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2026年03月15日
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【デレツンなツンデレ】

2010年05月30日
「タ・カ・シきゅ~~~~ん♪」
 教室で一人寂しく飯を食ってると、甘い甘い声でかなみが飛びついてきた。
「ひぃっ! してません! 覗きも痴漢もしてません! 今日は!」
「今日は!? ……こほん。いや、違うのよ。えっとねぇ、一緒にご飯食べていーい?」
「……? ……??」
 何が何やら分からない。俺が少し焦げた玉子焼きを食ったせいでかなみが壊れてしまったのか?
「……すまなかった。間に合わないかもしれないが、これを食って元に戻ってくれ」
 食いかけの焦げ玉子焼きを差し出す。手が震えるのは止めようがない。
「え? あ~ん、ってしてくれるの? うふふっ、かなみ嬉し~い♪」
(ごめん、かなみ。俺のせいで……)
 かなみは、小さな口を大きく開けて一口で玉子焼きを食った。
「もにゅもにゅもにゅ……う~ん、やっぱタカシに食べさせてもらうと美味しいね♪」
「おいおい、タカシよぉ。いつのまにかなみさんとくっついたんだ?」
 何も知らない男子生徒が揶揄するのを聞き、黙っていられなくなった。
「おたんちーん! おまえは壊れたかなみを見て精一杯労わろうという気持ちを持てないのか!?」
「おたんちん……?」
 男子生徒は自らの過ちに気づいたように、おたんちんと繰り返していた。
「……ふぅ。さてかなみ、食事を続けるか」
「…………」
 しかし、かなみはじっと下を向いて、小刻みに震えるばかり。
「……かなみ? おしっこ?」
 首根っこを掴まれ、俺は屋上へ連れて行かれた。
「……ハァハァ。あんた、壊れたとかどういうことよッ!?」
「おおっ! 治ったか、かなみ! いや、一時はどうなることかと……」
「……どういうこと?」
 玉子焼きに始まったかなみ壊れて大変事件のあらましを語ったら殴り飛ばされた。
「馬鹿! そこで一生埋まってなさい!」

(あああああ、恥ずかしいの我慢して甘えたのに……タカシのバカッ!)

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【でべそ病】

2010年05月29日
 でべそ病になった、とかなみが言い出した。
 そんな病気はないぞ馬鹿、阿呆、アナルマニアと言ったのだけど、納得してくれないのでヘソを見せられることになってしまった。あと殴られた。
「ね? でべそ病でしょ?」
「…………」
 どう見ても普通のヘソだ。でべそになっているようにも見えない。
「でべそ病とやらがどんなのか知らんが、別に普通だぞ」
「え? 嘘! ほら、もっとよく見なさいよ!」
 そう言いながら腹を俺の顔に押し付けられても見えません。すべすべしてるのは分かりました。
「ほら? どう?」
「すべすべしてる。れろん」
 つい本能が表に出てしまい、かなみの腹を舐めたら大変なことになった。

「うっうっ……ずびばぜん……」
 ちょっと口にはできないようなことを色々されて、トラウマがまた増えた。
「馬鹿。……で、本当のところどうよ?」
「分からん。てーか、でべそ病とやら自体知らんし」
「はぁ……あのね、でべそ病は世界各国で確認されてる新種の病気なの。でね、それを治すには一日一回へそを異性に見せなきゃいけないの」
 死ぬほど嘘臭いけど、もうトラウマは増やしたくないので黙っておく。
「ほっ、ホントよ!? 嘘なんかじゃないんだからッ!」
「分かった分かった。んで、そのために俺に見てほしいってことか?」
「う……うん」
 かなみは少し頬を染めて首肯した。今日から俺は、かなみのヘソ係です。
 
 その夜、かなみ家にて。
「お姉ちゃん、この作戦ヤダ……」
「なに言ってるのよ、かなみ。男の子は女の子のおへそに弱いのよ」
「うう、嘘っぽい……」
「ほらほら、そんなのいいから今日もおへそに磨きをかけなきゃね。にゅふふふふ♪」
 お姉ちゃんはたまに嘘をついて妹を騙すので、注意が必要です。

