忍者ブログ

[PR]

2026年03月15日
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【食虫植物ちなみん】

2010年05月26日
 目覚めた瞬間、目の前にちなみっぽいのが。しかも、俺の顔をぺろぺろ舐めてるし。
「ななな、なんだ朝っぱらから!」
「……食虫植物のウツボカズラです。……うっぼー」
 植物は鳴かないと思う。鳴くにしても、その鳴き声はあんまりだ。
「……ウツボカズラは、虫を食べます。……でも、ちなみは虫が嫌いです。二律背反です」
「それは困ったな。じゃ、俺学校行くから」
 そそくさと部屋から出て行こうとしたら、襟首を掴まれた。
「……虫はダメだから、代わりに嫌いなタカシでも食べてやります」
 そう言って、また俺の顔をぺろぺろ舐めだした。
「舐めるな!」
 噛みだした。違う、そういうことじゃない。なんで「これならいい?」って顔してるんだ。
 ……いいよ別に。甘噛みだし。甘噛みするの好きだな、ちなみって。
「はむはむ。……おいしいです。タカシは馬鹿だけど、おいしいので±0です」
「そいつぁよござんした」
 なんで朝っぱらから涎まみれにならないといけないんだろう。少し悲しくなった。
「……って、時間! うわ、遅刻するぞ!」
「え、わ」
 ちなみを引っつかんで、家を飛び出す。そのまま全力で走り、学校へ。昇降口を抜け、教室へ飛び込む。それとほぼ同時に本鈴が鳴った。
「ぜはーぜはーぜはー……。ぎりぎり間に合った……」
 しばらく息を整えてると、周囲の視線がどうも自分の方を向いている気がする。
「ちなみ、着替えて来い。すげー見られてるぞ」
「……たぶん、見られてるのはタカシだと思う」
 そう言って、ちなみは教室を出て行った。
 なんで俺が見られるんだ、と思っていると担任がやってきた。そして、俺を見て絶句した。
「……別府。なんだ、その格好は」
「格好? 別に普通の制服……」
 自分の体を見下ろして、やっと気がついた。パジャマのままじゃねえか、俺。
 そのあとは、まぁ、いつも通り説教数時間のパターンで。畜生。

拍手[5回]

PR

【かぶとむしかなみんvsくわがたちなみん】

2010年05月26日
「最近カブトムシとかクワガタとか見ないよなぁ」
 なんて言ったのがそもそもの間違いだったと、今は思う。
「か、カブトムシよ。えっと、かぶかぶ?」
「……クワガタです。くわくわ」
 だって、人が自室でくつろいでるのに、窓からカブトムシっぽいかなみと、クワガタっぽいちなみが侵入してくるなんて、普通思わないじゃないですか。
「……お嬢さん方。なんのつもりですか」
「その、タカシが最近カブトムシ見ないって言ってたし、えっと……」
「……さーびす?」
 そんなサービスあるか。かなみも「そう、それ!」とか言うな。
「それで、どっちが可愛い?」
 かたや角を上下に揺らすカブトムシ、かたや二本の角をがちがちと交差させるクワガタ。その無駄に凄いギミックがむかつく。
「いや、どっちも可愛く」
「……甲乙つけがたい、と」
 そんなことは一言も言ってない。
「じゃあ勝負して白黒つけるしかないわね!」
 何をどうすればそうなるんだ、かなみ。お前もなんでそんなやる気満々なんだ、ちなみ。
「賞品は前もって言っておいたように、タカシを一週間奴隷にできる権利ね」
 待って。俺不在で話を進めないで。お願い。あと前もってってどういうこと? 相談済み?
「じゃあ……Fight!」
 そう言って、かなみとちなみが俺の方に走ってきた。え、俺の方に?
 俺を押し倒し、そのまま腕を取り、一気に肘関節を締め上げる。腕ひしぎ逆十字固めなんて、どこで覚えたの?
 かなみが右腕を、ちなみが左腕を折りにかかる。
「痛い痛い痛い痛い! 折れる折れる! ていうかなんで俺がやられてんだよ!」
「……ぎぶ?」
 諦めたらそこで試合終了です、というなんかの言葉が脳裏に浮かぶ。訳が分からんが負けてたまるか!
「頑張るわね……これでどう?」
 かなみが思い切り関節を極める。胸に手の平を押し当てられ、天国のような感触と地獄のような苦しみの狭間でどうすればいいのか。
 しかし何で俺が攻められてるんだ。ええい腹立たしい、乳もんでやれ。もにゅもにゅもにゅ。
「もむなぁぁぁ!」
 本気で極められる。いかん、折れる。
「ギブギブギブギブ! 勘弁してください!」
 その言葉で、ふたりとも手を離してくれた。
「ったく、馬鹿なんだから……。じゃあ私が最初に一週間タカシを奴隷にして、その後ちなみに貸してあげるわね」
「……私が最初。かなみは後で」
「なんでよっ! 私が極めたから私が最初でいいでしょ! ……そこ、逃げるな!」
 忍び足で部屋から脱出しようとしたら、かなみに捕まった。ぎゅっと抱きつかれる。
「……じゃあ、二人で一緒にタカシを奴隷にしよ?」
 俺の鼻をつんつんと突付きながら、さも名案であるかのようにちなみが言った。
「んー……まぁいっか。そういう訳でタカシ、今日からアンタ奴隷ね♪」
「……なんでこうなったのかなー」
 二人に抱きつかれながら、俺は明日から一週間続く奴隷生活を思い、深く深くため息をついた。

