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2026年03月20日
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【新兵器「ツンデレーザー」】
2010年02月14日
だらりだらりと授業を受けてたら、校庭から破壊音が響いた。何が起きたのか、視線を窓に移す。
「うあ」
口から妙な声が出た。校庭の真ん中へんで、なんかGP03デンドロビウムみたいになってる先輩がいる。ビーム砲からレーザーがびむびむ出て、ちょっとした阿鼻叫喚。
ものすごく見なかったことにしたかったが、見てしまったからには仕方がない。ざわめく教室をそっと抜け出し、廊下を駆けて校庭に飛び込む。
「何やってんだ先輩!」
先輩に向け叫ぶと、先輩はこっちを向いた。ぽやーっとした視線に、状況を忘れ和みそうになる。
「…………」
「え? 強化ユニットもらった? つけたら暴走した? 早く助けろ馬鹿? ……先輩、色々言いたいが、ばーか」
「……!」
先輩が怒った。レーザーがこっちに飛んできたので慌ててよける。
「あっ、危ないだろ馬鹿! 小さい人間! 小学生未満!」
「……! ……!」
なんかまた怒らせたようで、極太のレーザーが僕のすぐ脇を通り過ぎました。大木が消し飛びましたよ?
「まっ、待て待て待て! 洒落になってねーっての! いいからスイッチ切れ、小学生!」
先輩は小さな小さな声で「小学生じゃないもん」と呟きながらレーザーを連射した。危険が危ないので水飲み場の影に退避。
「ひー……まったく、どうすりゃいいってんだよ、あんな化け物」
「まったく、困ったものです。ぷんぷん」
なんか、隣に先輩と同じくらい小さいのがいる。
「……何やってんの、大谷先生」
「はうわっ!? べべべべべ、別府くん、どうしてここにいるですか!?」
「先生が俺という存在を否定する」
「えええええっ!? し、してないですよ、先生は別府くんを否定なんてしてないですよ!」
「じゃあ俺を肯定してくれ。褒めてくれ。俺の肉奴隷になってくれ」
「もちろんですっ! ……えええええっ、にっ、にく!?」
「よし、言質は取った。今日から先生は俺の性処理用の奴隷だ。嫌というほど頭なでてやる」
「こ、困ります、それとっても困りますよっ! あ、あの、……なでなでは嫌いじゃないですが、その、性処理がどうとかは、とっても困る事態です!」
「先生うるさい。ただの冗談にそんな超反応するない」
「じ、冗談? ……ううううう、生徒が先生をいじめるぅ……」
「別に冗談を本気にしても、俺は一向に構わん」
「先生、冗談が大好きです!」
元気に立ち上がった先生の頭上5cm上くらいを、レーザーが通過した。
「ぴぎゃあ!?」
怪鳥のような声を上げてしゃがみ込む先生。
「先生、むやみに立つと危ないぞ。先生が詐称してる年齢の平均的な身長だと、今頃頭にでかい穴が空いてたぞ。その小学生的身長に感謝しろ」
「詐称なんてしてません! 先生大人です!」
「はいはいはい」
ぐりぐり頭をなでて黙らせる。
「ううう……別府くんが先生を子供扱いします……」
「子供を子供扱いして何が悪い。それより、ここは先輩が暴走してるから危ないぞ。帰って算数のドリルでもしてろ」
「だからっ、先生は子供じゃありませんっ! 算数のドリルとかしませんっ! ほらほら、めんきょしょー!」
コンクリの壁を背にして先輩の様子を覗き見ようとしてる俺の頬に免許証をぐいぐい押し付ける先生。非常に鬱陶しい。
「いーから校舎に入ってろ! 怪我したら大変だろーが!」
「ダメですっ! 先生のせいで大変なことになってるのに、先生だけ安全なところにいられませんっ!」
「……ドユコト?」
「だからぁ、先生が開発したブースターパックをあの生徒さんに使わせたら、暴走しちゃって……その、えへ☆」
えへ☆ だって。片目つぶってウインク。かーわいい。
「……じゃねえよ! なんだ、あのデンドロビウム先生が作ったのか! 何考えてんだ馬鹿! 子供!」
「ば、馬鹿じゃないですし、ましてや子供なんてもってのほかです! あれはですね、ツンデレーザーって言いまして、女の子の素直に表現できない甘くて素敵な乙女心を濃縮し、破壊エネルギーに変換する兵器なのですよ? 規模の小さな軍なら、単機で殲滅できます☆」
とりあえず先生のほっぺを引っ張る。
「痛い痛い痛いです! 千切れます千切れますよ! あっ、千切れました、いま千切れましたよ!? どうしてくれるんですか!」
「千切れてねーよ! お前、んなもん作るな!」
「だってだって、思いついちゃったんですもん! それより先生にお前とか言ってはいけません! もっと尊敬してくださいっ!」
「まあ原因は分かった。先生へのお仕置きは後にするとして、さて……」
「先生、お仕置きされるんですか!? 先生なのに!?」
あれだけばびばびレーザー撃ってるんだ、すぐに弾も尽きるに違いない。……いや待て、なんかさっき乙女心を変換してレーザーにしてるとかなんとかって……。
「先生、あれって撃ち続けたらどうなるの?」
「そりゃー、心を削って撃っているわけですから、心が尽きてそのまま廃人になりますよ。なむー」
両手を合わせて拝んでる先生の頭をとりあえず叩く。
「ぶった! 先生の頭をぶった! 先生なのに叩かれました!」
「うっさい! あーもう、玉砕覚悟で突っ込むか!?」
「ダメですっ、早まってはいけませんっ!」
先生が俺の腕を引っ張り、押し留める。
「先生……。分かった、それじゃ責任者が囮になってる隙に突っ込む」
「頑張れ、別府くん!」
先生が俺の体を押し、水飲み場から追い出そうとする。
「ええい、先生も体を張れ! つーかお前に責任があるんだから囮くらいなれっ!」
「囮なんてヤですっ! あっ、そだ、先生とってもいいこと思いつきました! 自爆装置を作動させればいいんです! うふー、先生ってばやっぱり天才です!」
自信満々に胸を張る先生の頭を叩く。
「また叩きました! またです! 暴力です! 別府くんおーぼーです! 独裁者です!」
「自爆なんてしたら、先輩まで吹き飛ぶだろーが! ちったあ考えて喋れ馬鹿!」
「ば、馬鹿とは何ですか馬鹿とは! 先生、こう見えても天才ですよ!? いっぱい賞とか貰ってますよ!?」
「賞とか関係なくてああもう!」
「…………」
「え? 楽しそうで羨ましい? 先輩、どこをどう見れば楽しそうに……先輩?」
ちっちゃな声に振り向くと、すぐ目の前に先輩がいた。うーん、先生と議論を戦わせている間に近寄られていたんだね。大変だよ。
「べべべべべ別府くんどうにかしてくだたいっ!」
「先生噛んでる。くだたい(笑)」
「うるさいですっ! なんでそんな冷静なんですかっ!?」
「や、慌ててる人見たら逆にこっちは冷静になるなーって体験、あるでしょ?」
「いーから早くどーにかしてくださいっ! あっ、あああっ!?」
先輩に備え付けられた砲頭に、エネルギーの固まりのようなものが集まっている。むぅ、これはとても危険な予感。
「ふふ、死ぬやもしれんな」
「何を笑ってるんですか!? あっ、そだ、えーと、あのエネルギーはあの生徒の思いの結晶です! 別府くん、彼女の思いを受け止めてあげてください! 一人で!」
「無茶言うなっ! 仮に思いだとしても、破壊エネルギーに変換してるんだろーが! そんなもん受け止めたら死ぬわっ!」
「…………」
一瞬、先輩が悲しそうな顔をした。
「……あ、いや、そうだな。やってみるか」
「別府くん?」
「先輩の思い、この俺が受け止めてやる!」
「…………」
いつも無表情な先輩が、少しだけ、ほんの少しだけ微笑んだ。そんな気がした。
「あ、あのー……別府くん? なんか、こんなこと言う俺かっこいーと思ってるようですが、普通に死にますよ?」
だよね。死ぬよね。どうしよう。
「…………」
死ぬのは嫌だなあ、俺の体程度で先生かばえるかなあ、とか思ってたら、砲頭に集まっていたエネルギーが収束をやめ、ゆっくりと拡散していった。
「え、ええっ!?」
そして、先輩に取り付いていた兵器類が一斉にパージされた。
「わっ……ととっ」
その勢いに押された先輩を、慌てて抱き留める。
「な、何がどうなったんだ、先生?」
「えー……と。そ、その、生徒さんの思いを言葉で受け止めたので、その生徒さんが満足し、それを感じ取ったツンデレーザーが自らの意思で解放した……の、かも」
「かも、って……製作者だろ、分かんねーのか」
「だってだって分かんないものは分かんないですもんっ! てきとーに作ったんですし!」
「こんな殺戮兵器てきとーに作んなっ! ……とっ、先輩、大丈夫か? 怪我とかないか?」
先輩を引き剥がし、体を点検しようとしたが、先輩が離れない。
「先輩?」
「……♪」
「いや、♪じゃなくて。離れて」
「…………」(ぷるぷる)
「いや、ぷるぷるじゃなくて。離れるの」
「…………」(ぷるぷるぷる)
「いや、だから」
「…………」
「え、恋人同士は一緒にいて当然? ……あの、恋人って、何を」
「♪♪♪」
「いやいや、いやいやいや! せ、先生、何とか言ってやってくださいよ」
「当然です! そこの貴方! 別府くんが困ってますよ!」
うん、そうだ、その通り。
