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2026年03月17日
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【机投げるツンデレ】
2010年04月18日
昼休み、眠いので寝てたら叩き起こされた。
「うーん……何すんだよ」
まぶたを開くと、目を吊り上げたみことがいた。
「貴様、どこで寝ている!」
「どこって……教室じゃん。寝惚けんなよ」
「寝惚けているのは貴様の方だ! そうではなくて、どうして私の机の上で寝ているのかと聞いている!」
みことの言葉に、自分がいる場所を再確認する。なるほど、確かにみことと他数人分の机の上に乗っているな。
「俺の近くに机があったからじゃないか? ただ、寝るには硬すぎる。もっと机は柔らかくすべきと教育委員会に訴えようではないか」
殴られた。なんでだ。
「人の机の上で寝るな!」
「そうは言っても、自分の机の上だけで寝れるほど俺はコンパクトにできてないんだ。みことと違ってな」
ぷちんって聞こえた。
「……ふ、ふふ、私がコンパクト、だと?」
「あ、いや、誤解しないでくれ。確かにコンパクトと言ったが、さすがに一人分の机で事足りるほど小さいとは思ってない。小学生程度の身長だから……二、三人分か?」
みことはにっこり笑った。それはもう、晴れ晴れとした笑顔で。
「……厄介な奴と思ってはいたが、いなくなると寂しくなるな」
「ははっ、何言ってんだよ。まるで俺がいなくなるみたいじゃないか」
「ふふっ、その通りだ」
みことの目が怪しくきらめく。これは……殺気?
「私のどこが小さいと言うのだーーーーーーッ!!!!!」
みことは机を持ち上げ、俺目掛け投げつけた。当たると痛い(予想)ので、慌ててよける。机は派手な音を立てて壁にぶつかった。
「うわっ! ま、待てッ! みことが小さいと感じたのは、あくまで俺の主観的なものであって、客観的に見ると……ごめん、小さいうひゃっ!」
俺のすぐ脇を、結構な速度で机が通り過ぎる。
「小さい小さい言うなッ!」
「ごごごめんなさい! で、でも、身長も胸も小さい方が可愛いと思います! その点、みことは両方に当てはまってて高得点ですよ?」
褒めたつもりなのだが、また逆鱗に触れたようだ。みことの顔が怒りでさらに赤く染まる。
「うるさいっ、馬鹿! これから成長するッ!」
「いやぁ、無理だろ。ま、特殊な性癖な奴には大人気だから大丈夫大丈夫♪ 俺とか!」
「何が大丈夫かーーーーッ!!!」
慰めたつもりが逆効果。このままでは教室中の机がみことによって破壊されてしまう。いや、その前に俺が破壊される。
考えろ、考えるんだ。みことの怒りを治める言葉を……!
「そういや、みことってもう生理来てるの?」
「きっ、貴様ーーーーーーーッ!!!!!」
ふと思いついたことを言ったら大変なことに。我ながら、もう少し考えて喋った方が長生きできる気がする。
もう何を言っても無駄っぽいので廊下に飛び出し逃げる。当然、みこともついてきた。……机を掲げたまま。
「うわ、またやってるぞ別府の奴」
「飽きないわねー、ホント。今回は何やってみことを怒らせたのかな?」
通行人たちが勝手なこと言ってやがる。今月は両手で足りる数しかやってないというのに。
「待てっ、タカシ!」
「待ってもいいけど、どうするつもり?」
「殺す!」
じゃあ逃げる。
「……あ、スカートが」
「どうしたッ!? 大丈夫、スカートをめくることにかけては県内一の俺に任せろ!」
脊髄反射で振り返ると、みことの笑みが。
「……罠?」
「無論」
もし生きてたら、もうちょっと賢くなろう。
「喰らえっ、必殺みことスペシャル!」
説明しよう! みことスペシャルとは、掲げた机を対象物へぶん投げる技である! この場合の対象物とは、俺ぐげっ
「ふん……まったく、毎度毎度懲りない男だ」
廊下に倒れる。仰向けに転がると、みことのスカートの中が見えた。
「うぐっ……今回のパンツは、しまぱん……」
「いちいち言うな、馬鹿者ッ!」
思い切り踏まれると同時に、意識が閉じた。
「うーん……何すんだよ」
まぶたを開くと、目を吊り上げたみことがいた。
「貴様、どこで寝ている!」
「どこって……教室じゃん。寝惚けんなよ」
「寝惚けているのは貴様の方だ! そうではなくて、どうして私の机の上で寝ているのかと聞いている!」
みことの言葉に、自分がいる場所を再確認する。なるほど、確かにみことと他数人分の机の上に乗っているな。
「俺の近くに机があったからじゃないか? ただ、寝るには硬すぎる。もっと机は柔らかくすべきと教育委員会に訴えようではないか」
殴られた。なんでだ。
「人の机の上で寝るな!」
「そうは言っても、自分の机の上だけで寝れるほど俺はコンパクトにできてないんだ。みことと違ってな」
ぷちんって聞こえた。
「……ふ、ふふ、私がコンパクト、だと?」
「あ、いや、誤解しないでくれ。確かにコンパクトと言ったが、さすがに一人分の机で事足りるほど小さいとは思ってない。小学生程度の身長だから……二、三人分か?」
みことはにっこり笑った。それはもう、晴れ晴れとした笑顔で。
「……厄介な奴と思ってはいたが、いなくなると寂しくなるな」
「ははっ、何言ってんだよ。まるで俺がいなくなるみたいじゃないか」
「ふふっ、その通りだ」
みことの目が怪しくきらめく。これは……殺気?
