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2019年10月18日
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【猫とたわむれている所を見られたツンデレ】

2010年03月07日
「こんちゃ~。……あれ、タカシいないの? なんだぁ……あっ、猫!」
 部屋でまどろんでいると、梓ことボクっ娘がやってきて俺のペットである轟雷号を抱きかかえた。
「タカシいないね~。どこ行ったんだろうね~。ねね、キミ知ってる?」
「ふかっ」
 轟雷号は不遜な表情のまま一声鳴いた。
「知らないの~。んー、キミ変な鳴き声だねぇ~。えへー、可愛いねえ」
 梓は楽しそうに轟雷号の鼻先にすりすりした。轟雷号は物凄く迷惑そう。
「にゃんにゃ~は、にゃんにゃんにゃ~、だよ?」
 梓の奴は、いわゆる猫なで声で轟雷号に意味不明な言葉を発し続けていた。
「猫に猫なで声……うっひゃっひゃっひゃっひゃ!」
「うわぁっ!? なななになに!? タカシ!? どっ、どこにいるんだよぉ!?」
 しまった、あまりのくだらなさに笑ってしまった。
「これは超常現象で聞こえるのであり、超絶美形のタカシ君はここにいません」
「あー、だよねぇ。美形じゃなくて、へちゃむくれのタカシならいるけど」
「し、失敬な! そのどんぐりまなこでじっくり見やがれ、俺の美顔!」
 暗い場所から飛び出ると、大層驚いた顔の梓に出迎えられた。
「うわぁっ! ど、どっから出てくるんだよぉ!?」
「なまこ」
「違うだろっ! クローゼットじゃん! じゃんじゃんじゃん!」
 クローゼットの中で寝るのは至難の技です。暇つぶしにすることじゃないです。
「じゃんじゃんうるさい。ところで梓よ、ずいぶんとまぁ甘ったるい声で話してたなぁ」
「う……うるさいなぁ。タカシには関係ないだろ?」
「人の轟雷号を勝手にいじくって関係ないとな」
「ごうらいごう? ……まさか、このコの名前?」
「超かっこいい」
「全っっっ然だよ! こんな可愛いのに、そんな変な名前可哀想だよ! 哀れみを覚えるよ! 憐憫の情だよ!」
 当の轟雷号はどうでもいいのか、ベッドの上でやる気なさげにアクビしていた。やる気みなぎるアクビなんて見たことないが。
「まぁ、俺のセンスフルな言語感覚はどうでもいい」
「ちっともセンスフルじゃないよ、センス0だよ!」
「そんなのはいい。ところで梓、おまいは猫と相対した時はいつもあんな風に気持ち悪いのか?」
「気持ち悪くないよッ! 超可愛いよ、ちょー! にゃんにゃんにゃーだよッ!」
「自分で可愛い言うな」
「タカシはボクが可愛くないって言うのかよっ!」
「いや、俺は可愛いと思うぞ」
「なんで猫見てるんだよ、ねこっ!」
 轟雷号は頭を撫でられ、面倒くさそうに“ごあー”と鳴いた。
「特にこの口元のラインがたまらん」
「だから、それ猫のことだろ、ねこ! ボクを見ろ、ボクを!」
「可愛いなぁ、轟雷号。ほりほり」
 頭を大層撫でると、轟雷号は大層嫌そうにしっぽをはためかせた。
「ぐぅぅぅぅ……にゃ!」
「……はい?」
「にゃ、にゃーだよ! ほ、ほら、こっちの猫も可愛がってはいかがかな?」
 後ろにいたボクっ娘が、猫にジョブチェンジしたと言い張る。
「本物猫がいい」
「嘘猫もいいものだよ? ほ、ほら、なでなでされると、喜ぶよ?」
 なでろと言わんばかりに頭を差し出すボクっ娘。そっと轟雷号を乗せてやる。
「違うよ、なでるんだよ! ……って、重い重いよ! このコ何kgあるの!?」
「6kg。普通の体重だと思うが」
「いいからどけろっ! んで、なでろっ!」
「なでなで」
「なんで猫をなでるんだよぉ!? いたたたっ、このコ爪立ててるよ! タカシ嫌われてるよ!」
「それくらい知ってるさ。俺を見くびるなよ?」
「知ってるなら好かれる努力しろよ、ばかっ! いーからどけろっ!」
 そろそろ本気で怒られそうなので、轟雷号をベッドに移す。
「うー……頭痛い」
「まぁまぁ。痛いの痛いのとんでけー」
「あ……」
 梓の頭を軽くなでると、息が漏れたような声がした。梓の頬に朱が射す。
「その後再び痛み戻ってこーい」
「いたたたた! タカシ痛いよ、ボクの頭割ろうとしてるよ!?」
「割れた後の処理は任せろ!」
「いーから離せっ!」
 怒られたので離す。
「あいたた……まったく、タカシと関わるとろくな事が起きないよ」
「好んで俺と遊んでいるように見えましたが」
「き、気のせいだよ?」
 ものすごく目が泳いでますが。
「い、いーから遊ぼ?」
「まぁいっか。よし、ここは童心に返ってお医者さんごっこでも」
「しないっ!」
「いや、俺が先生役で、梓が胸に疾患のある患者役だから」
「余計にしないっ! なんでそんな配役ですると思うんだよっ!」
「まさぐるだけだぞ?」
「まさぐんなぁっ!」
 非常に残念である。

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