【憑かれてるツンデレ2】

2010年09月05日
 先日、俺の特殊スキル除霊が発動したため、ボクっ娘に憑り付いていた幽霊が俺に憑り付いた。しかしそれは除霊ではなく依代が変わっただけのような気がするので、俺の特殊スキルは依代変更ということで。
 そんなわけで、俺の部屋には件の幽霊と、あとなぜかボクっ娘もいる。
「で、なんでおまいまでいるんだ」
ぐいいっと梓に指を突きつける。そのままついでにほっぺをぷにぷにする。やーらかい。
「だ、だって、タカシを一人にしたら絶対にこの幽霊にえっちなことするに決まってるもん。そんな悪どいこと、ボクの目が黒いうちはさせらんないよ!」
「つまり、カラコンを買ってこいと言うのだな。何色がいい?」
「買ってこいとなんて言わないのだな!」
「変な返事」
「うがー!」
 梓にがぶがぶ噛まれてると、幽霊がおずおずと俺の服の裾を握ってきた。
「ん? どした?」
「あ、あの……今更ですけど、いいんですか? 私がここにいても」
「人権のないおにゃのこと一つ屋根の下だなんて、考えるだけでニヤけて仕方ないからいいよ」
 幽霊がゆっくりと離れていった。
「うそ、うそです。何もしないっての。だから、気が済むまでここにいなさい」
「…………」
 幽霊はちょっと嬉しそうにこちらに戻ってきた。ので、悪い顔でニヤリと笑う。
「……騙されてますか、私?」
「騙されてるよ! だから、今すぐ成仏すべきだよ!」
 隣から嬉しそうに梓が声をかけた。
「まあ、成仏できるならそうしたほうがいいんだろうけど、自分の部屋に可愛い女の子がいるという現実が崩れるなら成仏しないほうがいいなあ」
「今日も自分勝手だよこの人!」
 幽霊の頭をなでてると、反対側から梓が僕の頬を引っ張ります。
「……ところで、根本的な疑問なんですが、どうして私に触れられるんですか?」
「女体に触りたいという想念が人より優れているから、じゃないかな?」
「「…………」」
 幽霊だけでなく、どうしたことか梓まで引いていた。
「嘘です。いや、そうでもないです。うーん……うん! やっぱりこれは本当です。自分に嘘なんてつけやしねえ!」
「無駄に男らしいよ、ばかっ!」
「……かっこいい、です」
「「ええっ!?」」
 俺と梓が異口同音で驚いた。
「……自分に言い訳しない男性で、かっこいいです」
「自分で言っておいてなんだが、先の発言をかっこいいと感じるのはどうかと思うぞ。よくもまあ今までそこらの悪い狼に食べられなかったものだ」
「……幽霊なので、普通の人は触れないんです」
「なるほどそれもそうか! わはははは!」
「わははじゃないよ! それってタカシだけがこの幽霊さんを襲えるってことじゃんか!」
 梓の言葉に、幽霊はぽっと頬を染めた。
「こら、そこの幽霊! 何を赤くなってんだよ!」
「そう怒るな梓。この幽霊もきっと今まで話し相手もいなくて寂しかったんだ、しばらく話せば成仏するだろう可愛いおにゃのこ幽霊が一緒で嬉しいなあウヒヒヒヒ」
「建前と本音が同居してるよっ、ばかっ!」
 このボクっ娘は人の頭をよく叩くのでひどいと思います。
「うー……しょ、しょがないからボクもここにいる!」
「妙なことを言うのはいつものことだが、今日のボクっ娘は普段よりも妙な発言をするね」
「みょーじゃない! だ、だって、タカシと幽霊さんを二人っきりにしたら、絶対にえっちなことするに決まってるもん! それを監視するため、ボクも今日からここで寝泊りする!」
「そして俺と幽霊が梓の家で寝泊りするのだな?」
「何の意味があって家を交換すんだよ!」
「梓のおじさんとおばさんにばれないように幽霊とえっちをするスリルを味わうため?」
「さいてーやろう撲滅ぱんち!」
 最低野郎撲滅パンチにより、煩悩退散。
「……どきどき、します」
「こらっ、そこっ! ドキドキしない! ボクの目が黒いうちは、えっちなことなんてさせないかんねっ!」
「つまり、カラコンを買って来いと言うのだな。何色がいい?」
「話がループしてるよ、ばかっ!」
 今日も時空のねじれに巻き込まれる俺だった。
「……と、とにかく! 今日からボクもタカシの家に住むからね! これ、めーれーだから!」
「めーざー光線!」
「……ぎゃあー?」
 めーれーとめーざーという響きが似てたので、なんとなくめーざー光線と言いながら手を銃にみたてて幽霊に撃ったら、疑問系ながらも反応してくれたので嬉しい。
「よしよし、偉いぞ」(なでなで)
「……せいかい、でした。ぶい」
「ボクをほっぽって二人で遊ぶなっ!」
 すると、なぜか梓が涙目で抗議してきた。
「じゃあ三人で遊ぼう」
「そ、そゆことじゃなくて、幽霊さんの成仏の方法を探るとか、なんで幽霊になっちゃったか、色々調べることあるじゃんか。そゆのはしないの?」
「梓は遊ばないようなので、幽霊と遊ぼう。何しよっか?」
「……とらんぷ」
「……あー、もうっ! 分かったよ、ボクも遊ぶっ!」
 そんなわけで、三人で徹夜でトランプした。超楽しかった。が。
「うおお……超眠い……」
「徹夜でトランプなんかするからだよ、ばかー……」
「むにゃ……いってらっしゃい……すぴー……」
 半分寝息を立ててる幽霊に見送られ、俺と梓は超あくびを超しながら学校へ向かうのだった超。眠い超。