拍手[7回]

【掃除好きなツンデレ】

2010年05月26日
「や、タカシ。中国人的美少女、メイシンアルよ」
「……はい。はじめまして」
 掃除から逃げようとそっと教室を抜け出ようとしてたら、メイシンとかいう一人だけチャイナ服着た変な女生徒に肩を掴まれた。
「はじめましてチガウ。クラスメイト。半年以上同じ学校通てるネ」
「知ってる。いっつも昼飯中華だよな。呪われてんのか?」
「呪いチガウ! 中華、おいしいヨ?」
「中華の美味さを説きに来たのか? あいにく俺は忙しいんで、帰らせてもらうぞ」
 そのまま教室から出ようとすると、再び引き止められた。
「待つ! 待つヨロシ! タカシ、今日掃除当番ネ。あなたいつもサボてばかり、今日こそ掃除するネ」
 はい、とホウキを渡された。それを近くで掃除してる男子生徒に渡す。
「名も知らぬ男子生徒よ、メイシンからのプレゼントだ。ありがたく受け取れ」
「タカシに渡したネ! 何考えてるか!」
 なんだか知らないが、メイシンは怒りながら男子生徒からホウキを引ったくって俺に押し付けた。哀れな男子生徒はメイシンの剣幕に恐れおののいている。
「掃除なんか毎日しなくてもいいじゃねえか。一ヶ月に一度で十分だ」
「何言てるか! 毎日掃除しないとダメね! 綺麗な教室じゃないと、みんな楽しく過ごせないネ」
「俺の部屋は魔窟という名がピッタリな光景だけど、それなりに毎日楽しいぞ」
「……タカシの部屋、汚いか?」
「まぁ、綺麗汚いでいうなら、汚い方かな」
 ゴミで足の踏み場もない自室を思い浮かべ、そう答える。
「……わかた。このあと、タカシの部屋も掃除するネ」
「ああ思い出した。俺の部屋はまるで俺自身を映したかのように綺麗に掃除されてたんだ」
「だたら、なおのことね。タカシ自身を映してるなんて、もう信じられないくらい汚れてるネ」
 ひどいことを言われた。
「いいネ? 逃げたら承知しないヨ」
 何されるんだろう、と興味を持った時点でもう逃げてた。
「……いい度胸ネ」

 メイシンが謎の中国武術の使い手だということを思い出したのは、保健室のベッドの上でだった。

拍手[6回]

