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2019年10月15日
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【ツンをデレに変える能力を手に入れた男】

2010年02月14日
 寝てたら神が降臨し、何でも叶えてやると言ってきたので、ハーレムをくれと言ったら断られた。
 悔し紛れに神のヒゲを引き千切ったら、代わりと言っては何だがとツンをデレに変える能力をくれた。こんなもんもらっても……あ、そうだ、アイツに使ってみよう。
 そんなわけで翌日、試してみようと教室で独り小説を読んでるちなみに近づく。
「……近寄るな」
 こちらを見もせずに、ちなみは冷たく切り捨てた。この娘は子供の頃は割と仲が良かったのだが、中学生に上がるか上がらないかぐらいで急に冷たくなり、冷戦状態が現在まで続いている。
 やはり嫌われるのは気持ちよくないし、なにより昔のような笑顔を見せて欲しい。この能力を使えば、少しは仲良くなれるのだろうか。
「いさてーあばめひなんえとかふぇーなん。ツンデレ変換作業かーいし」
 適当な呪文を唱え、力をちなみに向ける。
「……? 何を……う、あぐ」
 ちなみは胸を押さえ、小さくうずくまった。突然のことに、慌ててちなみの元に駆け寄る。
「ど、どした!? 大丈夫か!?」
 自分でやっておいて大丈夫も何もないが、この力のせいでちなみの体に何かあっては大変だ。神の野郎、ちなみに何かあったら容赦しねえ。
「お、おい、大丈夫か?」
「…………」
 ちなみを軽く揺さぶると、ちなみはゆっくりと体を起こした。だが、目がぼんやりしていて焦点が定まっていない。どうしよう、ちなみに何かあったら……!
「……ちょっと」
「どっ、どした? どっか辛いのか?」
「……いーから」
 そう言いながら、ちなみは手招きした。招かれるままちなみのそばに体を寄せると、ぐいっと引っ張られた。
「……んー」
 そして、俺の頭を抱え込み、愛おしそうにすりすりとほお擦りしてます。なんスか、これ。
「ははあ、夢だな」
「……現実なのら」
「ちなみがなのら口調!? ますますもって夢の可能性が高まっている!」
「……むう。信じれ」
 ちょっと不満そうな顔をして、ちなみが俺の頬を持ち、ふにふにした。この感覚……まさか、現実!?
「……信じた?」
「信じ難いが、信じるしかないようだな」
「……にゅー」
 嬉しそうに微笑み、ちなみは俺の頬に自分のほっぺをこすりつけまくりんぐ。気持ちがよすぐる。そりゃ顔もにやけまくりんぐ。
「見て、別府くんの顔がとろけてるよ」
「華丹路の豹変も驚いたが、別府のにやけ顔にも驚いたな」
 華丹路とはちなみの苗字であり、何故そんな名前を言うのかと思えばそれは周囲から上がる声であって俺に関与できることではないのであり、ここは学校で、そして級友たちにちなみとの痴態を全て見られている。
「やめてちなみやめて! 見てる見てるみんなすげー見てる!」
「……バカップル、爆誕」
「自分で言うなッ!」
 大声をあげると、ちなみは迷惑そうな顔をして両耳を塞いだ。手が離れた、好機!
「とうっ!」
「……えい」
「むぎゅ」
 ぴょいんと飛んで逃げようとしたら足首を掴まれて顔から床に激突。とても痛い。
「……逃げるの、禁止。……寂しい」
 床に寝転び鼻を押さえる俺の横に座り込み、ちなみが俺の手をきゅっと握った。
「いやはや、嬉しいは嬉しいのですが、身が持たない予感がするので解除。えい」
 再び力を使い、ちなみのツン→デレ変換を解除する。元の冷たい状態に戻るのは寂しいが、一時とはいえ以前のように、いやそれ以上の仲になれたのでよかったといえよう。
「…………」
「あ、戻りましたか。いやはや、大変でしたね」
「……~~~~~!!!」
 突然、ちなみの顔が真っ赤になった。何?
「……よ、よくも私に辱めを」
「えええええ!? いや、力を使ったのは俺だけど、すりすりしたのはお前だよ!?」
「……タカシが私によからぬ術をかけ、強制したに違いない。……あ、あんなことしたいなんて、思ってないんだから!」
「なるほどよく分かったからほっぺをつねらないでください」
 さっきからずっとほっぺを捻り続けられていて、とても痛いのです。
「……その言葉、信じてない。……ほ、本当に、したいとか思ってない!」
「痛い痛い痛い! 信じてるから千切れるから離してお願い!」
「……うー、本当なんだから」
「チクショウ、こいつ人の話聞いてねえ! 痛すぐる!」
 うーうー唸るちなみにほっぺを引っ張られ続ける俺だった。

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