拍手[8回]

【ぶっちゃけありえないくらい性知識が皆無なツンデレ】

2010年05月28日
「よぉボクっ娘、知ってるか?」
「ボクっ娘って呼ぶなって言ってるだろぉ、ばかぁ! ボクには梓っていう名前があるんだからぁ!」
「はいはい。で、だな。実は、男は三ヶ月に一度ちんこが爆発すんだぞ」
「ふ、ふふ~ん、それくらい知ってるよぉ。大変だよね、男って(嘘……爆発するんだ)」
「……(信じるとは思わなかった)実は今日、俺爆発する日なんだよな」
「え! た、大変じゃない! 大丈夫? 血とか出るの?」
「……あー、いや、慣れてるから平気……とか?」
「ダメだよぉ! 保健室行こ、保健室!」
「あ、おい、ちょ!」
 梓に手を引かれ、保健室へ連れて行かれる。
「先生! タカシのち……ちんちんが、爆発するって!」

「うわぁ~ん、タカシのばかぁ! いじめっこ!」
 養護教諭に「あまり梓さんをいじめてはダメよ」と諭され保健室を出た直後、梓がへろへろパンチを繰り出した。
「はっはっはっはっは! 相変わらず馬鹿だな、梓は」
 それを軽く避けながら梓のおでこにチョップする。
「う~、う~! よけるなぁ! チョップも禁止!」
「まぁそんな怒るな。ちょっとしたお茶目だ」
 梓の頭に手を置き、なでる。なでなでなでなで。
「こ、こんなことされただけで機嫌が直ると思ってるの? ボクはそんな単純じゃないんだからね」
 なんて言いながら、梓はニヤニヤしていた。
「……ところでな、実は男は三日に一度は出さないと病気になるという逸話が」
「ふん、もう騙されないからね! ……それで、出すってなにを?」
「……(もう騙されてる)それは」
 梓に男の仕組みを耳打ちする。途端、梓の顔が一瞬にして赤に染まった。
「え、え、え、えっち! 変態! ばかぁ! うー、うー!」
「というわけで、手伝え」
「ヤダヤダヤダ! そういうことするのは結婚してからって……うわ~ん、引っ張んないでよぉ、ばかぁ!」

拍手[7回]

