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2019年10月18日
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【ある日突然ボクっ娘がお金持ちになったら】

2010年02月02日
 梓の奴が宝くじに当たったとかで、成金っぷりを遺憾なく発揮してやがる。
「あっはっはー! タカシタカシ、お金欲しい? ほーらあげるよ、500円」
 高らかに笑いながら、梓は床に500円硬貨を投げつけた。
「変わっちまったな、梓。お前はそんな奴じゃなかったのに……」
「素敵っぽい台詞だけど、床に這いつくばりながら言ってるからちっとも素敵じゃないよ?」
「くの、机の下に入り込みやがって……このタカシ様を舐めるな! 梓、なんか長い棒みたいなの持って来い」
「そんなはしたお金なんていーじゃん。ほら、ボクもっといっぱい持って」
「馬鹿野郎! いや女郎! つまり馬鹿女郎? え、そんな言葉あるの? いやそんなのはいい、1円でも大事にしろとお母さんに教わらなかったのか! あとやっぱ馬鹿女郎が気になる!」
「たしなめるならちゃんとそれだけに神経をしゅーちゅーしろ、ばかっ! なんだよ、馬鹿女郎って!」
「あ、物差し。これで……よしっ、取れた! ちゃーちゃっちゃっちゃちゃー♪」
「500円ぽっちで喜んで、ばかみたい」
「ほれ、お前も喜べ」
「ボクがあげたお金なのに、なんでボクが喜ばなくちゃいけないんだよ」
「喜ばないと殺す」
「わ、わーい! お金取れてよかったね、タカシ!」
 がくがく震えながらこわばる笑顔を見せる梓だった。
「明日の昼飯代が確保できたところで、と。こらっ、梓!」
「わふっ!」
 ぺしんと梓の頭をはたく。
「う~……何すんだよ!」
「金持ちになったのはいい。だが、それと引き換えに品性を失っては何の意味もないとは思わんかね?」
「床に這いつくばってお金を拾うのはいーの? しかも、それを返すわけでもなくお昼代にして」
「何言ってるのかちょっと分からんので気にしないとして、お金持ちになっても今まで通りの梓でいてくれると俺は嬉しい。あと、俺のパトロンになってくれるともっと嬉しい」
「分かんないフリするしぃ……。ところで、パトロンってなに?」
「メトロン星人に間違えやすい言葉だ」
「それで何が分かるってんだよ! パトロンって言葉の意味を聞いてるの!」
「顔から腹にかけてが赤く、手足の先は青。背中は黄色で背筋に沿って白い円形の器官が並んでいる。別名【幻覚宇宙人】」
「それ、メトロン星人の説明だよ!」
「間違えた。そうではなくて、パトロンとは後援者のことだ。芸術家とかに金出して支援する人のことをいう」
「タカシ、芸術家じゃないじゃん。ただの高校生じゃん」
「じゃあ、これから芸術家になるとお前を騙すから金くれ」
「騙す気ぜろだよこの人!?」
「もーなんでもいいから金くれ。贅沢したい。白いおまんまを腹いっぱい食ってみてえだ」
「タカシが急に農民さんに!?」
「だから金寄こせ。もしくは毎日俺に弁当作れ」
「お金はあげないけど……お弁当くらいなら、ボク作ってあげようか?」
「え、マジ? でもなぁ、お前が作ると絶対に毒入れるだろうからなあ」
「入れないよっ! なんでそんな悪人に仕立て上げられてるの!?」
「今日の会話だけでも顧みても、恨まれてること間違いないから」
「あー」
 納得されると、それはそれで傷つく。
「あ、うそうそ、嘘だよ。ボク、タカシに酷いこと言われるの慣れてるもん」
「そう言う事により普段から俺に虐げられていることを知らしめると共に、自らの健気さもアピールするとは……恐ろしい」
「考えすぎだよ! そこまで言うならさ、コックさん雇って、その人に作ってもらおうか?」
「……んにゃ、やっぱお前の作るのがいい」
「えっ? ……あ、あぅ」
「そこの変な人、ここは赤面禁止帯なので赤面しないように」
「へっ、変な人じゃないよ、変な人じゃないよ! 変な人にかけてはタカシに勝てるわけないよっ!」
「ばか、俺なんて世界変な人コンクールじゃ歯牙にもかけられないレベルだぞ?」
「あるの、変な人コンクール!?」
「知らん」
 梓の顔がはぅーって感じになった。
「まーそーゆーわけで、明日から弁当頼むな」
「はぅー。……え、あの、いいの?」
「いいも何も、俺が頼んでるんだ」
「……えへへっ、分かったよ、ボクにお任せだよっ♪」
「金粉を散りばめた弁当を製作し、俺を辟易させる未来に思わず微笑がこぼれる梓だった」
「そんなつもりで笑ってるんじゃないの!」
 よく分からんが、金持ちになっても今まで通りの梓のようで、何よりだ。

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