「私のどこが小さいと言うのだーーーーーーッ!!!!!」
みことは机を持ち上げ、俺目掛け投げつけた。当たると痛い(予想)ので、慌ててよける。机は派手な音を立てて壁にぶつかった。
「うわっ! ま、待てッ! みことが小さいと感じたのは、あくまで俺の主観的なものであって、客観的に見ると……ごめん、小さいうひゃっ!」
俺のすぐ脇を、結構な速度で机が通り過ぎる。
「小さい小さい言うなッ!」
「ごごごめんなさい! で、でも、身長も胸も小さい方が可愛いと思います! その点、みことは両方に当てはまってて高得点ですよ?」
褒めたつもりなのだが、また逆鱗に触れたようだ。みことの顔が怒りでさらに赤く染まる。
「うるさいっ、馬鹿! これから成長するッ!」
「いやぁ、無理だろ。ま、特殊な性癖な奴には大人気だから大丈夫大丈夫♪ 俺とか!」
「何が大丈夫かーーーーッ!!!」
慰めたつもりが逆効果。このままでは教室中の机がみことによって破壊されてしまう。いや、その前に俺が破壊される。
考えろ、考えるんだ。みことの怒りを治める言葉を……!
「そういや、みことってもう生理来てるの?」
「きっ、貴様ーーーーーーーッ!!!!!」
ふと思いついたことを言ったら大変なことに。我ながら、もう少し考えて喋った方が長生きできる気がする。
もう何を言っても無駄っぽいので廊下に飛び出し逃げる。当然、みこともついてきた。……机を掲げたまま。
「うわ、またやってるぞ別府の奴」
「飽きないわねー、ホント。今回は何やってみことを怒らせたのかな?」
通行人たちが勝手なこと言ってやがる。今月は両手で足りる数しかやってないというのに。
「待てっ、タカシ!」
「待ってもいいけど、どうするつもり?」
「殺す!」
じゃあ逃げる。
「……あ、スカートが」
「どうしたッ!? 大丈夫、スカートをめくることにかけては県内一の俺に任せろ!」
脊髄反射で振り返ると、みことの笑みが。
「……罠?」
「無論」
もし生きてたら、もうちょっと賢くなろう。
「喰らえっ、必殺みことスペシャル!」
説明しよう! みことスペシャルとは、掲げた机を対象物へぶん投げる技である! この場合の対象物とは、俺ぐげっ
「ふん……まったく、毎度毎度懲りない男だ」
廊下に倒れる。仰向けに転がると、みことのスカートの中が見えた。
「うぐっ……今回のパンツは、しまぱん……」
「いちいち言うな、馬鹿者ッ!」
思い切り踏まれると同時に、意識が閉じた。
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【ケーキちなみん】
2010年04月18日
そういえば、最近ケーキなんて代物食ってなかったなぁ、と思う。
だけど、別に俺が望んでたモノはこんなのじゃない。
「……ケーキです。ふわふわ、甘くておいしーです」
部屋に入ると、ケーキの格好をしたちなみがベッドの上にちょこんと鎮座していた。
「や、悪い。甘いものは苦手なんだ」
「……おかしいですね。昨日、タカシが喫茶店でパフェを満面の笑みで食べてるところを見たのですが」
知らぬ間に弱みを握られていた。
「今日から貴方様の奴隷です」
「わ、やたっ。……ええと、それじゃ、なでなで……」
ちなみの頭に手をかける。……このまま握りつぶして、秘密を守るか?
「……何か嫌なオーラを感じるので、やっぱいいです。……ケーキとして、食べてください」
「……食えるのか、その着ぐるみ」
「あ、ちょっと待ってください。いま、脱ぎますから」
「え」
ちなみは器用に一人で着ぐるみを脱いだ。そして、その下には──
「お、お、お、おまっ、おまえ、おまえーッ!!!」
「……ちょっとだけ恥ずかしいのは、秘密です」
ちなみは、その、なんというか、……ボディペイントのように、生クリームを全身に塗りたくっていた。
「嫁入り前の娘さんが、なんとはしたない格好を! お兄さんは悲しいぞ!」
「……目を皿のようにして私の胸を見てるのは、気のせいでしょうか」
ちなみは思ったより俺をしっかり見てて困る。
「……まぁ、いちおう水着の上から生クリームを塗ってるので大丈夫です。はしたなくないです。大和撫子です」
大和撫子は男の部屋で生クリームまみれにはならない。
「と、いうわけで。……召し上がれ」
ずい、とちなみが一歩こっちに寄ってきた。思わず一歩後ずさる。
「ざ、残念、スプーンがない。これじゃ食べれないなぁ。は、はは、ははははは」
「……仕方ないです、舐めて食べてください」
墓穴を掘ったようだ。全身から汗がふき出す。
「や、その、舐められたら、ちなみもくすぐったくて大変だろうし、ね?」
「……だいじょぶ」
ちなみは自分の体についたクリームをすくい取り、俺のほっぺにつけた。
「……ぺろっ」
「んなっ!?」
そして、俺のほっぺを舐めた。
「……ほら、くすぐったくないです」
くすぐったいとかそんなのはよく分からんが、心臓がバクバク鳴ってるのだけはよく分かる。
「男は度胸、です。……ふぁいと」
「どどど度胸とかそんなじゃなくて! そ、そうだ! 先日うどん食ってる時に誤って舌を噛み切ったから舐められないんだ」
「……じゃあ、どうやって喋ってるんでしょう」
「二枚舌だから、もう一枚あるんだ」
「……じゃ、舐めれますね」
ちなみは思ったより賢かった。
「タカシが馬鹿なだけです」
ちなみはすぐ俺の思考を読むので勘弁してほしい。
「……心配しなくても、おいしいですよ?」
「おっ、おいしいとかそんなことは心配してなくて! つーかちなみが美味そうなのは見れば分かるわけで!」
「……私が言ってるのは、クリームの話なんですが」
しまった。ていうか、それしかないのにどうして俺はこんなにエロいのか!
