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2026年03月15日
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【好き嫌いの激しいボクっ娘】
2010年05月15日
ボクっ娘を脅してラーメンを食べに行った。店の親父にラーメンを二つ頼み待つことしばし、やってきたラーメンに舌鼓を打つ。
「ずるずるずる……ボクっ娘のおごりラーメンはうまいなぁ」
「ボクっ娘じゃなくて梓……ええっ! そんなのボク聞いてないよ! どうしよう、お金足りるかなぁ……」
財布を取り出して計算しだした梓のほっぺを引っ張る。
「冗談だ。いちいち真に受けるな」
「ほっへひっはははひへほ~!」
「あんちゃん、彼女をいじめるのは関心しないねぇ」
店の親父がそう言うと、梓は顔を真っ赤にして否定した。
「かっ、かかか彼女なんかじゃないです!」
「そうだ、こいつはただの肉奴隷だ」
「違うよぉ! ボクはただの友達だよぉ!」
「最近の学生さんはハイカラだねぇ……」
親父さんは何か納得したようにうんうんと頷きながら厨房に戻っていった。
「……誤解されちゃったじゃないか! どうしてくれるんだよぉ! もうこの店に来れないよぉ!」
「いいじゃん。友達も肉奴隷も似たようなもんだろ」
「全然違うよぉ! 何考えてんだよぉ!」
「ラーメンうまいなぁと考えてる」
「そうじゃなくて、いやそうだけど……もういいよ。はぁ……タカシといると疲れるよ」
「飽きなくていいだろ。あ、そのチャーシューくれ。代わりにメンマやる」
梓が何か言う前に彼女のラーメンから焼き豚を奪い、代わりにメンマを渡す。
「あああああ! なにすんだよぉ! ボクのチャーシュー!」
「むぐむぐむぐ……いいじゃん、代わりにメンマやったろ」
「メンマは嫌いなんだよぉ! ボクのチャーシュー返せ!」
「なんだ、メンマ嫌いなのか? 仕方ないなぁ」
俺は梓のラーメンに残ったメンマを全部入れた。
「あああああ! なにすんだよぉ! ボクの話聞いてたの!?」
「将来はお姫様になりたいとか言ってた気がする」
「全然聞いてない!?」
「うるさいなぁ、食事は静かにするもんだぞ」
「誰のせいでうるさくしてると思ってるんだよぉ!」
「えーと、……この人?」
梓の剣幕に怯えてる隣席の人が善さそうなおっさんを指差す。
「なんでそうなるんだよぉ!」
「自分のせいにするのが嫌なんじゃないか?」
「なに他人事みたいに言ってるんだよぉ! いーから、チャーシュー返して! そしたら許してあげるから」
「そうしたいのは山々だが、もう食っちゃったからなぁ」
そう言ってるまさに今、チャーシューを掴み口に放り込む。
「むぐむぐ……な?」
「なにやってんだよぉ! それ食べなかったらボクが食べれたんじゃないの!?」
「つまり、吐けと言うのだな。どうしてもと言うならやるが……」
ノドに指を突っ込もうとしたら、慌てて止められた。
「そんなことされても食べれないよぉ。……もういいよ」
元気をなくしてしまった梓に、俺は笑って言った。
「ま、そう気を落とすな。考え方を変えれば、苦手なメンマを克服するチャンスだぞ」
「いいよ、そんなの。残すから」
「ふむ……それもつまらんな。よし、メンマを食えたら一つだけ言うこと聞いてやる」
「……え? ホントに?」
「ああ。ただ、『徹底的に死ね』とか『今すぐ1億よこせ』とかは勘弁な。俺にできる範囲で頼む」
「そんなことは頼まないけど……ホントにいいの?」
「ああ。俺に二言はそれほどない」
「それほどって言葉が気になるけど……でも分かった、ボク頑張るよ!」
梓は気合を入れてメンマを掴み、震える箸をどうにかコントロールして自分の口に入れた。
「むぐむぐ……あぅ、まずいよぅ……」
「頑張れ、梓! ファイトだ、ラーメンうまいな、ずるずる」
「むぐむぐ……元気づけるなら最後までやってよぉ……ごくん」
なんとか梓はメンマを食うことが出きたようだ。
「おお、やったな」
「うん、ボクやったよ! ……それで、お願いだけど」
「お、おう」
「……えっと、えーっと、店を出てからお願いするね」
そう言って、梓は猛然とラーメンを食いだした。その脇から、メンマを取り出し食う。
「あ……」
「ちょっと腹が物足りないから取っただけだからな。他意はない」
自分でもバレバレだなと思う言い訳をしてメンマを頬張る。……ま、梓も頑張ったしこれくらいいいだろう。
「……えへへ、うん♪」
店員に金を払って店を出、しばらく歩いてから梓に訊ねる。
「で、お願いってのは?」
「……えっと、えーっと、ね、……メンマ食べれたから、『よくやった』って言って頭なでてほしい……」
梓は顔を真っ赤にしてそう言った。
「……はぁ。んなもんお願い使わなくてもやってやるのに……欲がないっつーかなんつーか」
俺はため息をついて梓の頭をなでた。
「……よくやったな、梓。えらいぞ」
「え、えへへへ」
「すごいぞ、がんばったな、……好きだぞ(ボソッ)」
「えへへ……え!? い、今なんて!?」
「なんでもない」
「もう一回言って! もう一回!」
「饅頭みたいなぷくぷくした顔だな」
「そんなこと言ってないよ! ほら、もう一回言ってよ!」
「……あーもう知るか! ほれ、とっとと帰るぞ!」
「あー、待ってよタカシ! ねー、お願いだからもう一回言ってよー♪」
