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2026年03月19日
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【みことに憧れる百合の後輩と共同戦線を張ったら】

2010年03月12日
 どうにかしてみことと仲良くしたいのだけど、うまくいかない。
「うう……お姉さま、ちっとも私に振り向いてくれません。こんなに好きなのに、どうしてなの?」
 そして、後輩であり、百合属性を保持している百合子も俺と同じ悩みを持っているようだ。一人より二人、共に頑張ってみよう。
「百合子、俺と共同戦線を張らないか?」
「あなたみたいな人と一緒になんていたくありませんっ! だいたい、あなたと私はライバルなんです! そんな人と馴れ合うつもりはないですっ!」 
「いや、俺も馴れ合うつもりは毛頭ない。そうじゃなくて、お互いに情報を交換するんだ。みことの好みとか知ったら、仲良くなりやすいんじゃないか?」
「いいです。結構です。私ひとりでやります」
「……そうか。そこまで言うなら、俺はもう何も言わん」
「それがいいです。じゃ、私はお姉さまを探しに……」
「が、断るとお前で色々想像……いや、妄想する」
「え?」
「ふむ……綺麗なピンク色か。素敵だね」
 百合子の胸元をねちっこく見ながらつぶやく。
「なななっ、何を想像してるですかっ!?」
 百合子は顔を真っ赤にしながら胸元を隠した。
「そりゃもちろん、ちく」
「分かりましたっ、分かりましたからやめてくださいっ!」
 誠実なる説得の甲斐あって、百合子と共同戦線を張ることと相成りました。
「じゃ、協議開始ー。まずおまえの知ってるみこと情報を」
 近所のマックに移動し、相談開始。
「えっとですねー、お姉さまは凛々しくて、でも時々可愛らしいんです。あとあと、すっごく美人で」
「や、そういうのじゃなくて、好きな食い物とか、趣味とか」
「そういうのは、クラスメイトであるせんぱいの方が詳しいんじゃないですか?」
「近づくと警戒されるので、全然分からない」
「せんぱい使えなさすぎです! あーあ、これじゃ共同作戦の意味ないですよぅ。……あーっ、私のジュース取った!」
 失礼な後輩からジュースを失敬する。
「先輩を敬わない後輩に対する罰だ」
「うう、年功序列なんて大嫌いです……」
「ずずず……あ、これって間接キスだな」
「うっきゃーーーーーーーっ! 嫌ですやめてください今すぐストローから口を離してくださいっ!」
「んな嫌がらなくても……」
「いいから早くって言ってるのになんで飲み続けてるですか!?」
「オレンヂジュースは嫌いじゃないからな。ずずずーっ」
「そういう状況じゃないことに早く気づいてくださいっ!」
「お前はリアクションが大きいから、一緒にいると楽しいな」
「私はせんぱいといると、すっごく疲れますぅぅぅ……」
「んなぐったりすんな。ほれ、これ飲め」
「あ、ありがとうございます」
 飲みかけのオレンヂジュースを渡すと、百合子は何も考えずにストローを口を含んだ。
「ずずずーっ」
「そして再び間接キスの図式、完成!」
「ぶぶぶーっ!」
 盛大にオレンヂ汁をぶっかけられた。
「げほっげほっ……な、なにをするですか! うっかりしてて気づきませんでしたよ! 気づいてたなら先に言ってください!」
「……その前に何か言うことは?」
「え? ……せんぱい、なんでそんなビショビショなんですか?」
「お前のせいだ、このたわけーーーーーっ!」
「ご、ごめんなさいぃぃぃぃっ!」
 そんなこんなで、騒いだだけで終わった。こんなのと共同戦線はったのは、早計だったかもしれない。
「……せんぱい、まだ怒ってるですか?」
 店から出た後も、百合子は俺の様子をうかがっていた。
「あーもー怒ってないから早く帰りなさい。あんまり遅くなると御母堂様が心配するぞ」
「うう、ごめんなさいです。……ところで、なんでそんなお母さんの所だけかしこまった言い方なんですか?」
「その方がかっこいいからだ」
「ほえー……せんぱいって、やっぱり変な人なんですね」
「なんだとコンチクショウ!」
「あははっ。それじゃせんぱい、また明日ですー。明日こそ、ちゃんとお姉さまの情報探ってきてくださいよー」
 手を振って、百合子は帰っていった。
 ……んー、早計だったかもしれないけど、面白いし、いっか。

