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2026年03月19日
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【寒そうにしてるツンデレの手を取って息を吹きかけてあげたら】

2010年02月28日
 今日は朝からとても寒い。震えながら登校してると、中国からの留学生、メイシンと遭遇した。
「おっすメイシン。今日も寒いな」
「……朝から嫌な奴と会ったアル。今日は一日最悪アル」
 どうしてか知らないが、メイシンは俺の事を毛嫌いしていた。見知らぬ地で心細くないよう、人が色々心を砕いてやっているというのに。
「例えば、おまいさんが昼飯を食ってる時とかに寂しくないよう、隣で微笑んだり」
「いきなり何の話してるアルかっ! ていうか思い出したヨ、オマエ私がご飯食べてる時に変な顔して、私を噴き出させたネ! 口の中のおかず飛んだヨ!」
 どうやら俺の気配りは伝わっていないようだ。
「うう、寒いんだからあまり怒らせないアルよ。……寒いヨ、しばれるヨ。もう嫌だヨ、中国帰りたいアルよ……」
「そんな寒いなら、頭についてるその丸いのを使い、寒冷対策フィールドを展開すればいいじゃん」
「そんな機能ないネ! これはシニョンキャップ言うアル! ちなみに、お気に入りアル」
「あー、可愛いよねシニョンキャップ。中に詰まってるものを考えなければ」
「何言ってるアル! 入ってるの髪の毛ネ! 怖い事言うの禁止アル!」
「え、髪の毛だっけ? 俺の聞いた話によると、なま……いや、気のせいだな」
「怖がらせるのよくないアル! ていうかさっき何言おうとしたアルか!? “なま”って何アル!?」
「ふいい……寒いなあ」
「話を聞くアル! ……まあ、寒いのは認めるアル」
 メイシンは両手を合わせ、擦り合わせていた。
「ちょい失礼」
「なっ、何するアル!」
 メイシンの両手を取り、その上から暖かい息を吹きかける。
「はーっ、はーっ。……どだ? ちょっとは暖かいだろ?」
「あ、えと……まあ、少しは暖かいアル。オマエみたいなのでも役に立つことがあるアルね」
 メイシンは少しだけ嬉しそうに笑った。
「朝から餃子食ってきた甲斐があったよ」
「今すぐ手を離すアルっ! 臭い息が私の手に移るアルっ!」
 一瞬で笑顔を消し、メイシンは必死に俺の手から逃れようとした。
「善意からもっと温めてあげようと思った。ということで、はーっ、はーっ、はーっ」
「うっきゃーっ!! 臭いアル臭いアル、餃子臭いアルーっ!」
 祖国の匂いに悲しい叫びをあげるメイシンだった。

