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2026年03月16日
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【牛乳の飲めないツンデレ】

2010年04月27日
 先輩と共に中庭で昼食を食べた後、なんとなくだべってると牛乳の話になった。
「…………」
「え、飲めない? まずい? ……だから、かぁ」
 先輩の小さな体をあますとこなく見たのが気に入らなかったのか、ほっぺを引っ張られた。
「いてて……でもさ先輩、牛乳を飲まないからそんな小さいんじゃないか?」
「…………」
「え、小さくない? いやいやいや、小さいって。それは否定したらダメだろ、事実なんだから」
 先輩は気に入らないことがあると、すぐ俺のほっぺを引っ張るので困る。ほら、今も。
「先輩、俺にも痛覚があるんだからほっぺを引っ張るのはやめた方がいいぞ」
「…………」
「なに、うるさい? 知ったことか? ……ダメだぞ、人に酷いことなんかしちゃ」
 痛みは自身が体験しなければ理解できない。俺は先輩のほっぺを軽く引っ張った。
「…………」
 先輩は涙目で俺をじっと見た。……いかん、この目で見られると全部許したくなってしまう。
 しかし、先輩自身が理解してくれるまで、この手を離すわけには!
「…………」
「……やめろクソ虫、って言った?」
 先輩は涙目のままコクコク頷いた。俺は最高の笑顔で先輩のほっぺを思い切り引っ張った。
 俺より年上の人が全力で泣き出した。
「うわっ、見てアレ。別府くん、子供泣かしてるよ」
「別府マジサイテー」
 中庭にいる他の生徒たちが微妙に聞こえる声でヒソヒソと話を始めた。
「ち、違うぞ皆の集! この人は一見子供だけど、実は俺より年上なんだ!」
 しかし、評判が地の底まで落ちた俺の言葉を信用する者は誰もおらず、皆口々に俺の悪口を言いながら校舎に戻って行った。
「う、ううう……なんでこんなことに……」
 膝をついてうな垂れていると、肩を軽く叩かれた。顔を上げると、先輩のにこやかな笑顔があった。
「……嘘泣き?」
 笑顔でコクコク頷く先輩の頭に、俺はチョップするのだった。

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【可愛らしいくしゃみをするツンデレ】

2010年04月27日
「くちっ」
 異音がしたので教室を見渡すと、ちなみが鼻をすすっていた。
「今の怪音はおまえが出したのか?」
「……怪音なんて出してない」
 近寄ってからかうと、ちなみは不満そうに鼻を鳴らした。
「いや、なんかクチって。虫とか妖怪が出しそうな音が聞こえたんだが」
「……タカシは頭だけでなく、耳まで悪くなった」
 そりゃどういう意味だコノヤロウ、と思っていたらちなみが大きく頭を仰け反らした。
「くちっ」
「……くち、と聞こえたけど?」
「……気のせい。耳鳴りが聞こえるなら、病院に行った方がいい」
「いやいやいや、言ったって。はっきり」
「言って……くちっ」
「…………」
 ちなみは小さく頬を染めた。
「……ええと、……くしゃみ。……昔から、みんなみたいに普通にできない」
「不器用なんだな」
「…………」
 ちなみは大きく頬をふくらませた。怒らせてしまったようだ。
「あ、いや、でもいいんじゃないか? ほら、個性的だし」
「……馬鹿にしてる」
「してないしてない」
「……怪音とか、虫とか妖怪が出しそうな音って言った」
「うぐっ……そ、それはつまり、ええと」
「……どうせ私は不器用だから、変なくしゃみしかできないもん」
「あ、いやな、確かに変だけど、なんかちなみらしくって可愛いと思うぞ?」
「……可愛いとか言ったら機嫌が直ると思ってる。……私はそんな単純じゃないから、意味ないもん」
 単純じゃないと言ってるが、自分の頬が染まっていることにちなみは気づいているのだろうか。