「……私、食べられるんでしょうか?」
言葉は不安そうだが、顔が期待に満ち満ちているのはなぜでしょう。
「大丈夫、俺は紳士だから食べたりしない」
「…………」
とても不満そうに睨まれた。どうしろというのだ。
「ここまでして手出さないなんて……まさか、同性愛者なんですか?」
「失礼な! 今もちなみの痴態に死ぬほどドキドキしてるぞ! 必死に理性で押さえ込んでるだけなのら!」
興奮のあまり語尾がおかしくなった。
「……私、おいしいですよ?」
ああ、ダメだ。そんな、小首を傾げられたら、もう。
「い、い、いっただっきまーす!」
いざ、ルパン跳び!
「うるさいわよー、タカシ」
ぴょいんと飛びついた先には、不思議なことに母さんが。
「……はい、そうです。誤解です」
ものっそい殴られた後、正座して事情を説明する。
「つまり、アンタはちなみちゃんを襲うつもりが、誤って母親である私を襲いそうになった、と」
「まさにそう! いやぁ話が早くて助かる。まぁ仮に間違ったとしても、義理だしいいよね? 母さん童顔だし」
「こづかい三ヶ月カット」
事情を説明したのにこの仕打ち。世の中にはまだまだ不思議な事があるもんだ。
だけど、別に俺が望んでたモノはこんなのじゃない。
「……ケーキです。ふわふわ、甘くておいしーです」
部屋に入ると、ケーキの格好をしたちなみがベッドの上にちょこんと鎮座していた。
「や、悪い。甘いものは苦手なんだ」
「……おかしいですね。昨日、タカシが喫茶店でパフェを満面の笑みで食べてるところを見たのですが」
知らぬ間に弱みを握られていた。
「今日から貴方様の奴隷です」
「わ、やたっ。……ええと、それじゃ、なでなで……」
ちなみの頭に手をかける。……このまま握りつぶして、秘密を守るか?
「……何か嫌なオーラを感じるので、やっぱいいです。……ケーキとして、食べてください」
「……食えるのか、その着ぐるみ」
「あ、ちょっと待ってください。いま、脱ぎますから」
「え」
ちなみは器用に一人で着ぐるみを脱いだ。そして、その下には──
「お、お、お、おまっ、おまえ、おまえーッ!!!」
「……ちょっとだけ恥ずかしいのは、秘密です」
ちなみは、その、なんというか、……ボディペイントのように、生クリームを全身に塗りたくっていた。
「嫁入り前の娘さんが、なんとはしたない格好を! お兄さんは悲しいぞ!」
「……目を皿のようにして私の胸を見てるのは、気のせいでしょうか」
ちなみは思ったより俺をしっかり見てて困る。
「……まぁ、いちおう水着の上から生クリームを塗ってるので大丈夫です。はしたなくないです。大和撫子です」
大和撫子は男の部屋で生クリームまみれにはならない。
「と、いうわけで。……召し上がれ」
ずい、とちなみが一歩こっちに寄ってきた。思わず一歩後ずさる。
「ざ、残念、スプーンがない。これじゃ食べれないなぁ。は、はは、ははははは」
「……仕方ないです、舐めて食べてください」
墓穴を掘ったようだ。全身から汗がふき出す。
「や、その、舐められたら、ちなみもくすぐったくて大変だろうし、ね?」
「……だいじょぶ」
ちなみは自分の体についたクリームをすくい取り、俺のほっぺにつけた。
「……ぺろっ」
「んなっ!?」
そして、俺のほっぺを舐めた。
「……ほら、くすぐったくないです」
くすぐったいとかそんなのはよく分からんが、心臓がバクバク鳴ってるのだけはよく分かる。
「男は度胸、です。……ふぁいと」
「どどど度胸とかそんなじゃなくて! そ、そうだ! 先日うどん食ってる時に誤って舌を噛み切ったから舐められないんだ」
「……じゃあ、どうやって喋ってるんでしょう」
「二枚舌だから、もう一枚あるんだ」
「……じゃ、舐めれますね」
ちなみは思ったより賢かった。
「タカシが馬鹿なだけです」
ちなみはすぐ俺の思考を読むので勘弁してほしい。
「……心配しなくても、おいしいですよ?」
「おっ、おいしいとかそんなことは心配してなくて! つーかちなみが美味そうなのは見れば分かるわけで!」
「……私が言ってるのは、クリームの話なんですが」
しまった。ていうか、それしかないのにどうして俺はこんなにエロいのか!