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【ツンデレに身体検査をしたら】

2010年02月28日
 今日は身体検査らしいんだけど、ちなみは風邪で休んでいる。一年に一度の成長を調べる大切な日だというのに、なんたることか。
「つーわけで、俺が調べてやる」
 後日、治ったちなみの家に押しかけて一方的に告げた。
「……言ってる意味が不明」
「いや、だから俺自らちなみの体を調べてあげようと。身体検査してあげようと」
「……別に、タカシがする必要ないし。……後で保健の先生がするし」
「それじゃおっぱ……げふんげふん。いや、ちゃんと成長しているか調べたいんだ。他意はないよ?」
「……貧乳限定のおっぱい星人め」
 どうしてばれているのか。
「と、とにかく。悪いようにはしない、俺に任せてくれ。一度女の子に身体検査するのが夢だったんだ」
「……むぅ。……放っておくと、怪人身体検査男になりそうだ」
 なんだその怪人。
「……説明しよう。……怪人、身体検査男とは、夜な夜な街を練り歩き、道行く女性を襲っては検査し襲っては検査する犯罪者のことだ」
 怪人じゃなくて犯罪者じゃん。
「……知り合いがそんな怪人になるのは忍びないので、我慢して身体検査を許可する」
 俺は犯罪者だと思われているのかとちょっと悲しくなったが、とにかく許可は得た。
「じゃあ身長体重は飛ばして、……ハァハァ、きょ、胸囲を」
「…………」(侮蔑の視線)
「身長から調べようねー☆」
「……やれやれ。どうしてそんなにえっちなのか」
 さすがに保健室にあるようなでかい身長計はないので、メジャーで測る。
「えーと……142cm。小さっ!」
「……うるさい。……去年より1cmも伸びてる。……偉大なる進歩。……来年にはタカシの身長を越す予定」
「一年で30cm近く伸びるのは無理があるかと」
「……うるさい」
 ちなみは俺の顔をぺちぺち叩いた。
「まあ、小さいからと嘆くな。世には小さいくてもいい、いやむしろ小さい方が、と思う心優しき人もいるのだから。俺とか」
「……これだからロリコンは」
 どうしてばれているのか。
「続いて体重に移ります」
「……た、体重は量らなくていいと思う。……タカシも私のおっぱいにしか興味ないだろうし」
「あー、女の子なんだねー。とても可愛いと思わずにはいられないねー」
 生暖かい笑みを浮かべてちなみの頭をぐりぐりなでると、不満そうな視線を投げかけられた。
「……馬鹿にして。分かった、量ればいい。……そして、笑うがいい」
 ちょっと怒りながら、ちなみは体重計に乗った。針は37kgを差した。
「軽っ! おまえ、ちゃんと飯食ってるか?」
「……食べてる」
 どの程度の重さか、脇から手を差し込んで実際にちなみを持ち上げる。さしたる苦労もなく、簡単に持ち上がった。
「うーん、軽いな。そだ、高い高いしてあげようか?」
「……いいから下ろせ」
 ちなみは所在なさげに足をぷらーんとさせていた。ちょっと愉快だったが、そろそろ腕が限界だったのでちなみを下ろす。
「さて! 身長体重と終わり、残るは胸囲と相成りました! いかがですか、ちなみさん?」
「……今宵で膜ともお別れか」
「しねーよッ! 俺を何だと思ってんだ! つーか女の子が膜とか言うなッ!」
 俺の大声に、ちなみは迷惑そうに耳を塞いだ。
「……まったく。タカシは女の子に幻想を抱きすぎだ」
 うるさい。
「さ、さて。きょ、胸囲なんですが、調べるべるには、その、服を! 脱がないといけないですよね?」
「…………」
 ちなみは自分のぺたんこーな胸を見下ろし、続けて俺を見た。
「……見たいの?」
「見たいと言うか計測したいというか揉みたいなあ」
 しまった、思考が漏れた。
「……えっち」
 ちなみは頬を染め、胸を隠した。
「え、えっちとかじゃなくて。計測ですから。淫らな気持ちなんて欠片も」
「……タカシ、立ってる」
「何ィ!? 股間の野郎、主人の意思も無視して何先走ってやがる! いや液は出てないと思いますが!」
 慌てて息子を見るも、大人しい限り。
「騙しましたね?」
「……やはりえっちな気持ちで計測するんだ。……計ってる最中にえっちな気持ちが暴走して、私は襲われるんだ。……ああ、可哀想な私」
「襲いません」
「…………」(ほっぺぷくー)
 嫌なのか。
「まーなんだ、どうしても嫌なら別に服の上からでも」
「……別に、タカシに見られるのなんてへーきだし」
 ちなみは俺に背を向け、するすると上着を脱いだ。肩から覗く肌は蛍光灯に照らされ、まるで宝石のように光っていた。その輝きに呼応するように、俺の動悸が激しくなる。
「ちょ! ちょっと待って! ストップ!」
「……?」
 ちなみは首だけ回し、不思議そうにこちらを見た。いや、不思議なのはこちらもそうだ。
 なんだってちなみの肌を見ただけでこんなドキドキしますか、俺。あれほど二次元で鍛えたじゃないか。今こそ、その真価を見せる時じゃないか!
「……どしたの?」
 ちなみは体ごとこちらに向いた。自然、裸が俺に晒される。無論、そこには、ち、ちく、
「ぶばー」
「……おおう、タカシが大量の鼻血を。……漫画みたい」

「……ん、んう」
「……あ、起きた。……おはー」
 気がつくと、俺はちなみに膝枕をされていた。もちろん、すでにちなみは衣服を着ている。
「……まったく、いきなり気絶とか。……迷惑にも程がある」
「あ、いや、ごめん。しっかし、この程度で気絶とか……我ながら情けない」
「……どーせこの程度な裸だもん」
 機嫌を損ねてしまったのか、ちなみは俺の頬をうにうに引っ張った。
「いや、そうでなくて。ちなみの裸体はこの程度レベルではなく、大変素晴らしいと思いますよ?」
「……な、何を言ってるのかな、この人は。……まったく、恥ずかしい人だ」
 機嫌が直ったのか、ちなみは俺の頬を優しくなでた。
「というわけで、第一回チキチキ貧乳だけの身体検査は失敗に終わったが、第二回大会では頑張りたいと思います。目指せおっぱい鑑賞!」
「……目指すな」
 再び引っ張られる俺の頬だった。