「別府くんは先生のことが好きで好きでしょうがないんだから離れなさい!」
いや待てそんなこと言ってないし言った覚えもない。
「ていうか別府くんは先生のものなのに、勝手に抱きついたりして……羨ましいじゃないですかっ!」
「…………」
先輩が勝ち誇った顔で俺にすりすりした。顔がにやけるのが止められない。
「もーっ、もーっ、もーっ! ダメーッ!!!」
先生は先輩の隣に取り付き、俺に抱きついた。
「これ先生のっ! 先生のなんですから取ったらダメですっ!」
「…………」
「こ、子供!? 子供って言いましたか!? どっちが子供ですか、どっちが!」
「…………(怒)」
「あーいいですよ、勝負ですよ! 大人の魅力でびゃびゃーんと勝利しますよ!」
「はい。喧嘩終わりー」
二人の頭に手を乗せ、わっしわっしなでる。
「あ、あの、喧嘩なんて別にしてませんよ? ただ、この子が敵視してくるだけで」
「…………」
「先輩も『先生が悪い』とか言うな。喧嘩する奴にはもれなくなでなで禁止令が発令されるぞ」
「しませんしてません喧嘩なんてするものですかっ! ええ、しませんよ、絶対にしませんよ?」
「…………」
「先輩もしないか。ん、じゃあご褒美のなでなで」
二人の頭をなでまくりんぐ。
「はふ……別府くんのなでなでは頭とろけそうです」
「…………」
「だっ、誰が最初から頭とろけてるですか、誰が! やっぱこの子先生に喧嘩売ってますね!? 買いますよ、いっぱい買いますよ!?」
「けんかりょうせいばいー」
再び喧嘩を始めた二人の頭にアイアンクローをしかける。
「あうううううっ!? いっ、痛いっ、別府くん痛いですっ、頭取れそうですっ! あっ、取れました、いま取れましたよ!?」
「……! ……!!」
びったんばったん跳ねる二人の衝撃を体に受けながら、校庭に散乱するツンデレーザーとやらの処置をどうするか、途方に暮れる俺だった。
「うあ」
口から妙な声が出た。校庭の真ん中へんで、なんかGP03デンドロビウムみたいになってる先輩がいる。ビーム砲からレーザーがびむびむ出て、ちょっとした阿鼻叫喚。
ものすごく見なかったことにしたかったが、見てしまったからには仕方がない。ざわめく教室をそっと抜け出し、廊下を駆けて校庭に飛び込む。
「何やってんだ先輩!」
先輩に向け叫ぶと、先輩はこっちを向いた。ぽやーっとした視線に、状況を忘れ和みそうになる。
「…………」
「え? 強化ユニットもらった? つけたら暴走した? 早く助けろ馬鹿? ……先輩、色々言いたいが、ばーか」
「……!」
先輩が怒った。レーザーがこっちに飛んできたので慌ててよける。
「あっ、危ないだろ馬鹿! 小さい人間! 小学生未満!」
「……! ……!」
なんかまた怒らせたようで、極太のレーザーが僕のすぐ脇を通り過ぎました。大木が消し飛びましたよ?
「まっ、待て待て待て! 洒落になってねーっての! いいからスイッチ切れ、小学生!」
先輩は小さな小さな声で「小学生じゃないもん」と呟きながらレーザーを連射した。危険が危ないので水飲み場の影に退避。
「ひー……まったく、どうすりゃいいってんだよ、あんな化け物」
「まったく、困ったものです。ぷんぷん」
なんか、隣に先輩と同じくらい小さいのがいる。
「……何やってんの、大谷先生」
「はうわっ!? べべべべべ、別府くん、どうしてここにいるですか!?」
「先生が俺という存在を否定する」
「えええええっ!? し、してないですよ、先生は別府くんを否定なんてしてないですよ!」
「じゃあ俺を肯定してくれ。褒めてくれ。俺の肉奴隷になってくれ」
「もちろんですっ! ……えええええっ、にっ、にく!?」
「よし、言質は取った。今日から先生は俺の性処理用の奴隷だ。嫌というほど頭なでてやる」
「こ、困ります、それとっても困りますよっ! あ、あの、……なでなでは嫌いじゃないですが、その、性処理がどうとかは、とっても困る事態です!」
「先生うるさい。ただの冗談にそんな超反応するない」
「じ、冗談? ……ううううう、生徒が先生をいじめるぅ……」
「別に冗談を本気にしても、俺は一向に構わん」
「先生、冗談が大好きです!」
元気に立ち上がった先生の頭上5cm上くらいを、レーザーが通過した。
「ぴぎゃあ!?」
怪鳥のような声を上げてしゃがみ込む先生。
「先生、むやみに立つと危ないぞ。先生が詐称してる年齢の平均的な身長だと、今頃頭にでかい穴が空いてたぞ。その小学生的身長に感謝しろ」
「詐称なんてしてません! 先生大人です!」
「はいはいはい」
ぐりぐり頭をなでて黙らせる。
「ううう……別府くんが先生を子供扱いします……」
「子供を子供扱いして何が悪い。それより、ここは先輩が暴走してるから危ないぞ。帰って算数のドリルでもしてろ」
「だからっ、先生は子供じゃありませんっ! 算数のドリルとかしませんっ! ほらほら、めんきょしょー!」
コンクリの壁を背にして先輩の様子を覗き見ようとしてる俺の頬に免許証をぐいぐい押し付ける先生。非常に鬱陶しい。
「いーから校舎に入ってろ! 怪我したら大変だろーが!」
「ダメですっ! 先生のせいで大変なことになってるのに、先生だけ安全なところにいられませんっ!」
「……ドユコト?」
「だからぁ、先生が開発したブースターパックをあの生徒さんに使わせたら、暴走しちゃって……その、えへ☆」
えへ☆ だって。片目つぶってウインク。かーわいい。
「……じゃねえよ! なんだ、あのデンドロビウム先生が作ったのか! 何考えてんだ馬鹿! 子供!」
「ば、馬鹿じゃないですし、ましてや子供なんてもってのほかです! あれはですね、ツンデレーザーって言いまして、女の子の素直に表現できない甘くて素敵な乙女心を濃縮し、破壊エネルギーに変換する兵器なのですよ? 規模の小さな軍なら、単機で殲滅できます☆」
とりあえず先生のほっぺを引っ張る。
「痛い痛い痛いです! 千切れます千切れますよ! あっ、千切れました、いま千切れましたよ!? どうしてくれるんですか!」
「千切れてねーよ! お前、んなもん作るな!」
「だってだって、思いついちゃったんですもん! それより先生にお前とか言ってはいけません! もっと尊敬してくださいっ!」
「まあ原因は分かった。先生へのお仕置きは後にするとして、さて……」
「先生、お仕置きされるんですか!? 先生なのに!?」
あれだけばびばびレーザー撃ってるんだ、すぐに弾も尽きるに違いない。……いや待て、なんかさっき乙女心を変換してレーザーにしてるとかなんとかって……。
「先生、あれって撃ち続けたらどうなるの?」
「そりゃー、心を削って撃っているわけですから、心が尽きてそのまま廃人になりますよ。なむー」
両手を合わせて拝んでる先生の頭をとりあえず叩く。
「ぶった! 先生の頭をぶった! 先生なのに叩かれました!」
「うっさい! あーもう、玉砕覚悟で突っ込むか!?」
「ダメですっ、早まってはいけませんっ!」
先生が俺の腕を引っ張り、押し留める。
「先生……。分かった、それじゃ責任者が囮になってる隙に突っ込む」
「頑張れ、別府くん!」
先生が俺の体を押し、水飲み場から追い出そうとする。
「ええい、先生も体を張れ! つーかお前に責任があるんだから囮くらいなれっ!」
「囮なんてヤですっ! あっ、そだ、先生とってもいいこと思いつきました! 自爆装置を作動させればいいんです! うふー、先生ってばやっぱり天才です!」
自信満々に胸を張る先生の頭を叩く。
「また叩きました! またです! 暴力です! 別府くんおーぼーです! 独裁者です!」
「自爆なんてしたら、先輩まで吹き飛ぶだろーが! ちったあ考えて喋れ馬鹿!」
「ば、馬鹿とは何ですか馬鹿とは! 先生、こう見えても天才ですよ!? いっぱい賞とか貰ってますよ!?」
「賞とか関係なくてああもう!」
「…………」
「え? 楽しそうで羨ましい? 先輩、どこをどう見れば楽しそうに……先輩?」
ちっちゃな声に振り向くと、すぐ目の前に先輩がいた。うーん、先生と議論を戦わせている間に近寄られていたんだね。大変だよ。
「べべべべべ別府くんどうにかしてくだたいっ!」
「先生噛んでる。くだたい(笑)」
「うるさいですっ! なんでそんな冷静なんですかっ!?」
「や、慌ててる人見たら逆にこっちは冷静になるなーって体験、あるでしょ?」
「いーから早くどーにかしてくださいっ! あっ、あああっ!?」
先輩に備え付けられた砲頭に、エネルギーの固まりのようなものが集まっている。むぅ、これはとても危険な予感。
「ふふ、死ぬやもしれんな」
「何を笑ってるんですか!? あっ、そだ、えーと、あのエネルギーはあの生徒の思いの結晶です! 別府くん、彼女の思いを受け止めてあげてください! 一人で!」
「無茶言うなっ! 仮に思いだとしても、破壊エネルギーに変換してるんだろーが! そんなもん受け止めたら死ぬわっ!」
「…………」
一瞬、先輩が悲しそうな顔をした。
「……あ、いや、そうだな。やってみるか」
「別府くん?」
「先輩の思い、この俺が受け止めてやる!」
「…………」
いつも無表情な先輩が、少しだけ、ほんの少しだけ微笑んだ。そんな気がした。
「あ、あのー……別府くん? なんか、こんなこと言う俺かっこいーと思ってるようですが、普通に死にますよ?」
だよね。死ぬよね。どうしよう。