「……私、食べられるんでしょうか?」
言葉は不安そうだが、顔が期待に満ち満ちているのはなぜでしょう。
「大丈夫、俺は紳士だから食べたりしない」
「…………」
とても不満そうに睨まれた。どうしろというのだ。
「ここまでして手出さないなんて……まさか、同性愛者なんですか?」
「失礼な! 今もちなみの痴態に死ぬほどドキドキしてるぞ! 必死に理性で押さえ込んでるだけなのら!」
興奮のあまり語尾がおかしくなった。
「……私、おいしいですよ?」
ああ、ダメだ。そんな、小首を傾げられたら、もう。
「い、い、いっただっきまーす!」
いざ、ルパン跳び!
「うるさいわよー、タカシ」
ぴょいんと飛びついた先には、不思議なことに母さんが。
「……はい、そうです。誤解です」
ものっそい殴られた後、正座して事情を説明する。
「つまり、アンタはちなみちゃんを襲うつもりが、誤って母親である私を襲いそうになった、と」
「まさにそう! いやぁ話が早くて助かる。まぁ仮に間違ったとしても、義理だしいいよね? 母さん童顔だし」
「こづかい三ヶ月カット」
事情を説明したのにこの仕打ち。世の中にはまだまだ不思議な事があるもんだ。
【なすびちなみん】
2010年04月18日
家に帰ると、明らかに変な人物がいた。できるだけ目を逸らしながら着替える。
「……なんでこっち見ないんですか」
変な人が俺の方を見て何か言ってるけど、聞こえない聞こえない。復習しよう、復習。
「……普段勉強なんてしないくせに、なんで勉強してるんでしょう」
変な人が寄ってきた。教科書に影が落ちる。俺は諦めて顔を上げた。
「何やってんだ、ちなみ」
「……なすびです。……実は、なすびは苦手です」
ちなみは少し嫌そうに巨大なすびに身を包んでいた。苦手なら着なけりゃいいのに。
「……苦手なものを克服してこそ、です。……頑張ってる私を見て、惚れ直しました?」
惚れ直してほしいなら、勝手に人の机の上に乗らないでください。踊るな。
「なすびダンスです。……特許、出願中」
今日のちなみは少し足りない。
「……しゃるうぃーだんす?」
「のーせんきゅー」
ちなみは少し残念そうに眉尻を下げた。
「……そんなのはどうでもいいんです。……まったく、タカシと話してるとすぐ脱線するので困ります」
今回に関して言えば、脱線させた覚えは全くない。偉そうに俺の頭叩かないで。
「なすび、と言えば? はい、タカシ」
「ええと……焼きナスとか?」
「ぶぶー。はずれ。ばーか」
「…………」
「正解は、女の子が使うちょっとえっちな小道具……らしいです」
違う。それだけは断じて違う。
「……けど、使い方がよく分からないので、タカシで実験してみようと思うのです」
すかさず部屋を飛び出したけど、捕まった。
「ま、待って! 俺ノーマル! 挿れられるより挿れたいの! おーけー?」
「……入れるのですか? ……分かりました、頑張ります」
「頑張らないでお願い!」
その後、必死に説得して難を逃れた。本当に死ぬかと思った。
「……なんでこっち見ないんですか」
変な人が俺の方を見て何か言ってるけど、聞こえない聞こえない。復習しよう、復習。
「……普段勉強なんてしないくせに、なんで勉強してるんでしょう」
変な人が寄ってきた。教科書に影が落ちる。俺は諦めて顔を上げた。
「何やってんだ、ちなみ」
「……なすびです。……実は、なすびは苦手です」
ちなみは少し嫌そうに巨大なすびに身を包んでいた。苦手なら着なけりゃいいのに。
「……苦手なものを克服してこそ、です。……頑張ってる私を見て、惚れ直しました?」
惚れ直してほしいなら、勝手に人の机の上に乗らないでください。踊るな。
「なすびダンスです。……特許、出願中」
今日のちなみは少し足りない。
「……しゃるうぃーだんす?」
「のーせんきゅー」
ちなみは少し残念そうに眉尻を下げた。
「……そんなのはどうでもいいんです。……まったく、タカシと話してるとすぐ脱線するので困ります」
今回に関して言えば、脱線させた覚えは全くない。偉そうに俺の頭叩かないで。
「なすび、と言えば? はい、タカシ」
「ええと……焼きナスとか?」
「ぶぶー。はずれ。ばーか」
「…………」
「正解は、女の子が使うちょっとえっちな小道具……らしいです」
違う。それだけは断じて違う。
「……けど、使い方がよく分からないので、タカシで実験してみようと思うのです」
すかさず部屋を飛び出したけど、捕まった。
「ま、待って! 俺ノーマル! 挿れられるより挿れたいの! おーけー?」
「……入れるのですか? ……分かりました、頑張ります」
「頑張らないでお願い!」
その後、必死に説得して難を逃れた。本当に死ぬかと思った。
【ツンデレに「やぁ、我が愛しのかなみ」って言ったら】
2010年04月18日
廊下を歩いてると、かなみを見つけた。よし、からかおう。
「やぁ、我が愛しのかなみ。じゅっていむ」
そのまま背後から抱きしめる。ついでに乳揉んでやれ。むにむに、もにゅんもにゅん。……もにゅんもにゅん?