拍手[7回]

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【女性を見て鼻の下を伸ばしているのをツンデレに見つかってしまいます】

2010年03月12日
 かなみが買い物に行くので荷物持ちについて来いと命令してきた。面倒くさいと断ったら殴られたので、従順についていく。
「まったく、最初っから素直についてきなさいよね。手間かけさせないでよ」
「はい、すいません」
 なんで俺が怒られてるんだろうなーと疑問に思いながら街を歩いてると、可愛い子を見かけた。
 (俺の脳に搭載されたロリカウンターが凄まじい数値を叩き出してる! まさか……震えてるのか、この俺が!)
「そ、そうだ。言っとくけどね、これ、デートなんかじゃないわよ。アンタのことだから勘違いするかもしれないけど、絶対にないから」
 (しかし、なんというロリ度だろう。ぱっと見小学生のように見えるが、制服に身を包んでいるに、中学生、下手すれば高校生だろう。……ううむ、どうにかしてお近づきになれないかなあ)
「……ちょっと、聞いてる? さっきから何を見て……」
 (いやはや、可愛いなあちっちゃい子は可愛いなあ。お持ち帰りしたいなあ、はうはう。でも、捕まるしなあ。法律め、いつか俺が変えてみせる! 目指せU-12!)
「いでででで!」
 熱き誓いを心に秘めていると、かなみに耳を引っ張られた。
「いきなり何すんだよ! 耳ちぎれるかと思ったぞ! いや、実際にはちぎれてないけどそう思うほど痛かったと述べているわけでして」
「うるさいっ! あたしの話聞いてないのが悪いのよっ!」
「き、聞いてたぞ? 株式市場の話だよな。ええと、……どの株が好き? 俺はおおきなカブが」
 必死こいて言い訳したのに、頬をぎうーっと引っ張られた。
「いいから早く来なさいっ!」
「あ、いや、ちょっと待って。個人的用事が急遽できたので、ちょっとお暇させて頂きたく」
 うまいこと言ってかなみから離れ、どうにかしてロリ子とお近づきに! そしてあわよくばお持ち帰りはうはう!
「いいから来るッ!」
「ふふ、掴む場所間違えてますよ、かなみさん。このままでは死ぬ可能性が」
 かなみに首を掴まれ、呼吸が停止したまま運ばれました。

「…………」
 どうにかして自己再生した後、買い物を終え、喫茶店で休憩と相成った訳なのですが、どういうわけかずっとかなみたんの機嫌が悪いので大変しんどい。
「あ、あの、かなみたん? いったい何を怒ってるのかにゃー?」
「……別に、怒ってないわよ」
 怒気を撒き散らしながらジュースを音をたてて飲むかなみ。誰が見ても怒りゲージがMAXかと思います。
「……あーあ、つまんないわねー。タカシ、なんか面白い芸しなさいよ」
「いきなり言われてもなあ……んー、なんか道具でもあれば」
 ジャグリングでもしてやろうかと店を見回す。んー、なんか道具なんか……なんかっ!?
「……? どしたの、いきなり目ひんむいて」
 ウェイトレスの娘さんが俺の浪漫回路をぎゅるぎゅる回しまくり! 簡単に言うとロリくて可愛い! よし、声をかけてお近づきに! そしてそして、お持ち帰りはうはう!
「何見て……また、あたし以外の子見てる……」
 よし、小粋なジョークで和ませ、な、名前を聞き出すのだ! 超緊張! ……と、その前にかなみを帰すなり何なりして……え?
「か、かなみぃぃぃぃぃ!? どした!? 大丈夫か!?」
「え? どしたって……別になんともないわよ。アンタの方が大丈夫じゃないっぽいわよ」
「いやいやいや、俺のことなんてどうでもいい! 気づいてないのか? お前、泣いてるぞ!」
「え? ……やだ、なんで」
 自分の目をこすり、困ったように呟くかなみをぎゅっと抱きしめる。
「ちょ、ちょっと、いきなり何すんのよ! 人前、人前よ!」
「ごめんな。寂しい思いさせたな。ダメな彼氏だったな」
 抱きしめたまま、何度も何度もかなみの頭をなでる。なでにくいので、かなみの席に移動。
「……あ、アンタなんか彼氏なんかじゃないわよ。ただ、アンタがあたしのこと好きなだけよ」
「なんでもいい。ごめんな、ごめんな」
「……うー」
 困ったようにうーと鳴くかなみの声を耳元で聞きながら、優しく頭をなでる。