「…………」
死ぬのは嫌だなあ、俺の体程度で先生かばえるかなあ、とか思ってたら、砲頭に集まっていたエネルギーが収束をやめ、ゆっくりと拡散していった。
「え、ええっ!?」
そして、先輩に取り付いていた兵器類が一斉にパージされた。
「わっ……ととっ」
その勢いに押された先輩を、慌てて抱き留める。
「な、何がどうなったんだ、先生?」
「えー……と。そ、その、生徒さんの思いを言葉で受け止めたので、その生徒さんが満足し、それを感じ取ったツンデレーザーが自らの意思で解放した……の、かも」
「かも、って……製作者だろ、分かんねーのか」
「だってだって分かんないものは分かんないですもんっ! てきとーに作ったんですし!」
「こんな殺戮兵器てきとーに作んなっ! ……とっ、先輩、大丈夫か? 怪我とかないか?」
先輩を引き剥がし、体を点検しようとしたが、先輩が離れない。
「先輩?」
「……♪」
「いや、♪じゃなくて。離れて」
「…………」(ぷるぷる)
「いや、ぷるぷるじゃなくて。離れるの」
「…………」(ぷるぷるぷる)
「いや、だから」
「…………」
「え、恋人同士は一緒にいて当然? ……あの、恋人って、何を」
「♪♪♪」
「いやいや、いやいやいや! せ、先生、何とか言ってやってくださいよ」
「当然です! そこの貴方! 別府くんが困ってますよ!」
うん、そうだ、その通り。
「別府くんは先生のことが好きで好きでしょうがないんだから離れなさい!」
いや待てそんなこと言ってないし言った覚えもない。
「ていうか別府くんは先生のものなのに、勝手に抱きついたりして……羨ましいじゃないですかっ!」
「…………」
先輩が勝ち誇った顔で俺にすりすりした。顔がにやけるのが止められない。
「もーっ、もーっ、もーっ! ダメーッ!!!」
先生は先輩の隣に取り付き、俺に抱きついた。
「これ先生のっ! 先生のなんですから取ったらダメですっ!」
「…………」
「こ、子供!? 子供って言いましたか!? どっちが子供ですか、どっちが!」
「…………(怒)」
「あーいいですよ、勝負ですよ! 大人の魅力でびゃびゃーんと勝利しますよ!」
「はい。喧嘩終わりー」
二人の頭に手を乗せ、わっしわっしなでる。
「あ、あの、喧嘩なんて別にしてませんよ? ただ、この子が敵視してくるだけで」
「…………」
「先輩も『先生が悪い』とか言うな。喧嘩する奴にはもれなくなでなで禁止令が発令されるぞ」
「しませんしてません喧嘩なんてするものですかっ! ええ、しませんよ、絶対にしませんよ?」
「…………」
「先輩もしないか。ん、じゃあご褒美のなでなで」
二人の頭をなでまくりんぐ。
「はふ……別府くんのなでなでは頭とろけそうです」
「…………」
「だっ、誰が最初から頭とろけてるですか、誰が! やっぱこの子先生に喧嘩売ってますね!? 買いますよ、いっぱい買いますよ!?」
「けんかりょうせいばいー」
再び喧嘩を始めた二人の頭にアイアンクローをしかける。
「あうううううっ!? いっ、痛いっ、別府くん痛いですっ、頭取れそうですっ! あっ、取れました、いま取れましたよ!?」
「……! ……!!」
びったんばったん跳ねる二人の衝撃を体に受けながら、校庭に散乱するツンデレーザーとやらの処置をどうするか、途方に暮れる俺だった。
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【大統領ちなみん】
2010年02月14日
ちなみが大統領になった。
「悪夢だ……」
「……のー悪夢。現実。ふふふ。最大権力げっと。……これで、やりたい放題」
頭を抱える俺の膝の上に、満足そうに座るちっこい大統領。
「んで、大統領。なんで俺の膝に乗ってるの?」
「……タカシは、大統領のイス。任命。ないす人事」
「ナイスじゃねーよ、馬鹿」
「にゃ」
ちなみの頭をぺしと叩くと、ドアから窓から天井裏から黒服サングラスの集団がやってきて、俺を取り囲むんですの。手に手に銃を持って、俺に突きつけてるんですの。死ぬんですの?
「……いい。タカシは特別だから」
ちなみの一言で、再び去る黒服軍団。
「……なに、あれ」
やっとのことでそれだけ言う。今さら汗が噴き出した。
「……ふぁんくらぶ?」
「んなわけねー! 銃突きつけられたよ、銃! 護衛だろ、護衛! SP!」
「えすぴー……しーくれっと、ぽっぽ?」
「なんだ、秘密のハトって。いや、ハトはぽっぽではなくピジョンですが」
「……秘密ハト。世界の機密を伝える伝書鳩。過酷な訓練に耐えた優秀なハトにのみ与えられる栄誉であり、とてもおいしい」
「食うなッ!」
「……軽い冗談は置いといて、お仕事お仕事。……大統領なので」
くりんと首をこちらに回し、なにか言いたげにこっちをじっと見る大統領。
「なんですか」
「……大統領なので、お仕事いっぱい。……でも、頑張る大統領」
「そうか」
「……とても頑張っている大統領に、このイスは労いの言葉もかけない。……解雇しようかな」
「そりゃ大助かりだ」
「……解雇されたら、秘密を守るために消される、かも」
「偉いぞ大統領! 頑張れ大統領! いけいけ僕らの大統領!」
「……あまり嬉しくない。もっと、心を込める」
「早く解放してほしいなあ」
「…………」
しまった、心を込めるあまり本音が出た。眠そうな瞳で、俺をじーっと見つめる大統領たん。また黒服か? 死ぬのか?
「……別に、帰ってもいいし。……寂しくなんてないし。……タカシなんかいなくても、平気だし」(じわーっ)
ある種、黒服よりも破壊力のある攻撃に出られた。
「どうかお側に置いてください大統領! だから泣かないでお願い!」
眠そうな瞳の端に涙がたまり始めたので、慌てて頭をなでて労わる。
「……そ、そこまで言うなら置いてあげる。……感謝せよ」
服の袖で涙を拭きながら、ちなみはぶっきらぼうに言った。
「感謝はともかく、あんま泣くな。心臓に悪い」
「むっ。……泣いてなんてない。……さっきタカシが見たのは、蜃気楼」
「砂漠でしたか」
「……大統領です」
なにこの会話。
「……じゃ、お仕事開始。……偉い?」
「あー偉い偉い」
褒めてほしそうな瞳に見つめられたので、なでてやる。
「……イスに元気付けられ、気力充分。頑張る大統領」
そう言うと、ちなみは机の上に置かれた書類に目を通し、スタンプを押した。
「……ふう。休憩」
「いやいや、いやいやいや! 一枚しかしてないし! 休憩には早すぎるだろ!」
「……うるさい。……大統領が休憩といったら休憩なの」
ちなみはくるんと180度回転し、こちらに向くと、おもむろに抱きついてきた。
「……このイスはよいイス。むー」
「むーじゃねえ」
「……ぬー?」
「帰っていいですか」
「……イスとしての仕事を放棄すると、黒服が」
「これ、仕事?」
「……仕事。……大統領の英気を養うとかなんとか」
どうにも信じられないが、大統領がそう言うのであればそうなのだろう。しかし、ゆるゆるの笑顔で俺に抱きつき、すりすりしまくってる姿からは、とても休憩しているようには思えない。
「……ほら、タカシからも抱っこする」
「はいはいはい」
せがまれるがままにちなみを抱っこする。
「にゅー、んー、にゅー♪」
「大統領の言語が崩壊した」
「……膀胱も崩壊した」
「大統領が漏らした! 衛生兵、えーせーへー!」
「……嘘。大統領は漏らさない」
確かに、太もも付近から液体の感触は感じられない。
「だが、胸元はべったりしている」
「……なんで? ……あ、よられ出てた」
気が緩みすぎたのか、ちなみの口元からこぼれ出た涎が俺の胸をべったりと濡らしていた。
「大統領、涎って……」
「……タカシがあるふぁ波出すせいだ。……リラックスしすぎる。……まったく、困ったイスだ」
「α波はリラックスした当人が出るものだし、責任を転嫁させられても困るし、そもそも自分から志願した覚えがない」
「……ふにゅふにゅ」
俺の話なんてちっとも聞かずに、ちなみは俺に抱きつき、胸元にすりすりした。
「……むー、涎で気持ち悪い。……タカシ、もーちょっと体を下にずらして」
「ん、こうか?」
腰を前にずらすと、ちなみは自分の体を俺の腹の辺りに落とした。そして、俺の顔を両手で掴んだ。
「……あぐあぐ♪」
そして、俺のほっぺたをあむあむと甘噛みした。
「大統領、俺はイスであり、食料ではないと思うが」
「……あむあむ、んー♪」
「ダメだこいつ、ちっとも聞いてやしねえ。馬鹿なのだろうか」
「……大統領だもん。馬鹿じゃないもん。……失礼なイスは、食べてしまえー」
そう言って再び俺を甘噛みする大統領だった。結局、ほぼ一日休憩だけで終わった。
「……明日は、お仕事頑張ろう」
俺を涎まみれにしたまま決意する大統領だった。
「悪夢だ……」
「……のー悪夢。現実。ふふふ。最大権力げっと。……これで、やりたい放題」
頭を抱える俺の膝の上に、満足そうに座るちっこい大統領。
「んで、大統領。なんで俺の膝に乗ってるの?」
「……タカシは、大統領のイス。任命。ないす人事」
「ナイスじゃねーよ、馬鹿」
「にゃ」
ちなみの頭をぺしと叩くと、ドアから窓から天井裏から黒服サングラスの集団がやってきて、俺を取り囲むんですの。手に手に銃を持って、俺に突きつけてるんですの。死ぬんですの?