絶対聞き取ってたな、と思いながら俺は幸せそうに腕に絡みつく梓を振り払えずにいた。
「ずるずるずる……ボクっ娘のおごりラーメンはうまいなぁ」
「ボクっ娘じゃなくて梓……ええっ! そんなのボク聞いてないよ! どうしよう、お金足りるかなぁ……」
財布を取り出して計算しだした梓のほっぺを引っ張る。
「冗談だ。いちいち真に受けるな」
「ほっへひっはははひへほ~!」
「あんちゃん、彼女をいじめるのは関心しないねぇ」
店の親父がそう言うと、梓は顔を真っ赤にして否定した。
「かっ、かかか彼女なんかじゃないです!」
「そうだ、こいつはただの肉奴隷だ」
「違うよぉ! ボクはただの友達だよぉ!」
「最近の学生さんはハイカラだねぇ……」
親父さんは何か納得したようにうんうんと頷きながら厨房に戻っていった。
「……誤解されちゃったじゃないか! どうしてくれるんだよぉ! もうこの店に来れないよぉ!」
「いいじゃん。友達も肉奴隷も似たようなもんだろ」
「全然違うよぉ! 何考えてんだよぉ!」
「ラーメンうまいなぁと考えてる」
「そうじゃなくて、いやそうだけど……もういいよ。はぁ……タカシといると疲れるよ」
「飽きなくていいだろ。あ、そのチャーシューくれ。代わりにメンマやる」
梓が何か言う前に彼女のラーメンから焼き豚を奪い、代わりにメンマを渡す。
「あああああ! なにすんだよぉ! ボクのチャーシュー!」
「むぐむぐむぐ……いいじゃん、代わりにメンマやったろ」
「メンマは嫌いなんだよぉ! ボクのチャーシュー返せ!」
「なんだ、メンマ嫌いなのか? 仕方ないなぁ」
俺は梓のラーメンに残ったメンマを全部入れた。
「あああああ! なにすんだよぉ! ボクの話聞いてたの!?」
「将来はお姫様になりたいとか言ってた気がする」
「全然聞いてない!?」
「うるさいなぁ、食事は静かにするもんだぞ」
「誰のせいでうるさくしてると思ってるんだよぉ!」
「えーと、……この人?」
梓の剣幕に怯えてる隣席の人が善さそうなおっさんを指差す。
「なんでそうなるんだよぉ!」
「自分のせいにするのが嫌なんじゃないか?」
「なに他人事みたいに言ってるんだよぉ! いーから、チャーシュー返して! そしたら許してあげるから」
「そうしたいのは山々だが、もう食っちゃったからなぁ」
そう言ってるまさに今、チャーシューを掴み口に放り込む。
「むぐむぐ……な?」
「なにやってんだよぉ! それ食べなかったらボクが食べれたんじゃないの!?」
「つまり、吐けと言うのだな。どうしてもと言うならやるが……」
ノドに指を突っ込もうとしたら、慌てて止められた。
「そんなことされても食べれないよぉ。……もういいよ」
元気をなくしてしまった梓に、俺は笑って言った。
「ま、そう気を落とすな。考え方を変えれば、苦手なメンマを克服するチャンスだぞ」
「いいよ、そんなの。残すから」
「ふむ……それもつまらんな。よし、メンマを食えたら一つだけ言うこと聞いてやる」
「……え? ホントに?」
「ああ。ただ、『徹底的に死ね』とか『今すぐ1億よこせ』とかは勘弁な。俺にできる範囲で頼む」
「そんなことは頼まないけど……ホントにいいの?」
「ああ。俺に二言はそれほどない」
「それほどって言葉が気になるけど……でも分かった、ボク頑張るよ!」
梓は気合を入れてメンマを掴み、震える箸をどうにかコントロールして自分の口に入れた。
「むぐむぐ……あぅ、まずいよぅ……」
「頑張れ、梓! ファイトだ、ラーメンうまいな、ずるずる」
「むぐむぐ……元気づけるなら最後までやってよぉ……ごくん」
なんとか梓はメンマを食うことが出きたようだ。
「おお、やったな」
「うん、ボクやったよ! ……それで、お願いだけど」
「お、おう」
「……えっと、えーっと、店を出てからお願いするね」
そう言って、梓は猛然とラーメンを食いだした。その脇から、メンマを取り出し食う。
「あ……」
「ちょっと腹が物足りないから取っただけだからな。他意はない」
自分でもバレバレだなと思う言い訳をしてメンマを頬張る。……ま、梓も頑張ったしこれくらいいいだろう。
「……えへへ、うん♪」
店員に金を払って店を出、しばらく歩いてから梓に訊ねる。
「で、お願いってのは?」
「……えっと、えーっと、ね、……メンマ食べれたから、『よくやった』って言って頭なでてほしい……」
梓は顔を真っ赤にしてそう言った。
「……はぁ。んなもんお願い使わなくてもやってやるのに……欲がないっつーかなんつーか」
俺はため息をついて梓の頭をなでた。
「……よくやったな、梓。えらいぞ」
「え、えへへへ」
「すごいぞ、がんばったな、……好きだぞ(ボソッ)」
「えへへ……え!? い、今なんて!?」
「なんでもない」
「もう一回言って! もう一回!」
「饅頭みたいなぷくぷくした顔だな」
「そんなこと言ってないよ! ほら、もう一回言ってよ!」
「……あーもう知るか! ほれ、とっとと帰るぞ!」
「あー、待ってよタカシ! ねー、お願いだからもう一回言ってよー♪」
絶対聞き取ってたな、と思いながら俺は幸せそうに腕に絡みつく梓を振り払えずにいた。
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【借り物競争なツンデレ】
2010年05月15日
運動会だ。わーいわーい。かったりぃ。
かったるいのでパン食い競争だけ出場する。これだけは得意だ。で、あとはたらたら終わるのを待つ。待ってると、借り物競争が始まった。お、リナが出場してる。