振り向いたその娘は、おかしなことにリナっぽかった。
「いきなり何するんですの!」
リナは羞恥に頬を染めつつ、思い切り俺の頬をビンタした。
「あ、いや、その……おっぱい大きいですよ?」
「知ってますわ!」
リナは顔を真っ赤にしながら両手で胸を覆い隠した。改めて見ると、かなみと違いでっかい。哀れ、つるぺたかなみ。
「ええと、ごめんなさい。かなみと間違えました。なんか後姿似てて」
「髪の色が全く違うじゃありませんの!? わたくし、金髪ですわよ!」
「時々光の明暗しか認識できなくなるんだ。昆虫みたいに」
「もうちょっとマシな言い訳を考えておくことですわね!」
リナが俺の頭を鷲づかみし、割りにかかった。もげる前に慌てて謝罪する。
「すすす、すいません! たぶん、よく見ないでやったんだと思います!」
謝罪の言葉を聞き、やっとリナは手を除けてくれた。
「まったく……。それより、抱きついてきた時、変なこと言いませんでしたこと?」
「気のせいだ!」
「……確か、“愛しのかなみ”とか、なんとかって」
力いっぱい否定したのに、リナは軽く無視して俺を焦らせた。
「い、いや、その、だな。俺が言ったのは“糸師のかなみ”。つまり、俺の糸の師なんだ」
「なんですの? 糸の師って」
「あやとりの師。目指せ、のび犬」
「……嘘ですわね」
「そんなところさ! わはははは!」
笑って誤魔化すと、思い切り頬をつねられた。
「……はぁ。つまり、貴方はかなみさんが愛しいのですわね。まったく、かなみさんも貴方のような方に好かれて災難ですわね」
口調は軽いが、リナの顔色はどこか冴えない。一体どうしたのだろう。
「いや、別に愛しくはないぞ。ただ、大事な友人であるのは確かだ。無論、目の前にいる娘さんもな」
「……わたくしも?」
「当然だろ。ま、リナが俺をどう思ってるかは知らないけど、俺は勝手に大事な友人と思ってる」
リナは嬉しいような悲しいような、そんな微妙な笑みを見せた。
「……そうですの。大事な、友人……」
噛み締めるように一言一言リナは呟いた。
「あ、そうだ。乳を揉んでしまったことだし、恋人に昇格しませんか?」
「なななっ、なんで貴方なんかと恋人にならなくちゃならないんですこと!? ふ、不愉快ですわ!」
リナは腕を組み、激しく俺を睨みつけた。怒りのためか、やけに顔が赤い。
「そして年がら年中乳を揉んだり乳を吸ったりしましょう」
「やっぱりそれですの!? セクハラですわよ!」
「大丈夫、俺の乳も揉んだり吸ってもいいから。男女平等って素敵だよね」
「そんな平等お断りですわ!」
そりゃそうだ。俺も揉まれるよりも揉みたい真剣(マジ)で。
「それにしてもでっかいな……ありふれた質問で悪いが、揉んでいいか?」
「質問じゃありませんわよ!?」
乳を弾ませながらリナは叫んだ。……ううん、それにしてもでっかい。
「リナ、も一回揉ませて」
「なんでですの!? ぜっっっったい、嫌ですわ!」
「じゃあ吸わせて」
「尚更お断りですわッ!」
「んじゃ、教室行こう」
「……はい?」
「いや、とっとと行かないと授業遅れるぞ?」
リナは毒気を抜かれたかのように、力なくため息をついた。
「……貴方を相手にすると、なんだか疲れますわ」
「その分、俺は誰と話しても楽しいぞ。教師除く。奴ら、俺を見るといっつも説教しやがるんだ。なんでだろうな?」
「……はぁ」
リナはなんだかやりきれないため息をつきながらも、大人しく教室に向かった。
俺も後に続こうとしたら、一部始終を見ていた生徒の通報によりやってきた先生に捕まった。
言い訳無用、職員室にて説教開始。……やっぱり楽しくない。
「やぁ、我が愛しのかなみ。じゅっていむ」
そのまま背後から抱きしめる。ついでに乳揉んでやれ。むにむに、もにゅんもにゅん。……もにゅんもにゅん?
