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2026年03月19日
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【衆人環視の教室の中、ツンデレが寝ぼけて頭をすりつけてきました】
2010年03月07日
昼休みが終わった後の授業というのは、眠くて仕方がないものだ。それが英語の時間だと格別だ。
「……ぷー。……ぷー」
だからと言って寝ていい訳もないのに、早々に睡魔に降参してる隣のちなみのいびきがうるさい。あと、寝息が変。
まったく、人が必死に眠気をこらえてるというのに平和そうな顔して寝やがって……ほっぺつついてやれ。
「……うう、んー、……ぷー」
ダメだ、覚醒にまでは至らない。しっかし、弛緩しきった顔して……うあ、涎垂れてるじゃねえか。女の子の自覚ゼロだな。
「Mr.別府。隣のgirlを起こしてくださるかしら?」
先生の言葉に、慌てて前を向く。口調は丁寧だが、こめかみがひくついてる所を見るに、どうやら怒っているようで。
「ちなみ、起きろ。先生怒ってるぞ」
ちなみの肩を揺すって起こそうとするが、なかなか手強い。更に強く揺すると、かすかにちなみのまぶたが開いた。
「お、ようやっと起きたか。先生怒って……」
言葉が尻すぼむ。だって、ちなみの奴、何を考えてるのか知らないけど、俺を見上げたかと思ったら、ゆるゆるの顔のまま俺の胸に頭こすりつけるんですもの。
「あ、あの、あのの、ち、ちなみん? こ、こここ、この、これは、その?」
「……んう?」
んうじゃねえ。人語を使え。
「……んー」
いや、だから。んーじゃなくて。すりすりしないで。ここは学校ですよ……学校? そう、学校!
今さら気づいたかのように、いや今気づいたんだけど、ぐるり見渡すと人いっぱい! 60個くらいの目が俺たちを!
ちなみの寝言でゆるんだ心を締めなおし、激しくちなみの体を揺さぶる。
「ちちちなみ、起きろ! ここ学校! お前の部屋じゃない!」
「……むー」
「むーじゃなくて! いやすりすりでもなくて! ぎゅーでもなくて!」
「……む?」
すりすり&ぎゅーをした後、ちなみの焦点がゆっくりと定まり、そして、俺と目が合った。
「はぁ……やっと起きたか」
「……おっす。オラちなみ」
「これはご丁寧に。別府タカシと申します」
「……これはこれは、初めまして」
「10年来の友人です」
「……知ってる」
「じゃあ、ここが教室ってことも?」
「? ……っ!!??」
それは知らなかったようで、ゆっくり周囲を見渡した後、見てて可哀想になるくらいちなみは狼狽した。
「……ち、違う。これは違う。違うの。そう、違う。タカシは分かるよね?」
「寝ぼけて俺に抱きつき、ぐにゃんぐにゃんになってたとしか」
「~~~~~~~~っ!!」
ちなみから湯気が出た。
「あー……お弁当食べた後だから分かるけど、お昼寝はほどほどにね、Miss.ちなみ」
毒気を抜かれた先生が、それだけ言って黒板に向き直った。
「……うう、全部タカシのせいだ」
家に帰るなり俺の部屋にやってきたちなみが、寝ぼけ事件の責任を俺になすりつける。
「いやいやいや、俺はおまいを起こしただけ。すりすりしてきたお前に全責任はある」
「……な、ない。こう、タカシが私のすりすりをかわしてたら、こんな事態にはならなかったはず。やっぱり全部タカシのせいだ」
ちなみの すごい 責任転嫁
「いや……そもそも、すりすりしなけりゃ済む話じゃ」
「……だって、寝起きでタカシの顔見たら、ついしちゃうもん」
「あー……その、なんだ。恥ずかしい奴め」
思わず赤面しちゃいます。
「うう……惚れられてると勘違いされてる。なんたる屈辱、恐るべき自惚れ」
とか言いながらも、ちなみの顔も赤い。
「とにかく、今日みたいなことになったら困るから、以後すりすり禁止、禁止でーす」
手でバツを作ると、ちなみがこの世の終わりみたいな顔になった。
「そんなショックなことか?」
「……ぜ、全然。……べ、別にそんなのしなくても平気だもん。……そもそも、タカシにすりすりなんてしたくないし」
とか言いながらも、目に見えてどんどんへこんでいくちなみ。なんだか俺が悪いような気がしてきた。
「というのは冗談で、本当はすりすりしてもいいです。すりすり許可、許可でーす」
「……な、なんだ。残念なことこの上なし。……やれやれ、タカシはすりすりが好きで困る」
とか言いながら、ニッコニコの笑顔で早速俺に抱きつき、すりすりを開始するちなみでした。
「……ぷー。……ぷー」
だからと言って寝ていい訳もないのに、早々に睡魔に降参してる隣のちなみのいびきがうるさい。あと、寝息が変。
まったく、人が必死に眠気をこらえてるというのに平和そうな顔して寝やがって……ほっぺつついてやれ。
「……うう、んー、……ぷー」
ダメだ、覚醒にまでは至らない。しっかし、弛緩しきった顔して……うあ、涎垂れてるじゃねえか。女の子の自覚ゼロだな。
「Mr.別府。隣のgirlを起こしてくださるかしら?」
先生の言葉に、慌てて前を向く。口調は丁寧だが、こめかみがひくついてる所を見るに、どうやら怒っているようで。
「ちなみ、起きろ。先生怒ってるぞ」
ちなみの肩を揺すって起こそうとするが、なかなか手強い。更に強く揺すると、かすかにちなみのまぶたが開いた。
「お、ようやっと起きたか。先生怒って……」
言葉が尻すぼむ。だって、ちなみの奴、何を考えてるのか知らないけど、俺を見上げたかと思ったら、ゆるゆるの顔のまま俺の胸に頭こすりつけるんですもの。
「あ、あの、あのの、ち、ちなみん? こ、こここ、この、これは、その?」
「……んう?」
んうじゃねえ。人語を使え。
「……んー」
いや、だから。んーじゃなくて。すりすりしないで。ここは学校ですよ……学校? そう、学校!
今さら気づいたかのように、いや今気づいたんだけど、ぐるり見渡すと人いっぱい! 60個くらいの目が俺たちを!
ちなみの寝言でゆるんだ心を締めなおし、激しくちなみの体を揺さぶる。
「ちちちなみ、起きろ! ここ学校! お前の部屋じゃない!」
「……むー」
「むーじゃなくて! いやすりすりでもなくて! ぎゅーでもなくて!」
「……む?」
すりすり&ぎゅーをした後、ちなみの焦点がゆっくりと定まり、そして、俺と目が合った。
「はぁ……やっと起きたか」
「……おっす。オラちなみ」
「これはご丁寧に。別府タカシと申します」
「……これはこれは、初めまして」
「10年来の友人です」
「……知ってる」
「じゃあ、ここが教室ってことも?」
「? ……っ!!??」
それは知らなかったようで、ゆっくり周囲を見渡した後、見てて可哀想になるくらいちなみは狼狽した。
「……ち、違う。これは違う。違うの。そう、違う。タカシは分かるよね?」
「寝ぼけて俺に抱きつき、ぐにゃんぐにゃんになってたとしか」
「~~~~~~~~っ!!」
ちなみから湯気が出た。
「あー……お弁当食べた後だから分かるけど、お昼寝はほどほどにね、Miss.ちなみ」
毒気を抜かれた先生が、それだけ言って黒板に向き直った。
「……うう、全部タカシのせいだ」
家に帰るなり俺の部屋にやってきたちなみが、寝ぼけ事件の責任を俺になすりつける。
「いやいやいや、俺はおまいを起こしただけ。すりすりしてきたお前に全責任はある」
「……な、ない。こう、タカシが私のすりすりをかわしてたら、こんな事態にはならなかったはず。やっぱり全部タカシのせいだ」
ちなみの すごい 責任転嫁
「いや……そもそも、すりすりしなけりゃ済む話じゃ」
「……だって、寝起きでタカシの顔見たら、ついしちゃうもん」
「あー……その、なんだ。恥ずかしい奴め」
思わず赤面しちゃいます。
「うう……惚れられてると勘違いされてる。なんたる屈辱、恐るべき自惚れ」
とか言いながらも、ちなみの顔も赤い。
「とにかく、今日みたいなことになったら困るから、以後すりすり禁止、禁止でーす」
手でバツを作ると、ちなみがこの世の終わりみたいな顔になった。
「そんなショックなことか?」
「……ぜ、全然。……べ、別にそんなのしなくても平気だもん。……そもそも、タカシにすりすりなんてしたくないし」
とか言いながらも、目に見えてどんどんへこんでいくちなみ。なんだか俺が悪いような気がしてきた。
「というのは冗談で、本当はすりすりしてもいいです。すりすり許可、許可でーす」
「……な、なんだ。残念なことこの上なし。……やれやれ、タカシはすりすりが好きで困る」
とか言いながら、ニッコニコの笑顔で早速俺に抱きつき、すりすりを開始するちなみでした。
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【ツンデレが怪我をしたら】