ぼんやりリナを見てると、聞き覚えのある声がスピーカーからノイズ交じりに聞こえてきた。
『はい、始まりました注目の競技、借り物競争です。実況はあたし、椎水かなみと』
『……みんなのラブリーアイドル、ちなみがお送りします』
『ラブリーアイドルって何!?』
『……密かに大人気。にひ。……そんなことより、実況しないと』
……姿が見えないと思ったら、何やってんだ二人とも。
『あっ、そ、そうね。えーと……あ、もう始まってる! リナ選手速い! 一番に紙を取りました!』
走るリナの揺れるおっぱいを見てたら、こっちにやってきた。
「おっぱいは見てませんよ?」
「何の話ですの? そうじゃなくて、貸して頂きたいのですけど」
「任せろ!」
勢いよく服を脱いだら怒られた。
「何やってるんですの!?」
「貸してもらうのは『全裸の男子高校生』じゃないのか?」
「そんなわけないです! 貸してもらうのは……ええと、その……」
「? やっぱり全裸の男子高校生か?」
「違います! ああもう、いいから来なさい!」
「あっ、おい、ちょ!」
パンツ一丁でリナに手を引かれ走る。
『おおっと、リナ選手の借り物は我が校の誇る問題児、別府タカシのようです! トランクスしか履いてません! 相変わらず馬鹿ねーアイツ!』
「うっせー! こっちにも色々事情っつーもんがあんだよっ!」
『……タカシは露出狂、と。……めもめも』
「メモんな、ちなみッ!」
「いいから、早く走りなさい! みんな戻って来てますわよ!」
リナの言うとおり、確かに他の競技者たちが続々と戻ってきている。ここまで恥ずかしい格好して負けるのもつまらん。
「よし、行くぞ!」
「あっ……」
俺はリナの手を取り、全力で走った。
『速い、速いですリナ、タカシペア! やはりパンツ一枚というのが効いているのでしょうか!?』
後で覚えてろ、かなみ。
『……がんばれー、みんながんばれー。パンツ男ふぁいとー』
パンツ男とか言うな、ちなみ。
かなみとちなみの口撃に耐え、どうにか一番にゴールできた。
「はぁはぁ……やったな、一番だぞリナ!」
「え、ええ、あなたみたいな者でも少しは役に立ちましたわ」
「んで、借りる物って何なんだ?」
「あ、えっと、それは……きゃっ、お返しなさい!」
リナの手にある紙を奪い取り、中に書かれたものを見る。
「……『一番大切な人』?」
「わっ、私には大切な人はたくさんいますが、その、思いついたのが偶然、ぐ・う・ぜ・ん、あなただけだっただけですわ! い、一応貴方も私の友人ですし、その……た、他意はありませんことよ!?」
赤い顔で必死に言い訳するリナに、俺は笑って頭を撫でてやった。
「サンキュ、リナ。嬉しいぞ」
「な、なでないで頂けませんこと? 子供じゃないのですから、そ、そんなことされても嬉しくは……」
なに顔をにやけさせながら言ってるかなぁ、このお嬢さんは。
「確かにこの乳は子供じゃないなぁ」
圧倒的な存在感を示すリナの乳を指先でつつく。むにむに。
「……ふ、ふふふ。……覚悟はよろしくて?」
リナの目の色が変わった。全力で逃げ出す。
『おおっと、タカシが逃げました! またいらんことしたのでしょう! それをリナ選手が鬼神の如き表情で追いかけます!』
『……がんばれー、捕まったら死ぬよー』
「うるさい、おまえらちゃんと仕事しろ!」
振り返ってかなみたちに返事したのが悪かった。
「……さぁ、どのような仕置きがよろしいでしょう?」
リナに捕まってしまった。にこりと笑う彼女の顔に、俺は恐怖した。
『と、いうわけで実況はあたし、椎水かなみと』
『……ちなみがお送りしました』
拍手喝采の中、俺はパンツ一丁で怒りの治まらないリナに引きずられていた。
かったるいのでパン食い競争だけ出場する。これだけは得意だ。で、あとはたらたら終わるのを待つ。待ってると、借り物競争が始まった。お、リナが出場してる。
ぼんやりリナを見てると、聞き覚えのある声がスピーカーからノイズ交じりに聞こえてきた。
『はい、始まりました注目の競技、借り物競争です。実況はあたし、椎水かなみと』
『……みんなのラブリーアイドル、ちなみがお送りします』
『ラブリーアイドルって何!?』
『……密かに大人気。にひ。……そんなことより、実況しないと』
……姿が見えないと思ったら、何やってんだ二人とも。
『あっ、そ、そうね。えーと……あ、もう始まってる! リナ選手速い! 一番に紙を取りました!』
走るリナの揺れるおっぱいを見てたら、こっちにやってきた。
「おっぱいは見てませんよ?」
「何の話ですの? そうじゃなくて、貸して頂きたいのですけど」
「任せろ!」
勢いよく服を脱いだら怒られた。
「何やってるんですの!?」
「貸してもらうのは『全裸の男子高校生』じゃないのか?」
「そんなわけないです! 貸してもらうのは……ええと、その……」
「? やっぱり全裸の男子高校生か?」
「違います! ああもう、いいから来なさい!」
「あっ、おい、ちょ!」
パンツ一丁でリナに手を引かれ走る。
『おおっと、リナ選手の借り物は我が校の誇る問題児、別府タカシのようです! トランクスしか履いてません! 相変わらず馬鹿ねーアイツ!』
「うっせー! こっちにも色々事情っつーもんがあんだよっ!」
『……タカシは露出狂、と。……めもめも』
「メモんな、ちなみッ!」
「いいから、早く走りなさい! みんな戻って来てますわよ!」