「疲れました」
「疲れてない。もっと」
 一通り撫でた後、今さらここが喫茶店であることに気づき、人が真っ赤になってるってのに、かなみの奴はスイッチが入っちゃったのか、俺の胸にすりすりしながらもっととせがむ。
「……む、なんかエロいぞ。よしかなみ、俺の家でえ、え、エロいことでも」
「うるさい。もっとなでろ」
 却下されたので、お望み通りかなみの頭をなでる。
「はふ~♪」
 などとやってると、ウェイトレスさんがやってきた。
「大変ですねえ」
「彼氏の仕事です」
 かなみをなでながら談笑してると、かなみが突如顔を上げ、ついでにツインテールも上げてウェイトレスさんを威嚇した。
「ぐるるるる……」
「あはっ、威嚇されちゃったんで行きますね。でも、そういうことは家でした方がいいと思いますよ」
「威嚇を!? 威嚇しあうカップル……いかん、仲がいいのか悪いのかまるで見当がつかない」
「あははははっ、そうじゃなくて、イチャイチャすることですよ」
 分かっていたが、はっきり指摘されるとなんというか、照れる。
「いや全くその通りで。つーわけでかなみ、ボチボチ帰ろっか」
「むー」
 精神年齢が一回りほど幼くなった感じのかなみを連れ、かなみ宅へGO。
「あああああ……あたしったら、あんな恥ずかしいこと人前で……」
 そして、スイッチがOFFになったかなみが今頃恥ずかしさに顔を赤くしております。
「かなみは新スキル、露出を覚えた!」
「覚えてないっ! 露出なんてしてないっ! 人前でイチャイチャしちゃったこと後悔してんの! ……そうよ、何もかもアンタが他の女の子見てデレデレするのが悪いのよ! この浮気者!」
「む、ごめん。謝る。次からは男の子見てデレデレする。頑張ってショタに目覚める」
「そういうこと言ってるんじゃないわよっ! ていうかそうなったら縁切る」
「あ、あはは、冗談に決まってるダロ」
 本気の目なので、冗談ということにする。
「まったく、アンタって人は……で、しないの?」
「何を?」
「……き、喫茶店で言ってたじゃない。イチャイチャするのは家で、って」
 それを言ったのはウェイトレスさんのような気もするが、どっちでもいいか。
「や、したいはしたいが、もう結構遅いし、そろそろ帰った方がいいような」
 時計を見ると、6時半を指していた。そろそろお腹がぐーぐーの時間だ。
「ま、まだいいじゃない。なんならウチでご飯食べていったらいいし、お風呂入ってってもいいし、……と、泊まるのはダメだけど」
 かなみの拒絶に、はっきり落胆する。
「ち、違うの! 今日はお父さんもお母さんもいるし! ……い、いや、深い意味はないけどさ」
「深い意味はともかく、そういうことなら了解した。じゃ、イチャイチャするか?」
「あ、あたしは懐が広いからね。タカシがどうしてもって言うなら、別にいいわよ?」
「いや、そこまでは」
「……そ、そう」(涙目)
「──というのはもちろん冗談で、今こそバカップル力を見せつける時! 必殺のなでなでを喰らえっ!」
 大変イチャった。大満足。