2010年03月07日
まつりと一緒にぽてぽて帰ってる最中、タイヤキ屋の前を通りかかった。
「これタカシ、わらわは小腹が空いた。そこのタイヤキを所望するのじゃ、献上せい」
わがままな姫さんがわがままを言う。普通に買ってやるのもなんだし、何より偉そうなのが気に食わない。……よし、ちょっとイタズラしよう。
「タイヤキは盗み食いするのが市井のルールだ」
「なんと! 下々は物騒じゃのう……仕方ない、やってみるのじゃ」
すんなり信じられた。まさか信じるとは思わなかったが、よく考えるとまつりは一般常識が通用しないお姫様な世界に住んでるので、信じるよね。
なんて思ってる間に、まつりはタイヤキ屋の前に移動してた。慌てて後を追う。
「これ、そこな店主。タイヤキを4つ献上せい」
「4つね。……はい、520円ね」
「うむ、ご苦労」
まつりが袋を受け取り、金を払わずに背を向けた。それを見て、俺は大きく息を吸い込んだ。
「うわあああ! まつりがタイヤキ盗んだあああ!」
「な、なんじゃとお!?」
俺の叫びを聞きつけ、街のみんながわらわらとまつりを囲みました。
「まったく! 貴様は! 余計なことばかり! するのう!」
姫ぱぅわー+俺の謝罪により騒ぎを鎮火させ、その後ちゃんと金を払ってタイヤキを手に入れた。公園に着いたのでここで食うのかと思ったが、まつりは俺の頬を引っ張るのに夢中なようで。
「盗み食いを食い止めた正義の人のほっぺを引っ張るのは、悪ですよ?」
「正義の人は嘘などつかんのじゃっ!」
それもそうだ。それはともかくいい加減頬が痛いので、適当に謝って頬を引っ張るのをやめてもらう。
「まったく……それにしても、街中でタックル喰らうとは思いもせなんだわい」
まつりを取り押さえる際、タックルしてた人がいたので、そのことを言ってるのだろう。
「貴重な体験できてよかったね」
「ちっともよくわいわいっ! ほれ見ろ、わらわの玉のような肌に傷が出来てしもうたのじゃ!」
まつりは髪をかきあげ、おでこをさらした。確かに、ちょっと血が染みていた。
「ありゃ、痛そうだな」
「痛いわいっ! どうにかせい!」
「そうだな……2つあるけど、どっちがいい?」
「……一応、両方言ってみい」
「一つはそれどころじゃなくなる方法、もう一つは痛みすら感じなくなる方法」
「もっと普通の手段を取れっ!」
ちょっと泣きそうになってるので、普通にすることにする。
「じゃ、そこのベンチで待ってろ。あ、タイヤキ先に食っててもいいぞ」
「あっ、タカシ!」
まつりを待たせ、水道を探しに行く。ほどなくして見つけた水道でハンカチを濡らし、ベンチに戻る。
「お待たへー。……ん、まだ食ってなかったのか?」
まつりは膝にタイヤキの袋を乗せたまま、ぼーっとしていた。
「……ふ、ふん。そんなもの、わらわの勝手じゃろう」
「ま、そだけど。んじゃ、ちっとしみるかもしんねーけど、我慢しろ。もしくは、苦痛を快楽に変えろ。……いかん、それではまつりがMに! どうしよう!?」
「うるさい」
怒られたので、それ以上は何も言わずハンカチをまつりのおでこに軽く当てる。
「にゃっ!」
「猫だ」
「猫じゃないわい! 冷たさにびっくりして、声が出ただけじゃ!」
怪しいものだと思いながら、再びちょんちょんとハンカチをおでこに当てる。
「にゃっ、にゃう……」
「やっぱ猫だ」
「だから、猫じゃないわい!」
まったく信じずに、再びちょんちょんと。
「にゅ……の、のう? どうじゃ?」
「血が止まらない。このままじゃヤバイかも」
「にゃんじゃとーっ!?」
「という夢を見そうな今日この頃」
ほっぺを引っ張られて痛い痛い。
「おぬしはいじわるじゃ。もっと優しくせい」
「へーへー」
まつりのおでこをハンカチで少し優しく触る。
「にゃう! ……の、のう、もっと優しく触ってたもれ。まだ痛くて敵わんのじゃ」
「む、エロいぞまつり。略して悶絶わななきまつり」
「略すどころか変な言葉がついてるぞよ!?」
「なんか、エロい祭りみたいで素敵だよね」
「どこが素敵なのじゃ! ちっとも素敵じゃないのじゃ!」
「なんだと!? 貴様、エロ祭りを馬鹿にするか! 謝れ、エロ祭りを心待ちにしてる皆さんに謝れ!」
「な、なんでわらわがそんなものに謝らねばならんのじゃ! 謝らん、わらわは謝らんぞ!」
「…………」(まつりのおでこをハンカチでぐりぐりぐり)
「痛い痛い痛いのじゃ! 謝る、謝るから許してたもれ! わらわ、エロ祭りだーい好き♪」
「へ……変態だーっ!」
「おぬしが言わせたんじゃろうがっ! おのれ……一生恨んでやるのじゃ」
「とりあえずまつりをいじめられたので、満足した俺は再びまつりの傷を治すことにした」
「誰に言ってるのじゃ……にゃっ、いたっ、……うう、もっと優しくしてほしいのじゃ」
汚れや血を落とし、キレイになったところで絆創膏をぺしーんと張る。
「にゃっ! もっと優しく張るのじゃ!」
「へーへー。ともかく、これでよし。ブッチャーに憧れてるのは知ってるけど、これからはヘッドバット自重するんだぞ?」
「タックルされて転んでできた傷じゃと言っとるじゃろうがっ! あんな悪役レスラーに憧れてなどおらんっ!」
「んなっ……き、貴様、ブッチャーを馬鹿にするか!? 謝れ、ブッチャーに謝れ!」
「あ、謝らん、今度こそ謝らんのじゃ! わらわは暴力に屈服せんのじゃ!」
「…………」(絆創膏の上から指でぐりぐりぐり)
「にゃううっ、痛い痛い痛いのじゃ! 謝る、謝るから許してたもれ! わらわ、ブッチャーだーい好き♪」
簡単に屈服した。
「ううう……おでこ痛い……」
まつりは半泣きでおでこを押さえた。このお姫様、弱い。
「だからあれほどヘッドバットするなと言ったのに……」
「しておらんっ! おぬしがわらわのおでこをぐりぐりしたからじゃっ! よくもわらわを傷物にしおって……責任を取れ、責任をっ!」
「ええっ、こんな猫を嫁にするの!? 猫人間との生活に戦々恐々な秋の夕暮れ!」
「誰が猫かーっ! そも、貴様なぞのところに嫁ぐわけなかろうっ!」
「俺に嫁げと言うのか? まったく、姫さんは平気な顔して無茶を言う」
「んなこと言ってないのじゃーッ! ……ぜはーぜはー……」
いっぱい『!』を使ったので、呼吸が乱れた模様。
「まぁ責任の話は後にまわしてうやむやにするとして、とりあえずタイヤキ食おう」
「うやむやにするとはどういう了見……むぐっ」
話を打ち切るように、まつりの口にタイヤキを詰める。
「……ぷはっ。いきなり何するのじゃ!」
「早く食わないと冷めちゃうぞ? 冷めると美味しくなくなる予感」
「ぬ……おぬしなんぞに言われんでも、分かっておるわ!」
そう言って、まつりはタイヤキを口にした。それを横からぼーっと眺める。
「……な、なんじゃ?」
「ん、別に。美味そうに食うなーって思って」
「ぬ……じ、じろじろ見るでない、馬鹿者」
まつりはちょっと恥ずかしそうに頬を染め、タイヤキにかじりついた。それを再びぼーっと眺める。
「……だ、だから、見るでない。食いにくいではないか」
「なんか、お前が食ってるの見てたら小腹が空いた」
「……欲しいのかえ?」
「いや、そういうわけじゃ。お前が食ってる横で恨めしそうにじーっと見てるだけだから、気にするな」
「気になるに決まってるじゃろうがっ!」
「ちなみに、心の中はお前への恨み言でいっぱいです」
「知りたくもない情報じゃっ! ああもう分かったのじゃ、特別にあげるのじゃ! じゃから、恨み言なんて思わないで欲しいのじゃ!」
ふるふる震えながら、まつりは半泣きで俺に食いかけのタイヤキを渡した。
「サンキュ。よもや食いかけの方をくれるとは思いもしなかったぞ」
「? ……あーっ! だ、ダメなのじゃ、それでは、か……間接きっすになるのじゃ! 嫌じゃ、嫌なのじゃ! こっちの新品と交換するのじゃ!」
「別にいいけど、交換の手間賃として直接俺にキスしてください」
「それじゃ悪化してるのじゃ! ううう……なんで貴様なんぞと間接キスをせねばならんのじゃ……」
「むちゅー」
「とか言ってる間にわらわの食いかけの所にちゅーを!? う、うう……最悪なのじゃ」
「まつり、顔赤いぞ」
「ぬな!? こ、これは、そ、その……突発性の風邪じゃっ!」
「…………」
「な、なんじゃ? 疑っておるのかえ? わ、わらわは高貴なる身分じゃから、突発的に風邪をひくのじゃ!」
「…………」
「ほ、ホントじゃぞ? 嘘じゃないぞ?」
「……嘘だったら絶交」(ぼそり)
「嘘! うーそなーのじゃー! タカシを騙すために嘘をついたのじゃー! はっはー、騙されおって、馬鹿な奴なのじゃー!」
「……はぁ。なんつーか、面白いっつーか、馬鹿っつーか」
「な、なんじゃ……わらわは馬鹿じゃないわい!」
「……あーもー可愛いなあ! もう!」
