴られた。尻が痛い。
「ほらほら、いいから早く行きなさい。遅刻するわよ?」
 おばさんの言葉に、腕時計を見る。今日も危うい時間帯だった。
「もうっ、タカシのせいでまた遅刻しそうじゃない!」
「……ふぅむ、それは俺の考えと違うな。その辺りの議論を腰を据えて交わそうではないか」
「いいから早く行くわよっ! お母さん、行って来まーす!」
 俺の手を取り、かなみは玄関を飛び出した。
「待てっ! かなみがパンツを履いてないように、俺は靴を履いてない!」
「履いてるわよッ!」
「車に気をつけてねー」
 おばさんの声に見送られ、今日も慌しく学校へ向かう俺たちだった。

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紫1

2010年04月12日
 歩いてると、なんか踏んだ。
紫「いったー! アンタ、いきなり何すんのよ!」
男「なんか足元から声がする気がする」
紫「踏んでる! すっごい頭踏んでる! とっととのけ!」
男「ちょっと人生に疲れたな……ここらで一休みするか」
 その場に座り込むと、下から「むぎゅ」という愉快な音がした。
男「茶でもすするか。水筒こぽこぽ……はふー」
紫「のけって……言ってるでしょーッ!」
 噴火したように紫が立ち上がった。押されて顔から地面に激突する。さらに持ってたコップが宙を舞い、中の茶が俺に降り注いだ。
男「うーん、冷たい」
紫「ちょっと! 人が昼寝してる所をいきなり踏むなんて、マナー違反よ!」
 マナー違反というのはどうかと思う。
男「ごめんなさい、小さくて見えなかったんだ」
紫「ちっ、小さい!? 小さいって言った!?」
男「水筒こぽこぽ……はふー」
紫「なにお茶飲んでるのよ!」
男「ああん」
 お茶を取り上げられた。
紫「訂正して。『紫は小さくなんかない、それどころか人並み以上に大きい大人の女性だ』って」
 随分と脚色されていた。
男「ええと……『紫は小さくない。ただし、胸はその真逆である』」
紫「ぜんっぜん違うっ!」
男「そんな長い文章覚えられるか。三文字で頼む」
紫「えっ! ええと、ええと……」
男「ごーよんさんにーいちー」
紫「ああっ、ま、待って!」
男「ぜろー。じゃ、そゆことで」
 そそくさと逃げようとしたら、足を掴まれた。すると、顔面から地面に当たって大変痛い。
男「痛いじゃないか」
紫「鼻血出てるわよ。かっこわる」
 出させた張本人がいけしゃあしゃあと。
男「じゃあ、鼻血を出した子一等賞という風説を流布する旅に出るのでこれで」
 そそくさと逃げようとしたらまた足を掴まれた。以下略。
男「まだ何か用か?」
紫「まだ謝ってもらってない。ちゃんと謝って」
男「昼飯に食ったラーメンの汁を残してしまい、申し訳ありませんでした」
紫「そんなの知らないわよ! そうじゃなくて、踏んだことを謝って!」
男「すいませんでした」
紫「なんでウサギに謝ってるの!?」
 思わず飼育小屋のウサギに向かい土下座していた。
男「たぶん、紫に謝るくらいならウサギに謝った方がマシだと思ったんだろうな」
紫「あたし、ウサギ以下!?」
男「具体的に言うと、ウサギの糞以上、ウサギ未満、かな。よかったな、霊長類として糞に負けてたらプライドも何もないもんな。はっはっは」
 紫の頭を軽くなでる。うむ、これで紫のプライドも保てたことだし、万事上手くいった。
紫「…………」
 上手くいった、と思ったのだが紫の目の色が怪しくなってきた。
男「ええと、よく分からんのだが、……ひょっとして怒ってる?」
紫「怒ってるわよ! 何よ、ウサギ未満って! あたしの魅力はウサギに劣るっていうの!?」
男「うん」
紫「がーん!」
 紫はがーんと口で言って、ふらふらとその場に座り込んでしまった。
男「だって、ウサギ可愛いもん」
紫「あ、あたしだって可愛いわよ! うっふーん! ほら、ほら!」
男「自称美術家が酔っ払いながら作った彫刻みたい」
紫「うっ……うわああああん! 覚えてろ、ばかー!」
 紫は子供みたいに泣きながらどっか行ってしまった。
男「……面白い娘さんだなぁ」
 残された俺は、ぼんやり紫の走っていった場所を見ていた。

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