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【アンパンを投げてくるツンデレ】

2010年03月12日
 まつりがアンパンを食べたことがないと言うので、ふぅんと答えたら、買って来いと言うので、断ったら、癇癪を起こしてうるさかったので、買ってきた。
「ふむ、これがあんぱんか。さがってよいぞえ」
「感謝の言葉がまったくないことに言及するのはまた後に回すとして、金よこせ。100円」
「恐喝は犯罪じゃぞ?」
「普通に金を徴収してるだけだ!」
 ぶちぶち文句を言われたが、どうにか100円玉を手に入れた。
「さて、味はどんなものかのう」
 ビニールを破り、まつりは大きく口を開けてアンパンにかぶりついた。そして次の瞬間、噛み砕いたパンの欠片を勢いよく俺にぶちまけた。
「ああっ、まつりの唾液が付着した小麦粉の粒が俺に! 嬉しいような嬉しくないようなこの微妙な気持ち、分かります?」
「なんじゃ、この味は! わらわにこのようなものを食べさせ、腹を壊させようとは……なんと奸計に長けた奴よ」
 買って来いと言われたので、買ってきただけです。
「しかし、貴様の企みもここまでじゃ。ほれ、残りは貴様が食え」
 ぽいとアンパンを投げたので、死後かなりの確率でもったいないお化けになる俺としては受け取らざるを得なかった。
「おいおい、食べ物を粗末に扱うな。食べ物を粗末に扱うと、巡り巡って自分が粗末に扱われるぞ」
「ふん。わらわが粗末に扱われるなぞ、ありえんわい。いいから他の菓子を用意せよ」
 ええい、無駄に偉そうな奴め。よし、こうなったら俺がまつりを粗末に扱ってやる。粗末に扱われ、身も心もぼろぼろになり、そして最後には誰にも知られず、こっそり息絶え……そんな、そんな!
「にゃーっ!?」
「あんまりだ! いくら傲慢な奴とはいえ、そんなのってない!」
 自分の想像したまつりの最後に思わず感極まり、まつりを抱きしめ号泣する。
「きっ、ききき、貴様貴様きさまーっ! 高貴なるわらわに、だだ、抱きつくなど、無礼にもほどが」
「ううう……俺は最後までまつりのこと、見捨てないからな?」
「にゃ……だ、抱きつくなと、言ってるじゃろうが……」
 抱きしめながら頭をなでると、まつりの抵抗が小さくなった。
「しかしよく考えると想像の中で非業の最期を遂げただけで、現実のまつりは相も変わらず無駄に傲慢なまま顔を赤らめているなあ」
「む、無駄とはなんじゃ、無駄とは! だいたい、なぜ貴様なんぞに抱きつかれただけで顔を赤らめねばならん! 貴様の目が腐っておるのでそう見えるだけで、わらわの顔は赤くなってない!」
 りんごのようにほっぺを赤くしながら言われても、無理があるような。
「ええい、なんでもいいから離せ!」
「なでなで」
「にゃ……な、なでるでない。わらわは子供ではないので、そんなことされても、嬉しくなぞ……」
「なでなでなで」
「……そ、そのじゃな、その……にゃう」
 まつりは困ったような一声鳴いた。
「ははーん……さてはお前、猫だな?」
「誰が猫かーっ!」
 すごく怒られたので、慌ててなでる。
「なでなでなで」
「にゃう……ぬぬ、な、なでるな! 変な声が出るじゃろうが!」
「……ああ、猫でなくて、化け猫か! 偉そうなのもこれで納得!」
「化け猫じゃないわいっ!」
「馬鹿な! それじゃ、将来は化け猫を娶って幸せに暮らす俺の将来設計はどうなる!」
「貴様の将来設計なぞ知らんし、第一化け猫なぞ存在せん! このど阿呆が!」
「化け猫いないの!? じゃ、じゃあ俺は誰と結婚すればいいんだ!?」
「知るか阿呆!」
「……むぅ、仕方ない。なでるとにゃあと鳴く娘と結婚しよう」
「ふん、勝手に……いや待て。もしかすると、わらわのことかえ?」
「そうかえ」
「なっ、なんで貴様なんぞと結婚せねばならんのじゃ! わらわは嫌じゃぞ!」
 まつりは顔を真っ赤にしながら、俺との婚姻を拒んだ。よし、ここはいかに俺がすぐれた男であるかアッピールしてみよう!
「かつおぶし毎日あげるぞ? 猫まっしぐら!」
「だから、わらわは猫じゃないっ!」
「ははっ、またまた。ご冗談を」
「誰かこのど阿呆をどうにかせよっ! ああっ、だからなでるにゃーっ!」
 怒鳴る猫をなでる一日でした。