なんかもう愛情が漏れちゃったので、まつりの頭をなでなでする。
「ふにゃっ!? き、貴様、わらわの頭をなでなでするとは、万死に値するぞ!」
「なでなでなで」
「ば、万死に値する……」
「なでなで、なでなで」
「……そ、その、……にゃう」
10分ほどなでてたら、大人しくなった。
「あー……大丈夫か?」
「……にゃふー」(満足げ)
「……大丈夫そうだな。冷めちゃったと思うけど、タイヤキ食うか?」
「……にゅふー」(満足げ)
なんか変な生き物に進化してる。
「ほら、食べろ」
「……にょふー」(満足げ)
まつりの口元にタイヤキを持っていくが、にゃふにょふ言うばかりでちっとも口にしない。
しょうがないので一人で全部食べたら、後で大変叱られた。
「全部食ったじゃと!? ぐぬう……許せんのじゃ! 一生恨むのじゃ、タカシ!」
「困ったねもぐもぐ」
「口ではそう言いながらちっとも思ってないのが丸分かりじゃ! なぜなら、困ったと言ってるその口でタイヤキを食ってるからであり、つまりそれはわらわのタイヤキなので返せばかーっ!」
ぐるぐるぱんちをしてくるまつりの頭を押さえながら食いきりました。
「にゃうう……わらわのタイヤキ……」
「そうしょげるな。そのうちいいことあるさ」
「おぬしのせいでしょげておるのじゃ、ばかーっ!」
慰めたのに怒られた。
「これタカシ、わらわは小腹が空いた。そこのタイヤキを所望するのじゃ、献上せい」
わがままな姫さんがわがままを言う。普通に買ってやるのもなんだし、何より偉そうなのが気に食わない。……よし、ちょっとイタズラしよう。
「タイヤキは盗み食いするのが市井のルールだ」
「なんと! 下々は物騒じゃのう……仕方ない、やってみるのじゃ」
すんなり信じられた。まさか信じるとは思わなかったが、よく考えるとまつりは一般常識が通用しないお姫様な世界に住んでるので、信じるよね。
なんて思ってる間に、まつりはタイヤキ屋の前に移動してた。慌てて後を追う。
「これ、そこな店主。タイヤキを4つ献上せい」
「4つね。……はい、520円ね」
「うむ、ご苦労」
まつりが袋を受け取り、金を払わずに背を向けた。それを見て、俺は大きく息を吸い込んだ。
「うわあああ! まつりがタイヤキ盗んだあああ!」
「な、なんじゃとお!?」
俺の叫びを聞きつけ、街のみんながわらわらとまつりを囲みました。
「まったく! 貴様は! 余計なことばかり! するのう!」
姫ぱぅわー+俺の謝罪により騒ぎを鎮火させ、その後ちゃんと金を払ってタイヤキを手に入れた。公園に着いたのでここで食うのかと思ったが、まつりは俺の頬を引っ張るのに夢中なようで。
「盗み食いを食い止めた正義の人のほっぺを引っ張るのは、悪ですよ?」
「正義の人は嘘などつかんのじゃっ!」
それもそうだ。それはともかくいい加減頬が痛いので、適当に謝って頬を引っ張るのをやめてもらう。
「まったく……それにしても、街中でタックル喰らうとは思いもせなんだわい」
まつりを取り押さえる際、タックルしてた人がいたので、そのことを言ってるのだろう。
「貴重な体験できてよかったね」
「ちっともよくわいわいっ! ほれ見ろ、わらわの玉のような肌に傷が出来てしもうたのじゃ!」
まつりは髪をかきあげ、おでこをさらした。確かに、ちょっと血が染みていた。
「ありゃ、痛そうだな」
「痛いわいっ! どうにかせい!」
「そうだな……2つあるけど、どっちがいい?」
「……一応、両方言ってみい」
「一つはそれどころじゃなくなる方法、もう一つは痛みすら感じなくなる方法」
「もっと普通の手段を取れっ!」
ちょっと泣きそうになってるので、普通にすることにする。
「じゃ、そこのベンチで待ってろ。あ、タイヤキ先に食っててもいいぞ」
「あっ、タカシ!」
まつりを待たせ、水道を探しに行く。ほどなくして見つけた水道でハンカチを濡らし、ベンチに戻る。
「お待たへー。……ん、まだ食ってなかったのか?」
まつりは膝にタイヤキの袋を乗せたまま、ぼーっとしていた。
「……ふ、ふん。そんなもの、わらわの勝手じゃろう」
「ま、そだけど。んじゃ、ちっとしみるかもしんねーけど、我慢しろ。もしくは、苦痛を快楽に変えろ。……いかん、それではまつりがMに! どうしよう!?」
「うるさい」
怒られたので、それ以上は何も言わずハンカチをまつりのおでこに軽く当てる。
「にゃっ!」
「猫だ」
「猫じゃないわい! 冷たさにびっくりして、声が出ただけじゃ!」
怪しいものだと思いながら、再びちょんちょんとハンカチをおでこに当てる。
「にゃっ、にゃう……」
「やっぱ猫だ」
「だから、猫じゃないわい!」
まったく信じずに、再びちょんちょんと。
「にゅ……の、のう? どうじゃ?」
「血が止まらない。このままじゃヤバイかも」
「にゃんじゃとーっ!?」
「という夢を見そうな今日この頃」
ほっぺを引っ張られて痛い痛い。
「おぬしはいじわるじゃ。もっと優しくせい」
「へーへー」
まつりのおでこをハンカチで少し優しく触る。
「にゃう! ……の、のう、もっと優しく触ってたもれ。まだ痛くて敵わんのじゃ」
「む、エロいぞまつり。略して悶絶わななきまつり」
「略すどころか変な言葉がついてるぞよ!?」
「なんか、エロい祭りみたいで素敵だよね」
「どこが素敵なのじゃ! ちっとも素敵じゃないのじゃ!」
「なんだと!? 貴様、エロ祭りを馬鹿にするか! 謝れ、エロ祭りを心待ちにしてる皆さんに謝れ!」
「な、なんでわらわがそんなものに謝らねばならんのじゃ! 謝らん、わらわは謝らんぞ!」
「…………」(まつりのおでこをハンカチでぐりぐりぐり)
「痛い痛い痛いのじゃ! 謝る、謝るから許してたもれ! わらわ、エロ祭りだーい好き♪」
「へ……変態だーっ!」
「おぬしが言わせたんじゃろうがっ! おのれ……一生恨んでやるのじゃ」
「とりあえずまつりをいじめられたので、満足した俺は再びまつりの傷を治すことにした」
「誰に言ってるのじゃ……にゃっ、いたっ、……うう、もっと優しくしてほしいのじゃ」
汚れや血を落とし、キレイになったところで絆創膏をぺしーんと張る。
「にゃっ! もっと優しく張るのじゃ!」
「へーへー。ともかく、これでよし。ブッチャーに憧れてるのは知ってるけど、これからはヘッドバット自重するんだぞ?」
「タックルされて転んでできた傷じゃと言っとるじゃろうがっ! あんな悪役レスラーに憧れてなどおらんっ!」
「んなっ……き、貴様、ブッチャーを馬鹿にするか!? 謝れ、ブッチャーに謝れ!」
「あ、謝らん、今度こそ謝らんのじゃ! わらわは暴力に屈服せんのじゃ!」
「…………」(絆創膏の上から指でぐりぐりぐり)
「にゃううっ、痛い痛い痛いのじゃ! 謝る、謝るから許してたもれ! わらわ、ブッチャーだーい好き♪」
簡単に屈服した。
「ううう……おでこ痛い……」
まつりは半泣きでおでこを押さえた。このお姫様、弱い。
「だからあれほどヘッドバットするなと言ったのに……」
「しておらんっ! おぬしがわらわのおでこをぐりぐりしたからじゃっ! よくもわらわを傷物にしおって……責任を取れ、責任をっ!」
「ええっ、こんな猫を嫁にするの!? 猫人間との生活に戦々恐々な秋の夕暮れ!」
「誰が猫かーっ! そも、貴様なぞのところに嫁ぐわけなかろうっ!」
「俺に嫁げと言うのか? まったく、姫さんは平気な顔して無茶を言う」
「んなこと言ってないのじゃーッ! ……ぜはーぜはー……」
いっぱい『!』を使ったので、呼吸が乱れた模様。
「まぁ責任の話は後にまわしてうやむやにするとして、とりあえずタイヤキ食おう」
「うやむやにするとはどういう了見……むぐっ」
話を打ち切るように、まつりの口にタイヤキを詰める。
「……ぷはっ。いきなり何するのじゃ!」
「早く食わないと冷めちゃうぞ? 冷めると美味しくなくなる予感」
「ぬ……おぬしなんぞに言われんでも、分かっておるわ!」
そう言って、まつりはタイヤキを口にした。それを横からぼーっと眺める。
「……な、なんじゃ?」
「ん、別に。美味そうに食うなーって思って」
「ぬ……じ、じろじろ見るでない、馬鹿者」
まつりはちょっと恥ずかしそうに頬を染め、タイヤキにかじりついた。それを再びぼーっと眺める。
「……だ、だから、見るでない。食いにくいではないか」
「なんか、お前が食ってるの見てたら小腹が空いた」
「……欲しいのかえ?」
「いや、そういうわけじゃ。お前が食ってる横で恨めしそうにじーっと見てるだけだから、気にするな」
「気になるに決まってるじゃろうがっ!」
「ちなみに、心の中はお前への恨み言でいっぱいです」
「知りたくもない情報じゃっ! ああもう分かったのじゃ、特別にあげるのじゃ! じゃから、恨み言なんて思わないで欲しいのじゃ!」