リナの言うとおり、確かに他の競技者たちが続々と戻ってきている。ここまで恥ずかしい格好して負けるのもつまらん。
「よし、行くぞ!」
「あっ……」
俺はリナの手を取り、全力で走った。
『速い、速いですリナ、タカシペア! やはりパンツ一枚というのが効いているのでしょうか!?』
後で覚えてろ、かなみ。
『……がんばれー、みんながんばれー。パンツ男ふぁいとー』
パンツ男とか言うな、ちなみ。
かなみとちなみの口撃に耐え、どうにか一番にゴールできた。
「はぁはぁ……やったな、一番だぞリナ!」
「え、ええ、あなたみたいな者でも少しは役に立ちましたわ」
「んで、借りる物って何なんだ?」
「あ、えっと、それは……きゃっ、お返しなさい!」
リナの手にある紙を奪い取り、中に書かれたものを見る。
「……『一番大切な人』?」
「わっ、私には大切な人はたくさんいますが、その、思いついたのが偶然、ぐ・う・ぜ・ん、あなただけだっただけですわ! い、一応貴方も私の友人ですし、その……た、他意はありませんことよ!?」
赤い顔で必死に言い訳するリナに、俺は笑って頭を撫でてやった。
「サンキュ、リナ。嬉しいぞ」
「な、なでないで頂けませんこと? 子供じゃないのですから、そ、そんなことされても嬉しくは……」
なに顔をにやけさせながら言ってるかなぁ、このお嬢さんは。
「確かにこの乳は子供じゃないなぁ」
圧倒的な存在感を示すリナの乳を指先でつつく。むにむに。
「……ふ、ふふふ。……覚悟はよろしくて?」
リナの目の色が変わった。全力で逃げ出す。
『おおっと、タカシが逃げました! またいらんことしたのでしょう! それをリナ選手が鬼神の如き表情で追いかけます!』
『……がんばれー、捕まったら死ぬよー』
「うるさい、おまえらちゃんと仕事しろ!」
振り返ってかなみたちに返事したのが悪かった。
「……さぁ、どのような仕置きがよろしいでしょう?」
リナに捕まってしまった。にこりと笑う彼女の顔に、俺は恐怖した。
『と、いうわけで実況はあたし、椎水かなみと』
『……ちなみがお送りしました』
拍手喝采の中、俺はパンツ一丁で怒りの治まらないリナに引きずられていた。
【おたまじゃくしちなみん】
2010年05月15日
「今日ずっと考えてたんだけど、おたまじゃくしから蛙に変化するのってすごいよな。生命の神秘を感じずにはいられない。だから鉄板で焼くのはやめようよ」
「……なるほど」
級友たちに熱弁をふるっていると、いつの間にか側にちなみがいた。そしてそのまま音もなく教室から出て行った。
そして案の定と言うかなんと言うか、今日も今日とてちなみは我が家にいます。おたまじゃくしで。
「……おたまじゃくしです。おた、おた」
「お、俺はオタクじゃない! エッチな本やゲームや漫画やアニメはわんさと持ってるけど違う! 自信ないけど!」
「……そんなこと、言ってません。やっぱりタカシは馬鹿です」
「むっ。で、何用でしょう? ちなみにドアはそちらです」
ほっぺたを引っ張られた。
「……まだ来たばかりです。……おたまじゃくしは、蛙に変態します」
ちなみの口上が始まった。ああ、嫌な予感がするなぁ。
「……普通のオタマジャクシが蛙に変態するには、栄養が必要です。……ちなみオタマジャクシが変態するには、心の栄養が必要です」
「こ、心の栄養って?」
話を合わせながら、脱出の算段を練る。ドアはちなみに塞がれているため使えない。あとは窓だけだが、ここ二階だしなぁ……。
「……いっぱい、優しくされたら変態できそうです」
「俺が変態だからそれで我慢しない?」
「しません」
きっぱり言われた。ていうか俺は変態だと認識されているのか。少し悲しい。
「……それとも、私に優しくするのは、……嫌、ですか?」
母さんに見つかったりして大変な目に遭うのが嫌なんです。……とは、悲しげにまつ毛を震わすちなみには言えない。例えそれがフリだとしても、誰かを悲しませるのは好きじゃない。
「……あー、なんだ、嫌じゃない。わーった、ほら、おいで」
「……♪」
あぐらをかき、覚悟を決めてちなみを呼ぶと嬉しそうに飛び込んできた。ぎゅっと抱きしめる。
「……ぎゅってしてもらうの、久しぶりです。……気持ちいい、です」
「つまり心の栄養はもう溜まったということだな?」
手を離そうとしたら、逆にちなみに抱きつかれた。
「……まだまだ、です。あと5時間はかかりそうです」
「5秒にしない?」
「……せめて、10分ぐらいは」
なんとか現実的な数字になったので、あとはちなみに抱きつかれるがまま、すりすりされるがまま、たまに頭をなでたり。そうして10分ほど経ったころ、ちなみは顔を上げた。
「……ちーん。心の栄養が満タンになりました」
「やったぁ」
「……全然気持ちがこもってません。……まぁいいです、それじゃ変態します」
そう言って、ちなみはオタマジャクシの衣装を脱ぎ捨て、蛙に……
「蛙じゃねえええええ!?」
下着姿になっていました。
「……タカシはうるさいです。大げさです」
「え、いや、あの、俺、男ですよ? なのに下着って……しかも、そんなする必要のないブラまで……」
「……ブラは必要です。……ブラがなかったら大惨事です」
「絆創膏でいいじゃん」
「……胸が小さいものは人にあらず、と言いたいのですね」
「言ってません。むしろ胸は小さい方が好きです。つるぺた万歳」
「……なら、問題ありません」
じりじり迫ってくるちなみに、俺の心臓は破裂寸前。ど、どうすれば……!
