忍者ブログ

[PR]

2024年03月29日
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【ツンデレの定位置が奪われたら】

2010年10月27日
「おーっす! 哀れな凡愚のため、わざわざ遊びに来てやったぞ!」
「おや。こんにちは」
 とある休日の昼下がり、自室で猫とぼんやり遊んでたら、みことが突然訊ねてきた。
「……ん? なんだそれ? 猫か? にゃーか?」
「そうだ、にゃーだ。ほれ、まる。挨拶」
 俺の膝でぐんにゃり丸まっているまるに挨拶を促すが、軽く耳を動かすだけで、まったく挨拶しようとしない。もっとも、そんな芸仕込んだ覚えがないのでされても困るが。
「ダメだな、このにゃーは」
「全くだ、このにゃーはダメだ」
 猫が珍しいのか、みことはくりくりとまる(飼い猫の名前)の耳やら鼻やらあごの下をくすぐっている。まるはそれが心地よいのかどうでもいいのか、まるで反応しない。
「むーっ。こいつ、動かないぞ。死んでるのか?」
「怖いこと言うな。もう結構な歳だから、昼は基本寝てるんだよ」
「なんだ。つまらないな」
 そう言って、みことは足を投げ出してその場に座った。そして、まるをいじりながらも、俺をちらちらと見ている。
「ん? どうした?」
「べつにー」
 そう言いながらも、まるをいじりながら俺を時々見る、という行為の繰り返し。はて、一体なんだろう、と思いながらまるの背中をなでていると、ピンときた。
「あー、腰痛え」
 我ながら少々臭いかな、と思いながらもまるを俺の膝から近くの座布団に移動させ……。
「!」
 ようとしたが、みことが目を爛々と輝かせる&まるが「やめろ」とでも言いたげにこちらをじろりと睨むので、元のままにする。
「あっ……。……おい、貴様、わざとか?」
「何の話だか俺には皆目」
「むーっ」
 イライラした様子で、みことは俺の頬をぎぅーっと引っ張った。
「痛い」
「うるさいっ! 気づいているくせに! 貴様はいじわるだ!」
「だから、俺には何のことやら」
「貴様を見てる時に一度目が合った! しらばっくれるのも大概にしろ!」
 ぎゃーぎゃー言い合っている(というか、一方的に怒られている)俺たちに嫌気が差したのか、まるは大きく欠伸をすると部屋を出て行ってしまった。いかん。
「きゅぴーん」
 口で擬音を言いながら、みことは素早く俺の膝の上に乗ってきた。
「猫が人に」
「ふふん。私レベルともなると、人変化も容易いものだ」
 適当なことを言いながら、みことは俺に背中を預けた。すかさず頭をなでる。
「なでるな!」
「ここに座るのであれば、俺になでられるのは義務と思え」
「それは断る。貴様のここは座り心地がよいので座るのは好きだが、なでられるのは子供扱いされてるみたいで嫌いだ。だから私をなでるのは禁ずる」
「なでなで」
「私の話を聞いているのかっ!?」
「乳を揉まないだけ俺の自制心を称えて欲しいところだ!」
「何をいばっているのだ貴様は!?」
「はっはっは。みことは可愛いなあ」(なでなで)
「うっ……くっ、き、貴様、……な、なでるな~」
 何故か知らないけど半泣きのみことをしばらくなでなでしました。そんな嫌なら降りればいいのに。

拍手[11回]