ふるふる震えながら、まつりは半泣きで俺に食いかけのタイヤキを渡した。
「サンキュ。よもや食いかけの方をくれるとは思いもしなかったぞ」
「? ……あーっ! だ、ダメなのじゃ、それでは、か……間接きっすになるのじゃ! 嫌じゃ、嫌なのじゃ! こっちの新品と交換するのじゃ!」
「別にいいけど、交換の手間賃として直接俺にキスしてください」
「それじゃ悪化してるのじゃ! ううう……なんで貴様なんぞと間接キスをせねばならんのじゃ……」
「むちゅー」
「とか言ってる間にわらわの食いかけの所にちゅーを!? う、うう……最悪なのじゃ」
「まつり、顔赤いぞ」
「ぬな!? こ、これは、そ、その……突発性の風邪じゃっ!」
「…………」
「な、なんじゃ? 疑っておるのかえ? わ、わらわは高貴なる身分じゃから、突発的に風邪をひくのじゃ!」
「…………」
「ほ、ホントじゃぞ? 嘘じゃないぞ?」
「……嘘だったら絶交」(ぼそり)
「嘘! うーそなーのじゃー! タカシを騙すために嘘をついたのじゃー! はっはー、騙されおって、馬鹿な奴なのじゃー!」
「……はぁ。なんつーか、面白いっつーか、馬鹿っつーか」
「な、なんじゃ……わらわは馬鹿じゃないわい!」
「……あーもー可愛いなあ! もう!」
なんかもう愛情が漏れちゃったので、まつりの頭をなでなでする。
「ふにゃっ!? き、貴様、わらわの頭をなでなでするとは、万死に値するぞ!」
「なでなでなで」
「ば、万死に値する……」
「なでなで、なでなで」
「……そ、その、……にゃう」
10分ほどなでてたら、大人しくなった。
「あー……大丈夫か?」
「……にゃふー」(満足げ)
「……大丈夫そうだな。冷めちゃったと思うけど、タイヤキ食うか?」
「……にゅふー」(満足げ)
なんか変な生き物に進化してる。
「ほら、食べろ」
「……にょふー」(満足げ)
まつりの口元にタイヤキを持っていくが、にゃふにょふ言うばかりでちっとも口にしない。
しょうがないので一人で全部食べたら、後で大変叱られた。
「全部食ったじゃと!? ぐぬう……許せんのじゃ! 一生恨むのじゃ、タカシ!」
「困ったねもぐもぐ」
「口ではそう言いながらちっとも思ってないのが丸分かりじゃ! なぜなら、困ったと言ってるその口でタイヤキを食ってるからであり、つまりそれはわらわのタイヤキなので返せばかーっ!」
ぐるぐるぱんちをしてくるまつりの頭を押さえながら食いきりました。
「にゃうう……わらわのタイヤキ……」
「そうしょげるな。そのうちいいことあるさ」
「おぬしのせいでしょげておるのじゃ、ばかーっ!」
慰めたのに怒られた。
【猫とたわむれている所を見られたツンデレ】
2010年03月07日
「こんちゃ~。……あれ、タカシいないの? なんだぁ……あっ、猫!」
部屋でまどろんでいると、梓ことボクっ娘がやってきて俺のペットである轟雷号を抱きかかえた。
「タカシいないね~。どこ行ったんだろうね~。ねね、キミ知ってる?」
「ふかっ」
轟雷号は不遜な表情のまま一声鳴いた。
「知らないの~。んー、キミ変な鳴き声だねぇ~。えへー、可愛いねえ」
梓は楽しそうに轟雷号の鼻先にすりすりした。轟雷号は物凄く迷惑そう。
「にゃんにゃ~は、にゃんにゃんにゃ~、だよ?」
梓の奴は、いわゆる猫なで声で轟雷号に意味不明な言葉を発し続けていた。
「猫に猫なで声……うっひゃっひゃっひゃっひゃ!」
「うわぁっ!? なななになに!? タカシ!? どっ、どこにいるんだよぉ!?」
しまった、あまりのくだらなさに笑ってしまった。
「これは超常現象で聞こえるのであり、超絶美形のタカシ君はここにいません」
「あー、だよねぇ。美形じゃなくて、へちゃむくれのタカシならいるけど」
「し、失敬な! そのどんぐりまなこでじっくり見やがれ、俺の美顔!」
暗い場所から飛び出ると、大層驚いた顔の梓に出迎えられた。
「うわぁっ! ど、どっから出てくるんだよぉ!?」
「なまこ」
「違うだろっ! クローゼットじゃん! じゃんじゃんじゃん!」
クローゼットの中で寝るのは至難の技です。暇つぶしにすることじゃないです。
「じゃんじゃんうるさい。ところで梓よ、ずいぶんとまぁ甘ったるい声で話してたなぁ」
「う……うるさいなぁ。タカシには関係ないだろ?」
「人の轟雷号を勝手にいじくって関係ないとな」
「ごうらいごう? ……まさか、このコの名前?」
「超かっこいい」
「全っっっ然だよ! こんな可愛いのに、そんな変な名前可哀想だよ! 哀れみを覚えるよ! 憐憫の情だよ!」
当の轟雷号はどうでもいいのか、ベッドの上でやる気なさげにアクビしていた。やる気みなぎるアクビなんて見たことないが。
「まぁ、俺のセンスフルな言語感覚はどうでもいい」
「ちっともセンスフルじゃないよ、センス0だよ!」
「そんなのはいい。ところで梓、おまいは猫と相対した時はいつもあんな風に気持ち悪いのか?」
「気持ち悪くないよッ! 超可愛いよ、ちょー! にゃんにゃんにゃーだよッ!」
「自分で可愛い言うな」
「タカシはボクが可愛くないって言うのかよっ!」
「いや、俺は可愛いと思うぞ」
「なんで猫見てるんだよ、ねこっ!」
轟雷号は頭を撫でられ、面倒くさそうに“ごあー”と鳴いた。
「特にこの口元のラインがたまらん」
「だから、それ猫のことだろ、ねこ! ボクを見ろ、ボクを!」
「可愛いなぁ、轟雷号。ほりほり」
頭を大層撫でると、轟雷号は大層嫌そうにしっぽをはためかせた。
「ぐぅぅぅぅ……にゃ!」
「……はい?」
「にゃ、にゃーだよ! ほ、ほら、こっちの猫も可愛がってはいかがかな?」
後ろにいたボクっ娘が、猫にジョブチェンジしたと言い張る。
「本物猫がいい」
「嘘猫もいいものだよ? ほ、ほら、なでなでされると、喜ぶよ?」
なでろと言わんばかりに頭を差し出すボクっ娘。そっと轟雷号を乗せてやる。
「違うよ、なでるんだよ! ……って、重い重いよ! このコ何kgあるの!?」
「6kg。普通の体重だと思うが」
「いいからどけろっ! んで、なでろっ!」
「なでなで」
「なんで猫をなでるんだよぉ!? いたたたっ、このコ爪立ててるよ! タカシ嫌われてるよ!」
「それくらい知ってるさ。俺を見くびるなよ?」
「知ってるなら好かれる努力しろよ、ばかっ! いーからどけろっ!」
そろそろ本気で怒られそうなので、轟雷号をベッドに移す。
「うー……頭痛い」
「まぁまぁ。痛いの痛いのとんでけー」
「あ……」
梓の頭を軽くなでると、息が漏れたような声がした。梓の頬に朱が射す。
「その後再び痛み戻ってこーい」
「いたたたた! タカシ痛いよ、ボクの頭割ろうとしてるよ!?」
「割れた後の処理は任せろ!」
「いーから離せっ!」
怒られたので離す。
「あいたた……まったく、タカシと関わるとろくな事が起きないよ」
「好んで俺と遊んでいるように見えましたが」
「き、気のせいだよ?」
ものすごく目が泳いでますが。
「い、いーから遊ぼ?」
「まぁいっか。よし、ここは童心に返ってお医者さんごっこでも」
「しないっ!」
「いや、俺が先生役で、梓が胸に疾患のある患者役だから」
「余計にしないっ! なんでそんな配役ですると思うんだよっ!」
「まさぐるだけだぞ?」
「まさぐんなぁっ!」
非常に残念である。
部屋でまどろんでいると、梓ことボクっ娘がやってきて俺のペットである轟雷号を抱きかかえた。
「タカシいないね~。どこ行ったんだろうね~。ねね、キミ知ってる?」
「ふかっ」
轟雷号は不遜な表情のまま一声鳴いた。
「知らないの~。んー、キミ変な鳴き声だねぇ~。えへー、可愛いねえ」
梓は楽しそうに轟雷号の鼻先にすりすりした。轟雷号は物凄く迷惑そう。
「にゃんにゃ~は、にゃんにゃんにゃ~、だよ?」
梓の奴は、いわゆる猫なで声で轟雷号に意味不明な言葉を発し続けていた。
「猫に猫なで声……うっひゃっひゃっひゃっひゃ!」
「うわぁっ!? なななになに!? タカシ!? どっ、どこにいるんだよぉ!?」
しまった、あまりのくだらなさに笑ってしまった。
「これは超常現象で聞こえるのであり、超絶美形のタカシ君はここにいません」
「あー、だよねぇ。美形じゃなくて、へちゃむくれのタカシならいるけど」
「し、失敬な! そのどんぐりまなこでじっくり見やがれ、俺の美顔!」
暗い場所から飛び出ると、大層驚いた顔の梓に出迎えられた。
「うわぁっ! ど、どっから出てくるんだよぉ!?」
「なまこ」
「違うだろっ! クローゼットじゃん! じゃんじゃんじゃん!」
クローゼットの中で寝るのは至難の技です。暇つぶしにすることじゃないです。
「じゃんじゃんうるさい。ところで梓よ、ずいぶんとまぁ甘ったるい声で話してたなぁ」
「う……うるさいなぁ。タカシには関係ないだろ?」
「人の轟雷号を勝手にいじくって関係ないとな」
「ごうらいごう? ……まさか、このコの名前?」