「……いい。タカシは特別だから」
ちなみの一言で、再び去る黒服軍団。
「……なに、あれ」
やっとのことでそれだけ言う。今さら汗が噴き出した。
「……ふぁんくらぶ?」
「んなわけねー! 銃突きつけられたよ、銃! 護衛だろ、護衛! SP!」
「えすぴー……しーくれっと、ぽっぽ?」
「なんだ、秘密のハトって。いや、ハトはぽっぽではなくピジョンですが」
「……秘密ハト。世界の機密を伝える伝書鳩。過酷な訓練に耐えた優秀なハトにのみ与えられる栄誉であり、とてもおいしい」
「食うなッ!」
「……軽い冗談は置いといて、お仕事お仕事。……大統領なので」
くりんと首をこちらに回し、なにか言いたげにこっちをじっと見る大統領。
「なんですか」
「……大統領なので、お仕事いっぱい。……でも、頑張る大統領」
「そうか」
「……とても頑張っている大統領に、このイスは労いの言葉もかけない。……解雇しようかな」
「そりゃ大助かりだ」
「……解雇されたら、秘密を守るために消される、かも」
「偉いぞ大統領! 頑張れ大統領! いけいけ僕らの大統領!」
「……あまり嬉しくない。もっと、心を込める」
「早く解放してほしいなあ」
「…………」
しまった、心を込めるあまり本音が出た。眠そうな瞳で、俺をじーっと見つめる大統領たん。また黒服か? 死ぬのか?
「……別に、帰ってもいいし。……寂しくなんてないし。……タカシなんかいなくても、平気だし」(じわーっ)
ある種、黒服よりも破壊力のある攻撃に出られた。
「どうかお側に置いてください大統領! だから泣かないでお願い!」
眠そうな瞳の端に涙がたまり始めたので、慌てて頭をなでて労わる。
「……そ、そこまで言うなら置いてあげる。……感謝せよ」
服の袖で涙を拭きながら、ちなみはぶっきらぼうに言った。
「感謝はともかく、あんま泣くな。心臓に悪い」
「むっ。……泣いてなんてない。……さっきタカシが見たのは、蜃気楼」
「砂漠でしたか」
「……大統領です」
なにこの会話。
「……じゃ、お仕事開始。……偉い?」
「あー偉い偉い」
褒めてほしそうな瞳に見つめられたので、なでてやる。
「……イスに元気付けられ、気力充分。頑張る大統領」
そう言うと、ちなみは机の上に置かれた書類に目を通し、スタンプを押した。
「……ふう。休憩」
「いやいや、いやいやいや! 一枚しかしてないし! 休憩には早すぎるだろ!」
「……うるさい。……大統領が休憩といったら休憩なの」
ちなみはくるんと180度回転し、こちらに向くと、おもむろに抱きついてきた。
「……このイスはよいイス。むー」
「むーじゃねえ」
「……ぬー?」
「帰っていいですか」
「……イスとしての仕事を放棄すると、黒服が」
「これ、仕事?」
「……仕事。……大統領の英気を養うとかなんとか」
どうにも信じられないが、大統領がそう言うのであればそうなのだろう。しかし、ゆるゆるの笑顔で俺に抱きつき、すりすりしまくってる姿からは、とても休憩しているようには思えない。
「……ほら、タカシからも抱っこする」
「はいはいはい」
せがまれるがままにちなみを抱っこする。
「にゅー、んー、にゅー♪」
「大統領の言語が崩壊した」
「……膀胱も崩壊した」
「大統領が漏らした! 衛生兵、えーせーへー!」
「……嘘。大統領は漏らさない」
確かに、太もも付近から液体の感触は感じられない。
「だが、胸元はべったりしている」
「……なんで? ……あ、よられ出てた」
気が緩みすぎたのか、ちなみの口元からこぼれ出た涎が俺の胸をべったりと濡らしていた。
「大統領、涎って……」
「……タカシがあるふぁ波出すせいだ。……リラックスしすぎる。……まったく、困ったイスだ」
「α波はリラックスした当人が出るものだし、責任を転嫁させられても困るし、そもそも自分から志願した覚えがない」
「……ふにゅふにゅ」
俺の話なんてちっとも聞かずに、ちなみは俺に抱きつき、胸元にすりすりした。
「……むー、涎で気持ち悪い。……タカシ、もーちょっと体を下にずらして」
「ん、こうか?」
腰を前にずらすと、ちなみは自分の体を俺の腹の辺りに落とした。そして、俺の顔を両手で掴んだ。
「……あぐあぐ♪」
そして、俺のほっぺたをあむあむと甘噛みした。
「大統領、俺はイスであり、食料ではないと思うが」
「……あむあむ、んー♪」
「ダメだこいつ、ちっとも聞いてやしねえ。馬鹿なのだろうか」
「……大統領だもん。馬鹿じゃないもん。……失礼なイスは、食べてしまえー」
そう言って再び俺を甘噛みする大統領だった。結局、ほぼ一日休憩だけで終わった。
「……明日は、お仕事頑張ろう」
俺を涎まみれにしたまま決意する大統領だった。
【ツンをデレに変える能力を手に入れた男】
2010年02月14日
寝てたら神が降臨し、何でも叶えてやると言ってきたので、ハーレムをくれと言ったら断られた。
悔し紛れに神のヒゲを引き千切ったら、代わりと言っては何だがとツンをデレに変える能力をくれた。こんなもんもらっても……あ、そうだ、アイツに使ってみよう。
そんなわけで翌日、試してみようと教室で独り小説を読んでるちなみに近づく。
「……近寄るな」
こちらを見もせずに、ちなみは冷たく切り捨てた。この娘は子供の頃は割と仲が良かったのだが、中学生に上がるか上がらないかぐらいで急に冷たくなり、冷戦状態が現在まで続いている。
やはり嫌われるのは気持ちよくないし、なにより昔のような笑顔を見せて欲しい。この能力を使えば、少しは仲良くなれるのだろうか。
「いさてーあばめひなんえとかふぇーなん。ツンデレ変換作業かーいし」
適当な呪文を唱え、力をちなみに向ける。
「……? 何を……う、あぐ」
ちなみは胸を押さえ、小さくうずくまった。突然のことに、慌ててちなみの元に駆け寄る。
「ど、どした!? 大丈夫か!?」
自分でやっておいて大丈夫も何もないが、この力のせいでちなみの体に何かあっては大変だ。神の野郎、ちなみに何かあったら容赦しねえ。
「お、おい、大丈夫か?」
「…………」
ちなみを軽く揺さぶると、ちなみはゆっくりと体を起こした。だが、目がぼんやりしていて焦点が定まっていない。どうしよう、ちなみに何かあったら……!
「……ちょっと」
「どっ、どした? どっか辛いのか?」
「……いーから」
そう言いながら、ちなみは手招きした。招かれるままちなみのそばに体を寄せると、ぐいっと引っ張られた。
「……んー」
そして、俺の頭を抱え込み、愛おしそうにすりすりとほお擦りしてます。なんスか、これ。
「ははあ、夢だな」
「……現実なのら」
「ちなみがなのら口調!? ますますもって夢の可能性が高まっている!」
「……むう。信じれ」
ちょっと不満そうな顔をして、ちなみが俺の頬を持ち、ふにふにした。この感覚……まさか、現実!?
「……信じた?」
「信じ難いが、信じるしかないようだな」
「……にゅー」
嬉しそうに微笑み、ちなみは俺の頬に自分のほっぺをこすりつけまくりんぐ。気持ちがよすぐる。そりゃ顔もにやけまくりんぐ。
「見て、別府くんの顔がとろけてるよ」
「華丹路の豹変も驚いたが、別府のにやけ顔にも驚いたな」
華丹路とはちなみの苗字であり、何故そんな名前を言うのかと思えばそれは周囲から上がる声であって俺に関与できることではないのであり、ここは学校で、そして級友たちにちなみとの痴態を全て見られている。
「やめてちなみやめて! 見てる見てるみんなすげー見てる!」
「……バカップル、爆誕」
「自分で言うなッ!」
大声をあげると、ちなみは迷惑そうな顔をして両耳を塞いだ。手が離れた、好機!