【二人羽織なボクっ娘】

2010年05月27日
 文化祭で、ボクっ娘と二人羽織することになった。放課後、その練習を空き教室ですることになった。
「ちうわけでボクっ娘、前に入れ。俺は後ろで操作するから」
 二人入れるほどの大きな羽織を着て、俺は梓に言った。
「だからぁ、ボクっ娘って呼ぶなって何度も言ってるだろぉ! 梓って名前、覚えてよぉ!」
「いーから前に入れっての。ほれほれ」
「あぅ、引っ張らないでよぉ。うー……」
 梓を羽織の中に入れる。う、ボクっ娘の癖にいい匂いしやがる。
「さて、とりあえず基本としてケーキかな。失敗したときの見た目が面白いし」
「失敗が前提なの? ……まぁ、ケーキおいしいからいいけどさ」
 買っておいたケーキを箱から取り出す。
「あ、ショートケーキ! おいしいよねぇ、ショートケーキ。ボクね、ショートケーキのイチゴ大好きなんだぁ。将来はケーキ屋さんになろうかな?」
 そのケーキにかぶりつく。
「あああああ! 何すんだよぉ! ボクのケーキ食べないでよぉ!」
「いや、うまそうだったから、つい」
 本当は梓をいじめたかっただけだ。
「うわ~ん、ひどいよタカシ! ケーキ返してよ、ケーキケーキケーキ!」
「あーうるさい。つまらんことやってないで、とっとと練習するぞ」
「ヤダ」
「ヤダ、って……」
「タカシ、ボクのケーキ食べちゃったもん。しかも、イチゴまで食べちゃったもん」
「吐こうか?」
「そんなことされても食べられないもん!」
「いや、かなり無理すれば食えるぞ。流動食みたいになってるから噛まなくてもいい。らっきー♪」
「らっきー、じゃないよぉ! ケーキ食べたい、ケーキケーキケーキ!」
「あー分かった分かった。この後おごってやるから、今は練習しようぜ」
「ホント? よっつ食べるからね、よっつ!」
「分かった分かった。ほれ、やるぞ」
 羽織の中に頭をすっぽり入れ、食いかけのケーキを持つ。そして適当にあたりをつけ、梓の顔付近に持っていく。
「あっ、あっ、もうちょい上。あぅ、もっと上だって。上上上!」
 べちゃ、むにむにむに。
「どこにつけてんだよぉ! そこ、おっぱいだよぉ! しかも、揉んでるよぉ!?」
「すまん、わざとだ」
「うー、わざとかぁ。じゃあしょうがない……わざと!?」
「ほらほら、うにゃうにゃ言ってないで続きやるぞ、続き。やる気だせよな」
「おっぱい触られて、しかも怒られた……」
 なぜか凹んでる梓を置いて、箱からもう一つケーキを取り出す。
「あ! もう一個あったんだ! もう、最初から言ってよぉ」
「ほれほれ、今度は真面目にやるからボクっ娘もしっかりやれよな」
「最初から真面目にやってよぉ! それから、ボクっ娘って呼ぶなって言ってるだろぉ!」
 今度こそ梓の顔付近にあたりをつけ、ケーキを持っていく。
「うん、今度はいいよぉ。あ、もうちょっと上。……うん、そこそこそこ!」
 ぱく、はぐはぐはぐ。
「うー、おいしいよぉ。やっぱりショートケーキは、ケーキの王様だよぉ♪」
「なんだ、一発で成功したな。練習の意味なかったかも」
 羽織を脱ぎながら、梓に話しかける。
「あれ? もうやんないの?」
「材料切れ。しかし、手がクリームでべとべとだな……」
「あっ、もったいない!」
 ハンカチで手を拭おうとしたら、梓が指に吸い付いた。
「ちゅっ……ちゅぷ、ちゅ……ん、おいひい」
「……えろ」
「え、えろくなんてないよぉ! クリーム舐めただけだよぉ!」
「分かった分かった、もう帰ろうぜ」
「んー……あ、ケーキおごってよね、ケーキ!」
「げ、まだ食うのか? 一個食ったんだからいいじゃねえか」
「ダメだよぉ! それとこれは話が別!」
「はぁ……しょうがねぇなぁ」
「にひー♪」
 嬉しそうに微笑む梓を連れ、俺たちは教室を出た。

拍手[4回]