「超かっこいい」
「全っっっ然だよ! こんな可愛いのに、そんな変な名前可哀想だよ! 哀れみを覚えるよ! 憐憫の情だよ!」
当の轟雷号はどうでもいいのか、ベッドの上でやる気なさげにアクビしていた。やる気みなぎるアクビなんて見たことないが。
「まぁ、俺のセンスフルな言語感覚はどうでもいい」
「ちっともセンスフルじゃないよ、センス0だよ!」
「そんなのはいい。ところで梓、おまいは猫と相対した時はいつもあんな風に気持ち悪いのか?」
「気持ち悪くないよッ! 超可愛いよ、ちょー! にゃんにゃんにゃーだよッ!」
「自分で可愛い言うな」
「タカシはボクが可愛くないって言うのかよっ!」
「いや、俺は可愛いと思うぞ」
「なんで猫見てるんだよ、ねこっ!」
轟雷号は頭を撫でられ、面倒くさそうに“ごあー”と鳴いた。
「特にこの口元のラインがたまらん」
「だから、それ猫のことだろ、ねこ! ボクを見ろ、ボクを!」
「可愛いなぁ、轟雷号。ほりほり」
頭を大層撫でると、轟雷号は大層嫌そうにしっぽをはためかせた。
「ぐぅぅぅぅ……にゃ!」
「……はい?」
「にゃ、にゃーだよ! ほ、ほら、こっちの猫も可愛がってはいかがかな?」
後ろにいたボクっ娘が、猫にジョブチェンジしたと言い張る。
「本物猫がいい」
「嘘猫もいいものだよ? ほ、ほら、なでなでされると、喜ぶよ?」
なでろと言わんばかりに頭を差し出すボクっ娘。そっと轟雷号を乗せてやる。
「違うよ、なでるんだよ! ……って、重い重いよ! このコ何kgあるの!?」
「6kg。普通の体重だと思うが」
「いいからどけろっ! んで、なでろっ!」
「なでなで」
「なんで猫をなでるんだよぉ!? いたたたっ、このコ爪立ててるよ! タカシ嫌われてるよ!」
「それくらい知ってるさ。俺を見くびるなよ?」
「知ってるなら好かれる努力しろよ、ばかっ! いーからどけろっ!」
そろそろ本気で怒られそうなので、轟雷号をベッドに移す。
「うー……頭痛い」
「まぁまぁ。痛いの痛いのとんでけー」
「あ……」
梓の頭を軽くなでると、息が漏れたような声がした。梓の頬に朱が射す。
「その後再び痛み戻ってこーい」
「いたたたた! タカシ痛いよ、ボクの頭割ろうとしてるよ!?」
「割れた後の処理は任せろ!」
「いーから離せっ!」
怒られたので離す。
「あいたた……まったく、タカシと関わるとろくな事が起きないよ」
「好んで俺と遊んでいるように見えましたが」
「き、気のせいだよ?」
ものすごく目が泳いでますが。
「い、いーから遊ぼ?」
「まぁいっか。よし、ここは童心に返ってお医者さんごっこでも」
「しないっ!」
「いや、俺が先生役で、梓が胸に疾患のある患者役だから」
「余計にしないっ! なんでそんな配役ですると思うんだよっ!」
「まさぐるだけだぞ?」
「まさぐんなぁっ!」
非常に残念である。
【ポテチ食べるツンデレ】
2010年03月06日
昼休みの教室。飯も食ったのでげふーを堪能してると、かなみがポテチを食べてるのに気づいた。
「弁当に加え揚げ芋まで食うとは、冬に備え虎視眈々と肉を溜め込んでますね」
「いきなりヤなこと言うわね……」
とても迷惑そうな顔で、かなみは俺を見た。
「そこで、少しでもその肉を軽減せしめんと立ち上がる俺であった。てなわけで一枚おくれ」
「なに、欲しいの? そうね……」
かなみは思案顔でしばらく黙った後、何か思い立ったように顔を輝かせた。
「じゃ、三回まわってワンって言って?」
素直にまわってワンと鳴く。
「鳴いた。くれ」
「……何の照れもなくされると、つまんないわね」
「ぐうう、よもやかなみにワンと鳴かされるとは。悔しさのあまり血尿が出そうだ」
「明らかに棒読みよっ! それに、悔しくても血尿は出ないっ!」
「間違えた、胆石が出来そうだった」
「アンタは中年のおっさんか!」
「高校生です」
「知ってるわよっ! ……はぁ」
心底疲れたような息を吐かれた。
「もーいい。あげるから話しかけてこないで。アンタと話してると、頭痛くなってくる」
くれるというので、ポテチの袋を頂く。
「こら、なにも全部あげるなんて言ってないでしょ!」
「…………」
「ちょっと、なに無視してんのよ。寄越しなさいって言ってるの!」
「…………」
「ね、ねぇ。……あれ、ひょっとして、怒ってる?」
「…………」
「あ、アンタが悪いのよ? 年頃の女の子捕まえて肉を溜め込んでるとか言うから……」
「…………」
「そ、そりゃあたしもちょっと悪かったけどさ。アンタと話してると頭痛くなるとか言っちゃったし。でも、でもさ、それもアンタが……」
「…………」
「……た、タカシ? あの、あたし……」
困ったような、悲しそうな顔をして、かなみはスカートの裾をぎゅっと掴んだ。
「タイム。大丈夫か?」
「え、あ、……え? タイム?」
「かなみと喋ってはいけないゲームの中断を知らせる言葉です」
「……はぁぁ? なに、アンタあたしが言ったこと律儀に守ってたの?」
「守ってたの。守ってロリポップ」
「……この人騒がせな! ややこしいのよ! なによ、怒ってたんだと思ったじゃないの!」
かなみは目の端を拭いながら俺にまくし立てた。
「……あの、ひょっとして泣いてる?」
「なっ、泣いてない、泣いてないわよ! なんだってあたしがアンタに無視されただけで泣かなきゃいけないのよ!」
「だよな。強い子良い子のかなみが、そんなので泣くわきゃないわな」
「……なによ、あたしだって泣く時くらいあるわよ」(ぼそり)
「具体例を出すと俺に無視された時と答えそうになった俺だったが、折角小声で言っていたのでここは聞こえないフリをするのが無難であろうと判断した」
「メチャメチャ言ってるじゃないのっ! この馬鹿この馬鹿この馬鹿!」
かなみは真っ赤な顔で俺の首をぎうぎう絞めるので苦しい。
「ぐげげ、泡が出る出るぶくぶくぶく」
「このカニ! カニがっ!」
「はふー、食堂めっちゃ混んでたー……うわわっ、かなみちゃんが別府くんをカニに!?」
食堂から戻ってきた女生徒が、トンチキな叫びを教室中に響かせました。
「よう、カニ。宿題やったか?」
「やっ、カニ。次の数学やだねー」
「ねーカニ、あたし次当てられるからここ教えてー」
響かせた成果は上々なようで、俺のあだ名がカニになりました。
「恨むぜ、かなみ……」
隣の席のかなみにぼそぼそと囁く。
「あ、あたしは悪くないわよ? アンタが泡出すのが悪いのよ」
「誰だって首絞められたら泡出すだろっ」
「首絞められた経験ないから分かんないわよっ」
「俺はお前にしょっちゅう締められてんだよっ! とても苦しい上カニなんてあだ名がつくのでやめてくださいっ!」
ヒートアップのあまり、イスから立ち上がる。
「アンタが余計なことしなけりゃ、あたしもやんないわよっ!」
かなみも熱が篭もったのか、俺と同じようにイスから立ち上がる。
「そこの二人、授業中」
「知ってるわよっ!」
「右に同じだっ!」
歯を輝かせて教師にサムズアップする。
「お前ら、後で職員室来い」
二人揃って怒られた。
「指の角度が悪かったのか……?」
「脳のデキが悪いのよ」
「ああ、かなみの」
「なんであたしなのよっ! アンタのが悪いに決まってんでしょうがっ!」
「俺の指の角度が?」
「脳だって言ってるでしょうがっ! アンタの脳みそ、カニ味噌なんじゃないの!?」
「調べた事ないから確証はないが、違うと思う」
「なんで真面目に答えてんのよっ! ……あーもーアンタと話してると疲れる」
「んじゃ、話しかけるのやめようか?」
「……やーらしい笑み。そーゆートコ嫌い」
「こりゃ失礼。じゃ、今日の色々なことについてのお詫びに、パフェでも奢るわ」
「そーゆートコは好き」
「なんとも打算的ですなぁ」
「……まぁ、パフェ自体が目的じゃないんだけど」(ぼそり)
「では、一体何が目的なのですか?」
「なんでアンタはそんなに耳がいいのよっ!」
真っ赤な顔で首を絞められ、またカニになった。
「弁当に加え揚げ芋まで食うとは、冬に備え虎視眈々と肉を溜め込んでますね」
「いきなりヤなこと言うわね……」
とても迷惑そうな顔で、かなみは俺を見た。
「そこで、少しでもその肉を軽減せしめんと立ち上がる俺であった。てなわけで一枚おくれ」
「なに、欲しいの? そうね……」
かなみは思案顔でしばらく黙った後、何か思い立ったように顔を輝かせた。
「じゃ、三回まわってワンって言って?」
素直にまわってワンと鳴く。
「鳴いた。くれ」
「……何の照れもなくされると、つまんないわね」
「ぐうう、よもやかなみにワンと鳴かされるとは。悔しさのあまり血尿が出そうだ」
「明らかに棒読みよっ! それに、悔しくても血尿は出ないっ!」
「間違えた、胆石が出来そうだった」
「アンタは中年のおっさんか!」
「高校生です」
