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2019年10月15日
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【食虫植物ちなみん】

2010年05月26日
 目覚めた瞬間、目の前にちなみっぽいのが。しかも、俺の顔をぺろぺろ舐めてるし。
「ななな、なんだ朝っぱらから!」
「……食虫植物のウツボカズラです。……うっぼー」
 植物は鳴かないと思う。鳴くにしても、その鳴き声はあんまりだ。
「……ウツボカズラは、虫を食べます。……でも、ちなみは虫が嫌いです。二律背反です」
「それは困ったな。じゃ、俺学校行くから」
 そそくさと部屋から出て行こうとしたら、襟首を掴まれた。
「……虫はダメだから、代わりに嫌いなタカシでも食べてやります」
 そう言って、また俺の顔をぺろぺろ舐めだした。
「舐めるな!」
 噛みだした。違う、そういうことじゃない。なんで「これならいい?」って顔してるんだ。
 ……いいよ別に。甘噛みだし。甘噛みするの好きだな、ちなみって。
「はむはむ。……おいしいです。タカシは馬鹿だけど、おいしいので±0です」
「そいつぁよござんした」
 なんで朝っぱらから涎まみれにならないといけないんだろう。少し悲しくなった。
「……って、時間! うわ、遅刻するぞ!」
「え、わ」
 ちなみを引っつかんで、家を飛び出す。そのまま全力で走り、学校へ。昇降口を抜け、教室へ飛び込む。それとほぼ同時に本鈴が鳴った。
「ぜはーぜはーぜはー……。ぎりぎり間に合った……」
 しばらく息を整えてると、周囲の視線がどうも自分の方を向いている気がする。
「ちなみ、着替えて来い。すげー見られてるぞ」
「……たぶん、見られてるのはタカシだと思う」
 そう言って、ちなみは教室を出て行った。
 なんで俺が見られるんだ、と思っていると担任がやってきた。そして、俺を見て絶句した。
「……別府。なんだ、その格好は」
「格好? 別に普通の制服……」
 自分の体を見下ろして、やっと気がついた。パジャマのままじゃねえか、俺。
 そのあとは、まぁ、いつも通り説教数時間のパターンで。畜生。

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