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【皆に頼りにされるツンデレ】

2010年03月11日
 文化祭が近づくにつれ、我がクラスで行われるお化け屋敷の準備も徐々に賑わいを見せるようになってきた。
「かなみちゃーん、板足りないんだけど、どうしたらいいー?」
「あー、それは実行委員に言ったら貰えるから、行って貰って来てー」
「りょーかい!」
 敬礼して板を取りに行く女生徒。ふむ、感心なことだ。
「椎水ー、この布どこに取り付けりゃいーんだ?」
「あー、それは板の上に取り付けるから、板来るまで待っててー」
「分かったー」
 そう言って、他の生徒の元へゆく男子生徒。ふむふむ、みんな頑張ってるな。
「かなみかなみ、おっぱい揉みたいんだけど、この劣情をどこに持っていけばいいんでしょうか」
「今ここに持ってきてるでしょうが!」
 他の生徒に混じり、頼ってるフリをしつつ後ろからかなみの乳を揉んだらたくさん蹴られた。
「なっ、何故バレた!? 俺の作戦は完璧だったはず……」
「うるさい変態ッ! いーからアンタも手伝いなさい! どーせ暇でしょうが!」
「手伝いたいのは山々なんだが、家に帰って家事をしないと。先日、相次いで両親を亡くして家事に忙しいんだ」
「幼なじみ相手にそんな嘘が通用するわけないでしょうが! 第一、今日の朝アンタの親に会った! 朝ご飯一緒に食べたでしょうが!」
「間違った。犬のポチが亡くなったんだ」
「アンタんち、飼ってるの猫でしょうが! いいから早く仕事手伝えっ!」
「はい」
 これ以上からかうと殴られそうなので、手伝うことにしよう。さて、誰を手伝うかな……?
「別府くん、私たちを手伝ってー」
「任せろ! 得意中の得意だ」
 後ろにいる女の子から声がかかったのでそっちに向くと、お化けの服の採寸をしている最中だった。
「別府くん、女の子の服の採寸するのが得意中の得意なの……?」
 いかん、このままでは変態野郎の異名が欲しいままになってしまう!
「そうなんだ」
 だがしかし、『肯定した方が面白くなる』と思ったので肯定する。
「別府くんらしいね」
 褒め言葉と見せかけ、貶されてると見た。
「とにかく手伝おう。で、俺はどうすりゃいいの?」
「ココとココ押さえてて。仮縫いだから、すぐほつれちゃうの」
 指された場所はおっぱいです。
「…………。任せろ!」
 色々思ったが、とりあえず優しくおっぱいをぐにゃりと揉む。
「……うう、タカシは女性のおっぱいを何の疑いもなく揉む」
 よくよく見ると、採寸されてる生徒はちなみでした。
「い、いや俺は言われた場所を押さえただけで! 決して乳を揉めて超ラッキーとか思ってない!」
「べ、別府くん、違う違うよ。押さえるのは肩! 胸じゃない!」
 しまった、よく見てなかったので間違った。
「よく考えるとそうだよね。おかしいと思ったんだ」
「……うう、どうでもいいけど、そろそろ揉むのやめて欲しい。……妊娠しそう」
 そして俺の手は、なんでいつまでもちなみのおっぱいを揉んでますか。
「や、これは違くて! 手が、手の野郎が勝手に!」
「タカシー、真面目にやって……」
 最悪のタイミングでかなみが顔を覗かせました。
「や、そ、その、これは、ええと、偶然がいくつも重なり合いまして」
「……どんな偶然が重なると、ちなみの胸をわしづかみするのかしらねぇ?」
「……わしづかみだけでなく、揉まれた」
 ちなみが余計なこと言ったせいで、かなみのこめかみが更にひくついた。恐怖のあまり、手が震える。
「あっ……た、タカシはこんな状況だというのに、まだ私のおっぱいを揉む。……恐るべし、タカシの性欲」
「タカシぃッ!!!」