「知ってるわよっ! ……はぁ」
心底疲れたような息を吐かれた。
「もーいい。あげるから話しかけてこないで。アンタと話してると、頭痛くなってくる」
くれるというので、ポテチの袋を頂く。
「こら、なにも全部あげるなんて言ってないでしょ!」
「…………」
「ちょっと、なに無視してんのよ。寄越しなさいって言ってるの!」
「…………」
「ね、ねぇ。……あれ、ひょっとして、怒ってる?」
「…………」
「あ、アンタが悪いのよ? 年頃の女の子捕まえて肉を溜め込んでるとか言うから……」
「…………」
「そ、そりゃあたしもちょっと悪かったけどさ。アンタと話してると頭痛くなるとか言っちゃったし。でも、でもさ、それもアンタが……」
「…………」
「……た、タカシ? あの、あたし……」
困ったような、悲しそうな顔をして、かなみはスカートの裾をぎゅっと掴んだ。
「タイム。大丈夫か?」
「え、あ、……え? タイム?」
「かなみと喋ってはいけないゲームの中断を知らせる言葉です」
「……はぁぁ? なに、アンタあたしが言ったこと律儀に守ってたの?」
「守ってたの。守ってロリポップ」
「……この人騒がせな! ややこしいのよ! なによ、怒ってたんだと思ったじゃないの!」
かなみは目の端を拭いながら俺にまくし立てた。
「……あの、ひょっとして泣いてる?」
「なっ、泣いてない、泣いてないわよ! なんだってあたしがアンタに無視されただけで泣かなきゃいけないのよ!」
「だよな。強い子良い子のかなみが、そんなので泣くわきゃないわな」
「……なによ、あたしだって泣く時くらいあるわよ」(ぼそり)
「具体例を出すと俺に無視された時と答えそうになった俺だったが、折角小声で言っていたのでここは聞こえないフリをするのが無難であろうと判断した」
「メチャメチャ言ってるじゃないのっ! この馬鹿この馬鹿この馬鹿!」
かなみは真っ赤な顔で俺の首をぎうぎう絞めるので苦しい。
「ぐげげ、泡が出る出るぶくぶくぶく」
「このカニ! カニがっ!」
「はふー、食堂めっちゃ混んでたー……うわわっ、かなみちゃんが別府くんをカニに!?」
食堂から戻ってきた女生徒が、トンチキな叫びを教室中に響かせました。
「よう、カニ。宿題やったか?」
「やっ、カニ。次の数学やだねー」
「ねーカニ、あたし次当てられるからここ教えてー」
響かせた成果は上々なようで、俺のあだ名がカニになりました。
「恨むぜ、かなみ……」
隣の席のかなみにぼそぼそと囁く。
「あ、あたしは悪くないわよ? アンタが泡出すのが悪いのよ」
「誰だって首絞められたら泡出すだろっ」
「首絞められた経験ないから分かんないわよっ」
「俺はお前にしょっちゅう締められてんだよっ! とても苦しい上カニなんてあだ名がつくのでやめてくださいっ!」
ヒートアップのあまり、イスから立ち上がる。
「アンタが余計なことしなけりゃ、あたしもやんないわよっ!」
かなみも熱が篭もったのか、俺と同じようにイスから立ち上がる。
「そこの二人、授業中」
「知ってるわよっ!」
「右に同じだっ!」
歯を輝かせて教師にサムズアップする。
「お前ら、後で職員室来い」
二人揃って怒られた。
「指の角度が悪かったのか……?」
「脳のデキが悪いのよ」
「ああ、かなみの」
「なんであたしなのよっ! アンタのが悪いに決まってんでしょうがっ!」
「俺の指の角度が?」
「脳だって言ってるでしょうがっ! アンタの脳みそ、カニ味噌なんじゃないの!?」
「調べた事ないから確証はないが、違うと思う」
「なんで真面目に答えてんのよっ! ……あーもーアンタと話してると疲れる」
「んじゃ、話しかけるのやめようか?」
「……やーらしい笑み。そーゆートコ嫌い」
「こりゃ失礼。じゃ、今日の色々なことについてのお詫びに、パフェでも奢るわ」
「そーゆートコは好き」
「なんとも打算的ですなぁ」
「……まぁ、パフェ自体が目的じゃないんだけど」(ぼそり)
「では、一体何が目的なのですか?」
「なんでアンタはそんなに耳がいいのよっ!」
真っ赤な顔で首を絞められ、またカニになった。
【ツンデレな妹VSデレデレな姉16】
2010年03月06日
「カナがちゅーして欲しいとせがんで困る」
「んなこと言ってないッ!」
休日だというのに、妹のカナが俺を殴る。
「いや、違うんだ。そんな展開になったらいいな、という常日頃考えている事が口をついて出ただけだ」
「んなこと常日頃考える兄って……ものすごい迷惑だから、金輪際考えないで」
「つまり、考えずに行動に起こせと? カナが自分からちゅーしてくれとせがむよう暗躍しろと? ……よし、カナの期待に応えるべく、早速プランを練られば!」
縄でぐるぐる巻きにされた上、物置に閉じ込められた。
奇跡的に縄から脱出し、物置から外に出ると、お姉ちゃんが半泣きで庭をうろうろしていた。
「お姉ちゃん、なにしてるの?」
「あっ、タカくん! もうっ、どこ行ってたの!」
なんて言いながらお姉ちゃんは俺の頭を抱きしめた。豊満な胸に顔が埋まって、気持ちいいやら呼吸できないやら気持ちいいなあ。
「まったく、一人でうろうろしてたら迷子になるでしょっ! どこか行きたい所があるなら、お姉ちゃんを呼びなさいっ!」
小学生でも庭で迷子になったという話は聞いたことない。あと、子供ではないのでどこでも姉随伴は割と勘弁してほしい所。
「……タカくん、いっぱい怒られて、悲しくなっちゃった? ごめんね、でも全部タカくんのためだから……タカくん?」
「…………」(呼吸不能)
「あっ、タカくん白目剥いてる! 気持ち悪いけど、ちょっと可愛い! タカくんキモ可愛い! 写真撮っとこっと♪」
お姉ちゃんがひどいこと言ってるような気がしたけど、気絶してるのでよく分かんないや。
「うーん……はっ! 目覚めた俺!」
「…………」(超凝視)
「うああっ!?」
目を開くと、お姉ちゃんの鼻と俺の鼻がくっつくぐらい間近だったのでびっくりした。改めて周囲を見ると、居間のようだ。庭からここまで運んでくれたらしい。
「はうー……タカくん、気絶してる顔もかーいーねぇ。お姉ちゃん、いっぱい写真撮っちゃった♪」
お姉ちゃんの撮る写真を以前見せてもらったことがあるが、ほとんど俺の写真なのはどういうことなのか。
「お姉ちゃん、膝枕しててくれたの? 足しびれなかった?」
「お姉ちゃんを気遣ってくれるなんて……なんて優しい弟なのっ!」
お姉ちゃんは俺の顔をつかみ、嫌というほどほおずりした。
「お姉ちゃんはね、タカくんのためなら不眠不休で膝枕してあげるよ? ううん、むしろしたいよ? していい?」
それはありがたいが、枕が痩せ衰えていく様は見たくないので丁重にお断りする。
「残念だよ……じゃ、タカくんライブラリー見る?」
タカくんライブラリーとは、お姉ちゃんの撮った写真であり、名は体を現している上、押入れを席巻するほどの量なので、是非見たくないので丁重にお断りする。
「こんな可愛いのに……」
しょぼーんな感じになった。
「ところでお姉ちゃん、カナはどこ?」
人をグルグル巻きにしたお礼を是非しないといけない。
「お部屋だよ。カナちゃんと遊ぶんだったら、お姉ちゃんも混ぜて欲しいなー」
「3Pか!」
「さんぴー……? 新しいゲーム? お姉ちゃん、ゲーム弱いから手加減してね?」
お姉ちゃんは積極的なくせに性の知識があまりないので、こんな感じになる。なに、信じられない? なら試してやる。そして俺は誰と会話してるんだ。
「お姉ちゃん、子供を作るにはどうしたらいいの?」
「えっ、ど、どうって……お、お姉ちゃんとエッチしたら……」
すごく恥ずかしそうに明後日の方向を向いてもごもご言ってる。性の知識はあることに驚いたが、それ以上に姉限定ということに驚いた。
「た、タカくん、……子供欲しくなっちゃった?」
お姉ちゃんは目を潤ませ、俺の顔を両手で挟んで覗き込んできた。なんだかとってもピンチな気分!
「ああっ、すごくお腹痛い! 便所へ超特急!」
「あっ、待ってタカく……ああっ、お姉ちゃん足びりびり! しびれあしら!」
足がびりびりで動けないお姉ちゃんをその場に置いて、カナの部屋に向かう。
「カナ! よくも兄を縄でぐるぐる巻きにしてくれたな! 万死に値するが、条件によっては許してやらなくもない……ぞ?」
「着替え中よ、馬鹿兄貴ッ!」
「下だけ下着ってのはオツだよね。で、なんでその歳でくまさんぱんつ?」
辞書が飛んできたので避難。しばらく待ってから部屋に入る。
「よう、くまさん」
「今すぐ死にたいようねッ」
真っ赤な顔のカナが俺の首を絞めにかかったので苦しい。死ぬのは嫌なので助けを請うたら助かった。
「カナ、そこに座りなさい」
まずは兄の威厳を見せるのが先決。そこから徐々にカナを追い詰め、最終的には謝らせてやる! ふ……なんと恐るべき計画よ!