「……なんでいきなり座禅を組むんですか?」
しまった、混乱のあまりつい。しかし座禅の力でよい考えが浮かんだ。
「ちなみ、こういうことはムードが大事だと思うぞ」
「……タカシ相手にそんなもの求めるほど馬鹿じゃないです」
「んーあーえーっと、そ、そうだ! 俺はパイパンじゃないと興奮しない変態なんだうへへぇ」
「……あの、その、実は、……まだ、生えてないんです」
「なにぃッッッッッ!!!!!」
恥ずかしげに身をくねらせるちなみに、俺はかつてないほど興奮していた。
まずい、まずいぞ。断る理由が見つからん!
「……こんな子供みたいな体ですけど、……タカシに喜んでもらえるなら、私は……嬉しいです」
そう言ってにっこり笑うちなみに、俺の理性は陥落寸前。あ、陥落した。
「……ちなみぃぃぃぃ!!!」
「タカシー、暇だから遊びに来た……」
かなみさん。その笑みは何ですか。そしてポケットから取り出したやたら凶悪そうな物は何ですか。はぁ、カイザーナックルというのですか。それで殴られると死にますよ?
「……なるほど」
級友たちに熱弁をふるっていると、いつの間にか側にちなみがいた。そしてそのまま音もなく教室から出て行った。
そして案の定と言うかなんと言うか、今日も今日とてちなみは我が家にいます。おたまじゃくしで。
「……おたまじゃくしです。おた、おた」
「お、俺はオタクじゃない! エッチな本やゲームや漫画やアニメはわんさと持ってるけど違う! 自信ないけど!」
「……そんなこと、言ってません。やっぱりタカシは馬鹿です」
「むっ。で、何用でしょう? ちなみにドアはそちらです」
ほっぺたを引っ張られた。
「……まだ来たばかりです。……おたまじゃくしは、蛙に変態します」
ちなみの口上が始まった。ああ、嫌な予感がするなぁ。
「……普通のオタマジャクシが蛙に変態するには、栄養が必要です。……ちなみオタマジャクシが変態するには、心の栄養が必要です」
「こ、心の栄養って?」
話を合わせながら、脱出の算段を練る。ドアはちなみに塞がれているため使えない。あとは窓だけだが、ここ二階だしなぁ……。
「……いっぱい、優しくされたら変態できそうです」
「俺が変態だからそれで我慢しない?」
「しません」
きっぱり言われた。ていうか俺は変態だと認識されているのか。少し悲しい。
「……それとも、私に優しくするのは、……嫌、ですか?」
母さんに見つかったりして大変な目に遭うのが嫌なんです。……とは、悲しげにまつ毛を震わすちなみには言えない。例えそれがフリだとしても、誰かを悲しませるのは好きじゃない。
「……あー、なんだ、嫌じゃない。わーった、ほら、おいで」
「……♪」
あぐらをかき、覚悟を決めてちなみを呼ぶと嬉しそうに飛び込んできた。ぎゅっと抱きしめる。
「……ぎゅってしてもらうの、久しぶりです。……気持ちいい、です」
「つまり心の栄養はもう溜まったということだな?」
手を離そうとしたら、逆にちなみに抱きつかれた。
「……まだまだ、です。あと5時間はかかりそうです」
「5秒にしない?」
「……せめて、10分ぐらいは」
なんとか現実的な数字になったので、あとはちなみに抱きつかれるがまま、すりすりされるがまま、たまに頭をなでたり。そうして10分ほど経ったころ、ちなみは顔を上げた。
「……ちーん。心の栄養が満タンになりました」
「やったぁ」
「……全然気持ちがこもってません。……まぁいいです、それじゃ変態します」
そう言って、ちなみはオタマジャクシの衣装を脱ぎ捨て、蛙に……
「蛙じゃねえええええ!?」
下着姿になっていました。
「……タカシはうるさいです。大げさです」
「え、いや、あの、俺、男ですよ? なのに下着って……しかも、そんなする必要のないブラまで……」
「……ブラは必要です。……ブラがなかったら大惨事です」
「絆創膏でいいじゃん」
「……胸が小さいものは人にあらず、と言いたいのですね」
「言ってません。むしろ胸は小さい方が好きです。つるぺた万歳」
「……なら、問題ありません」
じりじり迫ってくるちなみに、俺の心臓は破裂寸前。ど、どうすれば……!
「……なんでいきなり座禅を組むんですか?」
しまった、混乱のあまりつい。しかし座禅の力でよい考えが浮かんだ。
「ちなみ、こういうことはムードが大事だと思うぞ」
「……タカシ相手にそんなもの求めるほど馬鹿じゃないです」
「んーあーえーっと、そ、そうだ! 俺はパイパンじゃないと興奮しない変態なんだうへへぇ」
「……あの、その、実は、……まだ、生えてないんです」
「なにぃッッッッッ!!!!!」
恥ずかしげに身をくねらせるちなみに、俺はかつてないほど興奮していた。
まずい、まずいぞ。断る理由が見つからん!
「……こんな子供みたいな体ですけど、……タカシに喜んでもらえるなら、私は……嬉しいです」
そう言ってにっこり笑うちなみに、俺の理性は陥落寸前。あ、陥落した。
「……ちなみぃぃぃぃ!!!」
「タカシー、暇だから遊びに来た……」
かなみさん。その笑みは何ですか。そしてポケットから取り出したやたら凶悪そうな物は何ですか。はぁ、カイザーナックルというのですか。それで殴られると死にますよ?