振り向いたその娘は、おかしなことにリナっぽかった。
「いきなり何するんですの!」
リナは羞恥に頬を染めつつ、思い切り俺の頬をビンタした。
「あ、いや、その……おっぱい大きいですよ?」
「知ってますわ!」
リナは顔を真っ赤にしながら両手で胸を覆い隠した。改めて見ると、かなみと違いでっかい。哀れ、つるぺたかなみ。
「ええと、ごめんなさい。かなみと間違えました。なんか後姿似てて」
「髪の色が全く違うじゃありませんの!? わたくし、金髪ですわよ!」
「時々光の明暗しか認識できなくなるんだ。昆虫みたいに」
「もうちょっとマシな言い訳を考えておくことですわね!」
リナが俺の頭を鷲づかみし、割りにかかった。もげる前に慌てて謝罪する。
「すすす、すいません! たぶん、よく見ないでやったんだと思います!」
謝罪の言葉を聞き、やっとリナは手を除けてくれた。
「まったく……。それより、抱きついてきた時、変なこと言いませんでしたこと?」
「気のせいだ!」
「……確か、“愛しのかなみ”とか、なんとかって」
力いっぱい否定したのに、リナは軽く無視して俺を焦らせた。
「い、いや、その、だな。俺が言ったのは“糸師のかなみ”。つまり、俺の糸の師なんだ」
「なんですの? 糸の師って」
「あやとりの師。目指せ、のび犬」
「……嘘ですわね」
「そんなところさ! わはははは!」
笑って誤魔化すと、思い切り頬をつねられた。
「……はぁ。つまり、貴方はかなみさんが愛しいのですわね。まったく、かなみさんも貴方のような方に好かれて災難ですわね」
口調は軽いが、リナの顔色はどこか冴えない。一体どうしたのだろう。
「いや、別に愛しくはないぞ。ただ、大事な友人であるのは確かだ。無論、目の前にいる娘さんもな」
「……わたくしも?」
「当然だろ。ま、リナが俺をどう思ってるかは知らないけど、俺は勝手に大事な友人と思ってる」
リナは嬉しいような悲しいような、そんな微妙な笑みを見せた。
「……そうですの。大事な、友人……」
噛み締めるように一言一言リナは呟いた。
「あ、そうだ。乳を揉んでしまったことだし、恋人に昇格しませんか?」
「なななっ、なんで貴方なんかと恋人にならなくちゃならないんですこと!? ふ、不愉快ですわ!」
リナは腕を組み、激しく俺を睨みつけた。怒りのためか、やけに顔が赤い。
「そして年がら年中乳を揉んだり乳を吸ったりしましょう」
「やっぱりそれですの!? セクハラですわよ!」
「大丈夫、俺の乳も揉んだり吸ってもいいから。男女平等って素敵だよね」
「そんな平等お断りですわ!」
そりゃそうだ。俺も揉まれるよりも揉みたい真剣(マジ)で。
「それにしてもでっかいな……ありふれた質問で悪いが、揉んでいいか?」
「質問じゃありませんわよ!?」
乳を弾ませながらリナは叫んだ。……ううん、それにしてもでっかい。
「リナ、も一回揉ませて」
「なんでですの!? ぜっっっったい、嫌ですわ!」
「じゃあ吸わせて」
「尚更お断りですわッ!」
「んじゃ、教室行こう」
「……はい?」
「いや、とっとと行かないと授業遅れるぞ?」
リナは毒気を抜かれたかのように、力なくため息をついた。
「……貴方を相手にすると、なんだか疲れますわ」
「その分、俺は誰と話しても楽しいぞ。教師除く。奴ら、俺を見るといっつも説教しやがるんだ。なんでだろうな?」
「……はぁ」
リナはなんだかやりきれないため息をつきながらも、大人しく教室に向かった。
俺も後に続こうとしたら、一部始終を見ていた生徒の通報によりやってきた先生に捕まった。
言い訳無用、職員室にて説教開始。……やっぱり楽しくない。
【忙しくて全くツンデレに連絡しなかったら】
2010年04月17日
春休みはなんだか妙に忙しくて、気がついたら新学期でした。新しいクラスだにゃーと思いながら教室に入ったら、なじみの顔ぶれ。そういや今年は繰り上げで、クラス替えなかったな。
適当な席に座ってぼーっとしてると、一番馴染みのある顔が教室に入ってきた。なんだか冴えない顔で教室内をきょろきょろしてるなと思ったら、目があった。なんかすっごい笑顔になったあと、顔をぷるぷる振って真顔にした。で、なんかこっち来た。
「どういうことだよっ!」
「うわあっ」
ずばーんと机を叩かれ、びっくりした。
「なんでずーっと連絡しないんだよっ! 新手のいじめかよ!」
馴染みのある顔NO.1こと梓は、俺に噛み付かんばかりの勢いでまくしたてた。
「ああ、ちょっと待って。びっくりして心臓が止まってるので」
「タカシが死んだ!? ど、どしたらいいの!? ひっひっふー?」
「それはラマーズ法であり、それでは俺が妊娠していることになってしまうので却下」
「え、えと……じゃあじゃあ、どしたらいいの?」
「こういう時は人工呼吸で蘇生するのがベターではないかと」
「そっ、それだよ! ないすな案だよ! ……でも、それって溺れてる人にするんじゃないの?」
「そうなんだけど、適当言ってちゅーしたかったんだ」
「…………。タカシのばかぁっ!」
「いやいや、ボクっ娘のアレ加減には敵いません」
「アレ加減ってなんだよ!」
ボクっ娘が怒った。
「そ、そんなのはどうでもいーの! なんで春休みの間、ずーっと連絡してこないんだよ!」
「忙しくて」
「忙しくてもちょこっと連絡する暇くらいあるだろ!」
「ハトの餌を切らしてて」
「今時連絡手段が伝書鳩のみの人なんていないっ!」