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【ツンデレと大晦日】

2010年02月28日
 年末だというのに両親が海外で年越しだと。で、お目付け役としてかなみが俺の家に来て。まあいいやと思ってぼやーっとテレビ見てたら大掃除をさせられて日が暮れた。
「鬼め」
 床にうつぶせになったまま悪態を吐く。
「アンタが悪いんでしょ! なんで全然掃除してないのよ! 普通、大晦日になる前にちょっとくらい掃除しておくでしょ、このぐーたら男!」
「うっさい」
 疲れ果てたのでほふく前進、いやほふく後退でコタツに入り、ぐんにゃりする。あー、気持ちいい。
「体力ないわねー、アンタ。それよりさ、掃除手伝ってあげたんだから、ちょっとくらい感謝の言葉があってもいいと思うけど?」
「どぅも」
「全然気持ちがこもってない!」
 うるさいなあと思いながらテレビをぼーっと見る。
「もー……おそば作るけど、食べるでしょ?」
「食べる」
 やれやれ、と言い残してかなみは台所に消えていった。テレビからは笑い声、台所からはぐつぐつと何かが煮える音。なんかいいなと思った。
「はい、お待たせー」
 そのままうつらうつらしてたら、かなみの声に起こされた。むっくら起き上がると、コタツの上にそばが二杯置かれていた。
「二杯は多いなあ。しかし、かなみの気持ちだし、頑張ろう」
「一つはあたしのよ! 決まってるでしょ!」
 かなみは俺の対面に座り、そばをたぐった。
「ん、上出来ね。ほら、アンタも冷めないうちに食べなさいよ」
「んー」
 つるつるとたぐりながらテレビを見る。テレビの中でぐっちょんがでっかい魚を持ち上げていた。
「なんでとったどー見てんの? ガキ見ないの?」
「録画してるから。途中から見てもつまんないし」
「ふーん。……ね、後で見せてね」
「おっぱい見せてくれるなら」
 コタツの中で足を蹴られた。
「ったく、常時スケベなんだから……」
「んむ。……ん?」
 遠くの方から鐘の音が聞こえてきた。
「あ、もうこんな時間なのね。……来年もよろしくね、タカシ」
「えー」
「嫌がるなッ! もうっ、一年の最後くらい普通にできないの?」
「任せろ。普通とか超得意」
「…………」
 ものすごい疑わしい目で見られた。なんでだ。
「じゃあ普通にいくぞ。えっと、本年は誠にありがとうございました。色々と迷惑をおかけしましたが、どうか来年もよろしくお願いします」
「……へぇ、普通にできるじゃない。偉い偉い」
 かなみはにっこり笑って俺を褒めた。
「おちんちんびろーん」
「全然偉くないッ!」
 反動のせいですごく怒られた。
「あーもう、締まらないわね……」
「んじゃ、締めるため今から初詣でも行くか? 近所にちっさい神社あるし」
「んー、……朝になってからでいいわ。寒いし、ここでごろごろしてる方がいい」
 かなみはコタツの中にもぐり、俺のすぐ横から出てきた。
「甘えん坊モードですか?」
「寒いから引っ付いてるだけよ♪」
 かなみはむふーと言いながら俺に抱きついてきた。
「あー、なんかこのまま寝ちゃいたいなー」
「風邪ひくぞ」
「タカシが暖めてくれたら、ひかないもーん」
「黙っていたけど、俺……実は恒温動物じゃなくて変温動物なんだ! だから、暖められないんだ。ごめん……ごめん、かなみ!」
「はいはい。むぎゅー」
 適当にあしらわれてむぎゅーと抱きしめられた。
「暖かいねー」
「ねー」
 そんな大晦日でした。