「とうっ!」
「……えい」
「むぎゅ」
ぴょいんと飛んで逃げようとしたら足首を掴まれて顔から床に激突。とても痛い。
「……逃げるの、禁止。……寂しい」
床に寝転び鼻を押さえる俺の横に座り込み、ちなみが俺の手をきゅっと握った。
「いやはや、嬉しいは嬉しいのですが、身が持たない予感がするので解除。えい」
再び力を使い、ちなみのツン→デレ変換を解除する。元の冷たい状態に戻るのは寂しいが、一時とはいえ以前のように、いやそれ以上の仲になれたのでよかったといえよう。
「…………」
「あ、戻りましたか。いやはや、大変でしたね」
「……~~~~~!!!」
突然、ちなみの顔が真っ赤になった。何?
「……よ、よくも私に辱めを」
「えええええ!? いや、力を使ったのは俺だけど、すりすりしたのはお前だよ!?」
「……タカシが私によからぬ術をかけ、強制したに違いない。……あ、あんなことしたいなんて、思ってないんだから!」
「なるほどよく分かったからほっぺをつねらないでください」
さっきからずっとほっぺを捻り続けられていて、とても痛いのです。
「……その言葉、信じてない。……ほ、本当に、したいとか思ってない!」
「痛い痛い痛い! 信じてるから千切れるから離してお願い!」
「……うー、本当なんだから」
「チクショウ、こいつ人の話聞いてねえ! 痛すぐる!」
うーうー唸るちなみにほっぺを引っ張られ続ける俺だった。
悔し紛れに神のヒゲを引き千切ったら、代わりと言っては何だがとツンをデレに変える能力をくれた。こんなもんもらっても……あ、そうだ、アイツに使ってみよう。
そんなわけで翌日、試してみようと教室で独り小説を読んでるちなみに近づく。
「……近寄るな」
こちらを見もせずに、ちなみは冷たく切り捨てた。この娘は子供の頃は割と仲が良かったのだが、中学生に上がるか上がらないかぐらいで急に冷たくなり、冷戦状態が現在まで続いている。
やはり嫌われるのは気持ちよくないし、なにより昔のような笑顔を見せて欲しい。この能力を使えば、少しは仲良くなれるのだろうか。
「いさてーあばめひなんえとかふぇーなん。ツンデレ変換作業かーいし」
適当な呪文を唱え、力をちなみに向ける。
「……? 何を……う、あぐ」
ちなみは胸を押さえ、小さくうずくまった。突然のことに、慌ててちなみの元に駆け寄る。
「ど、どした!? 大丈夫か!?」
自分でやっておいて大丈夫も何もないが、この力のせいでちなみの体に何かあっては大変だ。神の野郎、ちなみに何かあったら容赦しねえ。
「お、おい、大丈夫か?」
「…………」
ちなみを軽く揺さぶると、ちなみはゆっくりと体を起こした。だが、目がぼんやりしていて焦点が定まっていない。どうしよう、ちなみに何かあったら……!
「……ちょっと」
「どっ、どした? どっか辛いのか?」
「……いーから」
そう言いながら、ちなみは手招きした。招かれるままちなみのそばに体を寄せると、ぐいっと引っ張られた。
「……んー」
そして、俺の頭を抱え込み、愛おしそうにすりすりとほお擦りしてます。なんスか、これ。
「ははあ、夢だな」
「……現実なのら」
「ちなみがなのら口調!? ますますもって夢の可能性が高まっている!」
「……むう。信じれ」
ちょっと不満そうな顔をして、ちなみが俺の頬を持ち、ふにふにした。この感覚……まさか、現実!?
「……信じた?」
「信じ難いが、信じるしかないようだな」
「……にゅー」
嬉しそうに微笑み、ちなみは俺の頬に自分のほっぺをこすりつけまくりんぐ。気持ちがよすぐる。そりゃ顔もにやけまくりんぐ。
「見て、別府くんの顔がとろけてるよ」
「華丹路の豹変も驚いたが、別府のにやけ顔にも驚いたな」
華丹路とはちなみの苗字であり、何故そんな名前を言うのかと思えばそれは周囲から上がる声であって俺に関与できることではないのであり、ここは学校で、そして級友たちにちなみとの痴態を全て見られている。
「やめてちなみやめて! 見てる見てるみんなすげー見てる!」
「……バカップル、爆誕」
「自分で言うなッ!」
大声をあげると、ちなみは迷惑そうな顔をして両耳を塞いだ。手が離れた、好機!
「とうっ!」
「……えい」
「むぎゅ」
ぴょいんと飛んで逃げようとしたら足首を掴まれて顔から床に激突。とても痛い。
「……逃げるの、禁止。……寂しい」
床に寝転び鼻を押さえる俺の横に座り込み、ちなみが俺の手をきゅっと握った。
「いやはや、嬉しいは嬉しいのですが、身が持たない予感がするので解除。えい」
再び力を使い、ちなみのツン→デレ変換を解除する。元の冷たい状態に戻るのは寂しいが、一時とはいえ以前のように、いやそれ以上の仲になれたのでよかったといえよう。
「…………」
「あ、戻りましたか。いやはや、大変でしたね」
「……~~~~~!!!」
突然、ちなみの顔が真っ赤になった。何?
「……よ、よくも私に辱めを」
「えええええ!? いや、力を使ったのは俺だけど、すりすりしたのはお前だよ!?」
「……タカシが私によからぬ術をかけ、強制したに違いない。……あ、あんなことしたいなんて、思ってないんだから!」
「なるほどよく分かったからほっぺをつねらないでください」
さっきからずっとほっぺを捻り続けられていて、とても痛いのです。
「……その言葉、信じてない。……ほ、本当に、したいとか思ってない!」
「痛い痛い痛い! 信じてるから千切れるから離してお願い!」
「……うー、本当なんだから」
「チクショウ、こいつ人の話聞いてねえ! 痛すぐる!」
うーうー唸るちなみにほっぺを引っ張られ続ける俺だった。
【日に焼けたツンデレ】
2010年02月14日
いい年して毎日毎日お外で遊んでるせいか、ボクっ娘の肌は小麦色に焼けていい感じだ。
「なので舐めたい。全身余すところなく舐めていい? 特に日焼けの境界線をぺろぺろぺろぺろしたい」
「人の家にやってくるなり変態丸出しな発言するな、この変態ッ!」
「ばか、変態なんだから変態丸出しな発言して当たり前だろ」
「あ、そっか。……え、あれ?」
よし、メダパニ成功。このまま畳み掛けろ。
「だから舐めさせて」
「ダメに決まってるだろ、ばかっ!」
「馬鹿な!? ここは『きゅ~ん……恥ずかしいけど、変態相手なら仕方ないかもだよ。ぺろぺろしてくださいだよ』とか言うターンだろ!?」
「言うわけないだろ! なんだよ、きゅーんって!」
「ばかっぽい鳴き声。類似品にうぐぅ、が、がお……等ある。ほら鳴け、うぐぅとか言え」
「うぐぅ!」
鳴きながら俺の腹を殴るボクっ娘。だが……。
「筋力不足だ。この俺を仕留めるには攻撃力が足りないぞ」
「タカシ、お腹押さえながら言っても説得力ないよ……」
思ったより痛かったです。
「まったく、馬鹿なことばっか言って……だいじょぶ?」
呆れながらも、梓は俺のお腹をさすさすさすってくれた。自分をいじめる奴(俺)相手にも優しくできる梓は、実は凄い奴なのかもしれない。
「無理。脱糞しそう」
「今すぐトイレへGOだよ! ここで漏らしたら殺す!」
実は優しくないのかもしれない。
「嘘です。超回復能力によりお腹痛いモードを脱した俺は、日焼けした生物を鑑賞することにした」
「生物言うな。しかし、なんで全部言葉にするかなぁ……変な生物」
「そっちこそ生物言うな。さて、日頃タンクトップを着て駆け回っていたせいか、梓の肌はまるでスク水の着用後のような日焼けをしている。水に濡らした上で舐めてぇ」
