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2019年10月15日
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【ボクっ娘にホラー映画を見せたら】

2010年05月01日
 ボクっ娘が遊びに来たいと言うので、了承してやった。しかし、ただ遊ぶだけではつまらん。
 そこで、内緒でホラー映画を借りた。そして約束の日、梓がやってきた。
「こんちは、タカシ。今日はよろしくね」
「ああ。ま、上がれよ」
 梓を部屋に連れて行く。そこが恐怖の館であるとも知らず、梓はご機嫌そうに鼻歌を歌っていた。
「はい、ここが俺の部屋」
「うわー……汚い」
「うっせ。これでも掃除したんだぞ」
「ま、タカシだもんね。それでそれで、何しよっか?」
 それから、俺と梓は何をするでもなく、くだらない話を楽しく続けていた。
「お、そうだ」
 日が暮れ暗くなった頃、俺は頃合を見計らって梓に切り出した。
「ビデオ借りてきたんだ。一緒に見よう」
「えっ、ビデオ? 見る見る見る! 何のビデオ? アニメ? ボクね、日曜日の朝にやってるアニメ好きなんだ」
 相変わらず梓は少し足りない。
「それはまた今度。今日は、これ」
 梓の前に借りてきたビデオを晒す。
「……ぞんび、って書いてる」
「さー見ような、梓。きっと面白いぞ」
「やっ、ヤダヤダヤダ! 怖いのヤダッ! 怖いもん!」
「ええいうるさい、暴れんなっ」
 逃げようとする梓を片手で抱きかかえたまま、デッキにビデオを挿入する。そしてあぐらを組み、その上に梓を乗せる。
「ほ-ら、逃げんな。大丈夫、作りもんだから怖くないって」
「う、ううう……ホント? 怖くない?」
「大丈夫だって。へーきへーき」
「う……うん、分かったよ。タカシを信じる」
 納得してくれたので、リモコンの再生ボタンを押す。いきなりゾンビが人間を襲っていた。
「ひぃッ!!!」
「あっ、店員さん巻き戻し忘れだな。仕方ねぇなあ、なぁ梓?」
 慌てて停止してから巻き戻し、梓に話しかける。梓は首だけ俺に向け、噛み付くように言った。
「怖いよ! すっごく怖いよ! ちょっと泣いちゃったよ!」
「さー最初から見ような」
 有無を言わせず再生。
「見ないよ! ボク、ずーっと目つぶってるもん! これならへっちゃらだよ!」
「それはつまり、幼い肢体をいたづらし放題ってことか。随分大胆だな」
 梓はとても不満そうに目を開いた。そしてテレビに映し出されるホラー映画の予告を見て悲鳴を上げた。
「うっ、うううっ、怖いよぅ……」
「ほら、怖いんなら手握ってろ。何かに掴まってると多少マシだぞ」
 梓は何も言わず、俺の手を少し痛いくらい握り締めた。
 そして、とうとう本編が始まった。最初はたいしたことないと思っていたが、徐々に引き込まれていき、気がつくと俺自身が恐怖していた。
 思わず梓の手をぎゅっと握る。梓も同じくらい、いやそれ以上の力で俺の手を握り締める。
 そしてクライマックス。恐怖が波となって襲い掛かってくる。
「?」
 なんか、足が冷たい。
「ごめん……ごめんなさい……」
 ぷるぷると小さく震えながら、梓が謝っていた。
「……漏らした?」
「ごっ、ごめんなさい……ごめんなひゃい、ずっと我慢してて、怖くて……ひっく、ごめんなさい……」
 泣いてる梓の頭に手を載せる。一瞬体をすくませるが、なでられていると知り梓は体を弛緩させた。
「気にするな。大丈夫、誰にだってあることだ。こんなのもう見なくていいな」
 ビデオを切り、俺は梓が落ち着くまで頭をなでてあげた。
「ごめんなさい。……ごめんなさい」
「謝んなって。俺だって漏らしたことあるんだから、気持ち分かる。……それに、嫌がってる梓に無理やり見せたの、俺だし」
 小さく笑うと、やっと梓は笑顔を見せてくれた。
「……ぐすっ。そうだよ、タカシが無理やり見せたから悪いんだよ。……えへっ」
「そだな、俺が悪かったな。……それはともかく、風呂入って来い。冷たいだろ?」
「あっ……ごめんね、タカシの上に座ってたからタカシにまで……その、おしっこ、伝わってるよね?」
「んなこと気にするな。ほれ、ちゃっちゃと入って来い。その間に着替え用意しとくから」
「……ごめんね。甘えちゃうね」
 申し訳なさそうに言って、梓はよろけながら部屋から出て行った。
 その間に素早く着替え、外へ。そして近所のコンビニに行き、女物のパンツを買う。さすがに恥ずかしかった。
 家に戻り、そっと脱衣場に忍び込み買ってきたパンツを置く。そして、しとどに濡れた梓パンツとハーフパンツを洗濯機に放り込む。一瞬匂おうとしたのは秘密。
「梓、新しいパンツ置いとくな」
「あっ、ごめんね。ありがとね」
 部屋に戻り粗相を掃除してると、梓がドアから顔だけ出して風呂から上がったことを告げた。
「なんで入ってこないんだ? 廊下は寒いだろ、入って来い」
「え、あ、その、えっと……」
 なんだか慌ててるが、廊下なんかにいて風邪でも引かれては堪らない。ドアを開ける。
 梓は、上はシャツ、下はパンツだけだった。
 そういやズボンの替えはなかったなー、などと思いつつパンツをじっと見つめる。自分で選んだ物だというのに、どうして梓が履くとこうも魅力的に映るのだろう。
「じ、じっと見るなよ、ばかぁ!」
 梓は恥ずかしそうにその場にしゃがみ込んでしまった。
「あ、あはははは……ええと、とりあえず部屋に戻って布団に包まってろ」
 梓は顔を赤くしたまま俺の脇を通り、部屋に入って行った。
「……うー」
 部屋に入ると、梓は俺の布団にくるまり小さくうなっていた。
「そう怒んなよ。……とりあえず、ズボンの替えはないから今日は泊まってけ。明日店開いたら服買ってくるから」
「……うー」
 それでもまだ不満が治まらないのか、梓は小さくうなっている。
「……えっちなことしないよね?」
「するかっ!」
 その後、風呂に入ってると布団が足りないことに気づいた。さすがにもう冬なので布団なしでは風邪を引いてしまう。
 風呂からあがり、その旨を梓に伝えると「……じゃ、一緒に寝る?」と来た。
 そんなこと小さな子供じゃないんだからダメだよだって俺は男だし梓は女だし是非お願いします。
 そして一緒の布団にいる現在、ドキドキして眠れません。
「……ん。……くぅくぅ」
 なのになんで梓の奴は普通に寝てますかなんでこんないい匂いするんだコンチクショウ。
 ヘビの生殺しってのはこのことだな、と思いながら俺は長い長い夜を過ごした。

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