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【ねこちなみん】

2010年05月29日
 昨日は夜更かしをして眠かったので、養護教諭にうまいこと言って保健室で寝ていたんですよ。
 で、さっき起きたんだけど、なんか猫っぽいのが俺の横で寝てる。
「うにゅ……にゅ……」
 えーと、どうしよう。起こした方がいいんだろうけど、うにゅうにゅ言ってるし鼻息がなんか甘いしええと!(混乱中)
「ん……ふぁぁぁぁぁ……」
 上半身だけで右往左往していたところ、猫が目を覚ました。
「……ねこです。にゃあにゃあ」
「なんで俺の横で寝てるのですか?」
 なんて聞いたら、むー、とちなみの眉毛が寄った。
「……タカシのせいです。下校時間になるまでこんなところで寝てるなんて……卑怯です」
「いや、意味が分からん。なんで俺がここで寝てるだけで卑怯になるんだ?」
「……知りません。もういいです。まだ眠たいのでどっか行ってください」
 ちなみは俺の布団を剥ぎ取り、また横になってしまった。
「いや、行けと言うなら行くけど……」
 いまいち納得できないけど、なんか機嫌を損ねているのでとっとと退散しよう。
 立ち上がろうとして、服の裾を小さな手が掴んでいるのが見えた。
「……ちなみさん。裾を掴まれてると、どこにも行けないのですが」
「……ちなみとしては、鈍感なタカシはどっかに行って欲しいです」
 でも、とちなみは続けた。
「……ねこちなみは、まだ小さな猫なので一人で寝るのは嫌です。寝るまで、……そばにいてほしいです」
 顔を半分布団で隠し、か細い声でちなみは言った。
 一瞬だけ考え、俺は再びベッドに腰を下ろした。
「ねこなら仕方ないな。俺もまだ眠いし、一緒に寝るか」
 ちなみの隣に横たわる。と、ぎゅっと抱きしめられた。
「……こうしないと狭いから、抱きついただけです。……他意はありません」
 俺の胸で顔を隠し、消えそうな声でちなみは言った。
「……ま、確かに狭いからな。俺もいいか?」
 小さくコクンと頷くのを感じてから、俺はちなみの腰に腕を回し、軽く抱きしめたまま目をつむった。

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【ハムスターちなみん】

2010年05月29日
 学校帰り、ちなみを誘ってペットショップへ行った。
「ああ、可愛いなぁ。ハムスター可愛いなぁ」
「…………」
「知ってるか? ハムスターはげっし目ネズミ科キヌゲネズミ亜科で、可愛いのが特徴だ」
「……興味、ないです」
「ああ可愛いなぁハムスター可愛いなぁ(聞いてない)」
「…………」
 その夜。眠いので寝ようと布団をめくったら、なんかいる。
「ハムスターです……はむはむ」
「……いつの間に?」
「……タカシが一人でえっちなビデオ見てふがふが言ってる最中、窓からこっそりと」
「俺の一番かっこいいところ見やがったなコンチクショウ!」
 怒っていいのか恥ずかしがっていいのか分からず、とりあえず叫ぶ。
「……夜中に叫ばないでください。近所迷惑です。……別にかっこよくもないです」
 逆に怒られた。更にけなされた。
「……まぁいいや。勝手に侵入したことは不問にする。で、何か用か?」
「……ハムスター、です」
 そう言って、ちなみは両手をわさわさと揺すった。
「見りゃ分かる」
 ちなみは不満そうに、むー、と頬を膨らませた。
「……ハムスター、なんです」
「いや、だから分かるっての」
 その言葉に、ちなみはうつむいてしまった。心なしか、着ぐるみの耳までうなだれている。
「……ハムスターちなみは……可愛くない、みたいです」
「はぁ? なんのこと……」
 ペットショップでのことを思い出し、唐突に理解した。コイツは、ハムスターに対抗してるんだ。
「ひゃっ!?」
 今更口でどうこう言っても信じてもらえるとは思えなかったので、抱きしめた。
「……なっ、何のつもりですか?」
「急におまえが可愛く見えたから、思わず抱きしめた」
「……い、今更嘘臭いです。詐欺っぽいです。結婚詐欺師です」
 誰も結婚するとは言ってない。
「あー、本物のハムスターも可愛いけど、ハムスターちなみんはもっと可愛いなぁ。すりすりすり」
 ちょっとわざとらしいけど、あえて口にしてちなみにほお擦りする。途端、ちなみの頬が真っ赤になった。
「……嘘っぽいです。……けど、騙されてあげます」
 そう言って、ちなみは俺の耳を甘噛みした。お返しに、俺もちなみの耳に

 親に見つかった。
 なんで「挙式はいつにする?」なんて言ってるの、母さん?
 え、婚約するの?

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【耳鳴り】

2010年05月29日
「……どしたの? 眉間に皺なんか寄せちゃって。……似合わないよ」
「ほっとけ。キーンって耳鳴りがすんだよ。うっとうしい」
「耳鳴り……わたし、治す方法知ってる」
「何っ!? 本当か? やってくれ」
「……いいの? 後悔しない?」
「うむ、任せる」
 ちなみは少し考えて、俺の横に立った。そして、
「はひゃあ!」
 あろうことか俺の耳をなめた。れろんって。
「な、な、な、何を……」
「……治ったでしょ?」
「な、何が」
「耳鳴り」
 言われてみれば、確かに耳鳴りは治まっている。
「おお……おお! 凄いなちなみ! 見事! 褒美に俺の口付けをやろう」
「いらない」
 ぴしゃりと言われて軽くへこむも、耳鳴りが治ったことに機嫌の良さは止まらない。
 うむ、この喜びを誰かに伝えたい。誰かいないか……おお、かなみがいるじゃないか。
「よお!」
「…………」
 喜色満面で話しかけたというのに、かなみときたら不機嫌そうに俺を一瞥しただけで、またそっぽを向いてしまった。
「なんだ? 機嫌悪そうだな」
「……ほっといてよ」
「さては、耳鳴りか? 耳鳴りだろ? よし、俺が治してやろう」
 かなみが何か言う前に彼女の耳に口を寄せ、れろん。
「ひゃああああ! 何すんのよ、変態!」
 耳鳴りを治してあげたんだよ、と言おうと口を開く前に殴られた。殴られた。殴られてる。

 目が覚めたら夜だった。

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