「タカシが気持ち悪い!」
しまった、本性が出た。
「嘘、嘘です。乾いた状態で舐めたい」
「やっぱりタカシが気持ち悪い!」
いかん、本性が隠せない。
「うー……えっちなことしたら怒るよ」
梓は自分の体を抱え、不安そうに俺を見上げた。
「大丈夫、お前に怒られても怖くない」
「それちっともボクが大丈夫じゃないよ!?」
「どうしよう」
「ボクに近寄らなければ万事解決だよ。人間万事塞翁が馬だよ。どういう意味?」
自分で言っておいて意味を知らないボクっ娘。本領発揮だな。よし、俺も本領発揮だ。
「人間がバンジーしたらサイの王が馬になる、つまり頑張ればサイだって馬になれる、人間やってやれないことはない、という意味だ」
「へー……タカシって物知りだね。また一つ賢くなったよ」
梓に嘘を教えるのは楽しいなあ。
「あれ……でも、人間がバンジーして、サイが馬になったんだよね? サイ、頑張ってないし、そもそも人間じゃないよね?」
「人間がサイを馬にしようなんて、おこがましいとは思わんかね」
「なんで本間先生? タカシが突拍子もないこと言って誤魔化そうとするってことは……ひょっとして、嘘ついてる?」
「うん」
「また騙した! もー、タカシはすぐボクのこと騙すから嫌い!」
「嫌いでいいから舐めさせて」
「また話がそこに行った! もー、舐めるとか言うな! ホントに嫌いになっちゃうぞ!」
「む、それは困る」
「じゃ、諦めるが吉だよ。続けるは凶だよ。無理矢理舐めるは大凶だよ」
「つまり、代わりに梓が俺を舐めるのが大吉だな。ほれ、舐めれ。オスっぽい部位を舐めてくれると、とても嬉しいです」
「舐めるわけないよ、ばかっ!」
とても怒られたので、諦めた。
「むー……」
なので、後ろから抱っこするので我慢することにした。
「変な声を出すでない」
「だっ、出してないもん! タカシの鼻息がこそばゆいんだよ、ムズムズするんだよ、蚊も真っ青だよ!」
「その分、梓の顔が真っ赤でバランスが取れてていいですね」
「あ、赤くなんてなってないもん! タカシの目がポンコツになっただけだもん!」
「馬鹿な、ポンコツは目の前の生物だけで充分だというのに……うつったか?」
「馬鹿にすんなあ! もー、嫌い嫌い嫌いーっ!」
俺に抱っこされたまま、梓はじたじたと暴れた。これはとてもいけないので、大人しくさせよう。
「なでなで」
「わふわふ♪」(嬉しそう)
「梓さん、かんたーん」
「うぐ……た、タカシになでられるとなんか言っちゃうんだよ、なんか! ボクのせいじゃないもん、タカシのせいだもん! 簡単じゃないもん!」
無茶理論で俺に罪を被せる梓だった。
「なので舐めたい。全身余すところなく舐めていい? 特に日焼けの境界線をぺろぺろぺろぺろしたい」
「人の家にやってくるなり変態丸出しな発言するな、この変態ッ!」
「ばか、変態なんだから変態丸出しな発言して当たり前だろ」
「あ、そっか。……え、あれ?」
よし、メダパニ成功。このまま畳み掛けろ。
「だから舐めさせて」
「ダメに決まってるだろ、ばかっ!」
「馬鹿な!? ここは『きゅ~ん……恥ずかしいけど、変態相手なら仕方ないかもだよ。ぺろぺろしてくださいだよ』とか言うターンだろ!?」
「言うわけないだろ! なんだよ、きゅーんって!」
「ばかっぽい鳴き声。類似品にうぐぅ、が、がお……等ある。ほら鳴け、うぐぅとか言え」
「うぐぅ!」
鳴きながら俺の腹を殴るボクっ娘。だが……。
「筋力不足だ。この俺を仕留めるには攻撃力が足りないぞ」
「タカシ、お腹押さえながら言っても説得力ないよ……」
思ったより痛かったです。
「まったく、馬鹿なことばっか言って……だいじょぶ?」
呆れながらも、梓は俺のお腹をさすさすさすってくれた。自分をいじめる奴(俺)相手にも優しくできる梓は、実は凄い奴なのかもしれない。
「無理。脱糞しそう」
「今すぐトイレへGOだよ! ここで漏らしたら殺す!」
実は優しくないのかもしれない。
「嘘です。超回復能力によりお腹痛いモードを脱した俺は、日焼けした生物を鑑賞することにした」
「生物言うな。しかし、なんで全部言葉にするかなぁ……変な生物」
「そっちこそ生物言うな。さて、日頃タンクトップを着て駆け回っていたせいか、梓の肌はまるでスク水の着用後のような日焼けをしている。水に濡らした上で舐めてぇ」
「タカシが気持ち悪い!」
しまった、本性が出た。
「嘘、嘘です。乾いた状態で舐めたい」
「やっぱりタカシが気持ち悪い!」
いかん、本性が隠せない。
「うー……えっちなことしたら怒るよ」
梓は自分の体を抱え、不安そうに俺を見上げた。
「大丈夫、お前に怒られても怖くない」
「それちっともボクが大丈夫じゃないよ!?」
「どうしよう」
「ボクに近寄らなければ万事解決だよ。人間万事塞翁が馬だよ。どういう意味?」
自分で言っておいて意味を知らないボクっ娘。本領発揮だな。よし、俺も本領発揮だ。
「人間がバンジーしたらサイの王が馬になる、つまり頑張ればサイだって馬になれる、人間やってやれないことはない、という意味だ」
「へー……タカシって物知りだね。また一つ賢くなったよ」
梓に嘘を教えるのは楽しいなあ。
「あれ……でも、人間がバンジーして、サイが馬になったんだよね? サイ、頑張ってないし、そもそも人間じゃないよね?」
「人間がサイを馬にしようなんて、おこがましいとは思わんかね」
「なんで本間先生? タカシが突拍子もないこと言って誤魔化そうとするってことは……ひょっとして、嘘ついてる?」
「うん」
「また騙した! もー、タカシはすぐボクのこと騙すから嫌い!」
「嫌いでいいから舐めさせて」
「また話がそこに行った! もー、舐めるとか言うな! ホントに嫌いになっちゃうぞ!」
「む、それは困る」
「じゃ、諦めるが吉だよ。続けるは凶だよ。無理矢理舐めるは大凶だよ」
「つまり、代わりに梓が俺を舐めるのが大吉だな。ほれ、舐めれ。オスっぽい部位を舐めてくれると、とても嬉しいです」
「舐めるわけないよ、ばかっ!」
とても怒られたので、諦めた。
「むー……」
なので、後ろから抱っこするので我慢することにした。
「変な声を出すでない」
「だっ、出してないもん! タカシの鼻息がこそばゆいんだよ、ムズムズするんだよ、蚊も真っ青だよ!」
「その分、梓の顔が真っ赤でバランスが取れてていいですね」
「あ、赤くなんてなってないもん! タカシの目がポンコツになっただけだもん!」
「馬鹿な、ポンコツは目の前の生物だけで充分だというのに……うつったか?」
「馬鹿にすんなあ! もー、嫌い嫌い嫌いーっ!」
俺に抱っこされたまま、梓はじたじたと暴れた。これはとてもいけないので、大人しくさせよう。
「なでなで」
「わふわふ♪」(嬉しそう)
「梓さん、かんたーん」
「うぐ……た、タカシになでられるとなんか言っちゃうんだよ、なんか! ボクのせいじゃないもん、タカシのせいだもん! 簡単じゃないもん!」
無茶理論で俺に罪を被せる梓だった。
【雨でずぶ濡れなツンデレ】
2010年02月13日
突然真っ暗になったかと思ったら、次の瞬間空が割れたと思うほどの量の雨が降ってきた。
「すげぇな……」
呆然と窓の外を見てたら、携帯が鳴った。もちろん、携帯電話のことだ。今さら間違える人なんていないだろう。
だが、それとは別の何かを携帯しており、それが鳴った場合、携帯が鳴ったと言っていいのだろうか?