PR

【ツンデレを暖房器具の代わりにしたら】

2010年10月26日
 こうも寒いと手がかじかんで仕方がない。ポケットに手を突っ込むが温まる様子もない。
「ううむ、どうしたものか……ん?」
 ううむと思案していると、みことが平和そうな顔をしながらてってこ教室に入ってきた。奴は子供なので体温が高い。つまりは好機!
「ううっ、身体が勝手に……」
「ひょああああ!?」
 かの英傑、大神隊長も用いたという秘技、身体が勝手にを使い、みことに抱きつき暖を取る。
「き、き、貴様! 朝からみことに痴漢とはいい度胸だ!」
「いや、痴漢じゃないです。ただ暖を取ってるだけです。あと、すなわちグッド度胸」
 とても冷静な返事&ナイスな返しのはずなのに、殴られた。
「痛いです」
「うるさい、阿呆! みことで暖を取るのが悪いんだ! 貴様なんて凍えて死ねばいいんだ!」
「そこまで寒くないです。とはいえ、寒いは寒いので子供体温で暖を取ります」
「みことは子供じゃないっ! 貴様と同級生だ! ああこらっ、言いながら抱きつくなっ! みことの頭をなでるなっ! みことが怒ってる最中だぞ!」
 みことは日本製なのであらゆる所が大変コンパクトにできており、抱っこしたりなでたりするのに向いている。つまり、俺に最適だ。
「ほふー。いやはや、生まれてよかった」
「貴様と同じ時代に生まれた我が身を恨まずにはいられんっ! ああもうっ、だからなでるなっ! ほっぺを引っ張るにゃー!」
「ははは。餅みてーにうにうに伸びる。うにーって言え」
「うにー! 誰が言うか! うににー!」
「超言ってますが」
「うるさい! にー!」
 やはりみことと遊ぶのは大変楽しい。とはいえ、あまりやりすぎて嫌われては元も子もない。時既にお寿司、いや遅し、いややっぱりお寿司という感がなくもないが、とりあえずほっぺから手を離す。
「うにっ! ……うう、よくもやってくれたな。みことはこの屈辱を一生忘れないからな!」
「俺もみことにうにうにほっぺの感触を忘れないよ。ははっ、ふたり共有の思い出ができて素敵だね」
「ちっとも素敵じゃないっ! 何をさわやかな笑顔をしてるかっ! みことは怒ってるんだぞ!」
「それはそうと、急に抱っこの感触を忘れてしまったので再確認」
「いちいち抱きつくなあっ! ああこらっ、だからみことの頭をなでなでするなあっ!」
 風のように素早く動き、みことを後ろから抱っこして頭をなでる。至福。
「うう……こんな奴に愛玩動物の如き扱いを受けるとは。屈辱の極みだーっ!」
「愛玩動物……みことを部屋に飾り鑑賞……剥製……ふむ、悪くない」
「途中すっごく物騒な単語が入ってたぞ!? みことは聞き逃さないぞ!」
「ああ、大丈夫。別に内臓を取り除いて中に綿とか入れるという恐怖の行いは省き、ただ服を剥いて部屋に置くだけにするから」
「愛玩動物どころか、何か別の用途に使われる気がすっごくすっごくするぞ!」
「流石だ、みこと! その想像は、恐らくだが当たっているぞ!」
「ふわーん!」
 いかん、泣かしてしまった。
「ああ、いやあの、すいません冗談です」
「ぐすぐす……本当か?」
「本当です。でもしたいという欲求は多分にあります!」
「する気だー! ふわーん!」
「いやあのだからしませんってば泣かないでごめんなさい!」
 コイツは子供じゃないと言い張るくせにすぐ泣くので、大変困る。
「うう……どっちなんだ? するのか? しないのか?」
「したいけど、すると捕まる&みことが泣くのでしません」
「み、みことは泣かないぞ! 泣いたことなんてないぞ!」
「今さっき泣いてましたが」
「お前の見間違いだ! まったく、これだから頭の悪い人種は困る」
「すごい無理を言いますね」
「う、うるさいっ! それより、いい加減みことを離せ! いつまで抱っこしてる!」
「ん、おお」
 そう言えば、ずっとみことを抱っこしたままだった。
「ほら、早く離せ。早くしろ」
「でも、この状態が幸せなので断ります!」
「何を断言しとるか! 離せと言っているのだーっ!」
 その後、やって来た先生に叱られたのでしぶしぶ解放した。でも、休み時間になったらまた捕獲した。
「だから、みことを抱っこするなーっ!」
 教室にみことの悲しげな叫びが響くのだった。

拍手[8回]