「もう座ってるわよ」
「パンツが見えるように座りなさい」
殴られたので、話を進める。
「どうして兄を縄でぐるぐる巻きにしましたか。兄を縄でぐるぐる巻きにしてはいけないと、学校で習わなかったのですか?」
「んなの習うわけないでしょ」
それもそうだ。話の展開を誤った。
「とにかく、なんでもいいから謝ってください。でないと兄の矜持が保てないんですよ」
「あーもー分かったわよ。こんな兄でごめんなさい。これでいい?」
「ノー! それでは兄の存在がごめんなさいなのでノー! もっと縄について言及を!」
「兄貴、加速度的に頭悪くなってない?」
「英語使ってるのに?」
ため息を吐かれた。なんでだ。
「謝るとかどうでもいいからさ、早く出てってくんない?」
「地球から!?」
「部屋からよッ! なんで地球から追放しなきゃいけないのよっ! そもそも脱出用シャトルとか持ってるわけ!?」
軽いボケなのにすごいつっこまれた。
「ロケット花火くらいしか持ってません」
「じゃあもうそれで宇宙まで飛んで行きなさいよ……」
「ははっ、カナはちょっと頭が悲しい感じだから知らないかもしれないが、人はロケット花火で大気圏を突破できないぞ? そもそも、人がロケット花火程度の力で空に浮かぶこと自体が」
「知ってるわよッ! 馬鹿にしてたのよ! 誰が頭が悲しい感じかッ!」
つっこみのたび、頭をべしべし殴られる。痛い。
「だいたいさ、兄貴が悪いんだよ」
「脳が?」
「……あー」
あーとか言うな。
「じゃなくて、そ、その、……あたしが兄貴にちゅーしたいとか言い出すから」
「いや、しかしそんな妄想が兄の頭の中では常に渦巻いて」
「兄妹なのにそんなの、おかしいじゃん……」
カナはなんだか寂しそうな、つまらなさそうな感じで足先を床にこすりつけた。
「おかしいのが兄です」
「言い切んなっ! じゃなくて、じゃなくてさ、……そうじゃなくて」
なんだか、マジ話のようで。なら、俺も。
「……えーと、今から話すのは兄の妄言なので、聞き流すも可です」
「兄貴……?」
「何が一番大事か、よく考えて決めることです。そうすれば、後はただそれだけを大事にすれば簡単なのです」
「……よく、分かんないよ」
「えーと、俺を例にすると、カナとお姉ちゃん、この二人が俺の一番大事なもの。だから、その他の事柄……世間とか、常識とかは、割とどうでもいい人なんです」
「……ダメ人間だね、兄貴」
なんて言いながらも、カナはどこか嬉しそうだった。
「あと、最終的には血が繋がってねーじゃんうへへへハーレムエンドという夢のような展開が」
「兄貴ッ!」
「じょ、冗談、冗談です。カナエンドがよかったです」
カナが超怖い顔で詰め寄ってきたので、半泣きで謝る。
「そっ! ……そういうゲームばっかやってると、将来犯罪者になっちゃうわよ?」
カナは照れくさそうに頬をかきながら、そっぽを向いた。
「その時は、カナが養ってくれ」
「うわ、サイテー。夫が犯罪者なんて、あたし嫌よ」
「ん? 俺は兄妹のままで、と思ったんだけど……カナは結婚したかったのか?」
カナの頭から湯気が出た。
「ちっ、ちちち違うわよっ! なんだってあたしが馬鹿兄貴なんかとッ! そっ、そもそもあたし兄貴のこと、だいっ嫌いだし!」
「俺はカナのこと好きだよ?」
それが家族としてか、異性としてなのか自分でも判然としないのがどうかと思うが。
「そっ、そーいうことを、さらって言うのって、どうかと思うわよ? なんか、軽い感じ?」
カナが顔をより一層赤くしながらそう言う。
「ふむ……なら、常日頃言った方がいいか? 好きだよ、カ」
「わーわーわー! 聞こえない聞こえない聞こえなーい!」
カナは耳を塞いでわーわー言い出した。これ幸いとスカートめくったら蹴られた。
「しまった、塞いでいるのは耳であり、目はそのままだった! 不覚! あとくまさんこんにちは」
「くまさん言うな、この馬鹿兄貴ッ!」
「見られたくないなら、はかなくてはいいんじゃなくて?」
「だ、だって……くまさん、可愛いじゃん」
恥ずかしそうに頬を染めるカナを見て、可愛いのはおまいだ、と言いそうになるのを必死で止める。
「兄貴……そのポーズ外でしたら、兄妹の縁切るよ」
必死で止めてたらかっこいいポーズになった俺を見て、カナが冷たいことを言う。
「中ならいいと」
「ま、まぁ、どうしてもって言うなら」
「中でそのポーズ出して、って言って」
「……? 中でそのポーズ出して」
「略して」
「中で出……な、何を言わせてるか、このエロ兄貴ッ!」
「着床」
べこんぼこんにされた。
「あいたた……まぁなんだ、あんま色々深く考えるな。気楽にしろ。ケセラセラ、なんとかなるさ」
「兄貴、ほんとにそれを体言してるよね……」
「人を適当に生きてるみたいに言うな」
「あははっ、自覚ない人はっけーん」
カナに笑顔が戻った。よかった、なんとかなった。
「お姉ちゃん、ふっかーつ! タカくんタカくん、さっき言ってた“さんぴー”、しよ?」
とか思ってたら、お姉ちゃんが突然部屋に乱入してきて俺を窮地に追いやる。
「……兄貴?」
ほら見ろ、カナが超怖い。
「カナちゃんカナちゃん、タカくんと“さんぴー”しよ? きっと楽しいだろうねぇ♪」
「ほーう……3Pねぇ。さっきまであたしのこと好きとか言ってたの、勘違いかしらねぇ……?」
うおおお、カナが超絶怖え。
「かっ、カナ? 違うんだ、お姉ちゃんは3Pを違う遊びと勘違いしてるんだ。なっ、お姉ちゃん?」
「“さんぴー”はね、お姉ちゃんと、タカくんと、カナちゃんの三人で楽しむゲームだよ♪」
お姉ちゃん、その発言は間違っちゃあないけど間違ってる! それでは依然俺の死亡フラグが立ったまま!
「……覚悟はいいかしら、お兄様?」
「あっ、カナの手になんだか叩かれると痛そうな棒が! あはっ、あはははっ、そ、そんなので大切なお兄様を叩かないよな、カナ?」
「……ええ、叩きませんよ。……大事なお兄様ならね。馬鹿でエロい兄貴なら叩くけどッ!」
「あっ、カナちゃんが棒でタカくんを! 可哀想だけど、ぼろ泣きのタカくん可愛い! 写真写真、ぽちっとな♪」
棒を振り回す妹から必死で逃げる休日だった。
「んなこと言ってないッ!」
休日だというのに、妹のカナが俺を殴る。
「いや、違うんだ。そんな展開になったらいいな、という常日頃考えている事が口をついて出ただけだ」
「んなこと常日頃考える兄って……ものすごい迷惑だから、金輪際考えないで」
「つまり、考えずに行動に起こせと? カナが自分からちゅーしてくれとせがむよう暗躍しろと? ……よし、カナの期待に応えるべく、早速プランを練られば!」
縄でぐるぐる巻きにされた上、物置に閉じ込められた。
奇跡的に縄から脱出し、物置から外に出ると、お姉ちゃんが半泣きで庭をうろうろしていた。
「お姉ちゃん、なにしてるの?」
「あっ、タカくん! もうっ、どこ行ってたの!」
なんて言いながらお姉ちゃんは俺の頭を抱きしめた。豊満な胸に顔が埋まって、気持ちいいやら呼吸できないやら気持ちいいなあ。
「まったく、一人でうろうろしてたら迷子になるでしょっ! どこか行きたい所があるなら、お姉ちゃんを呼びなさいっ!」
小学生でも庭で迷子になったという話は聞いたことない。あと、子供ではないのでどこでも姉随伴は割と勘弁してほしい所。
「……タカくん、いっぱい怒られて、悲しくなっちゃった? ごめんね、でも全部タカくんのためだから……タカくん?」
「…………」(呼吸不能)
「あっ、タカくん白目剥いてる! 気持ち悪いけど、ちょっと可愛い! タカくんキモ可愛い! 写真撮っとこっと♪」
お姉ちゃんがひどいこと言ってるような気がしたけど、気絶してるのでよく分かんないや。
「うーん……はっ! 目覚めた俺!」
「…………」(超凝視)
「うああっ!?」
目を開くと、お姉ちゃんの鼻と俺の鼻がくっつくぐらい間近だったのでびっくりした。改めて周囲を見ると、居間のようだ。庭からここまで運んでくれたらしい。
「はうー……タカくん、気絶してる顔もかーいーねぇ。お姉ちゃん、いっぱい写真撮っちゃった♪」
お姉ちゃんの撮る写真を以前見せてもらったことがあるが、ほとんど俺の写真なのはどういうことなのか。
「お姉ちゃん、膝枕しててくれたの? 足しびれなかった?」
「お姉ちゃんを気遣ってくれるなんて……なんて優しい弟なのっ!」
お姉ちゃんは俺の顔をつかみ、嫌というほどほおずりした。
「お姉ちゃんはね、タカくんのためなら不眠不休で膝枕してあげるよ? ううん、むしろしたいよ? していい?」
それはありがたいが、枕が痩せ衰えていく様は見たくないので丁重にお断りする。
「残念だよ……じゃ、タカくんライブラリー見る?」
タカくんライブラリーとは、お姉ちゃんの撮った写真であり、名は体を現している上、押入れを席巻するほどの量なので、是非見たくないので丁重にお断りする。
「こんな可愛いのに……」
しょぼーんな感じになった。
「ところでお姉ちゃん、カナはどこ?」
人をグルグル巻きにしたお礼を是非しないといけない。
「お部屋だよ。カナちゃんと遊ぶんだったら、お姉ちゃんも混ぜて欲しいなー」
「3Pか!」
「さんぴー……? 新しいゲーム? お姉ちゃん、ゲーム弱いから手加減してね?」
お姉ちゃんは積極的なくせに性の知識があまりないので、こんな感じになる。なに、信じられない? なら試してやる。そして俺は誰と会話してるんだ。
「お姉ちゃん、子供を作るにはどうしたらいいの?」
「えっ、ど、どうって……お、お姉ちゃんとエッチしたら……」
すごく恥ずかしそうに明後日の方向を向いてもごもご言ってる。性の知識はあることに驚いたが、それ以上に姉限定ということに驚いた。
「た、タカくん、……子供欲しくなっちゃった?」
お姉ちゃんは目を潤ませ、俺の顔を両手で挟んで覗き込んできた。なんだかとってもピンチな気分!