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【カレーライスよりハヤシライスが好きなツンデレ】

2010年04月27日
 学食に行くと、偶然先輩と会った。隣に座らせてもらう。
「先輩、何頼んだの?」
「…………」
「見ての通り? ……いや、まぁそうなんだけど、会話の掴みというか……まぁいいや」
 先輩は黙々とハヤシライスを口に運んでいた。逆手にスプーンを持ってるせいなのかそれとも不器用なのか、テーブルに飯粒をこぼしまくっている。
「ハヤシライスか。それも嫌いじゃないけど、俺はやっぱりカレーだな。ほら、俺が頼んだのもカレーだし」
「…………」
「カレーなんてハヤシライスの偽物? ……そりゃちっと言いすぎじゃないか、先輩? ほら、食ってみれば考えも変わるかもしれんぞ」
 俺は自分の皿からカレーをすくうと、先輩の皿に入れた。混ぜると危険なので飯の上に乗せる。
「…………」
「余計なことすんな、馬鹿? いやいや、食ってみれば美味いかもしれないぞ。何事もチャレンジだ!」
 先輩はうさんくさそうに俺を一瞥したあと、恐る恐るカレーをすくい、口に含んだ。
「…………」
 先輩は泣きそうな顔になった。
「どした先輩? 辛いのか?」
 先輩はコクコクコクと何度も頷いた。
「そういやこれ辛口だな。子供にゃきつかったか」
 先輩は手元の水を一気に飲み干した。
「……! ……!」
「子供じゃない? 本当はこんなの平気? ……じゃあ、もっと食える?」
 先輩は小さくもちろん、と言った。俺の皿からカレーをすくうと、ふるふると小さくスプーンを震わせ、口に入れた。
「…………」
 先輩は泣きそうな顔になった。
「あーもう、無理すんなよ先輩」
 水を渡そうとコップを持ち上げたら、先輩は俺の手から素早くコップを奪取し一気に飲み干した。
「…………」
「ほら、平気だった? だから大人? ……そうだね、先輩」
 先輩の頭をなでてあげると、先輩は嬉しそうに胸を張って笑うのだった。

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【チワワとちくわを間違えたツンデレ】

2010年04月26日
 暇つぶしに先輩の教室に行くと、先輩は何かのチラシを夢中で見ていた。
「こんちゃ、先輩。何見てんの?」
 俺がやってきたことを知ると、先輩は目を輝かせて俺にチラシを見せ付けた。
「ん? ……なんだこりゃ」
 先輩が見せてくれたのは、スーパーのチラシだった。そして先輩が指したものは、ちくわ30円の文字だった。
「…………」
「チワワが30円? 安いから学校の帰りに買う? ……先輩」
 先輩はちくわとチワワを間違えていた。しかし、その事実をつきつけるには、あまりに先輩の目が輝きすぎていた。
「…………」
「楽しみ? 名前はミシンにする? ……その微妙なネーミングセンスはともかく、ええと、だな」
 先輩は俺が言いよどむのを見て、不思議そうに小首を傾げた。
「スーパーにチワワが売ってるのって変だと思わないか?」
 俺は出来るだけ遠回りに間違えていることを伝えた。
「…………」
「便利な時代になったね、……ですか。いやはや、その、馬鹿」
 先輩はほっぺをふくらまして、俺の頬を引っ張った。
「いててて! いや、そのな、も一回チラシをよ~く見てみ」
 先輩は不満そうにチラシを見た。そして、傍で見てて気の毒になるくらいショックを受けていた。
「……ま、そういうことだ。先輩が勘違いするのも仕方ないけど、分かってくれたよな」
「…………」
「……このチラシ一週間前のだった? いやいやいや、そうじゃなくて!」
 可愛らしく小首を傾げているが、悶えている暇はない。俺はずびしと真実を教えることにした。
「先輩が欲しいのは、チワワ。スーパーに売ってるのは、ちくわ。おーけー?」
 先輩は数度チラシを見た。そして最後に俺を見て、ゆっくり顔を赤くしていった。
「しかし、チワワとちくわを間違えるか? さすがは先輩だな。わはははは!」
 大笑いする俺に、先輩は顔をりんごのように赤く染め上げてぽかぽか叩くのだった。

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【妹祭】

2010年04月26日
 シスプリした。こんな世界があるのかと感動した。
「あ、おはよータカシ」
「違うぞかなみ、お兄ちゃんと呼べ!」
「……壊れた? なに? お兄ちゃんって」
「おー、兄だぞかなみ」
 かなみをぎゅーっと抱きしめる。
「わ、ちょ、ちょっといきなり何を……」
 顔を赤くしているかなみを置いて、ちなみの元へ行く。
「……おはよ、タカシ」
「ノンノンノン。にぃにぃだ」
「……にぃにぃ?」
「おー、兄だぞちなみ」
 ちなみをぎゅーっと抱きしめる。
「う、ううう……朝から破廉恥な行為をタカシはする」
 ちなみは不満そうに言った。頬が赤いのは気のせいなのか。
「お、そこにおわすはみことじゃないか。おはようみこと、兄様と呼べ」
 ちなみを拘束から解き、不思議そうにこっちを見ていたみことに駆け寄る。
「……とうとう脳が湧いたか。馬鹿ではあるが、いい奴だったのだがな」
「いーからほれ、兄様と呼ぶのだ」
「……まぁ、これも餞別と思えば。……ええと、兄様?」
「おお、兄だぞみこと」
 みことをぎゅーっと抱きしめる。
「ぬ、こ、これは……」
 赤ら顔を見せるみことを見てると、色々な感情が呼び覚まされるようだ。
「何をしてる、別府」
「おお、アンタも俺を兄と呼びたいのか……先生」
「職員室来い」
「はい」
 妹祭は説教数時間をもって終わった。

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