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2017年12月11日
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【姉に「あたし、実は女の子なの」って意味なく嘘を付いてみたら】

2010年02月11日
 うん、そういう無意味な嘘は大好物なので早速。
「姉さん、あたし、実は女の子なの」
「…………」
「やめて無言でズボンずらさないで嘘ですついてます!」
「…………」
「だから嘘だって嘘だってばついてるってぬがさないでと言ってるのにパンツまで!?」
「……ほう」
「ほうとか言うなぁぁぁぁぁッッッ!!!」

「そう落ち込むな、弟よ。少しばかり驚愕しているが、大丈夫。姉は頑張るぞ」
「何を!? いや待て言うな言うなよ! 別にフリでもなんでもなくて!」
「無論、弟を迎え入れることに」
「だから言うなと言ってるのに! ええい、ここは自宅じゃなくて学校! 昼時の中庭なので衆目も沢山! わきまえて下さい!」
「む。いかん、姉は少し興奮していたようだ。反省」
「分かってくれればいいんだよ、分かってくれれば」
「弟よ、姉が作った玉子焼きを食え。ほら、あーん」
「てめえ、さては何ひとつ分かってねえな?」
「ほら、あーん、だ。あーん」
「いや、だからみんな見てるってば」
「あーん」
「……あーん」
「ほら。どうだ? うまいか?」
「もぎゅもぎゅ」
「うまいだろう? 姉の手作りだからな。ほら、うまいか?」
「もぐもぐもぐ」
「咀嚼が長い! 早く感想を言えッ!」
「怖い」
「味の感想だッ!」
「おいしいです」
「……ふ、ふん、当然だ。姉の手製だからな。ほら食え、もっと食え、これも食え」
「もがもがもが」
「もがもがではない!」
「もがもが……もぎゅ、もぎゅもぎゅもぎゅ、ごくん」
「どうだ? 美味いか?」
「リスってすげえな」
「味の感想を言えと言っている!」

 何故か分からないが大層怒られる昼食を終え、教室へ戻る。その最中、そこかしこでひそひそと囁かれる声が耳に届く。
「すっげえ美人……」
「クールビューティーって感じだよね」
「先輩、かっこいい……」
 そのどれもこれもが姉を賛美する言葉であり、隣を歩く弟としては誇らしいが、同時に俺という個体が無視されてるのが少し悲しい。
「ほら、背が曲がっているぞ。しゃんとしろ」
 悲しさから少し猫背になっていたようで、姉に注意された。
「背骨を骨折したからしょうがないんだ」
「お姉ちゃんに任せろ!!!!!」
「待って嘘嘘ですからやめてお姫さま抱っこってありえねえ!?」
 あっという間に抱きかかえられ、姉は俺の言葉を完全無視し、保健室へ俺を連行した。

「……なんともないが」
「どういうことだ!」
 怖い顔で俺の顔を覗き込む姉の奥で、頭をぽりぽりかく養護教諭。
「治った」
「こんな短時間で治るものか! 貴様、嘘をついていたな! 姉に嘘をつくなど……許さないぞ!」
「許されない場合、どのような仕打ちが?」
「もう一緒にご飯食べてあげないし一緒に布団に入ってあげないし寝る時に抱っこしてやらない!」
 養護教諭が苦笑しながら俺を見る。違うんです、別に望んでのことではないんです。
「いいのか!? 私は嫌だぞ!」
 嫌なのか。
「ほら、謝れ。今なら許さなくもないぞ? しかも、特別に今日だけ一緒にお風呂に入ってやるぞ?」
 断固謝らないことに決定。
「姉弟ってすごいな」
「これをノーマルと思われると色々問題があると思われます」
「お姉ちゃんの話を聞けッ!」
 養護教諭と話してたら、姉に頭を持たれた。
「い、いま謝ったら、特別に、お姉ちゃんがほっぺにちゅってしてやるぞ? と、特別だからな!」
 非常に危険がピンチ。助けて先生!
「おー……」
 何を目をキラキラさせて行方を見守ってんスか。いいのか聖職者。
「ほ、ほら、ごめんなさい、だ。ごめんなさいって言え」
「そんな名前のエロ漫画家がいるよね。ファンです」
「知らんッ!」
 さてどうしよう、と思ってたらチャイムが鳴った。好機!
「授業に行かなければと思ったので授業に行く!」
「阻む姉」
「阻む養護教諭」
 女性二人がドアの前に立ち塞がる。ていうか、
「アンタは阻むな、教師!」
「面白そうだからな!」
 養護教諭は愉快そうにメガネをかけ直した。こんな教師雇うな。
「さて……謝罪の言葉はどうだ、弟よ?」
「いや、その……」
「…………」
「そこっ! 携帯構えるな! 写メか、写メ撮る気だな!?」
「私にも後でそのデータ寄こせ、養護教諭!」
「任せろ!」
「この空間おかしい」
 結局、謝りました。ほっぺに暖かい何かが触れ、結果相好が崩れるのをパシャパシャ撮られた。チクショウ。

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