「なんだとコンチクショウ!? 分かった、お前がそう言うなら今から残りの人生の全てをかけ、連絡手段がハトのみの人を探してやる! 覚えてやがれ!」
「なんで怒ってるの!?」
「や、なんか目の前の人が怒ってたので、こっちも怒ることで中和できるかなと思ったんだ。できた?」
「できないっ! とにかく、授業終わったら待ってろよな! 一人で帰ったらボク怒るからね!」
「分かった、分身して帰る」
「普通に待ってるの!」
「はい」
それだけ言って、梓は離れていった。なんかいっぱい怒られたなーと思ってたら、チャイムが鳴って先生が入ってきた。体育館へ行けと命令された。
今日は初日なので、入学式だけですぐ終わった。分身の術を試したがもう一人俺が現れる気配がなかったので大人しく教室にいると、友人らと挨拶を交わした梓がこちらにやってきた。
「あ、待ってたね。偉い偉い♪」
頭にやってきた手を素早くかわす。
「なでなでをよけるなよっ!」
「折り紙の要領で折り畳まれるのかと思ったんだ」
「どれだけボク怪力なんだよっ! ……もー、いいから帰ろ?」
「任せろ、得意だ」
「なんで普通に言えないんだろ……?」
不思議そうな梓と一緒に学校を出る。
「でさ。何がそんな忙しかったの? ……ボクをずーっと無視するくらい忙しいことって、なに?」
「なんか恨まれてやしませんか」
じとーっとした目つきで見られていると、そんな気がしてならない。
「気のせいだよっ」
「なんだそうか。いやよかったよかったうわははは!」
「気のせいじゃないよっ! 超恨んでるよっ! 春休みはいっぱいいっぱいタカシと遊ぼうって計画がおじゃんだよ! おじゃる丸だよ!」
何の憂いもない笑いをしたら即意見を翻された。
「色々思うところはありますが、とりあえず。おじゃる丸ではないと思います」
「うっ、うるさいっ! れーせーに否定すんな、ばかっ!」
「あと、俺と遊びたかったのですか」
「う……な、なんだよ。ボクがタカシと遊びたいって思ったらダメなのかよ!」
「ダメではないです。いやね、春休みはバイトしてたんだけど、なんか人手が足りなかったらしく連日入る羽目になり、他の事をする余裕が全くなかったんだ。ごめんな、梓」
「……もーいーよ。あ、てことはさ、いっぱいお金あるってこと?」
「全額寄付したからないんだ」
「タカシが偽善者に成り果てた!?」
「ボクっ娘の台詞が悪意に満ち満ちている」
「だ、だって、そんなのするキャラじゃないじゃんか。あ、なんかすっごく悪いことしちゃって、その罪滅ぼしのために寄付したの?」
「ああ、実は梓の銀行口座の金を全額盗っちゃってな。あまりの罪悪感に耐え切れず、その金を全部寄付した」
「ボクだけが大損してる!?」
「ものすごく感謝されて気持ちよかった」
「タカシ悪魔だよ、悪魔超人だよ!」
「しかし、悪魔超人になる覚悟はなかったので妄想だけでやめておいた。そんな俺は偉いか?」
「……まー半分くらいはそうだと思ってたけど、ちこっとだけ信じちゃったよ。タカシって変なスキル持ってるから」
「ああ、嘘妖怪説明スキルな。就職に役立ちそうだ」
「全然全くちっとも役立たないっ! ……とにかくさ、バイト終わったんだよね? これからは暇なんだよね?」
「うん」
「……へへー」
なんかニヤニヤしながら梓が寄ってきた。同じ距離だけ梓から離れる。
「離れるなっ!」
「だって、あのままの場所にいたら梓のあまりの可愛さに思わず手を握ってしまい、そうしたら『痴漢。慰謝料100万。明日までに現金で』ってお前に言われるから」
「ボクはそんな悪人じゃないっ! ……て、ていうかさ、可愛いとかゆーなよ」
怒りながらも、梓は顔を赤くしながらうにゃうにゃ言った。
「ぶさいく」
「ぐーぱんち!」
ぐーぱんちは大変痛いです。
「お前の望む通り言ったのにこの仕打ち。神はいないのか!」
「誰も悪口言えとはいってない!」
「すいません。平常運転で可愛いです」
「うっ! ……も、もー。タカシって、すぐそーゆーこと言うよね」
満更でもない表情で、梓は俺の腕を指でうにうにした。
「貧乳ってだけで俺内部で計測される点数が+50されるからな」
「……タカシって、すぐそーゆーこと言うよね」
先ほどと同じ台詞だが、温度差が尋常ではない。
「機嫌も直ったようだし、今からどこか遊びに行くか」
「ちっとも直ってない! ……な、直ってないけど、行く」
俺の制服の裾をちょこんと掴み、上目遣いでこっちを見ながら梓はおずおずと言った。
「ははーん。さてはこの生物、俺を萌え殺す気だな?」
「何の話だよっ! ていうか、いきものってゆーなっ!」
もぎゃもぎゃ言ってる梓と一緒に遊びに行きました。
適当な席に座ってぼーっとしてると、一番馴染みのある顔が教室に入ってきた。なんだか冴えない顔で教室内をきょろきょろしてるなと思ったら、目があった。なんかすっごい笑顔になったあと、顔をぷるぷる振って真顔にした。で、なんかこっち来た。
「どういうことだよっ!」
「うわあっ」
ずばーんと机を叩かれ、びっくりした。
「なんでずーっと連絡しないんだよっ! 新手のいじめかよ!」
馴染みのある顔NO.1こと梓は、俺に噛み付かんばかりの勢いでまくしたてた。
「ああ、ちょっと待って。びっくりして心臓が止まってるので」
「タカシが死んだ!? ど、どしたらいいの!? ひっひっふー?」
「それはラマーズ法であり、それでは俺が妊娠していることになってしまうので却下」
