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2024年03月29日
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【女性を見て鼻の下を伸ばしているのをツンデレに見つかってしまいます】

2010年03月12日
 かなみが買い物に行くので荷物持ちについて来いと命令してきた。面倒くさいと断ったら殴られたので、従順についていく。
「まったく、最初っから素直についてきなさいよね。手間かけさせないでよ」
「はい、すいません」
 なんで俺が怒られてるんだろうなーと疑問に思いながら街を歩いてると、可愛い子を見かけた。
 (俺の脳に搭載されたロリカウンターが凄まじい数値を叩き出してる! まさか……震えてるのか、この俺が!)
「そ、そうだ。言っとくけどね、これ、デートなんかじゃないわよ。アンタのことだから勘違いするかもしれないけど、絶対にないから」
 (しかし、なんというロリ度だろう。ぱっと見小学生のように見えるが、制服に身を包んでいるに、中学生、下手すれば高校生だろう。……ううむ、どうにかしてお近づきになれないかなあ)
「……ちょっと、聞いてる? さっきから何を見て……」
 (いやはや、可愛いなあちっちゃい子は可愛いなあ。お持ち帰りしたいなあ、はうはう。でも、捕まるしなあ。法律め、いつか俺が変えてみせる! 目指せU-12!)
「いでででで!」
 熱き誓いを心に秘めていると、かなみに耳を引っ張られた。
「いきなり何すんだよ! 耳ちぎれるかと思ったぞ! いや、実際にはちぎれてないけどそう思うほど痛かったと述べているわけでして」
「うるさいっ! あたしの話聞いてないのが悪いのよっ!」
「き、聞いてたぞ? 株式市場の話だよな。ええと、……どの株が好き? 俺はおおきなカブが」
 必死こいて言い訳したのに、頬をぎうーっと引っ張られた。
「いいから早く来なさいっ!」
「あ、いや、ちょっと待って。個人的用事が急遽できたので、ちょっとお暇させて頂きたく」
 うまいこと言ってかなみから離れ、どうにかしてロリ子とお近づきに! そしてあわよくばお持ち帰りはうはう!
「いいから来るッ!」
「ふふ、掴む場所間違えてますよ、かなみさん。このままでは死ぬ可能性が」
 かなみに首を掴まれ、呼吸が停止したまま運ばれました。

「…………」
 どうにかして自己再生した後、買い物を終え、喫茶店で休憩と相成った訳なのですが、どういうわけかずっとかなみたんの機嫌が悪いので大変しんどい。
「あ、あの、かなみたん? いったい何を怒ってるのかにゃー?」
「……別に、怒ってないわよ」
 怒気を撒き散らしながらジュースを音をたてて飲むかなみ。誰が見ても怒りゲージがMAXかと思います。
「……あーあ、つまんないわねー。タカシ、なんか面白い芸しなさいよ」
「いきなり言われてもなあ……んー、なんか道具でもあれば」
 ジャグリングでもしてやろうかと店を見回す。んー、なんか道具なんか……なんかっ!?
「……? どしたの、いきなり目ひんむいて」
 ウェイトレスの娘さんが俺の浪漫回路をぎゅるぎゅる回しまくり! 簡単に言うとロリくて可愛い! よし、声をかけてお近づきに! そしてそして、お持ち帰りはうはう!
「何見て……また、あたし以外の子見てる……」
 よし、小粋なジョークで和ませ、な、名前を聞き出すのだ! 超緊張! ……と、その前にかなみを帰すなり何なりして……え?
「か、かなみぃぃぃぃぃ!? どした!? 大丈夫か!?」
「え? どしたって……別になんともないわよ。アンタの方が大丈夫じゃないっぽいわよ」
「いやいやいや、俺のことなんてどうでもいい! 気づいてないのか? お前、泣いてるぞ!」
「え? ……やだ、なんで」
 自分の目をこすり、困ったように呟くかなみをぎゅっと抱きしめる。
「ちょ、ちょっと、いきなり何すんのよ! 人前、人前よ!」
「ごめんな。寂しい思いさせたな。ダメな彼氏だったな」
 抱きしめたまま、何度も何度もかなみの頭をなでる。なでにくいので、かなみの席に移動。
「……あ、アンタなんか彼氏なんかじゃないわよ。ただ、アンタがあたしのこと好きなだけよ」
「なんでもいい。ごめんな、ごめんな」
「……うー」
 困ったようにうーと鳴くかなみの声を耳元で聞きながら、優しく頭をなでる。

「疲れました」
「疲れてない。もっと」
 一通り撫でた後、今さらここが喫茶店であることに気づき、人が真っ赤になってるってのに、かなみの奴はスイッチが入っちゃったのか、俺の胸にすりすりしながらもっととせがむ。
「……む、なんかエロいぞ。よしかなみ、俺の家でえ、え、エロいことでも」
「うるさい。もっとなでろ」
 却下されたので、お望み通りかなみの頭をなでる。
「はふ~♪」
 などとやってると、ウェイトレスさんがやってきた。
「大変ですねえ」
「彼氏の仕事です」
 かなみをなでながら談笑してると、かなみが突如顔を上げ、ついでにツインテールも上げてウェイトレスさんを威嚇した。
「ぐるるるる……」
「あはっ、威嚇されちゃったんで行きますね。でも、そういうことは家でした方がいいと思いますよ」
「威嚇を!? 威嚇しあうカップル……いかん、仲がいいのか悪いのかまるで見当がつかない」
「あははははっ、そうじゃなくて、イチャイチャすることですよ」
 分かっていたが、はっきり指摘されるとなんというか、照れる。
「いや全くその通りで。つーわけでかなみ、ボチボチ帰ろっか」
「むー」
 精神年齢が一回りほど幼くなった感じのかなみを連れ、かなみ宅へGO。
「あああああ……あたしったら、あんな恥ずかしいこと人前で……」
 そして、スイッチがOFFになったかなみが今頃恥ずかしさに顔を赤くしております。
「かなみは新スキル、露出を覚えた!」
「覚えてないっ! 露出なんてしてないっ! 人前でイチャイチャしちゃったこと後悔してんの! ……そうよ、何もかもアンタが他の女の子見てデレデレするのが悪いのよ! この浮気者!」
「む、ごめん。謝る。次からは男の子見てデレデレする。頑張ってショタに目覚める」
「そういうこと言ってるんじゃないわよっ! ていうかそうなったら縁切る」
「あ、あはは、冗談に決まってるダロ」
 本気の目なので、冗談ということにする。
「まったく、アンタって人は……で、しないの?」
「何を?」
「……き、喫茶店で言ってたじゃない。イチャイチャするのは家で、って」
 それを言ったのはウェイトレスさんのような気もするが、どっちでもいいか。
「や、したいはしたいが、もう結構遅いし、そろそろ帰った方がいいような」
 時計を見ると、6時半を指していた。そろそろお腹がぐーぐーの時間だ。
「ま、まだいいじゃない。なんならウチでご飯食べていったらいいし、お風呂入ってってもいいし、……と、泊まるのはダメだけど」
 かなみの拒絶に、はっきり落胆する。
「ち、違うの! 今日はお父さんもお母さんもいるし! ……い、いや、深い意味はないけどさ」
「深い意味はともかく、そういうことなら了解した。じゃ、イチャイチャするか?」
「あ、あたしは懐が広いからね。タカシがどうしてもって言うなら、別にいいわよ?」
「いや、そこまでは」
「……そ、そう」(涙目)
「──というのはもちろん冗談で、今こそバカップル力を見せつける時! 必殺のなでなでを喰らえっ!」
 大変イチャった。大満足。

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