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【ボクっ娘義妹vs尊大幼なじみ】

2010年02月27日
 親が再婚して、ボクっ娘が妹になった。
「貴様、俺が妹大好き人間と知っての犯行か!? ええいもう知らん、嫌というほど可愛がってやる!」
「超お断りだよッ!」
 そんな感じもうすでにハッピーエンドの匂いがしますが、それでも日々は続いて行くわけで。
「お兄ちゃんだよー。お兄ちゃんは妹を起こすんだよー」
「なんで毎日毎日布団に潜り込んで起こすんだよ! 普通に起こせ、ばかっ!」
 いつものように布団から蹴り出されてから居間に向かうと、幼なじみのみことがいた。
「ここまで声が響いてきたぞ。まったく、朝からやかましいことだ」
 みことは優雅にコーヒーなんぞ飲んでいた。隣のイスに座り、俺も同じのを飲む。
「いや、あいつが俺を離してくれないんだ。まったく、困った妹だよ」
「超聞き逃せないよ! そんなの頼んだ覚えナッシングだよ! タカシが勝手に入ってくるんだろ!」
 みことと談笑していると、着替えを済ませた梓が走りながら居間に入ってきた。
「タカシじゃなくて、お兄ちゃん。さん、はい」
「え、そ、そんなの、今さらじゃん。別に変えなくても……」
「言わないとみことを妹扱いするぞ」
「なぜだ!?」
 みことが物凄くびっくりしてた。
「さらに、妹としてみことを可愛がりまくる。こんな風に」
「あ……こ、こら、何をするか」
 みことの頭をなでると、みことは困ったような、でも少し嬉しそうに顔を綻ばせた。
「それが嫌なら素直に俺の事をお兄ちゃんと……梓?」
「う~……なんだよ、ボクが妹だろ! そんな嘘妹より、ボクを可愛がれよ!」
 梓は俺の膝の上に座り、俺を見上げた。
「いや、それは構わんが……随分積極的ですね。お兄さん、ちょっとドキドキですよ」
「えっ!? あっ、ち、違うんだよ? い、妹的感情が可愛がって欲しいと思っただけで、ボク自身としてはちっともなんだよ?」
「よく分からんので俺なりに噛み砕くと、異性としてではなく妹として嫉妬したってことでいいのかにゃ?」
「そっ、そうそれ! そんな感じ! さっすがタカシ、ボクの兄だけあってよく分かってくれてるね♪」
 梓は嬉しそうにニコニコした。その笑顔に俺の兄心が刺激されたので、ぎゅーっと後ろから抱きしめてみる。
「く、苦しいよぉ……もー♪」
「あまりの苦しさに梓はもーと言いながら嘔吐した」
「してないッ! 嘘解説すんなっ!」
 機嫌を損ねたのか、梓は俺の隣、ちょうどみことの前の席に座ってしまった。寂しいね。
「ふむ。梓殿が妹としての責務を果たせないのなら、私が卿の穴を埋めてやろう」
 みことはイスから降りると、俺の膝の上に乗った。
「あああああーっ! ぼ、ボクの席! ボクの席なのに!」
 そして梓がやかましい。
「何を言うか、梓殿自ら降りたのだろう。私は別段こやつの膝になど乗りたくはないのだが、こいつは放っておくと余計なことばかりするから、こうして近くで監視しなくてはな。ああ嫌だ嫌だ」
 梓を横目で見ながら、みことは薄く笑った。
「い、嫌なら乗らなくていいんじゃないカナ? ほ、ほら、兄の膝に乗るのは妹の仕事だし、嫌だけどボクがやるからさ?」
 梓はみことをぐいぐい押したが、みことは頑なに俺から離れなかった。
「結構だ。なに、幼なじみでもその仕事は可能だ。ああ嫌だ嫌だ」
 梓に見せ付けるように、みことは俺の胸に横顔をこすりつけた。
「ぐ、ぐぐぐ……ほ、ホントはタカシ、嫌がってるんじゃないの? ほら、タカシって妹大好きなダメ人間だし」
「ふん、これだから新参者は。タカシは昔から幼なじみ属性保持と知らないのか?」
 梓とみことが争う度、どんどん俺の性癖が暴かれて泣きそう。
「あーもーいいからどけよっ! そこボクの席だぞっ!」
 みことを押し、梓は俺の膝の上に座った。しかしみことも負けじとしがみついているので、右半分がみこと、左半分が梓に座られている。ちょっと重い。
「ねータカシ、ボクの方がいいよね?」
「何を言うか。私の方がいいに決まっている」
「「……どっち!?」」
 四つのまなこが俺をじっと見る。
「心労で胃に穴が開いたぐえええ」
「そんな一瞬で開かない! ちゃんと答えろよ! ヤンデレるぞ!」
 みことはやれやれと肩をすくめるだけだったが、梓はきちんとつっこんだ。
「ヤンデレとか怖いのでこっち」
 みことをぎゅっと抱きしめると、梓の目に涙がぶわっと浮かんだ。
「う、うわああああーん! タカシのロリやろうーっ!」
 梓は鞄を持って部屋から出て行ってしまった。
「ま、待て梓! おまえの体も充分にロリコンの欲望を充足させるぞ、梓ー!」
「超嬉しくないッ! ……あ」
 引き返して俺に鞄を投げつける梓だった。だが、鞄は俺の膝に座ってるみことの顔にぶち当たった。
「……ほほう、私に鞄を投げるとはいい度胸だ。どこから削がれたい?」
 みことが懐から守刀を取り出すのを見て、梓の顔が青くなった。慌ててみことを押さえつける。
「俺が押さえてるから、今のうちに逃げろ、梓!」
「え、で、でも……」
「決して押さえる→胸に偶然手が当たる→『『あ……』』→恋人展開とか思ってないから!」
「うああああーんっ! タカシのばかーっ!」
 梓は目をぐるぐるさせて俺をぽかぽか叩いてきた。
「いていて、冗談に決まってるだろ。みことがそんな展開許すかっての」
「え、あ、いや、私はその、……まあ、こいつを暴走させぬため、世間には恋人と思わせ常に側にいるのも、まあ、その、やぶさかではないが」
「にゃーっ!!?」
 混乱の極みにある梓を落ち着かせるのにすごく時間がかかったため、三人揃って遅刻した。
「もーっ、もーっ! 全部タカシのせいだよ! 反省しろっ!」
「全くだ。私の皆勤賞が水の泡だ。どうしてくれる」
 二人からほっぺをつねられる俺だった。

