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2019年10月15日
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【衆人環視の教室の中、ツンデレが寝ぼけて頭をすりつけてきました】

2010年03月07日
 昼休みが終わった後の授業というのは、眠くて仕方がないものだ。それが英語の時間だと格別だ。
「……ぷー。……ぷー」
 だからと言って寝ていい訳もないのに、早々に睡魔に降参してる隣のちなみのいびきがうるさい。あと、寝息が変。
 まったく、人が必死に眠気をこらえてるというのに平和そうな顔して寝やがって……ほっぺつついてやれ。
「……うう、んー、……ぷー」
 ダメだ、覚醒にまでは至らない。しっかし、弛緩しきった顔して……うあ、涎垂れてるじゃねえか。女の子の自覚ゼロだな。
「Mr.別府。隣のgirlを起こしてくださるかしら?」
 先生の言葉に、慌てて前を向く。口調は丁寧だが、こめかみがひくついてる所を見るに、どうやら怒っているようで。
「ちなみ、起きろ。先生怒ってるぞ」
 ちなみの肩を揺すって起こそうとするが、なかなか手強い。更に強く揺すると、かすかにちなみのまぶたが開いた。
「お、ようやっと起きたか。先生怒って……」
 言葉が尻すぼむ。だって、ちなみの奴、何を考えてるのか知らないけど、俺を見上げたかと思ったら、ゆるゆるの顔のまま俺の胸に頭こすりつけるんですもの。
「あ、あの、あのの、ち、ちなみん? こ、こここ、この、これは、その?」
「……んう?」
 んうじゃねえ。人語を使え。
「……んー」
 いや、だから。んーじゃなくて。すりすりしないで。ここは学校ですよ……学校? そう、学校!
 今さら気づいたかのように、いや今気づいたんだけど、ぐるり見渡すと人いっぱい! 60個くらいの目が俺たちを!
 ちなみの寝言でゆるんだ心を締めなおし、激しくちなみの体を揺さぶる。
「ちちちなみ、起きろ! ここ学校! お前の部屋じゃない!」
「……むー」
「むーじゃなくて! いやすりすりでもなくて! ぎゅーでもなくて!」
「……む?」
 すりすり&ぎゅーをした後、ちなみの焦点がゆっくりと定まり、そして、俺と目が合った。
「はぁ……やっと起きたか」
「……おっす。オラちなみ」
「これはご丁寧に。別府タカシと申します」
「……これはこれは、初めまして」
「10年来の友人です」
「……知ってる」
「じゃあ、ここが教室ってことも?」
「? ……っ!!??」
 それは知らなかったようで、ゆっくり周囲を見渡した後、見てて可哀想になるくらいちなみは狼狽した。
「……ち、違う。これは違う。違うの。そう、違う。タカシは分かるよね?」
「寝ぼけて俺に抱きつき、ぐにゃんぐにゃんになってたとしか」
「~~~~~~~~っ!!」
 ちなみから湯気が出た。
「あー……お弁当食べた後だから分かるけど、お昼寝はほどほどにね、Miss.ちなみ」
 毒気を抜かれた先生が、それだけ言って黒板に向き直った。

「……うう、全部タカシのせいだ」
 家に帰るなり俺の部屋にやってきたちなみが、寝ぼけ事件の責任を俺になすりつける。
「いやいやいや、俺はおまいを起こしただけ。すりすりしてきたお前に全責任はある」
「……な、ない。こう、タカシが私のすりすりをかわしてたら、こんな事態にはならなかったはず。やっぱり全部タカシのせいだ」
 ちなみの すごい 責任転嫁
「いや……そもそも、すりすりしなけりゃ済む話じゃ」
「……だって、寝起きでタカシの顔見たら、ついしちゃうもん」
「あー……その、なんだ。恥ずかしい奴め」
 思わず赤面しちゃいます。
「うう……惚れられてると勘違いされてる。なんたる屈辱、恐るべき自惚れ」
 とか言いながらも、ちなみの顔も赤い。
「とにかく、今日みたいなことになったら困るから、以後すりすり禁止、禁止でーす」
 手でバツを作ると、ちなみがこの世の終わりみたいな顔になった。
「そんなショックなことか?」
「……ぜ、全然。……べ、別にそんなのしなくても平気だもん。……そもそも、タカシにすりすりなんてしたくないし」
 とか言いながらも、目に見えてどんどんへこんでいくちなみ。なんだか俺が悪いような気がしてきた。
「というのは冗談で、本当はすりすりしてもいいです。すりすり許可、許可でーす」
「……な、なんだ。残念なことこの上なし。……やれやれ、タカシはすりすりが好きで困る」
 とか言いながら、ニッコニコの笑顔で早速俺に抱きつき、すりすりを開始するちなみでした。

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