【クモちなみん】

2010年05月25日
 今日の昼は学食。早く行かないと席が埋まってしまうので駆け足で学食へ向かう。この角を曲がれば学食だ。急いで角を曲がった途端、何かが俺の体にまとわりついた。
「うわっ! なんだ?」
「……だーいせーいこーう。いえー」
 クモっぽいちなみの尻から糸が飛び出て、俺をがんじがらめにしていた。
「テメェちなみ、なんのつもりぐぁっ」
 そのままちなみは廊下を駆け出した。頭が床に当たってとても痛い。
「痛い痛い痛い! おまえやめろ痛いごめんなさい許してお願いします!」
 たんこぶをたくさん作ってたどり着いたところは、屋上。階段が特に痛かった。
「……実は、クモちなみでしたー。くもくも」
「知ってるよ! 最初に言ったよ! 物凄いたんこぶできたよ!」
「……でー、えっと……どこかな。……あ、あった」
 あらかじめ置いてあった鞄をあさり、弁当箱を取り出した。
「……お弁当ー。いえー、はくしゅー」
「拘束されているので、できません」
「……使えないね。じゃ、いただきます」
 ちなみは包みをほどき、一人で飯を食いだした。
「えええええ!? 一人で食うの!?」
「むぐむぐ……はんばーぐ、おいし」
 ちなみが一人飯を食うのを見て、俺の満腹中枢が空腹を訴える。具体的には腹が鳴る。
「……おなか、空いた?」
「飯を食う前に拉致されたんだよ!」
「……食べる?」
 玉子焼きを箸で挟み、俺の前にちらつかせる。今の俺に恥や外聞は存在しない!
「食う!」
「……あとで膝枕させてくれるなら、あげる」
「う……」
 さすがに恥ずかしい。一瞬答えに詰まる。
「……嫌ならいいよ。……全部食べちゃうから」
「あー……分かった。分かったから、それくれ」
 かなり恥ずかしいが、背に腹は代えられん。俺は笑顔のちなみに玉子焼きを食べさせてもらった。
「……どう?」
「むぐむぐむぐ……ん、うまい。おばさん腕上げたな」
「……実は、私が作った。……えへん」
「と思ったけど後味最悪だな。吐き気を催すほどまずい」
 本当はすごい美味いけど、素直に言えるほど人間ができていない。
「……むー」
 不機嫌そうに唸るちなみに、ほっぺをつねられる。手が出せないので無抵抗につねられるがままだ。
「いーから次よこせ。腹減ってんだ」
「……全部、自分で作ったんだけど、……いい?」
「吐き気を抑える術は知ってる。大丈夫だ」
 再びつねられる。痛い。
「……タカシはいじわるだ。……えい」
 ちなみは、俺の頭を自分の太ももに乗せた。……後頭部に感じる柔らかな感触、まさか生足!?
「……次嘘ついたら、ちゅーするからね。……はい、あーん」
 ちなみはエビフライを掴み、俺の口を開けるよう要求した。
 開けれない。素直に言える自信がなさすぎる。
「…………」
「……口、開けてよ。……ほら、あーん」
「…………」
「……えい」
 ……ちゅ。
「お! おま! おまえ、いま、いま、何を……むぐむぐ」
「……えへへ、口、開いた。……おいし?」
「まず……あー、いや、その、……悪くない」
 ここまでされといて茶化すのは、ちょっと俺にはできない。
 ほらな、案の定ちなみの奴めちゃくちゃ嬉しそうに笑うし。直視できないっての。俺の顔までにやけてきやがる。

拍手[15回]

【ロングをツインテールにしてきたツンデレに異常反応するタカシ】

2010年05月25日
「……お、おはよう、別府」
「ん、おはよ。みこ……」
 みことの声に振り返ると、普段まっすぐに下ろしている黒髪が、今日はツインテールになっていた。
「…………」
「な、なんだ、その目は?」
「ッッッッッッきゃーーーーーーー! 可愛い可愛い超可愛い! 持って帰る!」
 有無を言わさずみことを抱きかかえ(お姫様抱っこ!)、家に帰ろうとしたら首を絞められた。
「な・に・を・す・る!」
「ぐぇぇ……」
 どうにかしてみことの魔の手から逃れ、改めて彼女を見る。ていうか視姦する。
「……な、なんだ! じろじろ見るな!」
「無理! 貴様、俺をツインテールフェチと知っての狼藉か!? 目の前に理想が存在してるのに手が出せないこの無念、貴様に分かるとでも!?」
「思い切り出していたであろうが!」
 言われてみれば、確かに連れ去ろうとした。何か考える前に本能が実行したんだろうね。
「まったく……相変わらず馬鹿だな、別府は」
「馬鹿とか言うな。失礼な」
 みことのツインテールの片割れを手に持ち、思い切り嗅ぐ。
「な、な……!?」
「スー……ああ、いい匂い。堪らんなぁ。ツインテール最高」
「貴様は一度死ね!」
 二階の窓から放り投げられた。我ながらよく死ななかったもんだ。

 その夜。みことは自室で自分の髪の手入れをしていた。
「まったく、タカシの奴はとんでもないな。……しかし、好きとは聞いていたが、これほど効果があるとは……」
 ブラシを置き、姿見で自分の髪を見る。艶やかな黒髪は、自分でも少し自信があった。
「……ふん。タカシの馬鹿をからかうには、この髪型もいいかもしれんな」
 自分自身に言い訳するように、みことは自分のツインテールを触った。
「明日もこの髪型だと、タカシはどんな顔するかな……?」
 タカシの驚く顔を想像し、みことは顔を綻ばせた。その表情は、普段の凛とした顔と違い、年相応の少女の顔だった。

拍手[7回]