「ふー、板貰ってきた……わわわ、すっごくリアルなお面だね! ……リアルすぎて、ちょっと怖いよ」
「自前です」
 かなみにべこんぼこんにされた結果、顔がすごいことになっているようで、板を貰ってきた女生徒に怯えられた。

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【ばくだんいわちなみん】

2010年03月11日
 いつものように登校すると、俺の机の上にでかい岩があった。回れ右して、廊下へ。
「……逃しません」
 机の上にあった物体が、ごろごろ転がってこっちに向かってきた。見ないようにしながら元来た道を走り、下駄箱へ。
「……帰ってはダメです。とうっ」
「げふぁ!?」
 靴を履き替えていると、後ろから全力タックルを腰に喰らう。
「痛い痛い痛い!? この若さで腰痛持ちになろうとは!」
 あまりの痛さに、登校してきた生徒がたくさんいるのも解さず下駄箱で転がりまわる。
「……ちょっと楽しそう。……私も。……ごろごろ」
 その隣で俺と一緒に転がる岩がひとつ。
「うわ、別府の奴また華丹路をコスプレさせてやがる」
「しかも一緒に転げさせるなんて……別府くん、鬼畜」
 俺への罵詈雑言を並べる通行人たち。俺が被害者だと言うのに、誰一人俺の味方をしてくれない。
「……普段の行いが出るというものです」
 したり顔の岩にでこぴんする。
「あぅっ」
「こんなところで転がってるとみんなの邪魔だから、こっち来なさい」
「……おでこをひりひりさせ、あまつさえ転がされるとは……タカシは鬼です」
 なんか言ってる岩をごろごろ転がして、誰もいない空き教室へ。
「で、この扮装はなんですか、華丹路ちなみ」
「……ばくだんいわ。……攻撃すると、爆発します。どかーん」
「そういうことを聞いているのではない。学校で、俺の机の上にいて、あまつさえ俺に攻撃を加えた理由を聞いているのだ」
「……ひょっとして、怒ってます?」
「怒りのあまりスーパー別府になりそうだ」
「……タカシが怒ると、実家がスーパーになると。……変な家」
 そういう意味ではない。
「とにかく、脱げ」
 ちなみの顔が赤くなった。
「……タカシは私の裸を見たくて見たくて仕方がないと言う。……やれやれ、タカシはエッチでエッチで困る」
「おまえの貧相な裸を見たいなんて一言もいってない」
「……貧乳フェチが、何を」
 思わぬ反撃にうろたえる。
「ええと! とにかく、学生は学生らしく制服着ような。学生が岩なんて聞いたことないし」
「……じゃ、爆発して岩を分離します。……死ぬ可能性が極めて高いので、頑張って生き残ってください」
「え」
「……5、4、3、2」
 なんかカウントダウンが始まった。隠れるところ、隠れるところ!
「……1」
 右往左往している間にカウントが1に! 間に合わない! このままでは死ぬ!
「……どかーん」
 ものすごくやる気のない声とは裏腹な爆発が俺のすぐ目の前で起きて意識途絶というか気絶。