「でもよく考えたら、携帯した何か、例えば目覚ましならば、携帯してる目覚ましが鳴ったと言えばいいと思った」
『いきなり意味分かんないし早く出ろ、ばかっ!』
電話に出るなり梓に思った事を言ったら怒られた。
「分かった、今すぐお前のいるところに幽霊を出す」
『電話に出ろって言ってるの!』
「ぬぬぬぬぬ……」
『わっわっわっ! 出すな出すなよ念じるなよ! 怖くないけど! 出たら嫌じゃんか!』
「で、何用だ」
『あ、そだった。もう、タカシと話してたらすぐに脱線しちゃうよ……』
失礼な。
『今さぁ、すっごい雨降ってるだろ? で、雨宿りしてるんだ』
「自宅で? 意味ねー!」
『お店の軒先で! でね、ものは相談なんだけど、傘持ってきてくんない? ボクの家族、今日みんな出かけてていないんだ』
「家族なし……それはつまり、今日処女を捨てるという意味なのだな?」
『NOなのだな! いーから傘持ってこい!』
仕方ないので、優しい俺様は傘を持って梓がいるという店まで出かけることにした。幸いにして近所の店だったので、すぐにぽつねんと軒先に立ってる梓の元に辿り着いた。
「遅いよ! ボク、待ちくたびれちゃったよ」
「たかだか数分だろうに……」
「待ってる方は長く感じるの!」
「待つ身が辛いかね。待たせる身が辛いかね」
「待つ方が辛いよ!」
「お前は一度走れメロスを読んだ方がいい」
「?」
不思議そうな顔すんな。
「まあいいや。しかし、お前びっしょびしょだな」
「だって、急に降ってきたんだもん。雨宿りする場所探してる間に濡れちゃったよ」
梓の全身は雨でずぶ濡れになっており、彼女の短い髪から雫がぽたりぽたりとこぼれていた。首に張り付く数本の髪がなんだか妙な色気をかもし出していて、お兄さんなんだかいけない気分。
「とりあえず、俺の家で風呂入れ。べ、別にえろいことしたいんじゃないんだからねっ!」
「超うさんくさいよ!」
「まあ、冗談はともかく、いつまでも濡れたままじゃ風邪ひくだろ。お前の家ここから割と遠いし、俺の家で服乾かしてから帰った方がいいと思うぞ」
「ん、んー……いいのかな? お邪魔しても」
「ダメだ」
「タカシ矛盾してるよ! 盾と矛だよ! ええと……武器と防具は装備しないと意味がないよ?」
「無理して三回言うな。んじゃ、帰るぞ」
「むー……あれ、ボクの傘は?」
「俺の傘に入ればいいじゃん」
「え……えええええ! 相合傘じゃん! じゃんじゃんじゃん!」
「じゃんじゃんうるさい。家まで5分もかからないんだから、それまで我慢しろ」
「うー……変なことしない?」
「する」
「するなッ!」
「突然ミジンコに変身してコサックダンス踊ったりする」
「そーゆー変なことじゃなくて! ていうか、誰がそんな小ネタ分かるって言うんだよぉ……」
「ほれ、けーるぞ」
「うー……」
渋る梓を傘の中に引き入れ、家に帰る。
「さて! 何のイベントもなく辿り着いてしまったことに深くお詫び申し上げたいが、実はここからが本題。今現在風呂を沸かしており、つまりはこれから盗撮のぞきっくすの時間だ」
「そういうことはボクがいない場所で言え、ばかっ!」
堂々と梓の前で宣言したら怒られた。
「本当、タカシはえっちだよね。なんでボクもこんな奴と友達なんだか……」
「縁は異なもの味なもの、だな。む、風呂が沸いたようだ。ほれ、入ってこい」
「……覗いたりしたら、怒るよ?」
「分かった、覗かない」
「絶対?」
「たぶん」
「絶対って言え!」
「ぜったい」
「……なんかイマイチ信用できないけど、覗かないでよね」
俺に不信を募らせながら、梓は脱衣場に入っていった。さて、俺もやるか。
「ほらな、覗いてないだろ」
「だからって入ってくる奴があるか、ばかっ!」
当然のような顔をして風呂場に入れば大丈夫かなー、と思って全裸で侵入したら、大丈夫ではなかったようで、梓の奴が顔を真っ赤にして洗面器やら石鹸やらを投げてきます。
「まあまあ、落ち着け。大丈夫、俺は貧乳大好きだから馬鹿にしたりしないよ?」
「誰もそんな心配してないッ!」
ぺたい胸を隠し、梓が怒鳴る。
「はふー」
「こら、入るな! はふーじゃない!」
梓の妨害に負けず、浴槽に入る。沸かしたてだけあって気持ちいい。
「昼から入る風呂も乙なものだな」
「ちっとも乙じゃないよ! なんだってタカシなんかとお風呂入らなくちゃいけないんだよ!」
「俺が梓と一緒に風呂に入りたいから」
「う……」
何故か梓がひるんだ。
「……ど、どーせタカシのことだから、女の子だったら誰でもいいんだろ?」
「馬鹿だなあ、そんなわけないだろ」
口を尖らせ、ぽしょぽしょと呟く梓に笑って答える。
「タカシ……それって、それって、ボクのこと……」
「貧乳じゃないと嫌だ」(断言)
「…………」
「その点、お前は文句のつけようがないほどの貧乳、いやえぐれ乳だ。誇っていいぞ」
「…………」
「おや、ぷるぷる震えてますな。まさか尿漏れか!? いかん、風呂内でそれは危険度MAX! 早く洗い場に出てそこで放尿を! あ、なんか目覚めそうで怖い!」
「タカシのばかっ! 誰が貧乳だよえぐれ乳だよおしっこ漏れそうじゃないよッ!」
「いや、貧乳だよ」
怒りのあまり、思わず立ち上がり丸出しになった梓の乳を指して答える。
「ばっ、み、見るなばか、へんたい! えっちえっちえっち!」
慌てて両手で胸を押さえ、梓は浴槽に体を沈めた。とてもとても残念だ。
「桜色のところを吸いたいなあ。ちゅーちゅーって」
「超ド級の変態だ!?」
「いい?」
「ダメに決まってるだろ、ばかっ!」
「じゃあ、揉んでいい? まあ、それくらいならいいよね」
「ダメのダメダメだよッ! もー、タカシのばかばかばか! えっち!」
「吸うも不許可揉むも不許可と……ええい、貴様は不許可星から来た不許可星人か!」
「ふきょきゃ星から来たふきょきゃ星人って何だよ!」
「言えてない」
「い、言えてるよ、言いまくりだよ! ふきょきゃ! ……ちょ、ちょっとタイム!」
梓は向こうを向き、小さな声でふきょきゃふきょきゃと繰り返した。
「よし、言うよ! 不許可星から来たふきょきゃ……!」
梓の顔が残念な感じになった。
「こ、こんなの言えなくても全然へっちゃらだよ! むしろ言える方がおかしいよ!」
「不許可星の不許可星人。ふふん」
「がーっ! 馬鹿にすんなぁ!」
得意そうな顔をしたら梓が怒った。
「んじゃこれ言ってみ。ガスバス爆発ガスバス爆発ガスバス爆発。はい」
「がすばふばふばふばふがふばふばすばふがぶばぶばすはつ!」
「わはははは! ひ、ひでぇ、ひとっつも言えてねえ!」
「タカシのばかぁ!」
「あー……面白かった。んじゃ、言えなかった罰としておっぱいを」
「罰とかなし! ていうか、もう既にタカシと一緒にお風呂に入るという耐え難い罰を受けてるよ!」
「じゃあそれに加えて抱っこしてもいいよね」
「う……ま、まあ、抱っこするだけなら。だ、抱っこまでだからね! それ以上はダメダメだからね! 後ろからじゃないとダメだよ!」
梓は俺に背を向け、肩越しに俺を見た。
「……な、なんだよ。抱っこしないの?」
「抱っこ好きなのな」
「別に好きじゃないなのな! タカシがどーしてもって言うから許可してやってるのな! うにゃうにゃ言ってるとふきょきゃ……ダメって言うよ?」
「ふきょきゃ(笑)」
「タカシのばかぁ!」
ふて腐れた梓をなだめすかして、どうにか抱っこと相成った。
「だからっておっぱい触っていいとは言ってない!」
調子に乗ったら怒られた。
「だから、触るなって言ってるだろ! 揉むなぁ!」
気にせず調子に乗り続けたらさらに怒られた。流石にこれ以上は俺の理性が持たないので止める。というか、もう既にかなりヤバイところまで来ているが。
「タカシのえっちえっちえっち」
止めても梓の呪詛はやまず、肩越しに俺を恨めしそうにずーっと睨んでます。
「梓があまりに魅力的だから、俺の理性が持たなかったんだ」
「……そーゆーこと、さらって言う人って信用できないなー」
「お前が貧乳に過ぎるから、俺の貧乳魂に火が点いたんだ」
「ムカツクからぱんち!」
ぱんちと言いながら俺の手を取り、梓はがぶがぶと噛んだ。
「痛い痛い」
「あむあむあむ。反省した?」
「した」
「したと言ってる最中にボクのおっぱいをもみもみと!? どこが反省してるんだよぉ!」
擬音ががぶがぶからがじがじに移行。ちょっと洒落にならないくらい痛い。
「痛いごめん揉まないからやめてください指千切れる!」
「もうやんない?」
「たぶん」
「あーん」
「絶対! 二度と! 金輪際! 貴様の乳なぞ触れるものか!」
再び噛まれる気配があったので固く誓ったら、梓がちょっとしょんぼりした。
「そ、そこまで言わなくてもいいじゃんか……」
「や、実際にするかどうかはともかく、それくらいの気持ちでってことなのな」
「……そうなのな?」
「なのな」
「……じゃあ、いい。あ、べっ、別に触って欲しいとかそんなのじゃないよ? ホントだよ?」
「言葉を裏読み! 『我が乳を揉め』……よし、任せろ!」
「裏読むなあ! 任せない! 揉むなあ! いったいどれだけボクのおっぱい揉んでるんだよお!?」
浴室に梓の叫びが響き渡った。
「すげぇな……」
呆然と窓の外を見てたら、携帯が鳴った。もちろん、携帯電話のことだ。今さら間違える人なんていないだろう。
だが、それとは別の何かを携帯しており、それが鳴った場合、携帯が鳴ったと言っていいのだろうか?