【ボクっ娘が魔女っ娘だったら】
2010年05月15日
放課後、教室で暇にかまけてボクっ娘をいじめていたら、とうとう堪忍袋の緒が切れたらしい。
「いつもいつもボクをいじめて! もう許さないんだから!」
鞄をあさり、中からぶさいくな鳥を模した杖を取り出し、変な言葉を唱えた。
「イザティ・アバ・メヒナム・エト・カフェ・ナン!」
杖の先が小さく光り、そして……
「あ、あれ?」
そのまま消えた。
「なんだそりゃ? 新しいおもちゃか? そういうのは子供が使うもんだと思うが……まぁ、梓の精神年齢には合ってるからいいか」
「おもちゃじゃないよぉ! おかしいなぁ、タカシが緑色の液体になって消えるはずなのに……」
なにやら不穏当なことを言ってる梓から杖を奪う。
「わぁ! なにするんだよぉ!」
「ただの棒切れみたいだが……どこに電池入れるんだ?」
俺から奪い返そうとする梓の頭を片手で押さえながら、杖を調べる。
「うーうー! 返せよぉ!」
「豆球も仕込まれてないようだし……分からんな。まぁいいや、ほれ」
梓に杖を返すと、もう取られるもんかとばかりにしっかと抱きかかえた。
「うう~、もう一回! ……ええと、イザティ・アバ・メヒナム・エ」
「ところで腹減ったな。どっか飯食いに行こうぜ」
「あああああ! 途中で声かけないでよ! 呪文が途切れちゃったじゃないか!」
「どこ行く? この間おまえが肉奴隷と衝撃告白したラーメン屋行くか?」
「行かない! ていうかあそこはもう行けない! じゃなくて、ボクの魔法をちゃんと見てよ!」
「存在しないものを見てよと言われてもなぁ」
「違う! 魔法は存在するんだよ!」
一切の照れなく、梓は言い切った。その真剣な目に、少しだけ真面目に話を聞いてみようと思った。
「……ふむ。じゃ、その魔法ってのを見せてくれ」
「……え、う、うん! ……ええと、イザティ・アバ・メヒナム・エト・カフェ・ナン!」
呪文と共に、またしても杖の先が小さく光る。そして、空気が変わった。
梓を中心として風が舞い起こる。自然、梓の短いスカートが舞い上がった。
「……え」
「ほぉ、これが魔法か。素晴らしいな」
携帯のカメラでパンツを激写しながらそう言うと、梓は金切り声をあげた。
「うわあああ! なんで!? なんで風が起こるんだよぉ! こら、写真撮るなぁ!」
梓は必死にスカートを押さえているが風は強く、前を押さえれば後ろが、後ろを押さえれば前がまくれ上がる。その様子を写真に撮りまくる。
「うう~! ……えい!」
「ぐが!」
激しい痛みを感じ顔を上げると、梓が俺の頭に杖を振り下ろしていた。
「え……えへへ、どう? これが魔法だよ」
「物理攻撃だ!」
梓のほっぺをひっぱる。ぐにー。
「いひゃひいひゃひいひゃひほ!」
しばらく引っ張って梓のほっぺの柔らかさに満足したので、手を離してやる。
「うー……」
「でも、魔法ってのが存在するのは分かった。うん、すごい」
「え、えへへ、そう?」
「ああ。特にスカートがまくれ上がって梓のパンツが丸見えになるところなんて最高。感心した」
「そんなところに感心しないでよぉ! ……あぅ」
顔を真っ赤にして抗議する梓の頭を軽くなでる。それだけで大人しくなってしまうから、簡単というか馬鹿みたいというか愛らしいというか。
「でも、失敗したみたい。本当はタカシの頭にヒマワリが咲くはずだった……痛い痛い痛い!」
頭に当てていた手をこめかみに移動させ、ぐりぐりする。
「なに勝手に人を変人にしようとしてんだよ!」
「だって、タカシっていっつも仏頂面なんだもん。ヒマワリが咲いてたら笑っちゃうよね?」
「俺が笑うんじゃなくて周りに笑われてどうすんだよ! ……はぁ、もういいや。帰るぞ、梓」
とてとてと子犬のように寄ってくる梓を見ながら、思う。
今夜は梓のパンツでフィーバー。
「いつもいつもボクをいじめて! もう許さないんだから!」
鞄をあさり、中からぶさいくな鳥を模した杖を取り出し、変な言葉を唱えた。
「イザティ・アバ・メヒナム・エト・カフェ・ナン!」
杖の先が小さく光り、そして……
「あ、あれ?」
そのまま消えた。
「なんだそりゃ? 新しいおもちゃか? そういうのは子供が使うもんだと思うが……まぁ、梓の精神年齢には合ってるからいいか」
「おもちゃじゃないよぉ! おかしいなぁ、タカシが緑色の液体になって消えるはずなのに……」
なにやら不穏当なことを言ってる梓から杖を奪う。
「わぁ! なにするんだよぉ!」
「ただの棒切れみたいだが……どこに電池入れるんだ?」
俺から奪い返そうとする梓の頭を片手で押さえながら、杖を調べる。
「うーうー! 返せよぉ!」
「豆球も仕込まれてないようだし……分からんな。まぁいいや、ほれ」
梓に杖を返すと、もう取られるもんかとばかりにしっかと抱きかかえた。
「うう~、もう一回! ……ええと、イザティ・アバ・メヒナム・エ」
「ところで腹減ったな。どっか飯食いに行こうぜ」
「あああああ! 途中で声かけないでよ! 呪文が途切れちゃったじゃないか!」
「どこ行く? この間おまえが肉奴隷と衝撃告白したラーメン屋行くか?」
「行かない! ていうかあそこはもう行けない! じゃなくて、ボクの魔法をちゃんと見てよ!」
「存在しないものを見てよと言われてもなぁ」
「違う! 魔法は存在するんだよ!」
一切の照れなく、梓は言い切った。その真剣な目に、少しだけ真面目に話を聞いてみようと思った。
「……ふむ。じゃ、その魔法ってのを見せてくれ」
「……え、う、うん! ……ええと、イザティ・アバ・メヒナム・エト・カフェ・ナン!」
呪文と共に、またしても杖の先が小さく光る。そして、空気が変わった。
梓を中心として風が舞い起こる。自然、梓の短いスカートが舞い上がった。
「……え」
「ほぉ、これが魔法か。素晴らしいな」
携帯のカメラでパンツを激写しながらそう言うと、梓は金切り声をあげた。
「うわあああ! なんで!? なんで風が起こるんだよぉ! こら、写真撮るなぁ!」
梓は必死にスカートを押さえているが風は強く、前を押さえれば後ろが、後ろを押さえれば前がまくれ上がる。その様子を写真に撮りまくる。