【文化祭で周りから二人の関係をからかわれて、必死になって否定するボクっ娘】

2010年05月27日
 文化祭当日。どうにか二人羽織も成功し、打ち上げパーティとなった。
「二人羽織よかったよ~! すごい面白かった!」
「え、えへへ、そっかなぁ?」
「うんうん、二人の息ピッタリって感じ! やっぱアレ? 普段から一緒にいるから二人羽織も楽勝?」
「い、いつも一緒になんていないよぉ!」
「何言ってんのよ。ずーっと一緒だったじゃないの。休み時間も昼休みも放課後も」
「そ、それは二人羽織の練習するため、しかたなくだよぉ!」
「そんなこと言って、実際のとこどうなの、別府君?」
「ん?」
 机の上に置かれた料理を食うのに必死で、何も聞いてなかった。
「そ、そんな口一杯に頬張らなくても誰も取らないわよ……えっと、梓と別府君の関係の話よ」
「むぐむぐ……関係も何も、見たままだ」
「それって……もう二人は恋人ってこと?」
「ち、違うよぉ! ボクはこんないじわるなタカシのことなんて、嫌いだよぉ!」
「俺は結構好きだけどな、梓のこと」
「ふぇ……」
 周囲から黄色い声が上がる。
「ぼ、ボクは嫌いだからね! ホントだからね! 嘘じゃないからね!」
 梓は真っ赤な顔でまくしたてて、教室を出て行ってしまった。
「ちょ……梓出て行っちゃったよ? 追わなくていいの?」
「腹減った。食い終わるまで待っててもらおう」
 再び机に向かって飯に箸を伸ばしていると、その手をむんずと捕まれた。
「い・い・か・ら、追いかけなさい!」
 教室から追い出された。鍵までかけられた。
「二人で戻ってきたら、入れてあげるからね~♪」
 なんて勝手な奴らだろう。俺はしかたなく梓の行きそうな場所へ足を向けた。
 女子更衣室……怒られた。女子便所……悲鳴上げられた。水泳部更衣室……つるぺたツインテールに絶対死なすって言われた。屋上……いた。
「よお、何ぼーっとして……」
「あ……タカシ」
 短い髪を風に遊ばせて、鉄柵にもたれた梓がそこにいた。夕日に照らされたその姿に、少しだけドキリとした。
「……どしたの? ぼーっとして」
「あ……いや、なんでもない。おまえこそ、どうしたんだ?」
「ん……」
 そう言って、梓は校庭を見下ろした。釣られて俺も見る。まもなく行われるキャンプファイヤーの準備に、皆おおわらわな様子だ。
「……みんな、忙しそうだね」
「最後の締めだからな。これで祭りも終わり、明日からまたつまらん日常が戻ってくる」
「あははっ、タカシといたらつまらない日常なんてないよ。いっつも滅茶苦茶なことしてるもん」
 そんな自覚はないのだが、それで梓が笑ってくれるなら、よしとしよう。
「……なぁ、梓。俺……」
「……ね、踊ろっか?」
「はぁ?」
「だから、踊ろ。キャンプファイヤーの練習」
 そう言って、梓は俺の手を取った。
「お、おい」
「こうして、はい、ターン。くるっと回って、はい、ターン」
「わっ、たっ、とっ、はっ……」
 梓に言われるがまま、不器用な踊りをする。
「へたっぴ」
「うるさい。こういうのは苦手なんだ」
「……だから去年、踊らなかったの?」
「ああ。……ひょっとして、踊りたかったのか?」
「……さあね。今こうして踊ってるんだから、そんなのどうでもいいよ」
 俺の手を中心に、梓がくるりと回る。そして、ぎゅっと俺に抱きついた。
「お、おい」
「……嫌い、っていうのは嘘。……けど、まだ好きじゃないよ」
 顔を俺の胸に押し付け、梓がささやく。
「今は、それでいいさ」
「……そっか」
 日が落ちるまでの短い間、俺と梓は何も喋らず、そっと抱き合ってた。