「でもよく考えたら、携帯した何か、例えば目覚ましならば、携帯してる目覚ましが鳴ったと言えばいいと思った」
『いきなり意味分かんないし早く出ろ、ばかっ!』
電話に出るなり梓に思った事を言ったら怒られた。
「分かった、今すぐお前のいるところに幽霊を出す」
『電話に出ろって言ってるの!』
「ぬぬぬぬぬ……」
『わっわっわっ! 出すな出すなよ念じるなよ! 怖くないけど! 出たら嫌じゃんか!』
「で、何用だ」
『あ、そだった。もう、タカシと話してたらすぐに脱線しちゃうよ……』
失礼な。
『今さぁ、すっごい雨降ってるだろ? で、雨宿りしてるんだ』
「自宅で? 意味ねー!」
『お店の軒先で! でね、ものは相談なんだけど、傘持ってきてくんない? ボクの家族、今日みんな出かけてていないんだ』
「家族なし……それはつまり、今日処女を捨てるという意味なのだな?」
『NOなのだな! いーから傘持ってこい!』
仕方ないので、優しい俺様は傘を持って梓がいるという店まで出かけることにした。幸いにして近所の店だったので、すぐにぽつねんと軒先に立ってる梓の元に辿り着いた。
「遅いよ! ボク、待ちくたびれちゃったよ」
「たかだか数分だろうに……」
「待ってる方は長く感じるの!」
「待つ身が辛いかね。待たせる身が辛いかね」
「待つ方が辛いよ!」
「お前は一度走れメロスを読んだ方がいい」
「?」
不思議そうな顔すんな。
「まあいいや。しかし、お前びっしょびしょだな」
「だって、急に降ってきたんだもん。雨宿りする場所探してる間に濡れちゃったよ」
梓の全身は雨でずぶ濡れになっており、彼女の短い髪から雫がぽたりぽたりとこぼれていた。首に張り付く数本の髪がなんだか妙な色気をかもし出していて、お兄さんなんだかいけない気分。
「とりあえず、俺の家で風呂入れ。べ、別にえろいことしたいんじゃないんだからねっ!」
「超うさんくさいよ!」
「まあ、冗談はともかく、いつまでも濡れたままじゃ風邪ひくだろ。お前の家ここから割と遠いし、俺の家で服乾かしてから帰った方がいいと思うぞ」
「ん、んー……いいのかな? お邪魔しても」
「ダメだ」
「タカシ矛盾してるよ! 盾と矛だよ! ええと……武器と防具は装備しないと意味がないよ?」
「無理して三回言うな。んじゃ、帰るぞ」
「むー……あれ、ボクの傘は?」
「俺の傘に入ればいいじゃん」
「え……えええええ! 相合傘じゃん! じゃんじゃんじゃん!」
「じゃんじゃんうるさい。家まで5分もかからないんだから、それまで我慢しろ」
「うー……変なことしない?」
「する」
「するなッ!」
「突然ミジンコに変身してコサックダンス踊ったりする」
「そーゆー変なことじゃなくて! ていうか、誰がそんな小ネタ分かるって言うんだよぉ……」
「ほれ、けーるぞ」
「うー……」
渋る梓を傘の中に引き入れ、家に帰る。
「さて! 何のイベントもなく辿り着いてしまったことに深くお詫び申し上げたいが、実はここからが本題。今現在風呂を沸かしており、つまりはこれから盗撮のぞきっくすの時間だ」
「そういうことはボクがいない場所で言え、ばかっ!」
堂々と梓の前で宣言したら怒られた。
「本当、タカシはえっちだよね。なんでボクもこんな奴と友達なんだか……」
「縁は異なもの味なもの、だな。む、風呂が沸いたようだ。ほれ、入ってこい」
「……覗いたりしたら、怒るよ?」
「分かった、覗かない」
「絶対?」
「たぶん」
「絶対って言え!」
「ぜったい」
「……なんかイマイチ信用できないけど、覗かないでよね」
俺に不信を募らせながら、梓は脱衣場に入っていった。さて、俺もやるか。
「ほらな、覗いてないだろ」
「だからって入ってくる奴があるか、ばかっ!」
当然のような顔をして風呂場に入れば大丈夫かなー、と思って全裸で侵入したら、大丈夫ではなかったようで、梓の奴が顔を真っ赤にして洗面器やら石鹸やらを投げてきます。
「まあまあ、落ち着け。大丈夫、俺は貧乳大好きだから馬鹿にしたりしないよ?」
「誰もそんな心配してないッ!」
ぺたい胸を隠し、梓が怒鳴る。
「はふー」
「こら、入るな! はふーじゃない!」
梓の妨害に負けず、浴槽に入る。沸かしたてだけあって気持ちいい。
「昼から入る風呂も乙なものだな」
「ちっとも乙じゃないよ! なんだってタカシなんかとお風呂入らなくちゃいけないんだよ!」
「俺が梓と一緒に風呂に入りたいから」
「う……」
何故か梓がひるんだ。
「……ど、どーせタカシのことだから、女の子だったら誰でもいいんだろ?」
「馬鹿だなあ、そんなわけないだろ」
口を尖らせ、ぽしょぽしょと呟く梓に笑って答える。
「タカシ……それって、それって、ボクのこと……」
「貧乳じゃないと嫌だ」(断言)
「…………」
「その点、お前は文句のつけようがないほどの貧乳、いやえぐれ乳だ。誇っていいぞ」
「…………」
「おや、ぷるぷる震えてますな。まさか尿漏れか!? いかん、風呂内でそれは危険度MAX! 早く洗い場に出てそこで放尿を! あ、なんか目覚めそうで怖い!」
「タカシのばかっ! 誰が貧乳だよえぐれ乳だよおしっこ漏れそうじゃないよッ!」
「いや、貧乳だよ」
怒りのあまり、思わず立ち上がり丸出しになった梓の乳を指して答える。
「ばっ、み、見るなばか、へんたい! えっちえっちえっち!」
慌てて両手で胸を押さえ、梓は浴槽に体を沈めた。とてもとても残念だ。
「桜色のところを吸いたいなあ。ちゅーちゅーって」
「超ド級の変態だ!?」
「いい?」
「ダメに決まってるだろ、ばかっ!」
「じゃあ、揉んでいい? まあ、それくらいならいいよね」
「ダメのダメダメだよッ! もー、タカシのばかばかばか! えっち!」
「吸うも不許可揉むも不許可と……ええい、貴様は不許可星から来た不許可星人か!」
「ふきょきゃ星から来たふきょきゃ星人って何だよ!」
「言えてない」
「い、言えてるよ、言いまくりだよ! ふきょきゃ! ……ちょ、ちょっとタイム!」
梓は向こうを向き、小さな声でふきょきゃふきょきゃと繰り返した。
「よし、言うよ! 不許可星から来たふきょきゃ……!」
梓の顔が残念な感じになった。
「こ、こんなの言えなくても全然へっちゃらだよ! むしろ言える方がおかしいよ!」
「不許可星の不許可星人。ふふん」
「がーっ! 馬鹿にすんなぁ!」
得意そうな顔をしたら梓が怒った。
「んじゃこれ言ってみ。ガスバス爆発ガスバス爆発ガスバス爆発。はい」
「がすばふばふばふばふがふばふばすばふがぶばぶばすはつ!」
「わはははは! ひ、ひでぇ、ひとっつも言えてねえ!」
「タカシのばかぁ!」
「あー……面白かった。んじゃ、言えなかった罰としておっぱいを」
「罰とかなし! ていうか、もう既にタカシと一緒にお風呂に入るという耐え難い罰を受けてるよ!」
「じゃあそれに加えて抱っこしてもいいよね」
「う……ま、まあ、抱っこするだけなら。だ、抱っこまでだからね! それ以上はダメダメだからね! 後ろからじゃないとダメだよ!」
梓は俺に背を向け、肩越しに俺を見た。
「……な、なんだよ。抱っこしないの?」
「抱っこ好きなのな」
「別に好きじゃないなのな! タカシがどーしてもって言うから許可してやってるのな! うにゃうにゃ言ってるとふきょきゃ……ダメって言うよ?」
「ふきょきゃ(笑)」
「タカシのばかぁ!」
ふて腐れた梓をなだめすかして、どうにか抱っこと相成った。
「だからっておっぱい触っていいとは言ってない!」
調子に乗ったら怒られた。
「だから、触るなって言ってるだろ! 揉むなぁ!」
気にせず調子に乗り続けたらさらに怒られた。流石にこれ以上は俺の理性が持たないので止める。というか、もう既にかなりヤバイところまで来ているが。
「タカシのえっちえっちえっち」
止めても梓の呪詛はやまず、肩越しに俺を恨めしそうにずーっと睨んでます。
「梓があまりに魅力的だから、俺の理性が持たなかったんだ」
「……そーゆーこと、さらって言う人って信用できないなー」
「お前が貧乳に過ぎるから、俺の貧乳魂に火が点いたんだ」
「ムカツクからぱんち!」
ぱんちと言いながら俺の手を取り、梓はがぶがぶと噛んだ。
「痛い痛い」
「あむあむあむ。反省した?」
「した」
「したと言ってる最中にボクのおっぱいをもみもみと!? どこが反省してるんだよぉ!」
擬音ががぶがぶからがじがじに移行。ちょっと洒落にならないくらい痛い。
「痛いごめん揉まないからやめてください指千切れる!」
「もうやんない?」
「たぶん」
「あーん」
「絶対! 二度と! 金輪際! 貴様の乳なぞ触れるものか!」
再び噛まれる気配があったので固く誓ったら、梓がちょっとしょんぼりした。
「そ、そこまで言わなくてもいいじゃんか……」
「や、実際にするかどうかはともかく、それくらいの気持ちでってことなのな」
「……そうなのな?」
「なのな」
「……じゃあ、いい。あ、べっ、別に触って欲しいとかそんなのじゃないよ? ホントだよ?」
「言葉を裏読み! 『我が乳を揉め』……よし、任せろ!」
「裏読むなあ! 任せない! 揉むなあ! いったいどれだけボクのおっぱい揉んでるんだよお!?」
浴室に梓の叫びが響き渡った。