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【狐ねえ3】

2010年02月27日
弟「お姉ちゃん」
姉「なんですか弟」
弟「どうして服を着ないで布を羽織ってるだけなのですか」
姉「……服、嫌いなんです。わさわさして気持ち悪いです。……狐なので」
弟「最初は着てたじゃないか」
姉「久しぶりに弟と会うのだから、頑張ったんです。もう頑張る必要ないので、楽な格好をしてるんです」
弟「なんでもいいから、服は着ないとダメだよ。捕まるよ」
姉「猟師さんに?」
弟「いや、猟師さんは関係ない。捕まえるのは警察官だよ」
姉「猟師さんは怖いです。猟師さんが出す鉛の玉に当たると、とても痛いらしいです。ぶるぶるぶる」
弟「話を聞いて、お姉ちゃん」
姉「さらに、漁師さんは犬をけしかけます。奴らは敵です。わんわん吠えます。わんわんわん。……怖いです」
弟「犬苦手なの、お姉ちゃん」
姉「はっ。……お、お姉ちゃんは犬なんて怖くありません」
弟「さっき怖いって言ってたよ」
姉「言葉のあやです」
弟「…………。あー、なんかペット飼いたいなあ。犬とか」
姉「猛反対します。家にはもう狐がいるので、それでよしとしましょう」
弟「お姉ちゃん、ペットなの?」
姉「弟が姉をペット扱いする」
弟「なんだか鬼畜系エロゲを思い出すね。調教していい?」
姉「弟が姉を調教しようとする! たすけて!」
弟「冗談だよ、お姉ちゃん」
姉「その手の首輪はなんですか!」
弟「浣腸の方がよかった?」
姉「ふわーん!」