 教室に戻ると、みんなキャンプファイヤーに出かけたのだろう、誰もいなくなっていた。
「誰もいないね」
「腹減った」
 机の上の料理を手づかみで食う。
「あー、もう手で食べない! お箸使いなよ、もう……」
 梓は俺の手を自分のハンカチで拭き、箸を渡した。
「梓も食え。腹減ったろ?」
「ボクは二人羽織の時、ケーキをたくさん食べたから平気だよ」
 そう言いながら、梓は見るとはなしに俺を見ていた。
「むぐむぐ……なんだ?」
「ぽろぽろこぼしてるよ。ホントにもう、大きな子供なんだから」
 どこか嬉しそうに、梓は俺の口元をハンカチで拭った。
 誰が子供だコンチクショウ、と思いながら梓を見る。梓も、俺を見ていた。目と目が合った。
 誰もいない教室。静かな空間。ふたりきり。ボクっ娘。
 そんなキーワードが頭をめぐる。いかん、どうしたことか梓がやけに可愛く見えてきた。
 そっ、と梓のほおに触れる。まるで火に触れたように熱い。自分の心音がやけにうるさい。
「た……タカシ、ボク……ボク、ね、ホントは……」
 そっと、梓の唇に……
「たっだいまー! ……あー! 梓に別府くん、やっぱそういう関係ー!?」
 クラスメイトが勢いよくドアを開け、教室になだれ込んできた。
「ち、ちち違う違う違う! ボクはタカシなんて大っ嫌いだよぉ!」
 ……まぁ、ゆっくりやるさ。
 真っ赤な顔で抗弁する梓を見ながら、そう思った。

拍手[15回]

【こいぬボクっ娘】

2010年05月23日
 ボクっ娘の誕生日に、こいぬのぬいぐるみを贈った。口では渋りながらも、喜んで受け取ってもらった。
 で、その一週間後の日曜日。なんでこいぬの格好したボクっ娘が俺のベッドの中で寝息を立ててますか?
「むにゅ……ん、ふわぁぁぁ……あ、タカシ。おはよう」
「あ、おはよう……いや、そうじゃなくてなんで俺の部屋にいるの?」
「え、えっと、……一週間前にね、プレゼントくれたじゃない、こいぬのぬいぐるみ。……その、お返しに何がいいかってちなみちゃんと相談して、これ、貸してくれて、それで、その、こうしろって、ちなみちゃんが……」
 ちなみの奴、余計なことしやがる。あとでほっぺ引っ張ってやる。
「しかし、ボクっ娘にこいぬか……おまえ犬属性だし、まんまだな。お手」
「ボクっ娘じゃないよぉ、梓だよぉ! 覚えてよぉ! それに、犬属性ってなんだよぉ!」
 怒りながらも、梓はちゃんとお手をした。
「よしよし、偉いぞ」
「う……頭、なでないでよぉ。うみゅみゅ……」
 説得力のない言葉をはきながら、梓は相好を崩した。
「うみゅうみゅ言うな。萌えキャラ気取りか」
「なんだよぉ、ボクは萌えキャラとかじゃないよぉ! ボクはかっこいい自立した女性なんだ……あ、なでないでよぉ、うみゅみゅ……」
 かっこいい自立した女性は、頭なでられてもみゅうみゅ言わないと思います。
「んー、ボクっ娘からかうのも飽きたな。……まだ眠いし、寝なおすか」
「だから、ボクっ娘って呼ぶなって……え、寝るの?」
「眠い。寝る」
「あ、じゃ、ボク今日は帰る……ひゃ!?」
 ベッドから出て行こうとする梓を引きずり込む。
「抱き枕の代わりになれ。それでお返しはおーけー」
「う……そ、そうだよね。お返しだもんね。しかたなくだからね」
 犬っぽい生き物を胸に抱き、深く呼吸する。女の子特有の甘い匂いがした。
「んー、いー匂い。やーらかいし、最高」
「そ、そういうこと言わないでよぉ!」
「タカシー? そろそろ起きなさい」

 どうして母親という生き物はノックをしないで入ってくるのですか?
 そして何故俺はこうも土下座をする羽目になるのですか? もう土下座慣れたよ。畜生。

拍手[5回]

 | HOME | 次のページ »