【ツインテールが大好きだとツンデレの前で言ってみた】

2010年10月25日
「知ってると思うけど、俺はツインテールが好きなんだ。やって」
「どうして貴様のような愚か者のためにみことがそんなことしなければならない? 冗談は顔だけにしろ」
 精一杯の勇気を持ってみことに髪型変更を願い出たら、酷いこと言われたので泣きそう。
「な、何も泣く奴があるか! みことは悪くない、悪くないぞ!」
「し、失敬な、大の大人がこんなことで泣くか! あと、大という文字が並んで気分がよくない」
「知らんッ! 話はそれで終わりか? ならみことはもう行くぞ」
「ああ、待って。ついでにパンツ見せて」
「死ね」
「嫌。もし自信のないパンツであっても俺は全く気にしない。だが、どうしても嫌なら、今日の放課後に一緒に下着買いに行きましょう。俺のお勧めはローレグ」
「本当に死ね……って、き、貴様、何をしてるっ!?」
「いや、気がつけばスカートの中に生息していただけで、決してわざとスカートに頭を突っ込んだのではないです」
「ひゃわわっ!? みっ、みことのお尻に顔を押し付けるな、ばかーっ!」
「ほふー。至福」
「ひゃわわわわっ!? あ、暖かい息を吐くな、ばかーっ!」
「もふもふまふまふ。しまぱん最高」
「揉むな噛むな説明するにゃーっ!」

 翌日。べこんぼこんにされ未だ痛む頭を押さえながら教室に入ると、視界に飛び込むツインテール。
「何ィッ!? これは俺の妄想能力が暴走し、とうとう現実にまでフィルターがかかったということか!? 願ってもない能力を手に入れた!」
「違うわ、阿呆っ! みことが実際にしただけだっ!」
「最初はそうかと思ったけど、その可能性は先に挙げた例より低いと思ったんだ」
「まったく……」
 憮然とした様子で、みことは腕を組んだ。その上で、ツインテールが風で軽くなびいている。
「いや、しかし……嬉しいなあ。よもやみことが本当にしてくれるとは」
「かっ、勘違いするなよ? みことが偶然そんな気分だっただけで、別に貴様の言うことを聞き入れたわけではないぞ?」
「理由はともかく、結果として俺が大喜びの髪型になったのでどうでもいいやうへへへへ」
「こ、こらっ! なでるなっ!」
「くんくんくん」
「みことの髪の匂いを嗅ぐなーっ!」
「はー……みことの髪はステーキよりいい匂いがするな」
「むぅ……なんだ、その微妙に嬉しいんだかなんだか分からない褒め言葉は」
「俺の語彙を最大限に駆使したが、あまりよい匂いを嗅ぐ機会に恵まれなかったのでKONOZAMAです。あ、でも昨日嗅いだみことのお尻と同じくらいよい香りですよ?」
「そっ、それは忘れろ、阿呆ッ!」
 頬をみゅーっと引っ張られた。みゅー。
「やー、それにしてもみことは普段も可愛いが、ツインテールにすると可愛さ5割増しだな」
「む……な、何を言ってる。みことは別に子供じゃないんだから可愛くなんてないぞ」
「はっはっは、何を言っているのか。この生き物は愉快だなあ。ふにー」
「み、みことのほっぺを押すな!」
「ふにふにふに」
「お、押すなと言ってるのにー! たまにはみことの話を聞け!」
「了解、ほっぺは押さない」
「きゅー! だ、だからって鼻をつまめとは言ってないー!」
「あー。もういいや、俺と結婚しろ」
「鼻つまみながらプロポーズなんて聞いたことないぞっ!?」
「だってこんな可愛い生き物相手に求愛しないとか嘘だろう!?」
「何ギレだっ!?」
 その時、チャイムが鳴って先生が教室に入ってきた。
「はーい、先生の授業ですよー。皆さん席に着いてくださいねー。別府くん、みことちゃんと遊んでないで座ってください」
「だって先生、みことの奴がプロポーズ受けてくれないんです!」
「学校でプロポーズ!? 最近の学生は進みすぎてて、先生理解不能ですっ!」
「なんでもいいからいい加減みことの鼻から手を離せ、ばかーっ!」
 主に俺だけが混乱していた。

拍手[7回]