「うう~! ……えい!」
「ぐが!」
激しい痛みを感じ顔を上げると、梓が俺の頭に杖を振り下ろしていた。
「え……えへへ、どう? これが魔法だよ」
「物理攻撃だ!」
梓のほっぺをひっぱる。ぐにー。
「いひゃひいひゃひいひゃひほ!」
しばらく引っ張って梓のほっぺの柔らかさに満足したので、手を離してやる。
「うー……」
「でも、魔法ってのが存在するのは分かった。うん、すごい」
「え、えへへ、そう?」
「ああ。特にスカートがまくれ上がって梓のパンツが丸見えになるところなんて最高。感心した」
「そんなところに感心しないでよぉ! ……あぅ」
顔を真っ赤にして抗議する梓の頭を軽くなでる。それだけで大人しくなってしまうから、簡単というか馬鹿みたいというか愛らしいというか。
「でも、失敗したみたい。本当はタカシの頭にヒマワリが咲くはずだった……痛い痛い痛い!」
頭に当てていた手をこめかみに移動させ、ぐりぐりする。
「なに勝手に人を変人にしようとしてんだよ!」
「だって、タカシっていっつも仏頂面なんだもん。ヒマワリが咲いてたら笑っちゃうよね?」
「俺が笑うんじゃなくて周りに笑われてどうすんだよ! ……はぁ、もういいや。帰るぞ、梓」
とてとてと子犬のように寄ってくる梓を見ながら、思う。
今夜は梓のパンツでフィーバー。
【妖精ちなみん】
2010年05月14日
今まで色々あったけど、さすがにこれは嘘だろう。
「……みゅ、みゅみゅ」
だって、ちなみの奴、手のひらサイズになってんだもん。羽生えてるし。服は……ハンカチ巻いてんのか?
「……で、どういうことでしょう?」
「……みゅ」
俺のベッドの上で座ってるちなみに問いかけると、困ったようにみゅ、と鳴いた。
「まさか、喋れないのか?」
「……みゅみゅ」
こくり、とうなずくちなみに、思わず頭を抱える。
「まいったな……なんでだ? 呪われたか?」
小さな頭を指でこづくと、ちなみは羽を動かし空を飛んだ。
「おおっ、飛べるのか?」
ふらふらと俺の顔まで飛んできて、鼻を噛んだ。
「痛い痛い痛い!」
「みゅ! みゅーみゅ!」
なにか不満げにみゅうみゅう言っているが、言葉が通じないのでどうにもこうにも。
「……そうだ! 字を書けばいいんだ!」
引き出しからメモ帳と鉛筆を取り出し、ちなみの前に置く。
「さ、どうしてこうなったか教えてくれ」
「……みゅ」
ちなみは自分の体より大きな鉛筆を抱えた……が、大きすぎて扱えず転んでしまう。
「みゅ、みゅう……」
それでも諦めずにもう一度鉛筆を抱えたが、やはり転んでしまう。
「……ああ、可愛いなぁ」
飛んできて鼻を噛まれた。
「みゅ!」
たぶんだが、真面目にやれ、と言っている気がする。
「いちいち噛むな。言われんでも真面目にやるよ」
「……みゅ? ……みゅー!」
小首を傾げた後、ちなみは大きな声を上げた。
「なんだ? どうして言いたいことが分かったかって?」
ちなみは何度もコクコクと頷いた。
「ん……と、なんとなく、かな?」
自分でもよく分からないが、なんとなくちなみの言葉が理解できる気がする。
「……みゅ、みゃあ、みゅ」
ちなみは身振り手振りを交え、俺に何かを伝えようとした。
「……ふんふん、……えっと、分からん。わはははは!」
ちっとも分からない。理解できると思ったのは気のせいだった。
「みゅー!」
ちなみは俺の顔に向かって飛んできた。
また鼻を噛まれるのは嫌なので、鼻防御をする。しかしちなみが飛び込んできた場所は鼻ではなく、口だった。
つまり、えーと、その、……キスだ。
「……あ、喋れるようになったみゅ」
「……え、あ、えっと?」
「……混乱しない。……説明するみゅ」
ちなみの説明は、こうだ。 倉庫を整理していたら、古い本を見つけた。その本を開くと、妖精になってしまった、と。
「……ふむ。超嘘くさいけど、実際妖精になってるから信じよう」
「……ん。その本には、元に戻る方法も書いてあったみゅ」
「あー、それも聞きたいんだが、さっきから何みゅみゅ言ってんだ? 語尾に変な言葉つけてキャラを立たせるのはどうかと思うぞ」
「……まだ、治りきってないから出るだけみゅ。どうしても嫌ならタカシの耳を削ぎ取るみゅ」
「ラブリーでいいな。最高」
暴力の前にひれ伏す。
「……続けるみゅ。それで、元に戻る方法だけど……その、……く、口づけをしないと……みゅ」
「……あー、なんつーか基本だな」
いつの世も呪いを解くのは王子様の口づけ、ってか。ただ、俺が王子様役ってのは正直どうかと思うが。
「けど、元に戻ってないぞ?」
確かに喋れるようにはなったが、ちなみの姿は依然ちいさな妖精のままだ。
「……触れるだけのキスだったからみゅ。……もっと、でぃーぷなキスでないと、みゅ」
「ははははは」
「……笑って誤魔化さないみゅ。声、乾いてるみゅ」
うるさい。知ってる。
「……さ、ちゅーするみゅ。観念するみゅ」
「あー、えっと、そのままでいいじゃん? えっと、ほら、可愛いし」
最悪の事態だけはさけるため、口から出まかせで煙に巻く。
「……私、可愛い……みゅ?」
「うむ。実にラブリーだ。鳥かごで飼いたい」
「……それ、可愛いの種類が違うみゅ。……動物に対する感情みゅ」
「似たようなもんじゃん。今おまえ動物みたいなもんだし」
「……乙女を愚弄した罰として、たっぷりいじめるみゅ」
知らない間に逆鱗に触れていたようです。女心は難しい。
で、色々あってちなみは元に戻りました。色々の部分を言うと泣きそうになるので言えません。
見も心もぼろぼろになりながら、ちなみを家まで送る。服は俺のを貸した。
「じゃーな。貸した服はまた今度でいいから」
「……ん。……今日は、ありがと」
ちなみは礼を言って、そそくさと家に入っていった。今日は疲れた、俺も帰ろう。
「……また、やろうかな」
ちなみが件の本を持ってほくそ笑んでいるのを、タカシは知らない。
「……みゅ、みゅみゅ」
だって、ちなみの奴、手のひらサイズになってんだもん。羽生えてるし。服は……ハンカチ巻いてんのか?