姉「どうして服の話題からお姉ちゃんを調教する話題に変わったんですか! お姉ちゃんは憤慨してます! ふんがい!」
弟「お姉ちゃんが服を着ないで俺を悩殺するからだよ。ちらちら布の隙間からピンクいのが……ええい、服を着ろ!」
姉「服はごわごわするので嫌いです。お姉ちゃんに無理矢理服を着せようとする弟も嫌いです」
弟「晩ご飯においなりさん作るから」
姉「……たくさん?」
弟「たくさん」
姉「……それなら、まあ、着てあげてもいいです。ばさー」
弟「いきなり布を取るな、馬鹿!」
姉「服はどこですか」
弟「えーとえーとえーと、これ!」
姉「……えぷろん?」
弟「しまった!」
姉「ごそごそごそ……じゃーん」
弟「裸エプロンだ!」
姉「のうさつ?」
弟「ええい、脱げ脱げ!」
姉「着ろと言ったり脱げと言ったり……お姉ちゃんは弟のわがままに困ってしまいます」
弟「いいから!」
姉「まったく。ばさー」
弟「ちょっとは隠せ!」
姉「ふぁっしょんしょーみたいですね。しゃなりしゃなり」
弟「真っ裸で歩くな!」
姉「姉弟で恥ずかしがるなんて、変な弟……くしょん。……うー、人の体は毛がないのでちょっと寒いですね」
弟「? 元々人間だろ?」
姉「あ、そ、そうです。お姉ちゃん、ちょっと勘違いしてました。ははははは」
弟「……? まあいいや。とにかく、なんでもいいから服を着てくれ。目の毒だ」
姉「んー……じゃあ、これ」
弟「え? べ、別のにしない?」
姉「これ」
弟「……わ、分かったよ」

姉「……どうです?」
弟「あー、まあ似合うが……なんで俺のカッターシャツを?」
姉「なんとなくです」
弟「そっか」
姉「くんくんくん」
弟「なんで服の匂いを嗅いでるの?」
姉「嗅いでません」
弟「いや、ものすっごく嗅いでたし」
姉「嗅いでません」
弟「……はぁ、まあいいや。じゃ、俺は夕食作るんで」
姉「ん。頑張れ弟。おいなりさんね。たくさんね」
弟「はいはいはい」
姉「……行ったね。くんくんくん。……はふー」
弟「嗅いでる!」
姉「ひゃ!」
弟「やっぱ嗅いでるじゃん」
姉「き、急に戻ってくるなんてずるいです。卑怯です。弟が卑怯者になってしまいました」
弟「いい匂いでもするのか?」
姉「はい」
弟「…………」
姉「はっ。い、いえ、しません。弟のくっさい匂いがします。おえーおえー」
弟「失敬な。そんな臭いなら、脱いだらいいじゃん」
姉「……お、お姉ちゃんは我慢強いので我慢します」
弟「ファブリーズあるけど、使う?」
姉「なんです、それ?」
弟「匂い消すの」
姉「ダメです!」
弟「俺のくっさい匂い消えるよ?」
姉「ダメです!」
弟「理由は?」
姉「……こ、こんこーん。お姉ちゃん、急に狐の言葉しか分からなくなりました。なので、理由とか言えません」
弟「ファブリーズ、どこだっけな……」
姉「探さないで!」
弟「お、あったあった」
姉「見つけないで!」
弟「しゅっしゅ」
姉「いーやー! とうっ」
弟「こら、逃げるな。かからないだろ」
姉「狐はふぁぶりーずがかかると溶けるんです」
弟「そんな話聞いたことないぞ。ほら、押入れから出てきなさい」
姉「いーやー」
弟「ええい、出てこないか!」
姉「やー! しっぽ掴まないで、しっぽー! や、やああああ、だめ、らめぇ!」
弟「らめぇ!? ……あ」

姉「……ぐしゅ、ぐしゅ……」
弟「あー……ごめんね、お姉ちゃん」
姉「……ぐしゅ。しっぽ、掴まないでって言ったのに。ぐしゅ」
弟「や、その、ごめん。まさか、お漏らしするとは」
姉「わーわーわー! 言ってはいけません!」
弟「ごめんね。お詫びに、いっぱいおいなりさん作ったから、食べて」
姉「……ぐしゅ。もぐもぐ。おいしい」
弟「おかわりたくさんあるからね」
姉「もぐもぐ。もぐもぐもぐ。もぐもぐもぐもぐ」
弟「お姉ちゃん、そんな口の中いっぱいにつめこまなくても取らないよ」
姉「もがもがもが」
弟「何言ってるか分からないよ」
姉「もぐもぐもぐ、ごっくん。……狐の時のクセが出ました」
弟「お姉ちゃんって、ご飯食べてる時必死だね」
姉「ぐぐぐ。また弟に馬鹿にされた。くやしい」
弟「そんなつもりはないのに」

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