【エリマキトカゲみことん】

2010年05月28日
 みことと賭けをし、見事勝利した。罰ゲームとしてキスを要求したが一蹴されたので、ちなみからせしめたエリマキトカゲの着ぐるみを着せた。
「く……このような格好をさせられるとは、屈辱だ……」
「うーん、微妙」
 着せてから気づいたけど、エリマキトカゲは可愛くない。特に、首のビラビラなんて何考えてんだ!
「貴様、このようなものを着せておいて微妙とは何事だ!」
「いや、可愛くないし」
「か、可愛くないのは……しかたなかろう、私が着ているのだから」
 なんて言って、みことは俯いてしまった。
「いや、みこと自身は死ぬほど可愛いよ。俺はエリマキトカゲの話をしてるだけで」
「か! かかか可愛いとは何事だ! ふざけるな!」
 俺の言葉に憤慨するみこと。顔が真っ赤なので怖くない。むしろ愛しい。
「ふざけた覚えはないが……まぁいいや。みこと、思いつく限りの可愛いポーズして」
「断る! そういうことは、ちなみにでもやってもらえばよかろう!」
「賭けに負けたのは誰だったかなぁ? ……それとも、みことさんともあろう方が、ルールを無視するのかなぁ?」
「……くっ、……わ、分かった。やればいいのであろう! やれば!」
 みことは、両手の人差し指を頬にあて、にっこり笑った。
「…………」
「…………」
「……あああああ~! 見るな見るな見るな! もうよい! 満足したであろう! 終わりだ終わり!」
 みことは真っ赤な顔で早口にまくし立てて、着ぐるみを脱ごうとした。
「あ~みこと可愛い可愛い可愛い!」
「うわ、抱きつくな! やめよ、頭をなでるな!」
「はっはっは、可愛いなぁ、みことは可愛いなぁ」
「そんなに可愛い可愛いと言うな! ……は、恥ずかしいではないか」
 いかん。そんな顔されたら、我慢が……いや、そうだ!
「追加! 罰ゲーム追加! 放課後デートしよう! 決定! な?」
「……ば、罰ゲームなら仕方ないな。分かった、いいだろう」
 不満そうに言いながらも、みことは口元が緩んでいることに気がついていなかった。

拍手[10回]

【ロングをツインテールにしてきたツンデレに異常反応するタカシ】

2010年05月25日
「……お、おはよう、別府」
「ん、おはよ。みこ……」
 みことの声に振り返ると、普段まっすぐに下ろしている黒髪が、今日はツインテールになっていた。
「…………」
「な、なんだ、その目は?」
「ッッッッッッきゃーーーーーーー! 可愛い可愛い超可愛い! 持って帰る!」
 有無を言わさずみことを抱きかかえ(お姫様抱っこ!)、家に帰ろうとしたら首を絞められた。
「な・に・を・す・る!」
「ぐぇぇ……」
 どうにかしてみことの魔の手から逃れ、改めて彼女を見る。ていうか視姦する。
「……な、なんだ! じろじろ見るな!」
「無理! 貴様、俺をツインテールフェチと知っての狼藉か!? 目の前に理想が存在してるのに手が出せないこの無念、貴様に分かるとでも!?」
「思い切り出していたであろうが!」
 言われてみれば、確かに連れ去ろうとした。何か考える前に本能が実行したんだろうね。
「まったく……相変わらず馬鹿だな、別府は」
「馬鹿とか言うな。失礼な」
 みことのツインテールの片割れを手に持ち、思い切り嗅ぐ。
「な、な……!?」
「スー……ああ、いい匂い。堪らんなぁ。ツインテール最高」
「貴様は一度死ね!」
 二階の窓から放り投げられた。我ながらよく死ななかったもんだ。

 その夜。みことは自室で自分の髪の手入れをしていた。
「まったく、タカシの奴はとんでもないな。……しかし、好きとは聞いていたが、これほど効果があるとは……」
 ブラシを置き、姿見で自分の髪を見る。艶やかな黒髪は、自分でも少し自信があった。
「……ふん。タカシの馬鹿をからかうには、この髪型もいいかもしれんな」
 自分自身に言い訳するように、みことは自分のツインテールを触った。
「明日もこの髪型だと、タカシはどんな顔するかな……?」
 タカシの驚く顔を想像し、みことは顔を綻ばせた。その表情は、普段の凛とした顔と違い、年相応の少女の顔だった。

拍手[7回]