「……ふぅ、分離成功。……おや、人が一生懸命分離したというのに、タカシときたら気持ち良さそうに寝てます」
「…………」(気絶中)
「……音と光だけの、殺傷力ゼロの爆発だったんですけど……そんなので気絶するとは、さすがはタカシ。超ヘタレです」
「…………」(やっぱり気絶中)
「……つん、つんつん」
「…………」(頬をつつかれても気絶中)
「……完全に気絶してます、ね。……空き教室なうえ、もう授業が始まってるので、周囲に人はいません」
「……ん、んう……」
 うっすら目を開けると、ちなみが俺を膝枕して、ものすごく周りを見ていた。なに? 殺されるの?
「……ちゅ、ちゅーのチャンス、かも」
 ある意味、殺されるよりもすごいことをされそうだ。しかし、それは望むところなのでよし! 気絶続行!
「……き、気絶してます。だいじょぶ。気づいてないから、だいじょぶ。……じゃ、じゃあ」
 ちなみの顔が近づいてくる雰囲気を感じる。口をタコのように尖らせたいが、我慢我慢我慢。気絶。
 そして、いよいよちなみの唇が俺の……
「……ちゅ」
「ほっぺかよ!」
「ふひゃっ!?」
 てっきり口に来るものだと思い込んでいたので、ほっぺに感じた柔らかい感触を堪能する前に起き上がりつっこんだら、えらく可愛らしい悲鳴をあげられた。
「お、起きてたの……?」
 ちなみの顔が見てて不憫になるくらい真っ赤になった。
「あ、しまった。……ええと、今現在起きているように見えますが、これは夢遊病みたいなもので、実際には気絶しているので引き続きちゅーをお願いします」
 そう言って再びちなみの太ももに頭を預ける。
「……ちゅーはしません。しようともしてません。タカシがさっき聞いたのは、幻聴の可能性が極めて高いです。脳の病院へ行くべきです」
 そう言いながら、ちなみは俺の頬をぎうぎう引っ張った。
「いていて、引っ張るない」
「……気絶してる人が喋るのはおかしいです。やっぱり脳の病院へ行くべきです。病院が嫌なら、今ここで私が診ましょうか?」
「ちゅーがお医者さんごっこに! 割と悪くない変更だ! よし、頼む!」
「……じゃ、ドリルをノコギリを探さないといけませんね」
「頭を開ける気ですね。死ぬゼ?」
「……死にたくないなら、タカシが気絶してる間に私が言ったこと全部忘れるコト」
「分かった。全部忘れた。『ちゅーのチャンス、かも』とか言ってない」
「……すっごく、覚えてます。忘れる気、ぜろです」
 再び頬をぎうぎう引っ張られる。
「いてて。分かった、忘れる。忘れるから、もうしばらく膝枕してて」
「……しょ、しょうがないです。取引なので、我慢します。……まったく、タカシは甘えん坊で困ります」
 なんて、優しく笑いながら俺の頭をなでるので、今が授業中なんてことも気にならなくなってきた。

 気にならなくても、実際に授業は行われていたわけで。
「……全部タカシのせいです」
「いや、そもそもお前がばくだんいわにならなけりゃ済む話では」
 鞄があるのに俺が教室にいないことを不審に思った教師と、物見高い生徒多数が連れ立って俺を探し回った結果、ちなみに膝枕されてる姿を目撃されまして。
 すごく説教された後、教室に戻ったら戻ったでみんなに生暖かい目で見られまくるし。ああもう。
「……まったく、タカシに関わるといつもいつも酷い目に遭います。タカシはきっと呪われてます」
「着ぐるみの呪いにかかってる奴に言われたくない」
「……呪われてません。タカシは失礼です。失礼な人はほっぺを引っ張られます」
 ぎうぎうほっぺを引っ張られた。そしてそれすらも燃料になるようで、生暖かい視線がさらに増してああもう勘弁。

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