「え、えと……じゃあじゃあ、どしたらいいの?」
「こういう時は人工呼吸で蘇生するのがベターではないかと」
「そっ、それだよ! ないすな案だよ! ……でも、それって溺れてる人にするんじゃないの?」
「そうなんだけど、適当言ってちゅーしたかったんだ」
「…………。タカシのばかぁっ!」
「いやいや、ボクっ娘のアレ加減には敵いません」
「アレ加減ってなんだよ!」
ボクっ娘が怒った。
「そ、そんなのはどうでもいーの! なんで春休みの間、ずーっと連絡してこないんだよ!」
「忙しくて」
「忙しくてもちょこっと連絡する暇くらいあるだろ!」
「ハトの餌を切らしてて」
「今時連絡手段が伝書鳩のみの人なんていないっ!」
「なんだとコンチクショウ!? 分かった、お前がそう言うなら今から残りの人生の全てをかけ、連絡手段がハトのみの人を探してやる! 覚えてやがれ!」
「なんで怒ってるの!?」
「や、なんか目の前の人が怒ってたので、こっちも怒ることで中和できるかなと思ったんだ。できた?」
「できないっ! とにかく、授業終わったら待ってろよな! 一人で帰ったらボク怒るからね!」
「分かった、分身して帰る」
「普通に待ってるの!」
「はい」
それだけ言って、梓は離れていった。なんかいっぱい怒られたなーと思ってたら、チャイムが鳴って先生が入ってきた。体育館へ行けと命令された。
今日は初日なので、入学式だけですぐ終わった。分身の術を試したがもう一人俺が現れる気配がなかったので大人しく教室にいると、友人らと挨拶を交わした梓がこちらにやってきた。
「あ、待ってたね。偉い偉い♪」
頭にやってきた手を素早くかわす。
「なでなでをよけるなよっ!」
「折り紙の要領で折り畳まれるのかと思ったんだ」
「どれだけボク怪力なんだよっ! ……もー、いいから帰ろ?」
「任せろ、得意だ」
「なんで普通に言えないんだろ……?」
不思議そうな梓と一緒に学校を出る。
「でさ。何がそんな忙しかったの? ……ボクをずーっと無視するくらい忙しいことって、なに?」
「なんか恨まれてやしませんか」
じとーっとした目つきで見られていると、そんな気がしてならない。
「気のせいだよっ」
「なんだそうか。いやよかったよかったうわははは!」
「気のせいじゃないよっ! 超恨んでるよっ! 春休みはいっぱいいっぱいタカシと遊ぼうって計画がおじゃんだよ! おじゃる丸だよ!」
何の憂いもない笑いをしたら即意見を翻された。
「色々思うところはありますが、とりあえず。おじゃる丸ではないと思います」
「うっ、うるさいっ! れーせーに否定すんな、ばかっ!」
「あと、俺と遊びたかったのですか」
「う……な、なんだよ。ボクがタカシと遊びたいって思ったらダメなのかよ!」
「ダメではないです。いやね、春休みはバイトしてたんだけど、なんか人手が足りなかったらしく連日入る羽目になり、他の事をする余裕が全くなかったんだ。ごめんな、梓」
「……もーいーよ。あ、てことはさ、いっぱいお金あるってこと?」
「全額寄付したからないんだ」
「タカシが偽善者に成り果てた!?」
「ボクっ娘の台詞が悪意に満ち満ちている」
「だ、だって、そんなのするキャラじゃないじゃんか。あ、なんかすっごく悪いことしちゃって、その罪滅ぼしのために寄付したの?」
「ああ、実は梓の銀行口座の金を全額盗っちゃってな。あまりの罪悪感に耐え切れず、その金を全部寄付した」
「ボクだけが大損してる!?」
「ものすごく感謝されて気持ちよかった」
「タカシ悪魔だよ、悪魔超人だよ!」
「しかし、悪魔超人になる覚悟はなかったので妄想だけでやめておいた。そんな俺は偉いか?」
「……まー半分くらいはそうだと思ってたけど、ちこっとだけ信じちゃったよ。タカシって変なスキル持ってるから」
「ああ、嘘妖怪説明スキルな。就職に役立ちそうだ」
「全然全くちっとも役立たないっ! ……とにかくさ、バイト終わったんだよね? これからは暇なんだよね?」
「うん」
「……へへー」
なんかニヤニヤしながら梓が寄ってきた。同じ距離だけ梓から離れる。
「離れるなっ!」
「だって、あのままの場所にいたら梓のあまりの可愛さに思わず手を握ってしまい、そうしたら『痴漢。慰謝料100万。明日までに現金で』ってお前に言われるから」
「ボクはそんな悪人じゃないっ! ……て、ていうかさ、可愛いとかゆーなよ」
怒りながらも、梓は顔を赤くしながらうにゃうにゃ言った。
「ぶさいく」
「ぐーぱんち!」
ぐーぱんちは大変痛いです。
「お前の望む通り言ったのにこの仕打ち。神はいないのか!」
「誰も悪口言えとはいってない!」
「すいません。平常運転で可愛いです」
「うっ! ……も、もー。タカシって、すぐそーゆーこと言うよね」
満更でもない表情で、梓は俺の腕を指でうにうにした。
「貧乳ってだけで俺内部で計測される点数が+50されるからな」
「……タカシって、すぐそーゆーこと言うよね」
先ほどと同じ台詞だが、温度差が尋常ではない。
「機嫌も直ったようだし、今からどこか遊びに行くか」
「ちっとも直ってない! ……な、直ってないけど、行く」
俺の制服の裾をちょこんと掴み、上目遣いでこっちを見ながら梓はおずおずと言った。
「ははーん。さてはこの生物、俺を萌え殺す気だな?」
「何の話だよっ! ていうか、いきものってゆーなっ!」
もぎゃもぎゃ言ってる梓と一緒に遊びに行きました。