「……で、どういうことでしょう?」
「……みゅ」
俺のベッドの上で座ってるちなみに問いかけると、困ったようにみゅ、と鳴いた。
「まさか、喋れないのか?」
「……みゅみゅ」
こくり、とうなずくちなみに、思わず頭を抱える。
「まいったな……なんでだ? 呪われたか?」
小さな頭を指でこづくと、ちなみは羽を動かし空を飛んだ。
「おおっ、飛べるのか?」
ふらふらと俺の顔まで飛んできて、鼻を噛んだ。
「痛い痛い痛い!」
「みゅ! みゅーみゅ!」
なにか不満げにみゅうみゅう言っているが、言葉が通じないのでどうにもこうにも。
「……そうだ! 字を書けばいいんだ!」
引き出しからメモ帳と鉛筆を取り出し、ちなみの前に置く。
「さ、どうしてこうなったか教えてくれ」
「……みゅ」
ちなみは自分の体より大きな鉛筆を抱えた……が、大きすぎて扱えず転んでしまう。
「みゅ、みゅう……」
それでも諦めずにもう一度鉛筆を抱えたが、やはり転んでしまう。
「……ああ、可愛いなぁ」
飛んできて鼻を噛まれた。
「みゅ!」
たぶんだが、真面目にやれ、と言っている気がする。
「いちいち噛むな。言われんでも真面目にやるよ」
「……みゅ? ……みゅー!」
小首を傾げた後、ちなみは大きな声を上げた。
「なんだ? どうして言いたいことが分かったかって?」
ちなみは何度もコクコクと頷いた。
「ん……と、なんとなく、かな?」
自分でもよく分からないが、なんとなくちなみの言葉が理解できる気がする。
「……みゅ、みゃあ、みゅ」
ちなみは身振り手振りを交え、俺に何かを伝えようとした。
「……ふんふん、……えっと、分からん。わはははは!」
ちっとも分からない。理解できると思ったのは気のせいだった。
「みゅー!」
ちなみは俺の顔に向かって飛んできた。
また鼻を噛まれるのは嫌なので、鼻防御をする。しかしちなみが飛び込んできた場所は鼻ではなく、口だった。
つまり、えーと、その、……キスだ。
「……あ、喋れるようになったみゅ」
「……え、あ、えっと?」
「……混乱しない。……説明するみゅ」
ちなみの説明は、こうだ。 倉庫を整理していたら、古い本を見つけた。その本を開くと、妖精になってしまった、と。
「……ふむ。超嘘くさいけど、実際妖精になってるから信じよう」
「……ん。その本には、元に戻る方法も書いてあったみゅ」
「あー、それも聞きたいんだが、さっきから何みゅみゅ言ってんだ? 語尾に変な言葉つけてキャラを立たせるのはどうかと思うぞ」
「……まだ、治りきってないから出るだけみゅ。どうしても嫌ならタカシの耳を削ぎ取るみゅ」
「ラブリーでいいな。最高」
暴力の前にひれ伏す。
「……続けるみゅ。それで、元に戻る方法だけど……その、……く、口づけをしないと……みゅ」
「……あー、なんつーか基本だな」
いつの世も呪いを解くのは王子様の口づけ、ってか。ただ、俺が王子様役ってのは正直どうかと思うが。
「けど、元に戻ってないぞ?」
確かに喋れるようにはなったが、ちなみの姿は依然ちいさな妖精のままだ。
「……触れるだけのキスだったからみゅ。……もっと、でぃーぷなキスでないと、みゅ」
「ははははは」
「……笑って誤魔化さないみゅ。声、乾いてるみゅ」
うるさい。知ってる。
「……さ、ちゅーするみゅ。観念するみゅ」
「あー、えっと、そのままでいいじゃん? えっと、ほら、可愛いし」
最悪の事態だけはさけるため、口から出まかせで煙に巻く。
「……私、可愛い……みゅ?」
「うむ。実にラブリーだ。鳥かごで飼いたい」
「……それ、可愛いの種類が違うみゅ。……動物に対する感情みゅ」
「似たようなもんじゃん。今おまえ動物みたいなもんだし」
「……乙女を愚弄した罰として、たっぷりいじめるみゅ」
知らない間に逆鱗に触れていたようです。女心は難しい。
で、色々あってちなみは元に戻りました。色々の部分を言うと泣きそうになるので言えません。
見も心もぼろぼろになりながら、ちなみを家まで送る。服は俺のを貸した。
「じゃーな。貸した服はまた今度でいいから」
「……ん。……今日は、ありがと」
ちなみは礼を言って、そそくさと家に入っていった。今日は疲れた、俺も帰ろう。
「……また、やろうかな」
ちなみが件の本を持ってほくそ笑んでいるのを、タカシは知らない。