「ああっ、すごくお腹痛い! 便所へ超特急!」
「あっ、待ってタカく……ああっ、お姉ちゃん足びりびり! しびれあしら!」
足がびりびりで動けないお姉ちゃんをその場に置いて、カナの部屋に向かう。
「カナ! よくも兄を縄でぐるぐる巻きにしてくれたな! 万死に値するが、条件によっては許してやらなくもない……ぞ?」
「着替え中よ、馬鹿兄貴ッ!」
「下だけ下着ってのはオツだよね。で、なんでその歳でくまさんぱんつ?」
辞書が飛んできたので避難。しばらく待ってから部屋に入る。
「よう、くまさん」
「今すぐ死にたいようねッ」
真っ赤な顔のカナが俺の首を絞めにかかったので苦しい。死ぬのは嫌なので助けを請うたら助かった。
「カナ、そこに座りなさい」
まずは兄の威厳を見せるのが先決。そこから徐々にカナを追い詰め、最終的には謝らせてやる! ふ……なんと恐るべき計画よ!
「もう座ってるわよ」
「パンツが見えるように座りなさい」
殴られたので、話を進める。
「どうして兄を縄でぐるぐる巻きにしましたか。兄を縄でぐるぐる巻きにしてはいけないと、学校で習わなかったのですか?」
「んなの習うわけないでしょ」
それもそうだ。話の展開を誤った。
「とにかく、なんでもいいから謝ってください。でないと兄の矜持が保てないんですよ」
「あーもー分かったわよ。こんな兄でごめんなさい。これでいい?」
「ノー! それでは兄の存在がごめんなさいなのでノー! もっと縄について言及を!」
「兄貴、加速度的に頭悪くなってない?」
「英語使ってるのに?」
ため息を吐かれた。なんでだ。
「謝るとかどうでもいいからさ、早く出てってくんない?」
「地球から!?」
「部屋からよッ! なんで地球から追放しなきゃいけないのよっ! そもそも脱出用シャトルとか持ってるわけ!?」
軽いボケなのにすごいつっこまれた。
「ロケット花火くらいしか持ってません」
「じゃあもうそれで宇宙まで飛んで行きなさいよ……」
「ははっ、カナはちょっと頭が悲しい感じだから知らないかもしれないが、人はロケット花火で大気圏を突破できないぞ? そもそも、人がロケット花火程度の力で空に浮かぶこと自体が」
「知ってるわよッ! 馬鹿にしてたのよ! 誰が頭が悲しい感じかッ!」
つっこみのたび、頭をべしべし殴られる。痛い。
「だいたいさ、兄貴が悪いんだよ」
「脳が?」
「……あー」
あーとか言うな。
「じゃなくて、そ、その、……あたしが兄貴にちゅーしたいとか言い出すから」
「いや、しかしそんな妄想が兄の頭の中では常に渦巻いて」
「兄妹なのにそんなの、おかしいじゃん……」
カナはなんだか寂しそうな、つまらなさそうな感じで足先を床にこすりつけた。
「おかしいのが兄です」
「言い切んなっ! じゃなくて、じゃなくてさ、……そうじゃなくて」
なんだか、マジ話のようで。なら、俺も。
「……えーと、今から話すのは兄の妄言なので、聞き流すも可です」
「兄貴……?」
「何が一番大事か、よく考えて決めることです。そうすれば、後はただそれだけを大事にすれば簡単なのです」
「……よく、分かんないよ」
「えーと、俺を例にすると、カナとお姉ちゃん、この二人が俺の一番大事なもの。だから、その他の事柄……世間とか、常識とかは、割とどうでもいい人なんです」
「……ダメ人間だね、兄貴」
なんて言いながらも、カナはどこか嬉しそうだった。
「あと、最終的には血が繋がってねーじゃんうへへへハーレムエンドという夢のような展開が」
「兄貴ッ!」
「じょ、冗談、冗談です。カナエンドがよかったです」
カナが超怖い顔で詰め寄ってきたので、半泣きで謝る。
「そっ! ……そういうゲームばっかやってると、将来犯罪者になっちゃうわよ?」
カナは照れくさそうに頬をかきながら、そっぽを向いた。
「その時は、カナが養ってくれ」
「うわ、サイテー。夫が犯罪者なんて、あたし嫌よ」
「ん? 俺は兄妹のままで、と思ったんだけど……カナは結婚したかったのか?」
カナの頭から湯気が出た。
「ちっ、ちちち違うわよっ! なんだってあたしが馬鹿兄貴なんかとッ! そっ、そもそもあたし兄貴のこと、だいっ嫌いだし!」
「俺はカナのこと好きだよ?」
それが家族としてか、異性としてなのか自分でも判然としないのがどうかと思うが。
「そっ、そーいうことを、さらって言うのって、どうかと思うわよ? なんか、軽い感じ?」
カナが顔をより一層赤くしながらそう言う。
「ふむ……なら、常日頃言った方がいいか? 好きだよ、カ」
「わーわーわー! 聞こえない聞こえない聞こえなーい!」
カナは耳を塞いでわーわー言い出した。これ幸いとスカートめくったら蹴られた。
「しまった、塞いでいるのは耳であり、目はそのままだった! 不覚! あとくまさんこんにちは」
「くまさん言うな、この馬鹿兄貴ッ!」
「見られたくないなら、はかなくてはいいんじゃなくて?」
「だ、だって……くまさん、可愛いじゃん」
恥ずかしそうに頬を染めるカナを見て、可愛いのはおまいだ、と言いそうになるのを必死で止める。
「兄貴……そのポーズ外でしたら、兄妹の縁切るよ」
必死で止めてたらかっこいいポーズになった俺を見て、カナが冷たいことを言う。
「中ならいいと」
「ま、まぁ、どうしてもって言うなら」
「中でそのポーズ出して、って言って」
「……? 中でそのポーズ出して」
「略して」
「中で出……な、何を言わせてるか、このエロ兄貴ッ!」
「着床」
べこんぼこんにされた。
「あいたた……まぁなんだ、あんま色々深く考えるな。気楽にしろ。ケセラセラ、なんとかなるさ」
「兄貴、ほんとにそれを体言してるよね……」
「人を適当に生きてるみたいに言うな」
「あははっ、自覚ない人はっけーん」
カナに笑顔が戻った。よかった、なんとかなった。
「お姉ちゃん、ふっかーつ! タカくんタカくん、さっき言ってた“さんぴー”、しよ?」
とか思ってたら、お姉ちゃんが突然部屋に乱入してきて俺を窮地に追いやる。
「……兄貴?」
ほら見ろ、カナが超怖い。
「カナちゃんカナちゃん、タカくんと“さんぴー”しよ? きっと楽しいだろうねぇ♪」
「ほーう……3Pねぇ。さっきまであたしのこと好きとか言ってたの、勘違いかしらねぇ……?」
うおおお、カナが超絶怖え。
「かっ、カナ? 違うんだ、お姉ちゃんは3Pを違う遊びと勘違いしてるんだ。なっ、お姉ちゃん?」
「“さんぴー”はね、お姉ちゃんと、タカくんと、カナちゃんの三人で楽しむゲームだよ♪」
お姉ちゃん、その発言は間違っちゃあないけど間違ってる! それでは依然俺の死亡フラグが立ったまま!
「……覚悟はいいかしら、お兄様?」
「あっ、カナの手になんだか叩かれると痛そうな棒が! あはっ、あはははっ、そ、そんなので大切なお兄様を叩かないよな、カナ?」
「……ええ、叩きませんよ。……大事なお兄様ならね。馬鹿でエロい兄貴なら叩くけどッ!」
「あっ、カナちゃんが棒でタカくんを! 可哀想だけど、ぼろ泣きのタカくん可愛い! 写真写真、ぽちっとな♪」
棒を振り回す妹から必死で逃げる休日だった。


