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2024年03月29日
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【朝が弱いツンデレ】

2010年04月12日
 隣に住むかなみは朝が弱すぎる。そんなわけで、今日も俺はかなみを起こしに向かうのだった。
「ごめんね、毎日毎日。私じゃどうやっても起きなくてね」
「別に構いませんが、年頃の娘さんの寝姿を男に見せるのはどうかと思いますよ」
「タカシ君だし、別にいいわよ。ついでに貰ってくれない?」
「起こしてもらってる身分だと言うのに、ことある毎に蹴ってくるような奴はご免です」
「それは残念ね」
 ひとしきりおばさんと笑いあい、かなみの部屋に入る。
「くぴー……」
 今日もかなみの奴は幸せそうに頬を緩ませて寝ていた。
「ほれ、起きろ寝坊娘」
 布団を引き剥がすと、かなみはなくなった温もりを探すように手を虚空にさまよわせた。
「ほれ、早く起き……」
 布団の下で、かなみのズボンはずれていた。緑色のパンツが俺の眼前に晒される。
「……ほほぅ、これはまたよいパンツで」
 思わず起こす手を止め、じっくり鑑賞してしまう。
「ん~……ん? な、なな、なにしてんのよ!」
「あ、おはよう」
「お、おはようじゃなくて! 何してるのか聞いてるのよ!」
「何って……おお」
 じっくり鑑賞しすぎたせいか、かなみのパンツに顔を密着させていた。
「道理でよく見えると思った。ついでだし舐めていいよね?」
「とっととのけっ!」
 思い切り蹴られた。
「いてて……せっかく起こしてあげたのに、感謝どころか蹴るなんて人としてどうだろう」
「起きたら性犯罪者が股間に顔埋めてんのよ!? 誰でも蹴るわよっ!」
「なるほど、それなら仕方ないか。……ん、性犯罪者?」
「そこで馬鹿みたいに首傾げてる奴よ」
「よく分からんな……下のかなみに聞くか」
「だから、パンツに顔近づけるな馬鹿!」
 朝から何度も蹴られ、泣きそうになりながらおばさんの元に戻る。
「起こしました……」
「ご苦労様。あの子もいい加減慣れたらいいのにねぇ」
「いやはや、まったくです」
「お母さん、なんでこんな奴に起こさせるのよ! お母さんが起こしてくれたらいいのに……」
 かなみがパジャマから制服に着替えてやってきた。準備は完了のようだ。
「私じゃ起きないでしょ。タカシ君が起こすと一発だし、いいじゃない」
「でも、このバカ私にエッチなことばっかりするのよ!?」
「失礼な、下のかなみと会話しようとしただけだ」
「下のかなみとか言うなっ!」
 また蹴られた。尻が痛い。
「ほらほら、いいから早く行きなさい。遅刻するわよ?」
 おばさんの言葉に、腕時計を見る。今日も危うい時間帯だった。
「もうっ、タカシのせいでまた遅刻しそうじゃない!」
「……ふぅむ、それは俺の考えと違うな。その辺りの議論を腰を据えて交わそうではないか」
「いいから早く行くわよっ! お母さん、行って来まーす!」
 俺の手を取り、かなみは玄関を飛び出した。
「待てっ! かなみがパンツを履いてないように、俺は靴を履いてない!」
「履いてるわよッ!」
「車に気をつけてねー」
 おばさんの声に見送られ、今日も慌しく学校へ向かう俺たちだった。

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